
無料・有料を含めてMacのCPUやGPU・各種センサーの温度、GPUの帯域幅などマニアックな情報を表示できるハードウェア情報表示アプリのお勧めをまとめる。
なお、Apple Silicon(M1)MacのリアルタイムのコアごとのCPU・GPUクロックや消費電力を表示するには下記記事のようにターミナルを使用しよう。

INDEX
総合系アプリ
各種CPU・GPUの情報/使用率・温度などを総合的にまとめて表示できるアプリ。
Sensei(Apple Silicon完全対応)

種別:有料 配布場所:公式サイト 価格 買い切り:$59 サブスクリプション:$29/年
Apple Silicon Macにも対応し、ほぼありとあらゆるMacのハードウェア情報・温度・ファン回転数などを表示・コントロール出来るが$59というかなりの高価格。
現時点において他のアプリを寄せ付けない高機能さであるが、Macのハードウェアモニタリング・コントロールのためだけにこれだけの価格を出せるかというと躊躇してしまうユーザーが多いかと思う。
TG Pro(Apple Silicon完全対応)

種別:有料 配布場所:公式サイト 価格 2,310円 (パーソナルユースは3コンピュータ。ビジネスユースは1コンピュータまで)

Apple Siliconに完全対応しており、CPU・GPU・HDD・SSD・ロジックボード・電源やファンのモニタリングやコントロールが可能な他、メニューバーから全ての情報を1プルダウンメニューで確認出来るためメニューバーがゴチャゴチャしないのが嬉しい。
ファンの回転数は自分で閾値を設定可能であり「CPU温度が70度を超えたらファン回転数を自動でこのレベルまで上げる」といった指定も出来る。
更にバッテリーやHDD・SSDの健康状態確認にも対応している他、Apple Siliconに完全対応しているだけあってM1チップの高効率コア・高性能コア・ニューラルエンジンコアごとの温度も確認出来る。
もちろんIntel Macにも対応しているため、基本的に本アプリさえあれば他のモニタリングアプリは要らないのではないかと思うほど完成度が高い。
このアプリと後述するiStat Menusを導入すればほぼMacのハードウェアの監視は完璧と言ってもいい。
ただし価格が若干高いのとCPUやGPUの使用率のチェックには非対応なのが残念。
なお、TG Proの使い方については下記記事にて。

iStat Menus

種別:有料 配布場所:Mac App Store・公式サイト 価格 スタンダードライセンス:12.95 USD(プライマリユーザー 3コンピュータまで) ファミリーパック:16.19 USD(5コンピュータまで)

当ブログで度々紹介しているMac用総合システム監視アプリ。
有料ソフトウェアではあるが手頃な価格でCPU・GPU使用率から各種センサーの温度、ビデオメモリに至るまでほぼ全てのMacのハードウェア情報をモニタリングでき、更にそれを常時メニューバーに表示させることも可能。
ただしApple Silicon Macへの対応は限定的なのが残念(それでもCPU使用率や温度の取得は可能)。
Intel MacではCPUクロックのリアルタイム監視にも対応しているが、CPUクロックのリアルタイム監視には後述するIntel Power GadgetというソフトウェアをインストールしiStat MenusやMacを再起動する必要がある。
iStat Menusは僕は非常に重宝しており、価格も手頃なためMacユーザーなら是非導入して欲しいアプリ。
なお、このアプリはMac App Storeでも販売されているが、Mac App Store版は機能が削られているので必ず公式サイトから購入しよう。
eul

種別:無料 配布場所:Mac App Store・公式サイト

GitHubで配布されている無料アプリ。
iStat Menusほどの自由度はないものの、macOS Big Surのウィジェットにも対応し、CPU・メモリ・HDD・ネットワーク・CPU使用率など多様な情報をメニューバーやプルダウンメニューで簡単に表示できるシステム監視アプリ。
iStat Menusのようなカスタマイズ性が必要ないのであればこれで十分と言えるほど高機能。
2021年1月のアップデートでGPU情報の表示にも対応し、多機能でありながら無料であるため近年海外で利用者が増えている。
なお、iStat Menusと同じくMac App Storeでも配布されているものの機能が削られているのでGitHub版がおすすめ。
詳しい使い方は以下の記事にて。

