macOS Catalina Public Beta所感

macOS Catalina Public BetaをサブのMacBook Pro 13インチ Early 2015にインストールして、一通り新機能を試してみたのでベンチマークも含めてmacOS Catalinaの所感をまとめてみる。

使用したmacOS Catalina Public BetaのバージョンはBeta 2。

当然のことながらベータであるため、デザインや機能などはmacOS Catalina正式版では変更される可能性がある。

また、Public Betaの導入はMacを持っているなら誰でも無料で試せるが、どのような不具合が起こるかわからないため、メインマシンではなくサブのMacにインストールしたり、ディスクのパーティションを分けるなどして普段使用しているMac環境とは切り離して導入しよう。

Public Betaを導入するには、Apple Beta Software ProgramページからApple IDでサインインし、インストールしたいMac上で専用ソフトウェアをダウンロードしてMacを登録したのち、設定画面からソフトウェアアップデートを実行し、Public Betaを選択する。

なおmacOS Catalinaは2012年発売以降のMacなら全て対応している。

macOS Catalina Public Betaの進化点

バージョン

バージョンはこれまでの規則性に従いmacOS 10.15となる。

Public Beta 2の時点でのビルド番号は19A501i。

スクリーンタイム

インストールして起動するとすぐ”スクリーンタイム”の概要についてのダイアログが表示される。

スクリーンタイムによりユーザーはMacでどのようなアプリをどのくらいの時間・頻度で使用しているのかといった情報を追跡出来るようになる。

既にiPhoneやiPadではiOS 12でスクリーンタイム機能が追加されているが、それがMacにもやってきたわけだ。

スクリーンタイムのそもそもの目的はスマホやタブレットの使いすぎにユーザーが注意したり、家庭で子供が使うスマホやタブレットの機能に制限をかけるものであるため、利用者の年齢層が高く、必然的に長時間作業をするプロユーザーも多くいるmacOSではあまり意味がない気はする。

デスクトップ

デスクトップ画面には大きな変更点はない。

壁紙はCatalinaの名前の通り、アメリカ・カリフォルニア州にあるサンタカタリナ島の写真が使用されている。

また、ドックのApp Storeのアイコンが若干変更されている。

設定画面

設定画面を開くとまず目を引くのはApple IDの情報が設定画面上部に表示されるようになった点だ。

Apple ID・iCloudのアカウント設定やFamily Sharingへのアクセスもこの画面から直接行えるようになっている。

また、スクリーンタイムアイコンが追加され、”ユーザとグループ”・”ディスプレイ”のアイコンにも若干の変更が加えられている。

一般設定

一般設定の画面では、ライト・ダークモードへの切り替え項目の他に新たに”自動”という項目が追加され、自動モードを有効にすると昼や夜の時間経過で自動的にmacOSのモードがライトからダーク、ダークからライトへ切り替わる。

音声コントロール

”アクセシビリティ”に新たに”音声コントロール”の項目が追加され、Macに繋げたマイクを通してmacOSのほぼ全てのUIを音声で操作することが可能になった。

有効にすると音声コントロールのデータがダウンロードされ、macOSのUI上に数字が表示されるので、その数字を声に出して読むと対象の項目がクリック判定される。

ただ、現時点でも日本語を含めた多言語に対応しているがBetaでは未完成の部分も多く、一部の操作はマウスやトラックパッドが必要だった。

写真

写真アプリは大きな変更点はないが、”モーメント”タブが削除され、新たに年別・月別・日別の表示が可能になり、全体的に写真を整理しやすくなった。

メモ

メモアプリは新たに”ギャラリー表示”が用意され、メモの一覧の視認性が上がりメモの整理がしやすくなった。

また共有フォルダで他のユーザーとのメモのやりとりが可能になった他、ウィンドウ上部のクイックツールバーの機能も多数追加されている。

リマインダー

リマインダーのデザインは全て一新され、Siriがメッセージアプリでのメッセージのやりとりを自動で学習して、メッセージアプリで日時などの単語が出るとSiriがその予定をリマインダーに追加するか提案したりすることも出来るようになった。

また、リマインダーのスマートリストによる自動整理、人物をタグ付けするなどの機能も加わっている。

なお、リマインダーに限り複数のデバイスでリマインダーの同期を行うにはそれらのデバイス(iPhoneやiPadなどを含む)が最新OSにアップデートされている必要がある。

デザインや機能が一新されたため同期の方法が変わったようで、新しいリマインダーで作成された項目は全てのデバイスが最新OSでないと同期が行えなくなっている。

この仕様は正式版では変更される可能性もあるが、ベータを導入する人は注意しよう。

Safari

Safariはお気に入り画面(スタート画面)が一新され、デフォルトの状態だとお気に入りの一部が省略されてすっきりとした表示になっている。

もちろん、今までのお気に入りが消えたわけではなく右上の”表示を増やす”をクリックすれば今まで通り全てのお気に入りを表示させることも可能だ。

また、Siriによる提案も追加され、他のデバイスで閲覧しているサイトなどの閲覧や、メッセージアプリでリンクを受け取った際にそれらのリンクを開くかどうかの提案もしてくれるようになった。

ミュージック&Podcast&TV

ミュージック
Podcast
TV

macOS Catalinaの大きな変更点としてiTunesは3つのアプリに分割され、iTunesの名称が消滅したことだ(iTunesストアはミュージックアプリ内に残っている)

