Chromiumベースの新生Microsoft Edge macOS版を使ってみた

Microsoftは以前から予告していたChromiumベースのブラウザ「Microsoft Edge」のWindows版、Android版、iOS版そしてmacOS版を日本時間2020年1月16日午前2時頃にリリースした。

この新生Microsoft Edgeはこれまでの方針を転換し、Google Chromeなどに採用されている「Chromium」がベースとなった点が大きな特徴だ。

またアイコンもアルファベットの「e」というシンボルを引き続き採用しつつも、モダンなデザインへと変更されている。

今回はmacOS Catalinaでこの新生Microsoft Edgeをインストールして実際に使ってみたのでインストール方法や注意点、使い心地を紹介していく。

なお、利用するだけならMicrosoftアカウントなどを作る必要はない。

ちなみにWindows Updateを通じた新生Microsoft Edgeの配信は日本向けに限り確定申告の影響を考慮して4月以降となるが、ダウンロードや使用自体は任意で可能だ。

Microsoft Edgeとは?

これまでのMicrosoft Edgeのアイコン及びロゴ

Microsoft EdgeとはWindows 10リリースの際にWindows 10のデフォルトのブラウザとして採用されたMicrosoft開発の完全な新規のレンダリングエンジン「EdgeHTML」を搭載したMicrosoftの純正ブラウザだ。

初期開発コードネームは「Spartan」

これまで長きに渡ってWindowsで採用されていたInternet Explorerを置き換える目的で開発されたが、Windows 10には互換性維持のため従来のInternet Explorerも搭載されていた他、当初からMicrosoft Edgeはあまり評判が芳しくなかった。

のちにiOS版やAndroid版などもリリースされたがブラウザシェアではSafari以下のシェアに留まっている。

新生Microsoft Edgeのアイコン及びロゴ

2020年1月16日にリリースされた新生Microsoft Edgeはレンダリングエンジン「EdgeHTML」の採用をやめ、Google Chromeと同じく「Chromium」と呼ばれるオープンソースプロジェクトの規格を採用し、新たなスタートを切ったこれまでのEdgeとは大きく異なるブラウザとなる。

なお、Chromiumに採用されているレンダリングエンジンは「Blink」

ちなみにChromiumベースのブラウザとしてはGoogle Chromeの他にOperaも存在する。

2020年5月以降はWindows 10ユーザーのMicrosoft EdgeはWindows Updateを通して強制的にChromiumベースに移行される予定である。

なお、当然と言えば当然だがmacOS版にはレガシーサイト向けのInternet Explorer互換モード「IEモード」は搭載されていない。

ダウンロードからインストールまで

新生Microsoft Edgeのダウンロードページは2020年1月16日時点では英語版しか存在しないが、Microsoft Edge自体は日本語に対応している。

なお、ダウンロードの際に「クラッシュレポートや訪れたWebサイトなどの情報をMicrosoftに送信するかどうか」を選べるが、プライバシーが心配な場合はチェックを外して「Accept and download」をクリックしよう。

この設定はあとからでも変更できるが「訪れたウェブサイトの情報をMicrosoftに送信する」というのは何気に重要なことなので慎重に検討しよう。

なお、Microsoft Edgeをインストールすると「Microsoft AutoUpdate」という自動アップデートプロセスがたとえMicrosoft Edgeを起動していなくても常駐するので、余計なプロセスがmacOSに常駐するのが嫌な場合はMicrosoft Edgeのインストールはやめておこう。

起動から設定まで

初期設定

Microsoft Edgeを起動するとGoogle Chromeを使用している場合、Google Chromeからブックマークやパスワードの自動入力データ、履歴などをインポートできるのでGoogle Chromeからそれらのデータをインポートする場合は「ユーザーデータを使用して開始」を選択、まっさらな状態から起動する場合は「最初から始める」を選択して「確認」をクリック。

新しいタブを開いた際の外観ページの選択画面が出るので好みの外観を選択して「完了」をクリック。

外観の設定はあとからでも変更可能だ。

初期設定が完了するとようこそ画面が表示されるがMicrosoft Edgeではプライバシーの保護に力を入れており、Microsoft Edgeのプライバシーに関する安全性のアピールが謳われる。