Menubar Stats


種別:有料(610円)トライアル(体験版)あり 配布場所:Mac App Store
iStat Menusと同じようにファンの回転数やCPU温度、ネットワーク情報、空きメモリやメモリ使用状況など、一通りの情報がプルダウンメニューで確認できる他、一部の情報はiStat Menusと同じようにメニューバーに情報を常時表示させておくことも可能な多機能有料アプリ。
更にmacOS Big Surのウィジェットにも対応しており、CPUの温度などが一定の温度を超えると通知してくれる機能もある他、カラーの設定などカスタマイズも可能。
なお、ファン回転数やCPU温度の表示には別途Helper Too(プラグイン)をダウンロードしておく必要がある。
また、有料アプリではあるが公式サイトでは14日間のTrial(体験版)が用意されている。
なお、注意点としてmacOS Big Surのウィジェットは一部のハードウェア情報が取得できなかったり情報が更新されないなど、まだ洗練されていない部分がある。
全体的にiStat Menusより機能は若干落ちるものの、macOS Big Sur用のウィジェットが利用できるというのはiStat Menusに対するアドバンテージであり、更に価格が610円というのはiStat Menusのおよそ半額であるためトライアルを利用して気に入ったのであればiStat Menusではなくこちらを選ぶのも十分に選択肢としてありだと思う。
このアプリは前述のeulでは物足りないがiStat Menusのような高度な機能までは求めない人向けのアプリと言えると思う。
Better Menubar


種別:無料 配布場所:Mac App Store
メニューバーのプルダウンメニューでリアルタイムのCPU使用率やメモリ空き容量、ストレージ情報、ネットワークトラフィック、Bluetooth Deviceの表示など必要最低限の情報のみを確認できるシステム監視アプリ。
確認できる情報はiStat Menusやeulにも及ばないが、本アプリのユニークな点としてメモリクリーナーが搭載されておりプルダウンメニューのメモリの項目で「Clean」ボタンを押せばメモリを解放してくれる。
Stats


種別:無料 配布場所:GitHub及びHomebrew+cask
CPU・SSD・メモリ・ネットワークの状態をメニューバー及びプルダウンメニューで確認出来るハードウェアモニタリングアプリ。
特筆すべきことはなく、ここまでに紹介したアプリと出来ることはほぼ変わらないがメモリ使用量が軽め。
Homebrew+caskでインストールする場合は下記コマンドをターミナルで実行。
brew install --cask stats
MachineProfile


種別:無料 配布場所:Mac App Store
Machine Profileはシステムのリアルタイム監視(CPUの温度やメモリ使用量の確認)は出来ないが使用しているMacの製造元から製造日、CPU全般の情報やCPUのL1〜L3キャッシュの情報、ブートROMのバージョン、詳細なドライブ情報、MacBookシリーズであればバッテリーの情報など多数の詳細な情報を確認できる。
リアルタイム監視を重要視しないのであれば、システム情報を表示する無料アプリとしては最も完成度が高いアプリと言えると思う。
Onyx

種別:無料 配布場所:公式サイト

正確にはハードウェア情報表示がメインではなく、macOSのメンテナンスをするアプリであり、不要なシステムファイルやOSのログファイルなどを自動削除してくれる。
macOSのメンテナンスツールとして定番のアプリであり、簡易的にMacの情報も表示でき、更には無料であるため入れておいて損はないアプリだ。
トラブルが起きた際はまずOnyx、というほどMacユーザーの間では信頼性が高い。
公式サイトのデザインがアングラ系のような雰囲気を醸し出しているが別に怪しいアプリではない。
CPU系アプリ
CPUの情報及びモニタリングに特化したアプリ。
MacCPUID(Intel Macのみ)

種別:無料 配布場所:公式サイト

Intel純正のCPU情報表示アプリ。
Windowsで言うCPU-Zに相当すると思って差し支えない。
CPUのモデルナンバーはもちろん、キャッシュ容量、対応命令セットなど細かなCPU情報を表示できる。
ただリアルタイムのモニタリングには対応していないため、ベースクロック周波数は表示できるがリアルタイムのクロックは表示できない。
Intel Power Gadget(Intel Macのみ)

