macOS Catalinaにアップデートせず次期macOSを待ってもいい理由

macOS Catalinaは国内でもあまり評判が良くないが、macOS利用者が日本より圧倒的に多い海外では正に阿鼻叫喚という様相を呈している。

それもこれもmacOS Catalinaの不具合やバグに起因するものだ。

ここではmacOS Catalinaにあえてアップデートせず次期macOSを待った方がいいと思う理由を述べる。

ちなみにこれから新しいMacを購入した場合はほぼ確実に最初からmacOS Catalinaがインストールされていると思われるため、本記事はあくまで既存のMacを使っている人向けとなる。

なお、管理人は既に手持ちのMac二台(Mac mini 2018とMacBook Pro 13 Mid 2019)をmacOS Catalinaにアップデート済みであり深刻な不具合はないが細かなバグに辟易としている。

実際にmacOS Catalinaを半年以上使った経験としてmacOS Catalinaへのアップデートは全くおすすめしない。

当ブログも毎日のようにmacOS Catalinaの不具合の解決法に関するお問い合わせを頂いている。

現在macOS Catalinaは10.15.5までアップデートされており、最初の頃と比べると幾分安定してきてはいるが2020年6月23日のWWDCで次期macOS Big Surが発表され、パブリックベータも7月にリリースされる。

次期macOS Big Surのデザインや機能が気に入らないというわけではない限り、macOS Catalinaを今更積極的に導入する理由はないと言っていいと思う。

macOS Catalinaにアップグレードすべきではない理由

不具合・バグが多い

兎にも角にもmacOS Catalinaの欠点はこれに尽きる。

とにかく不具合やバグが多く、それは別記事でもまとめたがMac mini 2018のHDMIポートから映像が出ない、メッセージが既読にならない、アプリのアップデートが止まる、Bluetoothが不安定になる、クイックルックの表示が逆になる、突然カーネルパニックを起こす、などなど挙げればきりがないほど大きなバグから小さなバグまでてんこ盛りである。

僕自身は経験していないがミュージックのプレイリストの引き継ぎがうまくいかなかったり、あるいはApple IDによるサインインが一切できなくなったという人もいる。

僕はOS X El CapitanからMacを使い始めたが少なくともここまでバグが多いmacOSはCatalinaが初めてである。

なお、上記のバグの対処法やバイパス方法は以下の記事でまとめている。

macOS CatalinaでMac mini 2018のHDMIポートからの信号が出ない場合の対処法 macOS Catalinaのクイックルックがリバース(逆)表示にされてしまう場合のバイパス方法 MacでBluetoothが不安定・接続できない場合の対処法

32bitアプリは動かない

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macOS Catalinaからは32bitアプリはサポートされなくなり完全に64bit環境へと移行した。

そのため現在32bitアプリを日常的に使っている場合、macOS Catalinaではそれらのアプリは一切動作しなくなる。

macOS Catalinaで32bitアプリを起動した場合、エラーが出て利用できない

またPCゲーム配信プラットフォームであるSteamもSteamクライアント自体は64bitに対応したが、多くのゲームは未だに32bitであるために今までMacで遊んでいたゲームがプレイ不可能となることも十分にある。

32bitアプリを利用していたり、Steamのゲームを遊んでいる人は少なくとも自分の利用しているアプリやゲームが64bit対応を果たすまでCatalinaへのアップグレードは控えた方がいいだろう。

4K HDRコンテンツを再生できるMacは限られる

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 4khdr.jpg です

macOS Catalinaでは4K HDRコンテンツを再生することが可能になったが、対応するMacは現時点では一部に限られる。

1月10日付けで更新されたAppleのサポートページによると現在4K HDRコンテンツを再生できるのは以下のMacのみである。

  • iMac Pro (2017) では、4K、4K HDR、4K ドルビービジョン、ドルビーアトモス、HDR10 のコンテンツを内蔵ディスプレイで視聴できます。
  • Mac Pro (2019) および 2018 年以降に発売された 15 インチモデルまたは 16 インチモデルの MacBook Pro では、4K、4K HDR、4K ドルビービジョン、ドルビーアトモス、HDR10 のコンテンツを Pro Display XDR で視聴できます。

ただし、macOS Catalina 10.15.4では一般的な4K HDRモニターでもHDRを有効にするオプションが追加されたため、macOS Catalina 10.15.4以降であればiMac ProやPro Display XDR以外の外部4K HDRモニターなどでも4K HDRコンテンツが鑑賞可能になっている。

