Spotlight代替アプリ「Raycast」がとっても使える話

macOS Big SurになってSpotlightはTABキー、もしくはいちいちエンターキーを押さないとプレビューが表示できなくなり、更にSafariの検索がオフにできない、項目の順番が変えられないなど不満が溜まってきたので代替アプリとして現在ベータ版が提供されている「Raycast」に乗り換えてみた。

Raycastの概要

Raycastは現在ベータ1.60まで提供されているSpotlightの代替アプリであり、元FacebookエンジニアのPetr Nikolaev氏とThomas Paul Mann氏により開発されている。

価格は現時点ではベータのため無料。

動作環境はmacOS 10.14 Mojave以降。

非常に高機能のため正式版がリリースされた際は有料になるのではないかと思うが、いずれにしろ現時点ではメールアドレスさえ入力すれば誰でも無料でダウンロード・利用できる。

Spotlight代替アプリとしては「Alfred」が特に有名ではあるが、Alfredは高機能すぎて僕の用途では持て余したため利用しなくなった経緯がある。

Raycastで出来ること

定義(Definition - 辞書)機能はもちろん備える他、その結果に対してアクション機能でクリップボードにコピーするなどアクションを起こすことが可能
Spotlightと同様に換算機能なども完備

Raycastはアプリの起動、定義(辞書)、ファイル検索、電卓機能はもちろん備えており、更には拡張機能により自分に必要な機能を簡単に追加・削除できる。

拡張機能の中には「スクリプトを実行する」、「Google Driveのファイルを検索する」、といった比較的高度な機能も含まれる。

Raycastで可能なことは主に下記の通り。

  • アプリやシステム環境設定項目の起動
  • 定義(辞書)
  • 連絡先検索
  • ファイル検索
  • ブラウザのブックマーク検索(Chrome、Brave、Safari)
  • 電卓
  • 為替などの換算
  • クリップボードの履歴検索
  • スクリプトの実行
  • G SuiteのGoole Drive上のファイルを検索
  • システムコマンド(ボリュームや輝度の変更など)の実行
  • カラーピッカー
  • フローティングメモ
  • ウィンドウ制御(センタリングやスナップなど)
  • Zoomミーティングへの参加(別途Zoomが必要)
  • GitHubへのIssuesやPull requestの作成

また上記の他にもショートカット、コマンドごとに用意されたアクションなど本記事ではカバーしきれない多数の機能を備えている。

Raycastの使い方

それでは早速Raycastをダウンロードして使用してみよう。

1. ダウンロード

公式サイトに飛んだらボックスにメールアドレスを入力した後「Download」ボタンをクリックしてダウンロードしよう。

なお、前述の通りRaycastはmacOS 10.14(Mojave)以降が必要なので注意。

2. 起動からセットアップまで

起動すると「Welcome to Raycast」と表示されセットアップが始まるので「Cool, let's go!」をクリック。

セットアップが面倒なら「Skip setup」をクリックしてもOK。

Raycastのセットアップ・使用中は上記のような警告が頻繁に表示されるので警告が出たらシステム環境設定を開こう。

「セキュリティとプライバシー」のプライバシーの項目で「アクセシビリティ(またはフルディスクアクセス)」などにRaycastを追加してチェックを付けてRaycastにアクセス許可を与えよう。

Raycastのセットアップ画面を進めると拡張機能のチェック画面が出るので自分が必要な機能にチェックをして「Next」をクリック。

Raycastを起動するショートカットの入力画面が出たら希望のショートカットを設定して「Next」をクリック。

デフォルトではRaycastへのショートカットはOption+スペースに割り当てられているが、macOSのSpotlightを使用しないのであればシステム環境設定でSpotlightのショートカットを無効にしてRaycastをSpotlight代わりに設定してもいい。

上記画面が出たら「Next」をクリック。

「All systems ready」と表示されたら「Launch Raycast」をクリックしてRaycastを起動しよう。

3. 設定

Raycastを起動すると上記画像のようなSpotlight風のウィンドウが開く。

このまま使い始めてもいいが、一応Raycastの設定を開いて自分に合わせて設定を変更しておこう。

まずメニューバーのRaycastのアイコンをクリックして「Preferences」をクリック。

上記のような設定画面が開くので各項目で自分に合わせて設定を変更しよう。

「General」では自動起動やRaycastを起動するショートカットの設定。

「Appearance」ではライト・ダークモードの設定。

「Extensions」で拡張機能の設定。

「Shortcuts」でショートカットの設定。

「Preview」は実験的な機能(Spotlightのインデックス機能を置き換える、入力ソースを切り替える)などが搭載されているが、試した限りまだ安定していないので弄らなくてOK。

なお、G SuiteやZoomへのアクセス・起動を行う場合は「Extensions」の項目で予めG SuiteやZoomの拡張機能を有効にした上で「Log In」をクリックしてアカウントとRaycastとの連携を行っておこう(設定画面で行わなくても後からRaycastの検索ボックス上でも可能)。