※公式ページにはバージョンが複数あるがdmg形式のファイルであればどれでもOK。
種別:無料 配布場所:公式サイト

同じくIntel純正のCPU情報表示アプリであり、Mac CPUIDとは違いリアルタイムのクロック周波数をモニタリングできる他、コア温度の表示や周波数・温度の変化をログとして記録する機能もある。
Mac mini 2018のように特に発熱が問題となるMacでは、使用すると自身のMacのCPUがどの程度発熱しているのか、発熱でどの程度クロックがダウンするのかという有用な情報を得られるのでおすすめ。
Macs Fan Control

種別:無料 配布場所:公式サイト

正確にはCPU情報表示アプリというよりファンコントロールアプリであり、Macの冷却ファンの回転数を強制的に変更することが出来る。
MacBook Proのように複数の冷却ファンを搭載しているモデルでは、冷却ファンごとに個別に回転数を調節するといったことも可能。
また、CPU温度やファン回転数のメニューバーでのリアルタイム表示にも対応しているので、iStat Menusなどの有料ソフトウェアを使わなくても最低限の温度のモニタリングができるのもメリット。
ただ、Macのファンをコントロールできるという性質上、Macのファン回転数を強制的に下げてMacにダメージを与えることも可能なため使用する際は注意しよう。
なお本アプリは「勝手に通信を行うスパイウェア」とネット上で問題になっており、ウイルスというわけではないがプライバシーに関して不透明な点があるので気になる人は導入を控えた方がいい。
GPU系アプリ
冒頭で紹介したiStat Menusを除くとMac対応のGPUモニタリングアプリは非常に少ないがいくつか紹介。
OpenGL Extensions Viewer

種別:無料 配布場所:Mac App Store

GPUの情報を表示できると謳うMacアプリは結構あるのだが、そのほとんどが長年更新されていなかったり、そもそもエラーが出て起動しなかったりするため、現時点でMacのGPU情報を詳細に表示できるのはこのアプリのみと言っても差し支えない。
一般的なMacのハードウェア情報はもちろん、CPU内蔵グラフィックやeGPUのOpenGL/Metal互換性情報の表示やピクセルフォーマット情報、モニターの最大解像度とリフレッシュレート情報など、ほぼあらゆるGPU/モニター情報を表示できる。
また、OpenGLのバージョンごとのパフォーマンスの計測などベンチマーク的な使い方も可能。
ぶっちゃけるとWindowsのGPU-Zより機能が多いくらいに優秀なGPU情報表示アプリだ。
CL!ng

種別:無料(App内課金) 価格:120円(フル機能にアクセスする場合) 配布場所:Mac App Store

GPUのリアルタイムの帯域を表示できるという変わり種アプリ。
GPUやeGPUのデータ転送帯域を監視することができる他、GPUの単精度・倍精度浮動小数点演算性能などを計測するベンチマーク的な使い方も出来る。
一見するとマニアックすぎて利用価値がないように思えるが、eGPU利用時などでトラブルが起きた時にこのアプリでeGPUの帯域に異常がないか確認することで原因の切り分けができるので、eGPUのトラブルに困っている人は一度利用してみてもいいだろう。
ただし帯域情報をグラフで見る場合は120円課金する必要がある。
まとめ
以上、Mac対応のハードウェア情報表示アプリを紹介したが、正直この記事を書くにあたって海外のサイトやMac App Storeを周り、数々のアプリを試したが上記でまとめたアプリくらいしかまともに動作しなかった。
Macアプリの特徴、というか傾向として初めは優秀なアプリだったのにいきなり更新がストップして、結果的に互換性が失われまともに動作しなくなるということが多い。
今回紹介したアプリは2020〜2021年時点でも頻繁にアップデートが行われているものを厳選したが、いつアプリの更新がストップするかわからないのでこの先のmacOSのアップデートによって互換性が失われる可能性があることに留意してほしい。