ジョナサン・アイブApple退社について思うこと

27年間に渡ってAppleに在籍していたApple最高デザイン責任者である”ジョナサン・アイブ(ジョニー・アイブ)”Appleを退社するとの発表があった。

退社といってもアイブ氏は自身のデザイン会社を立ち上げて独立するということであって、その会社の最初のクライアントはApple社自身であるためアイブ氏がAppleとの関係を断ち切るというわけではない。

色々とネットでは話題になっているが、僕が初めてApple製品を本格的に使ったのがAndroidからiPhoneに乗り換えた2015年、Macを使い出したのは2016年からであるため、アイブ氏について特別深い感情は持っていない。

初代iPhoneでの基調講演でジョブズが嬉しそうにアイブ氏と世界初のiPhone通話をしていたのをYouTubeで見て印象に残っているくらいだ。

一般の人にとってはApple公式ページで、白背景でアイブ氏が独特のブリティッシュアクセントでiPhoneのデザインや機能の紹介をしているiPhone紹介動画の方が有名だろう。

アイブ氏がデザイナーとしてApple社に多大な貢献をしたのは知っているし、僕自身もApple製品を使うようになってからAppleの過去の基調講演動画を見たり、Apple社の歴史やジョブズとアイブ氏との関係についても出来る限りの情報を集めたので、アイブ氏がApple社にとって大きな存在だったというのも理解している。

ただ、先日の記事でも触れた通り、ジョブズ死後のApple製品のデザインは著しく後退し、iPhone 6の飛び出たカメラやiPhone Xのノッチ、そしてPro Display XDRの背面の奇妙な穴開きデザインなどで、僕個人としてはアイブ氏に対して少し懐疑的な見方を持ってしまっている。

もちろんそれらの全てのデザインをアイブ氏が手がけたわけではないだろうが、最高デザイン責任者として、それらの”Appleらしくないデザイン””待った”をかけるのは可能だったはずなのに、それをしなかったというのはどうもアイブ氏の姿勢に疑問を感じてしまうのだ。

GIZMODOのジョナサン・アイブ退社の記事を読んでみても「直近でIve氏が、なにか革新的なデザインを披露したというニュースは、しばらく耳にしていません」などと、否定的に書かれてしまっている。

2014年にカメラ部分が飛び出たiPhone 6が発表された時、一部のメディアが「飛び出たカメラのデザインは美しくないのではないか?」とアイブ氏に質問を投げかけたところ、アイブ氏は「確かにそれは改善すべき部分だ」と答えたという記事があったが(その記事を見てから5年が経っているためソースの記事がなく、参考程度に受け取ってほしい)、現在に至るまでiPhoneの飛び出たカメラデザインは健在だ。

デザイナーでもない僕みたいなぺーぺーのApple製品使用者がこんなことを偉そうに言うと、長年Apple製品を利用していた人から怒られてしまうかもしれないが、アイブ氏はジョブズあってこそのアイブ氏だったのではないか?という気がしている。

それくらいジョブズ亡き後のApple製品のデザインは個人的に”美しくない”と感じてしまう。

これは僕個人の勝手な推論だが、アイブ氏がAppleを退社しても、将来完全にAppleと関わらなくなったとしても、Apple製品のデザインには恐らくほぼ変化はないだろう。

それくらい現在のApple製品のデザインはジョブズ時代のデザインと乖離してしまっている。

アイブ氏がAppleを退社するというのはたとえAppleと縁を切るわけではないとわかっていてもAppleファンは残念に思うだろうが、Appleの製品デザインにおいて大きな影響を与えるとは思えない。

現在のAppleは機能美やハードウェアのデザインで勝負することはやめており、だからこそApple TV+やApple Arcadeなどの”サービス”を前面に押し出すアピールをしているのだろう。

現在のAppleのスタンスにおいて機能美やデザインはそれほど重要視されなくなったため、アイブ氏退社というのも”さもありなん”という印象を僕は持っている。

ただ、もしAppleが推進するサービス事業がこけた場合、Appleにはもはや他社と競争出来るような材料がなくなってしまうというのは心配なところだ。

デザイナーでもなく長年Apple製品を利用してきたわけでもない一介のApple製品愛用者に過ぎないのに色々と偉そうに書いてしまったが、いずれにせよこれからのAppleがどのように進化、あるいは盛り返すのか一人のApple製品愛用者として注意深く見守っていきたい。