Safari 14インプレッション(Technology Preview)

先日macOS Big Sur Beta及びCatalina向けにSafari 14Technology Preview(TP)がリリースされ、早速インストールしてみたのでファーストインプレッションをお届けする。

ちなみにSafari TPは基本的に言語は英語版のみであり、今後日本語版がリリースされることもないと思われるため注意してほしい。

また、Safari TPを利用できるmacOSはBig SurベータとCatalinaのみである。

Safari 14とは?

Safari 14とは2020年6月23日(日本時間)のWWDC 2020で発表された新バージョンのSafariだ。

Safari 14はmacOS Big Sur向けとして発表されたが、従来までのSafariと同様、macOSとSafariは別個にアップデート可能なためmacOS Catalina・Mojave向けにも正式版がリリースされる予定だ(ただしSafari 14のTechnology PreviewはMojaveでは利用できない)。

つまり最新版のSafariを利用するだけならmacOS Big Surにアップデートする必要はない。

Safari 14の主な機能と仕様は以下のようになる。

  • Google ChromeやFirefoxなどで採用されているのと同様のWebExtension APIを用いるようになったため、デベロッパーはChromeやFirefoxなどの拡張機能を容易にSafariに移植できる
  • 次世代画像フォーマットWebPのサポート
  • HTTP/3(HTP:ハイパーテキスト転送プロトコルの3世代目)のサポート
  • Flash Playerサポートの廃止
  • 新しいスタートページ
  • 強化されたプライバシー保護(プライバシーレポート機能)とトラッキングブロック機能
  • タブ操作全般の改善・タブプレビュー機能
  • 他ブラウザより1.6倍速いと謳われるパフォーマンス
  • Webページの文章の言語を自動判別する翻訳機能

WebPのサポートに関してはSafariが最も対応が遅かったブラウザとなったが、WebPはGoogle主導であるため仕方ないことかもしれない。

また、Flash Playerのサポートが遂に廃止された点もトピックだ。

なお、Webページの文章の自動翻訳機能は少なくともSafari 14 TPでは有効にできなかった。

Safari Technology Previewとは?

Safari TPとはパワーユーザー向けのSafariであり、Safari向けの新機能をいち早く試せるバージョンだ。

なお、Safari TPはベータとは異なり新機能をいち早く試す目的でのみ使用するものであるため、現在使用しているmacOSがサポートされている限り絶えず更新され続ける(現在のSafari TPのビルドナンバーは109である)。

Safari TPの利用に関してはデベロッパープログラムへの登録やApple IDを用意する必要はなく、誰でも無料でダウンロード・インストールが可能だ。

更にSafari TPは既存のSafariを上書きインストールするのではなく、Safari TPという別個のアプリケーションとしてインストールされるため、既存のSafariの安定性には影響を与えないというのも特徴と言える。

また、機能拡張やお気に入り、履歴などもiCloudと同期しているなら自動で反映される。

ただし、冒頭で書いたように言語が英語版のみであるため取っつきにくいという欠点はある。

なお、アイコンが紫色なのはバージョンやmacOS Big Surとは関係なく、全てのバージョンのSafari TPは紫色である。

ちなみにSafari TPはアンインストール方法に癖があり、完全にSafari TPをアンインストールするにはmacOSのシステムプロテクト「System Integrity Protection(SIP)」を無効にする必要がある。

Safari TPのアンインストールについては下記記事で詳しく解説している。

Safari Technology Previewの一部が削除出来ない場合の対処法

Safari 14 TPインプレッション

起動

起動するとSafari 14についての新機能の紹介パネルが表示される。

UIの見た目に関してはそれほどSafari 13と変わらないが、機能拡張ボタンがデフォルトでアドレスバーの左に表示されるようになり、すっきりしている。

スタートページ

Safari 14のインターフェース面において最も大きな変更となったのがスタートページだ。

従来までの「お気に入り」や「Siriの提案」に加えて「プライバシーレポートパネル」や「リーディングリスト」が加わった他、画面右下のメニューをクリックするとスタートページのカスタマイズが可能になった。

不要な項目は「お気に入り」も含めて簡単にオフが可能になった他、ユーザーの好きな画像を壁紙(バックグラウンドイメージ)として設定することもできる。

ただし登録できる壁紙はデフォルト壁紙の他には1枚だけであり、壁紙を変更する場合はいちいちフォルダを開かなくてはならないのが不便ではある。

プレビュー

Safari 14では新たにタブにポインタを合わせるとそのタブで開いているWebサイトのプレビュー表示が可能となった。

Windowsでいうライブサムネイル機能のブラウザ版といった感じだが、あくまで静止画が対象であり、YouTubeなどをプレビューしてもプレビュー内で動画が再生されるといった機能はない。

