
2018年以降のiMacなどを除くMacには「T2 Security Chip(T2チップ)」が搭載されているが、T2チップにはHEVC(H265)エンコーダーが内蔵されており、Appleによれば従来と比べてHEVCエンコードは最大30倍速くなったとのことだ。
今回は共にT2チップを搭載するMacBook Pro 13 Mid 2019、及びMac mini 2018で4K@60fpsの動画をHEVCで書き出し、その書き出し時間をチェックしてみた。
なお、僕は動画は畑違いであり、今回テストしたのはあくまでQuickTimeでの書き出しのみであるため、プロ向け・高機能な動画編集ソフトウェアではまた違う結果になる可能性があるのであくまで参考程度に受け取ってほしい。
INDEX
テスト環境
今回テストしたMacは以下のようになる。
MacBook Pro 13インチ
MacBook Pro 13 Mid 2019
macOS
Catalina 10.15.2
CPU
Core i5 8257U 1.4Ghz(4コア8スレッド)
GPU
Intel Iris Plus Graphics 645 eDRAM 128MB
メモリ
8GB LPDDR3
SSD
256GB
Mac mini 2018
Mac mini 2018
macOS
Catalina 10.15.2
CPU
Core i7 8700B(6コア12スレッド)
GPU
Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580)
メモリ
32GB DDR4
SSD
512GB
4K@60fps書き出し時間

iPhoneで撮影した4K@60fpsの5分の動画を1分30秒にトリミングし、最低限の編集をしてHEVCを有効・無効両方をテストして書き出しにかかった時間は以下の通り。
ちなみに使用した動画はMacBook Pro 13 Mid 2019、Mac mini 2018共に全く同じ動画である。
HEVC有効 MacBook Pro 13 Mid 2019

書き出し中のCPU使用率


HEVC無効 MacBook Pro 13 Mid 2019

書き出し中のCPU使用率


HEVC有効 Mac mini 2018

書き出し中のCPU使用率


HEVC無効 Mac mini 2018

書き出し中のCPU使用率


所感
正直に言うとよくわからない結果になった。
HEVC有効時でMacBook Pro 13 Mid 2019・Mac mini 2018共にCPU使用率・書き出し時間にほぼ変化はないが、Mac mini 2018ではHEVCを無効にすると明らかに書き出し時間が遅くなる。
しかしMacBook Pro 13 Mid 2019に限ってはHEVCを無効にした方がなぜか書き出し時間が早くなっている。
両者ともT2チップを搭載している点は変わらないのにこの差は何なのだろうか。
個人的にはmacOS Catalinaの最適化不足によりHEVCエンコーダーの性能が十分に発揮されておらず、更にMac mini 2018の場合はHEVC無効時にCPUを上手く扱えていないのではないかと思うが、推測の域は出ない。
今回のテストはあくまでQuickTimeを使用した場合であるが、なかなか興味深い結果が得られた。