
macOS版のMicrosoft Edgeを以前インストールしたが、いつの間にか「Microsoft Auto Update」というMicrosfot製アプリケーションの自動アップデーターがインストールされていた。
調べてみたところMicrosoft Edgeに限らずOfficeなどMicrosoft製のアプリケーション(一部を除く)をインストールするとMicrosoft Auto Update(MAU)も一緒にインストールされるようだ。

また、最近のアップデートによりポップアップウィンドウが強制的に表示されるようなったとのこと。
ここではこの「Microsoft Auto Update(MAU)」アプリケーションを保持しながら通知を止める方法と、MAU自体を完全に削除する方法を紹介する。
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Microsoft Auto Updateの通知を止める方法
Microsoft製アプリケーションを使う必要はあるが、MAUのポップアップ通知は止めたい場合は以下の手順を実行する。
なお、下記の手順によりMAUの自動アップデートが正しく機能しなくなる点に注意。
とはいえ下記の手順を実行してもSpotlightなどで「Microsoft Auto Update」と検索してMAUを起動すれば手動での更新は可能だ。
また、下記の手順を実行したら一度Macは再起動しよう。
Mac起動時の自動起動を止める
MAUはMac起動時にバックグラウンドで自動で起動するため、以下のターミナルコマンドを実行してMAUのスタートアップを無効にする。
sudo defaults write /Library/LaunchAgents/com.microsoft.update.agent.plist Disabled -bool YES
sudo defaults write /Library/LaunchAgents/com.microsoft.update.agent.plist RunAtLoad -bool NO
sudo chflags schg /Library/LaunchAgents/com.microsoft.update.agent.plist

パスワードの入力を求められたら管理者パスワードを入力しよう。
元に戻す場合はコマンドの「YES」を「NO」、「NO」を「YES」に置き換えて再実行する。
「sudo chflags schg」での変更を戻すには下記コマンドを実行する。
sudo chflags noschg /Library/LaunchAgents/com.microsoft.update.agent.plist
フィードバックやMicrosoft製アプリケーションを実行した場合の自動起動を止める
MAUのフィードバック機能やMicrosoft製アプリケーションを起動した際の自動起動を止める場合は以下のターミナルコマンドを実行する。
前述のコマンドと一緒に実行しても構わない。
defaults write com.microsoft.autoupdate2 'MAUFeedbackEnabled' -bool false
defaults write com.microsoft.autoupdate2 'SendAllTelemetryEnabled' -bool false
defaults write com.microsoft.autoupdate2 'StartDaemonOnAppLaunch' -bool false

これによりMAUのほぼ全ての自動機能が停止する。
元に戻す場合はコマンドの「false」の部分を「true」に置き換えて再実行する。
Microsoft Auto Updateを完全削除する方法
Microsoft製アプリケーションを現在使用しておらず、MAUをMacから完全に削除したい場合は以下の手順でMAUを完全削除しよう。
以下の手順はターミナルコマンドでも同じことが可能だが、僕の環境ではターミナルコマンドによる削除を実行してもなぜかファイルが削除されなかったため、Finderでの手動削除を行った。
なお、下記の手順を始める前にMacからMicrosoft製アプリケーションをあらかじめアンインストール/削除しておく。
一つでもMAUを利用するMicrosoft製アプリケーションがMacに存在する場合、下記の方法でMAUを削除しても勝手に復活してしまう。
システムライブラリからMicrosoftフォルダ、またはMAU.appを削除

まずFinderの「移動」「フォルダへ移動」から以下のパスを入力して「移動」をクリック。
/ライブラリ/Application Support/

「Application Support」フォルダに移動したら、中にある「Microsoft」というフォルダごと、または「Microsoft」のフォルダ内にある「Microsoft Auto Update.app」を削除する。

警告画面が出たら管理者パスワードを入力しよう。
ユーザーライブラリから関連ファイルを削除

続いてMAUの関連ファイルを削除するために以下のパスを入力して移動する。
~/ライブラリ/Application Support/
なお、前述のパスと違ってこちらのパスはユーザーライブラリなので「/ライブラリ/」の前に「〜」がある点に注意。

フォルダに移動したら以下の4つのフォルダを削除する。
com.microsoft.appcenter Microsoft AU Daemon Microsoft AutoUpdate Microsoft Update Assistant
検索欄に「Microsoft」などと入力すると見つけやすいだろう。
コンテナフォルダからも関連ファイルを削除

続いてコンテナフォルダからもMAU関連ファイルを削除するため、以下のパスを入力して移動。
~/ライブラリ/Containers

コンテナフォルダに移動したら「Microsoft」などと検索してMicrosoft関連ファイルを削除する。
なお、コンテナフォルダのMAU関連ファイルはmacOSのバージョンやインストールしていたMicrosoft製アプリケーションにより異なる場合がある。
多くの一時ファイルが存在するが無視しよう
なお、MAU関連のファイルは他にも一時ファイルなどが無数に存在するが、Macを使用しているうちに自動で削除されるため特に意識する必要はない。
ただ、どうしても全ての関連ファイルを削除したい場合は以下のパスを入力して片っ端からMAU関連のファイルを削除しても構わない。
/private/var/folders
Mac App StoreのMicrosoft製アプリケーションにはMAUがない
なお、MAUがインストールされるのはMicrosoft製アプリケーションをDMGなどでインストールした場合に限られ、Mac App Storeからダウンロード・購入したMicrosoft製アプリケーションにはMAUは入っていない。
もしMac App StoreのMicrosoft製アプリケーションで代替できるのならMac App Store版を使うのがいいだろう。
まとめ
MAUを使用するMicrosoft製アプリケーションをMacにインストールするのはMicrosoft Edgeが初めてだったが、まさか自動アップデートアプリケーションや関連ファイルがこれほど生成されるとは思わなかった。
Microsoft製アプリケーションを使わざるを得ない場合は前述のターミナルコマンドを実行、あるいはMac App Store版で代替し、Microsoft製アプリケーションを現在使用しておらずMAU自体を消去したい場合は上記の完全削除手順を試してほしい。