今までiTunes上にあったミュージック・Podcast・ビデオはそれぞれ独立したアプリになり、見た目や機能がシンプルになった他、ビデオに限ってはTVという名のアプリに名称が変更されている。

とはいえミュージック・Podcast・TVアプリのそれぞれの機能は今までのiTunesとそれほど大きく変わらず、むしろ3つに分割されたことで扱いやすくなっている印象を受けた。

もちろん音楽や映画のレンタル・購入もミュージック・TVアプリからこれまで通り行える。

歌詞表示ボタンが追加され、再生中の曲の歌詞表示が簡単になった

また、ミュージックアプリの個人的に嬉しい変更点として、右上に”歌詞表示ボタン”が追加され、鑑賞している曲に歌詞がある場合は再生中にボタンを押すことで歌詞が表示可能な点だ。

これまで再生中の曲の歌詞を表示するには曲を選択してから情報ボタンを表示する必要があったが、新しいミュージックアプリでは専用のボタンでいつでも歌詞を表示出来るようになった。

iTunesは長い歴史の中で様々な機能を追加していったため、インターフェースも機能もゴチャゴチャとして分かりにくかったが、新しいミュージック・Podcast・TVアプリは見栄えも一新され、直感的で使いやすいと感じた。

iTunesを長く愛用していたユーザーでもすぐに慣れるはずだ。

Finder

Finderの機能やアイコンには大きな変更点はないが、iTunesが3つのアプリに分割されたため、iPhone・iPad・iPodとの同期やバックアップはFinder上から行うようになった。

iPhone・iPad・iPodをMacに接続するとFinderの”場所”の欄にそれらのデバイスが表示され、iTunesでお馴染みの同期画面が表示される。

Sidecar

macOS Catalinaでは、iPadをワイヤレス接続でサブディスプレイとして利用出来る”Sidecar”という機能が追加されるが、どうやらSidecar機能を利用出来るMacは限られており、更にiPad側もiPad OSのベータを導入する必要があるようなので、今回はテスト出来ず。

iPadをMacBook Pro 13インチ(Early 2015)に繋げても同期が可能になるだけで、Sidecar関連の機能や項目は設定画面にも一切出なかった。

Sidecar機能が利用出来るMacはiPhone Maniaの記事によると以下のMacに限られるようだ。

  • iMac 27インチ(Late 2015)以降
  • MacBook Pro(2016)以降
  • Mac mini(2018)以降
  • Mac Pro(2019)以降
  • MacBook Air(2018)以降
  • MacBook(Early 2016)以降

探す

画像には加工を施しています

新たに”探す(Find My)”アプリが追加され、Apple IDでサインインしているデバイスをマップ上で簡単に探すことが可能になった。

そのデバイスが位置情報を発信している場合はマップ上にそれらのデバイスが表示され、遠隔でデバイスをロックあるいはデータを消去することも出来る。

今までiCloud画面で行なっていたことが”探す”アプリでは簡単に実行可能だ。

更に”人を探す”の項目では家族や友人などが位置情報を共有している場合、そのデバイスの位置情報を利用し、その人が今どこにいるのかを探すことも可能になっている。

ベンチマーク

新機能の紹介を一通りしたところで、macOS Mojaveと比べてmacOS CatalinaはMacのパフォーマンスにどれくらい影響を与えるのか検証してみよう。

ベンチマークにはGeekbench 4のCPUベンチマークを使用する。

スペックはMacBook Pro 13インチ Early 2015(デュアルコアCore i5 2.7Ghz・メモリ8GB)

なおmacOS Catalina Public Beta 2ではCPU使用率が異常に高く、正常なベンチマークが出来ないためPublic Beta 1を使用した。

macOS Mojave

macOS Catalina Public Beta

結果としてmacOS CatalinaではmacOS Mojaveと比べてスコアは微減した。

それほど大きなスコア低下ではないが、体感としてはBetaということを考慮してもmacOS Catalinaは少々重い。

MacBook Pro 13インチ Early 2015はデュアルコア(4スレッド)・メモリ8GBであるためmacOS Catalinaは荷が重いのかもしれない。

もちろんmacOS Catalinaの正式版では改善されている可能性もあるが。

まとめ

以上、簡単にmacOS Catalina Public Betaの所感とベンチマークをまとめてみたが、一部で話題となった”iTunes消滅”は、印象としてはメディアが勝手に騒いだだけであり、音楽・映画のレンタル・購入は今まで通り出来るし、操作方法もiTunesと大きく違わず、単純に3つのアプリに分割されただけなので従来ユーザーでもすぐに慣れるはずだ。

他にはこれといって劇的に変わった部分はないが、”設定”画面の変更や”探す”アプリの追加、iPadをサブディスプレイとして利用出来る”Sidecar”など、細かな改良が加えられており、macOS Catalinaは良いアップデートであると思う。

”Project Catalyst”と呼ばれるXcodeのアップデートによりiPadのアプリがmacOS上に移植しやすくなったのもデベロッパーにとっては嬉しいポイントだろう。

今回はMacBook Pro 13インチ Early 2015へのインストールだったため、Sidecar機能及びeGPUを繋げた状態でのテストは残念ながら出来なかったが、macOS CatalinaではUIをMetalが描画するようになったので、最終版ではGPUやeGPUのパフォーマンス改善の可能性もあり、正式リリースが楽しみだ。

正式版がリリースされたらまた改めてeGPUを繋げた上で色々テストをしてみたいと思う。