Call of Duty:Modern Warfareキャンペーンレビュー

10月25日に発売されたFPSゲームであるCall of Duty(CoD)シリーズ最新作「Call of Duty:Modern Warfare」のキャンペーン(シングルプレイ)をクリアしたのでレビュー。

プレイしたのはPS4版。PS4 Pro+4K HDRモニターの環境でHDRを有効にした上でプレイした。

なお管理人はCoDシリーズは初代からプレイしており、CoD3以外、最新作である本作まで全てのキャンペーンをクリアしている(内Black Ops 3まではPC版)。

Call of Duty:Modern Warfareの概要

Call of Duty:Modern Warfare(以下CoD:MW)は2003年から続くCall of Dutyシリーズの最新作であり、なおかつ2007年に発売されて爆発的なヒット作となった「Call of Duty 4:Modern Warfare」のリブート的作品となる。

名称が似ているのでややこしいが2007年の作品は「4」が付くのに対して本作はナンバリングはされていない。

ここ数年のCoDシリーズはいわゆる2020〜2100年など近未来を舞台にしたSF的な作品が多かったが、本作CoD:MWでは舞台は2019年で時間軸としては我々の現実の2019年と同じであり、SF的なガジェットや兵器も登場しない。

ジャンルはFPS(一人称視点シューター)でこれまでのCoDシリーズの映画的演出で戦場とストーリーを体験するというコンセプトはそのまま受け継いでいる。

開発は複数のスタジオが共同で行なっており、これまでCoDシリーズを手掛けてきたInfinity Wardが主導している。

プラットフォームはPS4/Xbox One/PC。

マルチプレイヤーでは3つのプラットフォーム全てでクロスプレイが可能。

なお前作と言えるCoD4:MWはプレイしていなくても問題はないが、CoD4:MWをプレイした人向けのファンサービスがあるので出来ればそちらをクリアした上で遊んでほしい。

ちなみにCoDシリーズは日本では従来からCERO Z(18歳未満購入禁止)であるが、本作は従来のCoDと比べても残虐なシーンが多いと感じた。

拷問とまでは行かないが残酷な方法で尋問したり、子供が目の前で次々に銃殺されるシーンもある。

Call of Duty:Modern Warfareのストーリー

Callof Duty Modern Warfareのストーリーとしてはリブート元となった2007年発売のCoD4:MWと違って主にイギリスと中東の架空の国「ウルジクスタン」を舞台にしている。

何らかのテロリスト勢力に化学兵器(いわゆる毒ガス)が渡ってしまい、背後にロシアが絡んでいるために情勢によっては第三次世界大戦が勃発しかねないという状況に陥いる中、テロリスト勢力の殲滅と化学兵器の確保に向けてSAS(イギリスの特殊部隊)とアメリカ軍及びCIAが動き出すというストーリーだ。

なお、本作は「CoD4:MWの前日譚なのでは?」という感想もあったがCoD4:MWの舞台は2011年、本作は前述のように2019年であり、後述する登場人物たちとの辻褄も合わないので「リブート」あるいは「パラレル」的作品という認識が正しいだろう。

登場人物

MWシリーズ伝統のプライス大尉

CoD1・2、そしてMWシリーズの伝統として当然本作にもプライス大尉が登場するが、英語版・日本語版共に従来のMWシリーズから声優は変わっている。

ロンドン市警テロ対策チーム配置のSAS隊員カイル
CIAのアレックス

プレイヤーが操作するキャラクターはSASの隊員でありロンドン市警テロ対策チームで活動していたカイル、CIAの諜報員のアレックスの2名を中心としておりプライス大尉を操作するミッションはない。

また、プライス大尉の新しい設定として「中東にアラブ人の伝手がいる」といった変更もある。

ウルジクスタン反乱勢力の司令官ファルと兄のハディル。
プライス大尉と親しい

特に中東のウルジクスタンのミッションではファルハディルといった人物を中心にストーリーが展開していくため、これまでのCoDシリーズとは趣が異なる印象がある。

CoD:MWシリーズの常連であるゴーストやソープといった人物は登場しないがグリッグス、ニコライ、カマロフ(マカロフではない)といったCoD4:MWをプレイしたプレイヤーなら馴染み深いキャラクターは登場する。

ネタバレになるので詳しくは触れないがラストでは「そういうことなのか」と軽めのどんでん返しとしてCoD4を彷彿とさせる複数のCoD4登場人物の名前が挙がる。

いずれにしろ基本的にはプライス大尉を中心人物、操作キャラクターはカイル・アレックスを主軸にストーリーが進んでいく。

ゲームプレイ

ゲームプレイは良くも悪くもいつものCoDであり、映画的演出を楽しみながら敵を倒し、目標を達成したらムービーを挟んで次のミッションという形だ。

体力は自動回復であり、CoDシリーズでも一部の作品で採用されていたメディキット(体力回復アイテム)などは今作では登場しない。

ストーリーも一本道でありエンディングは一つのみ(プレイ中に選択肢が出る場合があるがエンディングには関係ない)。

またCoD恒例の「ドアを開けて突入した瞬間スローモーションになる」という演出は本作では一つもない。

グラフィックはPS4などのコンソールとしては文句なく綺麗であり、PC版ならより一層、美麗・高解像度のグラフィックで楽しめるだろう。

海外ではCoDシリーズに対する長年の批判として「グラフィックの質が低い」というのがあるのだが本作は恐らくCoD史上最高のグラフィックであると思う。

それでいてキャンペーンもマルチプレイもフレームレートの落ち込み(処理落ち)などもほとんどなく、60fpsを保っているので感心した。

感想:本作の良かったところ

グラフィックが綺麗

前述した通りコンソール(ゲーム機)で60fpsを保っていながらグラフィックは非常に綺麗でグラフィックに対する不満はほぼない。

4K+HDR環境だと画面も精細で、HDRの効果も相まって燃え盛る炎などの表現もとても美しかった。

夜間ミッションが面白い

本作の舞台は主にイギリスと中東であるがイギリスミッションなどでSAS隊員となってテロリストの確保や情報を手にするためにナイトビジョン(暗視ゴーグル)を装着してアジトなどを急襲するミッションがある。

