GAFAMのそれぞれのプライバシーへの姿勢

GAFA、あるいはGAFAMという言葉がある。

4大、あるいは5大テック企業の頭文字を取ったもので、それぞれGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftを表すものだ。

読みはガーファ、あるいはガファム。

これら巨大テック企業が現在の世の中を支配しているという論調も少なくないほど、社会・経済・文化への影響力が強いとされる。

近年、テック業界では”プライバシー”というものが重要視されるようになり、消費者のプライバシーに対する意識も向上してきている。

今まではプライバシーに無関心だった消費者もテック業界の急成長や、ビッグデータの取り扱い、アメリカ大統領選挙への不正介入疑惑などで、”個人のデータがどのように企業に取り扱われているのか?”という疑問が湧いてきたのだろう。

では、GAFAMに代表される巨大テック業界のそれぞれのプライバシーへの姿勢はどうなっているのか?

考察してみよう。

Google

GoogleはGAFAMの5大テック企業の中でも最も巨大な企業であり、もっとも個人の生活に浸透している企業と言っても差し支えない。

Googleが開発を主導するAndroidのシェアはiPhoneを軽く凌駕し、検索エンジンやChromeブラウザのシェアもNO1であり、テック企業の中でも王者だ。

検索エンジン以外にもマップやメールなど、個人の生活に深く関わるサービスも取り扱っている。

そんなGoogleであるが、個人の生活の根幹に関わるサービスを扱っているだけあって、プライバシーへの問題が取り沙汰されることは多い。

Googleは自社のサービスでプライバシー設定を個人が自由に変えられるようにしているし、Google自身もプライバシーは重要だと訴えている。

ただ、Googleの収入の柱は”広告収入”であり、追跡型広告や検索結果の順位をパーソナイラズするなど、プライバシーに対する批判はかなり多い。

日々我々が利用するGoogleサーチも、個人やデバイスによっては検索順位も表示される広告の種類も変わるのだ。

テック企業の中では最も規模が大きいだけあって、プライバシーに与える影響も計り知れないものとなっている。

総評としてはGoogleは広告収入がビジネスの柱であるという立場上、プライバシーについて真摯に取り組んでいるとは言えないだろう。

Apple

Appleは5大テック企業の中では最もプライバシーを重視する企業であり、公式サイトでも基調講演でもユーザーのプライバシー保護を頻繁に謳う。

テック企業としてはこれほどプライバシー保護を謳うのは珍しいが、それはAppleのビジネルモデルがハードウェアの売り上げとサービス(Apple MusicやiTunes)の課金収入が柱であり、広告と一切関わりがないというのが大きい。

広告に依存しないビジネスモデルであるため、ユーザーのデータを収集する必要もなく、結果的にプライバシー重視という姿勢を打ち出せるのだ。

とはいえ、Appleは近年自社の売り上げの大半を占めるiPhoneのシェアが急速に低下しており、Apple自身も危機感を持ったのかApple tv+など新規動画配信サービスを開始するなど、立て直しにやっきになっている。

プライバシー重視という姿勢は素晴らしいが、それだけでは消費者に自社製品やサービスの魅力はアピールできないだろう。

総評するとAppleはプライバシー保護を最重要視する姿勢ではあるが、企業としては苦境に立たされていると言ってよいと思う。

Facebook

続いては世界NO1のシェアを誇るSNSサービスを運営しているFacebookだ。

5大テック企業の中では最もスキャンダルが多い企業であり、アメリカ大統領選への不正介入疑惑、個人情報流出などプライバシーに多大な影響を与える問題ばかり起こしている印象だ。

つい先日も”Facebookは数年に渡りユーザーのパスワードデータを平文で保存していた”という問題が取り沙汰された。

ユーザーのパスワードを暗号化も何もせずに単純なテキストデータで保存していたという、テック企業では有り得ないお粗末な対応を取っていたのだ。

FacebookはGoogleと同じく広告収入がビジネスの柱であるが、Googleがプライバシーに関する大きな問題をあまり起こさないのと対照的に実にクリティカルなスキャンダルばかり起こしている。

個人的な持論であるがFacebookは2019年現在5大テック企業の中では最も危険な立場に立たされており、Facebookという存在すら危機的状況にあると感じている。

総評するとユーザーのプライバシー保護に真摯に向き合っているとはとても言えず、プライバシーという観点でも企業の価値という観点でも、非常に危うい状態にあると思う。

Amazon

Amazonの主要なサービスはPrime VideoやPrime Muicに代表される配信サービスと通信販売サービスの二つに分けられる。

近年ではAmazon EchoやKindleなどのハードウェアにも注力しており、ユーザーからの評価も高い。

反面、Amazon自身がプライバシー保護に言及することはあまりなく、ユーザー自身も大半はAmazonのプライバシー保護に対して関心をあまり持っていないように思う。

Appleと同じく広告収入とはほぼ無縁な立場であるので、プライバシーに関わる大きな問題や批判も起きてはいない。

近年のテック業界のニュースを見ても、Amazonがプライバシー保護に関することで問題を起こしたというのは少なくとも僕の記憶にはない。

もちろんAmazon Echoに代表されるスマートスピーカーでのユーザーデータの取り扱いに疑問を呈する論調はあるが、大きな問題とはなっていない。

Amazonは5大テック企業の中では最もスキャンダルや批判が少なく、安定したビジネスを構築していると言えるかもしれない。

Microsoft

Microsoftはこれまでプライバシーに関する大きな問題は起こしていなかったが、Windows 10がユーザーの情報を許可なく収集していると一時期取り沙汰された。

Windows 10の半強制的なアップデートに対して批判が巻き起こったのも記憶に新しい。

とは言え、Microsoftはその豊富なソフトウェア資産により安定したビジネスを構築しており、プライバシー保護という観点では疑問が残るものの大きなスキャンダルは起こしておらず、Windows 10も改良を重ねてプライバシー設定が充実してきているので最近は槍玉に挙げられることは少ない。

5大テック企業の中ではMicrosoftは”堅実”という言葉がしっくりくるほど安定した成長を続けており、変化やスキャンダルが激しいテック業界の中でもMicrosoftの安定した立ち位置はこれからも変わらないと感じている。

プライバシー保護という観点では完璧ではないかもしれないが、Facebookのようにユーザーにとって致命的な問題は起こしていない安定した企業と言えると思う。

まとめ

GAFAMに関する個人的な印象を纏めてみると以上のようになる。

僕はプライバシーはもちろん重要視しているが、現代の情報化社会で生きる上である程度の個人情報は企業に渡っても仕方ないと考えている。

もちろんFacebookのようにユーザーの生活や政治にまで影響を与えるような問題を起こすのは論外であるが、Appleのような厳格なプライバシー保護が必要かと問われると疑問を感じてしまう。

現代社会ではプライバシーはある程度企業に明け渡さなければ、それらの恩恵を享受することは難しい。

本当に自分の情報を一切テック企業に渡したくないのであれば、山に篭ってコンピュータやスマートデバイスと無縁な生活を送らなければならない。

大切なのは”明け渡す自身のプライバシーとどうやって折り合いをつけるか”ということではないだろうか。

コンピュータの使用状況が企業やアプリデベロッパーに対して有用であると思えば協力してもいいし、自身のデバイスの位置情報が知られるのが嫌ならば位置情報共有機能をオフにする、と言ったように明け渡すプライバシーの取捨選択が重要ではないかと思う。