Macで4K HDR映画を観るには?4K HDRモニターで試してみた

ただ、そうは言ってもHDR再生のためだけにmacOS Catalinaにアップグレードするのはリスクが大きすぎる。

ミュージック・TV・Podcastはシンプルだが出来ることはiTunesと変わらない

macOS CatalinaからはiTunesはiTunes Store以外消滅し、その機能はミュージック・TV・Podcastの3つのアプリに分割された。

今までのiTunesは機能を追加するに伴いインターフェースが複雑になり使いにくかったため、この判断については僕は歓迎している。

ミュージックアプリも従来と比べるとシンプルになり、歌詞の簡易表示ボタンも追加されたため従来より歌詞表示が簡単にできるようになった。

しかしメリットとしてはそれくらいであり、従来のiTunesとできることはミュージック・TV・Podcastの3つにおいてそれほど変わらない。

前述の通り4K HDRが現状では一部のMacやディスプレイを除いて有効にできないため新しいTVアプリもApple TV+(Appleオリジナルコンテンツの映画・ドラマ・番組の見放題サービス)を利用しないのであればmacOS Catalinaへのアップグレードはほぼ意味がない。

少なくともmacOS Catalinaの不具合やバグを受け入れてまでミュージック・TVアプリなどを利用する価値はない。

Sidecarを使えるiPad・Macは限られる

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macOS Catalinaで恐らく一番期待されていた機能としてiPadをサブディスプレイ化できるSidecarというものがある。

僕自身も試してみたがレスポンスもよく、Apple Pencilも使えるためイラストを描いたりといったことが可能になり、macOS上でApple Pencilの恩恵を享受できる優れた機能だとは思う。

しかしSidecarを利用できるiPad及びMacは以下に限られる。

Sidecarが利用できるiPad

  • iPad 第6世代以降
  • iPad Air 第3世代
  • iPad mini 第5世代
  • iPad Pro

Sidecarが利用できるMac

  • iMac(Late 2016以降)及びiMac 27-inch Retina 5K Late 2015
  • MacBook Pro (2016以降)
  • Mac mini (2018以降)
  • 新型Mac Pro (2019)
  • MacBook Air (2018以降)
  • MacBook (2016以降)

Sidecarは多くの人に期待されていた機能だけに上記のiPadやMacを持っていない場合はmacOS Catalinaにアップグレードする理由がほぼなくなるのではないかと思う。

パフォーマンスの向上はない

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macOS Catalinaでは少なくとも僕の環境でベンチマークを取ったところ、CPU・GPUパフォーマンスは誤差レベルである。

実仕様においてもmacOS Mojaveと比べるとOSの軽さや重さは以前とほぼ変わらない。

参考までに以下がmacOS MojaveとmacOS CatalinaのそれぞれのCPU/GPUの比較ベンチマークである。

左がmacOS Mojave、右がmacOS Catalina(スマホの場合は上がMojave、下がCatalina)。

CPUパフォーマンス

GPU(Metalパフォーマンス)

GPUパフォーマンスに限っては多少の向上が見られるが、やはり誤差レベルの範囲に留まり、macOS CatalinaにアップグレードしたからといってOSが軽くなることは現時点のCatalinaではないと言ってよい。

macOS Mojaveでも2021年の9月まではサポートが受けられる

現在macOS Mojaveを利用している人は少なくとも2021年の9月まではセキュリティアップデートなどの最低限のサポートは受けられる。

無理にmacOS Catalinaにアップグレードしなくてもセキュリティ的に取り残されることは当分ない。

Support status
Extended support ends in September 2021. iTunes, in August 2022

macOS Mojave - Wikipedia Eng

もちろんmacOS Catalinaではセキュリティ関連の機能の改善も行われているが、不具合を考慮するとセキュリティ関連の機能のためだけにアップグレードするメリットはないだろう。

まとめ

macOS Catalinaは32bitアプリのサポートが終了したり、iTunesが消滅したりとある種の転換点となるOSであるが、それだけに不具合やバグが多く、新機能を利用できない、あるいは新機能に魅力を感じないのであれば無理にアップグレードする理由はないのではないかと思う。

バグがなければある種のマイルストーンとなるOSだと思うのだが現状では不具合やバグがてんこ盛りであり、とても人におすすめできる完成度ではない。

もしCatalinaへのアップデートを考えているなら上記の点を十分に熟考・検討した上で行ってほしい。