このミッションが非常にストイックな描写がされていて、銃を持っていれば女性であっても撃たなければならないし、逆に待ち伏せされて仲間の隊員が倒れる様子など映画顔負けの演出が非常にカッコよかった。

特殊部隊というプロフェッショナルが行う任務を映画的演出で追体験するという意味では本作の夜間ミッションはかなりの高水準であると思う。

欲を言えばもう少し夜間ミッションのボリュームを増やしてほしかった。

現代戦はやっぱり楽しい

これまでの多くのCoD作品と違って本作は近未来でもなければ第二次世界大戦の時代でもなく、我々が暮らす現代が舞台だ。

ここ数年のCoDのようなSF的なガジェットなどは一切登場せず、FPSゲーマーに馴染み深い実在の銃器が多数登場するため現代戦のゲームに飢えていた人にとっては魅力的だろう。

ストーリー自体もテロリストが化学兵器を手にするというのは映画や他社のゲームでもよくある設定ではあるが、現実的に起こりうることなのでリアリティがある。

感想:本作のイマイチなところ

没入感の低さ

キャンペーンをクリアしての感想として「没入感が低い」というのが真っ先に挙げられる。

前述したようにプレイヤーキャラは喋るし、ムービーではバッチリ顔も出る。

そのため「一兵士にすぎない人間を通して体験する戦場」というCoD特有の没入感がなくなっているような印象があるのだ。

もちろん今作までにも喋るプレイヤーキャラはいたし、ムービーで顔が出ていた人物もいるが、今作ではミッションが始まるとまず三人称視点でプレイヤーキャラの顔が出て視点が徐々にプレイヤーキャラに重なり最終的に操作可能となる演出がされている。

この演出とムービーのせいでどうにも「作品の世界に入っている」という感覚がなく「海外ドラマや映画を見ている」という印象が強くなってしまっている。

完全に没入感がないわけではなく前述の夜間ミッションのような「戦場・戦争・特殊部隊の擬似体験」といった要素もあるにはあるが、全体的に見ると従来のシリーズよりは没入感はあまりないと言わざるを得ない。

目標(プレイヤーが次に向かうべき場所)のわかりにくさ

今作には一応プレイヤーが目指す目標がPS4であればタッチパッドボタンを押すことによって確認可能なのだが、タッチパッドボタンを押さない限り目標は通常は見えず、マップの構造も相まって次にどこへ向かえばいいのかわかりにくい、というのも気になった。

これまでのCoDでは視界にマーカーが控えめに表示されていたり、マップの構造がよく考えられていてプレイヤーは特に意識することなく目標に向かうことができた。

しかし本作ではどこへ進めばいいのかわからず、最終的にウロウロして敵に殺されるということが少なくなくイライラしたのが正直なところ。

スケールの小ささ

主な舞台となる架空の中東の国「ウルジクスタン」

本作の舞台はたまにロシアやジョージアなどの国でのミッションはあるものの主にイギリスか中東のウルジクスタンという国であり、設定上は第三次世界大戦にもなりかねないという逼迫している状況なのだが実際のストーリーよりもかなりスケールが小さいように感じる。

アメリカ軍ミッションもあるにはあるのだが9割方のミッションは戦争というよりは内乱や反乱、重要人物などの確保を描いているに過ぎない。

本作のラストもCoD:MW2のように国と国同士の戦争が佳境に差し掛かるというわけでもなく、かといってカタルシスを感じる演出があるわけでもない。

ネタバレになるので詳しくは書かないが中東及びその周辺諸国の一地域内でストーリーが終わってしまうのはどうかと思う。

また、ある人物の最期もあっさりとしすぎていて感情移入も全くできなかった。

まとめ

本作のキャンペーンは初めてCoDをプレイ、あるいは初めてMWシリーズをプレイスする人なら現代戦を美麗なグラフィックと映画的演出で描いたシューターとして文句なく楽しめるレベルであると思う。

ただ、従来のCoDシリーズのプレイヤーからすると没入感の低さやスケールの小ささに多少の違和感を抱くかもしれない。

僕個人の感想としては正直従来のMW1・2・3にはグラフィック以外は到底及ばないと感じた。

とはいえボリュームも豊富(難易度レギュラーで6〜7時間ほど)だし、長年CoDをプレイしてきた上で飽きずに遊べたので全体としては高水準のゲームとしてまとまっている。

キャンペーン目的で本ゲームを買うなら新規のプレイヤーなら満足できるレベルだろうし、従来のプレイヤーであっても前述した違和感に目をつぶれば少なくともマルチプレイヤーと併せて価格分は楽しめるのではないだろうか。