大量にタブが存在する場合の操作性の向上

従来までのSafariでは多数のタブを開くとタブの操作や選択が困難になってしまっていたが、Safari 14では多数のタブを開いた場合、タブが縮小されてファビコンのみの表示になりタブの操作が容易になっている。

また、タブを再現なく追加していくと従来までのSafariと同じようにタブのスクロールが可能になるが、タブが縮小表示されるようになったことで従来よりも多くのタブを表示することができるため、よほど大量のタブを表示しない限りスクロールの必要がなく、タブが隠れることもほぼない。

更に、縮小表示されたタブをクリックするとそのタブだけ縮小表示が解除され、閉じるボタンなどを簡単にクリックできるようになった。

タブを多数開く人にとっては非常に便利な変更点だろう。

機能拡張有効時の警告

Safari 14では新たに機能拡張を有効にする際(チェックを付ける際)に「この機能拡張はユーザーが訪問したWebサイトや履歴のデータにアクセスすることが可能になるが、有効にしてもよいか?」といったような警告が表示されるようになった。

正直、機能拡張に連続でチェックを付ける際はチェックを付ける度に警告が出て煩わしい。

設定を見てみた限りこの警告はオフにできなかったため、将来のアップデートで改善を望みたい。

Webサイトとの互換性

Safariは当たり前かもしれないがGoogle ChromeやFirefoxとHTMLやCSSの扱いが若干異なるため、今まで通りWebサイトや僕のブログが正常に表示されるか不安だったが、少なくとも当ブログや主要なWebサイトを見た限り、特に異常は見られなかった。

トラッキングブロッカー

Safari 14ではデフォルトでトラッキングブロッカー(広告はブロックされない)が有効になっており、更に「盾アイコン」をクリックすればブロックしたトラッカーの詳細な項目も確認可能だ。

また、このトラッカーの検出には機械学習を利用していると説明されている。

このトラッキングブロッカーはGoogle Analyticsのトラッキングもブロックするように見えるが実際のところはGoogle Analyticsはブロックされないようだ(なお、当ブログはGoogle Analyticsを設置していない)。

参考 No - Safari 14 Does Not Block Google Analyticssimoahava.com

ちなみにこのトラッキングブロック及びトラッカーの可視化機能はDuckDuckGoが提供するトラッキングブロック&広告ブロッカーの「DuckDuckGo Privacy Essentials」の表示と極めて似ている。

DuckDuckGo Privacy Essentialsを既に使用している場合はSafari 14のトラッキングブロッカーはあまり意味はないかもしれない。

プライバシーレポート

Safari 14ではスタートページに過去7日間にブロックしたトラッカーの数が表示される他、スタートページのプライバシーレポートをクリックするかメニューバーから「プライバシーレポート」という項目を表示させると詳細が確認可能だ。

プライバシーレポートパネルでは過去30日間のトラッキングが検出されたWebサイトやトラッカーの詳細情報が表示される。

読み込み・レンダリングパフォーマンス

冒頭で書いたようにSafari 14は他ブラウザと比べてパフォーマンスは1.6倍となったと謳っている。

実際にSafari 13やGoogle Chromeと比べながら多数の画像が表示されたりレイアウトが複雑な複数のWebサイト(BBCなど)を表示してみたが、読み込み速度は確かに速くなっているが、Google ChromeやSafari 13と比べて劇的に速いと言えるほどではなく「言われてみればそういう気もする」程度だと感じた。

ただ、ページのスクロールに関しては明らかにSafari 13やGoogle Chromeと比べて良好であり、重いWebサイトでもヌルヌルとスクロールするため非常に軽快なブラウジングが可能だった。

YouTubeは4K対応に

長らくSafariではYouTubeの4K再生に対応していなかったが、正式版では遂にYouTubeの4K再生に対応した(macOS Big Surが必要)。

まとめ

一通りSafari 14 TPを触ってみた感じだがmacOS Big Surが大きなデザインチェンジを行った割にはSafari 14の変更点は小粒なものに留まっているというのが率直な印象だ。

ただ、Safari 14 TPでも僕が普段使っている全ての機能拡張が使用可能であり、更にパフォーマンスに関しては非常に優秀で、現時点においても満足できる出来となっていると言える。