4. 使い方

一通り設定が終わったら早速Raycastを使ってみよう。

アクションボタン

まず始めにRaycastには独自機能として「アクションボタン」が右下に用意されており、各機能を選択して右下のアクションボタンを押せば(もしくはショートカットを実行すれば)その機能を「Add to Favorites」で「Favorite(お気に入り)」に追加することなどが可能だ。

お気に入りに追加した機能は優先して表示されるようになる。

このアクションボタンは機能によっては項目をクリップボードにコピーしたり、リンクをコピーしたり、ブラウザを起動するといったように多彩なアクションも実行できるので一通りの機能でアクションボタンをチェックしてみるのもいいと思う。

アクセス許可ダイアログが出た場合

また、RaycastはmacOSの様々な機能にアクセスするため上記のような警告が出ることがあるが、その場合は「OK」をクリックしてアクセスを許可しよう。

Appランチャー

Appランチャーは拡張機能ではなくデフォルトの機能として予め用意されており、Raycastの画面を下にスクロールしていくと現在macOSにインストールされているアプリがアルファベット順でソートされている。

もちろん特定の単語を入力してアプリを起動してもいいし、前述したアクションボタンで必要なアプリをお気に入りに追加して優先表示させることもできる。

定義(辞書)

「定義(辞書)」についてもエンターキーを押していくだけで辞書アプリを起動せずとも詳細な項目を表示することが可能であり、SpotlightのようにTABキーを押したりする必要もなく、スクロールも矢印キーで可能なのでほぼキーボードだけで完結する。

ブックマーク検索

また、他にも拡張機能を有効にしている場合は当該拡張機能(上記画像ではブラウザのブックマーク検索)を選択してエンターキーを押すことで実行できる。

なお、ブックマーク検索に含めるブラウザはRaycastの設定の「Extensions」>「Browser Bookmarks」の項目で選択可能だ。

また、ブックマーク検索に対応するブラウザは現時点ではChrome、Brave、Safariとなる。

ブックマーク検索では設定したブラウザのブックマークを検索できる他、そのブックマークの場所(リーディングリストや現在開いているセッション)も表示される。

ちなみにブックマーク検索で起動するブラウザは現在macOSのデフォルトとして設定されているブラウザとなる。

クリップボードの履歴検索

クリップボードの履歴検索では検索だけではなくクリップボードの完全な内容を表示できる上、アクションボタンで履歴をピン留めしたりブラウザにペーストするといったことも可能。

電卓・為替換算

他にもRaycastには電卓・換算機能が用意されており、Spotlightと同様に特に機能を実行せずとも入力した項目を自動で認識してくれる。

例えば上記画像のように「$150」と入力すれば為替換算などが出来る。

ただし、あくまで英語圏のアプリであるため場合によっては上記画像のように「2.1 mile to km」などと英語の文法で入力しないと正常に認識されないこともある。

とはいえ特別な機能を実行しなくても入力した瞬間にSpotlightと同様に自動で計算や換算をしてくれるのは非常に便利だ。

フローティングメモ(Floating Notes)

個人的に特に便利だと思ったのはフローティングメモ(Floating Notes)で、拡張機能でFloating Notesを有効にしているのなら「Toggle Floating Notes Window」を選択するとフローティングメモを起動可能だ。

このメモは文字通り常時浮いている独立したメモ機能なのだが、常に最前面に表示される他、閉じるボタンを押して閉じた後も内容は記憶され付箋紙のように使うことができる。

メモに対してフォーカスを失った場合はRaycast上で「Toggle Floating Notes Focus」を選択すれば再度フローティングメモにフォーカスすることも可能だ。

これだけでも一つのアプリとして通用するほど便利なので管理人は早速愛用している。

Zoomミーティングへの参加

また、これも拡張機能の一つであるがRaycast上からZoomミーティングに参加することも可能だ。

もしRaycastの設定でZoomアカウントとRaycastの連携をしていなかった場合はまず最初に「Sign in with Zoom」をクリックしてZoomアカウントを承認しておこう。

RaycastとZoomアカウントを承認して連携させておけば次回からはRaycastからZoomを起動しミーティングに参加できる(別途Zoomが起動するのであってRaycast上で完結するわけではない)。

総評:個人的には最高のアプリ。Spotlightは不要に。

個人的にこのRaycastは非常に気に入ったため、既にデフォルトのSpotlightのショートカットはRaycastに設定し、既存のSpotlightの代わりとして存分に使用している。

将来的にはほぼ確実に有料化すると思うが、シンプルなインターフェースでありながら多機能であり、更にキーボードだけでほぼ全ての操作が完結して痒いところに手が届くアプリであるため、有料化しても余程高額でなければ購入したいと思えるほど優秀だと思う。

Raycastは現在のところデフォルト設定ではSpotlightのインデックスを使用しているが、もし将来的にSpotlightではなく独立したインデックスを使用するようになれば完全にSpolightはお払い箱になるかもしれない。

冒頭でも書いた通りmacOS Big SurではSpotlightの仕様が変更され融通が利かなくなってしまったので、本アプリは特にAlfredほど高度な機能やカスタマイズ性は必要ないが既存のSpotlightだけでは不便という人におすすめしたい。