
1週間ほど前に購入したゲーム”隻狼”をクリア及びトロフィーコンプリート(全実績解除)した。
隻狼はフロムソフトウェアのゲームでも、これまでのファンが「今までで一番難しい」と口を揃えて言う超高難易度のゲームだ。
難しいとはかねがね噂に聞いていたものの、Dark SoulsやBloodborneをクリア&トロコンした僕ならまあ簡単だろう、という舐めた態度でプレイしたところ、通算で500回くらい死んだように思う。
一人のボスに30〜50回死ぬのは当たり前であり、プレイ中はもはやイライラを通り越して死んだ魚のような目でプレイしていたが、何度もトライアンドエラーを繰り返す内に確かに自分の腕の上達を感じ、それに伴って今までの苦労が報われるようにボスを倒せた時は何か大きなことを成し遂げたような爽快感を味わえた。
何度も死んでは挑んでを繰り返したボスを倒せた時は、冗談抜きで”自分は夢を見ているんじゃないだろうか”と思ったほどだ。
これまでのDark SoulsやBloodborneも難易度が高いゲームだったが、隻狼はその比ではなく、それに伴ってボスを突破出来た時のカタルシスも凄い。
それまでイライラやストレスを感じていたのが、ボスを倒した瞬間にそうしたフラストレーションはどこかに吹っ飛んでしまうのだ。
こういった経験は恐らくフロムソフトウェアのゲームでなければ味わえない上質なものであると思う。
一方で”果たしてこんな難易度で気軽に購入した人がクリアできるのか?”という疑問も生まれる。
何回、何十回、何百回死んでも投げ出さずに粘れる人ならクリア出来る難易度調整がされていると思うが、それでも多くの人は途中で投げ出してしまうだろう。
僕が投げ出さなかったのは単に僕が暇であり時間があったというのが大きい。
”話題になってるし、さくっと気軽に戦国時代の侍チャンバラがしたい”と軽い気持ちでプレイすると痛い目を見るゲームだと思う。
Amazonなどのレビューサイトでも評価は賛否両論であり「難しすぎるからイージーモードを付けるべきだ」という意見や「イージーモードはいらない。この難易度だから上質なゲーム体験ができる」という意見まで様々だ。
個人的にはこういった超高難易度の骨太なゲームを今の時代に出してくれたことは嬉しく思う。
ただ、一方で”難しすぎる”という批判もわかる。
難易度が高いからこそ得られるカタルシスも大きいのだが、いかんせんそのカタルシスに至るまでは非常にきつい。
実際のところ僕も途中で投げ出そうと何度思ったことか。
難易度が高いからこその上質な体験は確かにあるが、ボスを倒せない人や途中で詰んでしまった人への救済措置が一切ないのだ。
Dark SoulsやBloodborneならオンラインモードであれば協力プレイでボスを一緒に倒したり、とにかくレベルを上げてステータスをアップさせるという救済措置があったが、隻狼はレベルの概念はなく、キャラクターを強化するにはまずボスを倒さなくてはならないし、当然オンラインモードもない。
これでは途中で怒って投げ出して難しすぎるという批判をしてしまうのも無理はないと思う。
先に進むにはとにかくトライアンドエラーを繰り返して自分の腕を上げるしかないのだ。
まるで開発者が「上達できないならやめろ」と言っているようでもある。
”粘れない人や下手な人は切り捨てる”というスタンスもわかるのだが、この時代にそういったプレイヤーへの救済措置が一切ないのはどうなのだろう。
とにもかくにも、隻狼は僕が今までプレイした中で一番難しいゲームであった。
もし「話題になっているから」「ちょっと興味があるから」という軽い気持ちで隻狼の購入を考えているなら、”救済措置は一切ない、同じボスで100回死ぬこともありえる、自分の腕が全て”という点に留意して欲しいと思う。