プライバシー設定

前述の通りMicrosoft Edgeはプライバシーの保護に力を入れており、設定画面でも「プライバシーとサービス」の設定から「どの程度Webサイトからの追跡を防止するか」を「基本」「バランス」「厳重」から選択できる。

「基本」を選んだ場合、文字通り基本的なトラッカーブロックだけが動作し、ほとんどのWebサイトでユーザーのトラッキングが可能。

「バランス」を選んだ場合、過去にアクセスしたことがないサイトや既知の有害サイトからのトラッキングをブロックする。

「厳重」を選んだ場合、全てのWebサイトからのトラッキングをブロックするが場合によってはWebサイトの機能が正常に動作しない可能性がある。

Webサイトの動作とプライバシーの両方の観点から考えると「バランス」設定がちょうどいいだろう。

なお、Microsoft Edgeをダウンロードする際に「クラッシュレポートや訪れたWebサイトをMicrosoftに送信する」のチェックを外すのを忘れた場合は「プライバシーとサービス」にある「Microsoft Edgeの改善にご協力ください」という項目から変更できる。

Google Chromeの拡張機能をインストールする

拡張機能に関しては冒頭で書いた通りMicrosoft EdgeはChromiumベースとなったため、ChromeウェブストアからGoogle Chromeの拡張機能をそのままインストールできる

Google Chromeの拡張機能を利用したい場合はChromeウェブストアにアクセスして「他のストアからの拡張機能を許可する」をクリックしよう。

続いて表示されるダイアログでも「許可」をクリック。

以上でGoogle Chromeの拡張機能を自由にMicrosoft Edgeにインストールできる。

実際にいくつかGoogle Chromeの拡張機能をインストールしてみたがどれも正常に動作した。

もちろん従来通りMicrosoft Storeから拡張機能をインストールすることも出来る。

「フルディスクアクセスが必要です」と出た場合

設定を弄っている際に上記画像のように「フルディスクアクセスが必要です」というダイアログが出た場合はまずmacOSのシステム環境設定を開く。

「セキュリティとプライバシー」をクリック。

「プライバシー」タブを開き、左パネルから「フルディスクアクセス」を選択し「Microsoft Edge」にチェックを付ける。

カスタマイズ・検索エンジンの追加

新しいタブを開いた際の外観やニュースの表示・非表示を変更するには右上の歯車アイコンをクリックして「カスタマイズ」をクリックして好みの外観を選ぼう。

ちなみにアドレスバー(オムニボックス)の検索エンジンを変更するにはメニューバーの「Microsoft Edge」>「ユーザー設定」を開き「プライバシーとサービス」の項目の一番下にある「アドレスバー」をクリックする。

Microsoft Edgeには「DuckDuckGo」の選択肢がないので、ここではアドレスバーの検索エンジンにDuckDuckGoを追加するため「検索エンジンの管理」をクリック。

「追加」をクリック。

「検索エンジン」の項目には検索エンジンの名前、「キーワード」にはアドレス、「クエリの代わりに%sを使用したURL」には以下のアドレスを入力して「追加」をクリック。

https://duckduckgo.com/?q=%s

検索エンジンの一覧に「DuckDuckGo」が追加されるので選択すればアドレスバーでDuckDuckGoが使用可能になる。

使い心地

使い心地は正直言って悪くない。

CPU・GPU使用率は他のブラウザと比べても大差なく、若干カクツキが見られるがほぼ問題なく動作しており新生Microsoft Edgeの初期バージョンとしてはよく出来ていると思う。

ただ、プライバシーの保護を謳っている割にダウンロードの際に「Microsoftにクラッシュレポートや訪れたWebサイトの情報を送信する」という設定がデフォルトでチェックされていたり、Microsoft AutoUpdateというプロセスが常にmacOSに常駐するというのは好ましくない。

更にChromiumベースになってGoogle Chromeの拡張機能をインストールできるようになったと言っても元からGoogle Chromeを使用している人は乗り換える意味はあまりない。

また、「新しいタブページ」の検索ボックスのエンジンは強制的に「Bing」に設定されており新しいタブページの検索ボックスはBing以外に変更することができない。

Windows 10を使用していてGoogle Chromeなどのサードパーティーのブラウザを使用せずデフォルトブラウザのみを使っている人にとっては使いやすく拡張機能の柔軟性も高いブラウザだと思うのだが、現時点ではわざわざmacOS版をインストールする必要性は薄いと感じた。