LGに限らず有機ELテレビでは一定時間同じ画面を表示しているとパネル保護のためにASBL(Automatic Static Brightness Limiter)により徐々に輝度が低下する(暗くなる)が、有機ELテレビをモニターとして使用したい場合はこのASBLが非常に鬱陶しいため、LG C2 42インチを例に取って、別売りのサービスリモコンを使用してLG有機ELテレビのASBLをオフにする方法を紹介する。
ちなみにサービスリモコンを購入せずにASBLを無効にする方法は上級者向けとなるため、本記事の後半で解説している。
なお、管理人は自身のテレビで実際に本記事の方法を実行し、正しい手順を踏めば問題がないことを確認しているが、本記事の方法を実行すると保証が無効になる他、有機ELテレビに不可逆なダメージを与える可能性や手順を誤るとテレビが起動しなくなる可能性もあるため、あくまで自己責任で行なっていただきたい。
また、本記事の手順はWebOS 22/23搭載のLG C2/G2までのLG有機ELテレビを例にしており、C3/G3以降では無効の可能性があるため注意されたい。
ちなみに本記事の手順で無効化できるのはあくまでASBLであり、明度が高い場面で自動的にパネルが暗くなるABL(Automatic Brigtheness Limiter)は無効化できない。
LG有機ELテレビASBL無効化方法 (WebOS 22まで)
1. サービスリモコンを購入する
まずAmazonなどでMKJ39170828という型番のサービスリモコンを購入する。
Amazonでは複数のMKJ39170828リモコンが販売されているが「MKJ39170828」という型番ならばどれを選んでも構わない。
管理人はYosoo Health Gear製を購入した。
2. サービスリモコンで暗証番号を入力し、サービスモードにアクセスする
サービスリモコンを購入したらテレビが点いている状態でリモコンの「IN START」ボタンを押してサービスモードに入る。
なお、サービスモードに入るためには暗証番号(パスワード)が必要になるが、暗証番号は下記のいずれかが有効なようだ。
- 0413
- 0000
- 7777
- 8878
- 8741
- 8743
- 3195
管理人のモデルLG C2 42では暗証番号は0413であった。
3. TPCとGSRをOFFにする
暗証番号を入力してサービスモードに入ったら「OLED」という項目を選択し、OKボタンを押す。
OLEDの項目が開いたら「TPC Enable」を左右方向キーでオフにする。
続いて同じ画面内にある「GSR Enable」も同様にオフにする。
「TPC」は「Temporal Peak Luminance Control」、「GSR」は「Global Sticky Reduction」を意味し、両者をオフにすることでASBLが完全に無効化される。
TPCとGSRをオフにしたらサービスリモコンの「EXIT」ボタンを必ず押してからサービスモードを終了しよう。
なお、TPCとGSR以外の他の項目は絶対に弄らないようにしよう。
また、サービスリモコンの「IN STOP」ボタンは押すとテレビが工場出荷時の状態に戻ってしまうため、注意しよう。
4. テレビを再起動して完了
サービスモードを終了したら一度テレビの電源をオフにし、再度オンにして自動輝度低下が無効になったことを確認して完了だ。
WebOS 23以降及びサービスリモコンを使用しない方法(上級者向け)
WebOS 23以降ではサービスリモコンでサービスモードにアクセスできなくなったため、ここではサービスリモコンを使用せずにASBLをオフにする方法を紹介する。
なお、あらかじめ下記手順を実行する前にテレビをPC/Macと同じWi-Fiネットワークに接続し、テレビをつけた状態にしておこう。
まずGitHubの下記のライブラリ(bscpylgtv)をインストールする。
参考 GitHub – chros73/bscpylgtv: Library to control webOS based LG TV devicesGitHub
なお、上記ライブラリを使用するにあたってはPython 3.8以降がインストールされている必要がある。
例えばMacであるならHomebrewなどのパッケージマネージャをインストールし、Python 3.8以降をインストールしたのち、下記コマンドで前述のbscpylgtvをインストールする。
pip install bscpylgtv
bscpylgtvをインストールしたら下記のコマンドを実行してTPCとGSRをオフにする。
bscpylgtvcommand 192.168.11.1 enable_tpc_or_gsr tpc false
bscpylgtvcommand 192.168.11.1 enable_tpc_or_gsr gsr false
「192.168.11.1」の部分は自身のテレビのローカルIPアドレスで置き換える(ルーターの設定画面などからテレビのMACアドレスを参照するなどして調べる)。
なお、コマンド実行時に外部からアクセスされているとテレビに表示される場合があるが、無視して構わない。
コマンドを実行するとテレビを再起動せずともASBLが無効化され効果がすぐに現れるが、コマンド実行後は念の為テレビを再起動しよう。
ちなみにこの方法は管理人自身が実際にWebOS 23にアップデートしたLG C2で有効なことを確認している。
ただ、LG C3/G3で上記のライブラリが有効かは不明のため、LG C3/G3以降で上記ライブラリを実行するのはおすすめできない。
まとめ
本記事の方法は保証が無効になる、長期的にテレビにダメージを与える可能性があることからお勧めしづらいが、日常的にテレビをPCモニターとして利用していて、ASBLによる自動輝度低下に困っているなら試してみる価値はあるだろう。