三秋縋コミカライズ作品

ここのところ、以前紹介した小説家の三秋縋の作品ばかり読んでいる。

三秋縋は世間的に大人気というわけではないのだが、この人の小説は文章のテンポがよくて非常に読みやすいのだ。

もちろんストーリーやキャラクターも僕好みだ。

キャラクターはどれも主人公含めて個性豊かでキャラが立っており、ストーリーも完全なハッピーエンドでもなく、かといってバッドエンドでもない、なんとも言えない物語の結末を描く人だ。

ネタバレはしないが、このハッピーでもバッドでもない結末を描く、というのが三秋縋の最大の特徴と言っていいと思う。

そんな中、以前レビューした”恋する寄生虫”のコミカライズに続き、”あおぞらとくもりぞら””三日間の幸福(寿命を買い取ってもらった、一年につき、一万円で。)”のコミカライズを購入した。

セット買いloundraw (著, イラスト), 三秋 縋 (原著)

”あおぞらとくもりぞら”については、三秋縋原作ではあるものの、書籍化はされておらず、この作品についてだけは原作を知らないのだが、イラストレーターであるloundraw氏のコミカライズということもあって、絵は透き通るように綺麗で、絵を見ているだけでも惹き込まれる。

ストーリーも原作を読んではいないとはいえ、三秋縋らしい設定とストーリー、そしてキャラクターだと感じた。

(ジャンプコミックス) 田口 囁一 (著), 三秋 縋 (原著)

”三日間の幸福”のコミカライズでもある”寿命を買い取ってもらった、一年につき、一万円で。”も3巻に渡ってコミカライズされているため、原作の展開を極力端折らずに描いてくれたおかげで、原作を読んだ僕でも十分に楽しめるものとなっていた。

そもそも僕はあまり小説やゲームなどのコミカライズ作品を読むことはあまりないのだが、三秋縋のコミカライズについてはどのコミカライズも絵柄やストーリーの構成が原作と非常に相性が良く、コミカライズというよりは一つのマンガ作品としても成り立っているくらい上手い融合が成されていると思う。

正直に言うと僕は”コミカライズ”というものに対して忌避感というか、原作の人気に乗っかってマンガ化しただけじゃないか、という見方を持っていたのだが、三秋縋作品のコミカライズをこうして読んでみて、コミカライズも案外悪くないなと考えを改めた。

結局のところ、コミカライズに限らず何かの原作を別の何かのジャンルに昇華させる時、必要なのは表現力と構成力なのだな、と感じた。