
2019年10月8日午前2時ごろ(日本時間)、ついにmacOS Catalinaの正式版がリリースされた。
今回はメインのMac mini 2018、サブのMacBook Pro 13 Mid 2019を両方ともmacOS Catalinaにアップデートしたので所感を書いていきたい。
なお、僕のように所持しているMacを全てmacOS Catalinaにアップデートするのはバグ・不具合が発生した際に不都合が生じる可能性が高いので現時点では複数のMacを所持しているなら、いずれか1台は前バージョンのmacOSにしたままの方がいいだろう。
また、散々書いてきたがmacOS Catalinaからは32bitアプリケーションは完全に動作しなくなるためインストール/アップデートする際は自分の使用しているアプリケーションに32bitのものはないか注意してほしい。

INDEX
macOS Catalinaインストールまで
ファイルサイズ

ファイルサイズは8.09GBであり、これはMac mini 2018・MacBook Pro 13 Mid 2019どちらも同じであった。
なおアップデート中に「ネットワークが切断された」というエラーが何回か出てダウンロードがやり直しになったが、Mac mini 2018・MacBook Pro 13 Mid 2019両方とも同様のエラーが出たため、僕のネットワーク環境かサーバー側の問題の可能性がある。
エラーが出た場合は何度もやり直す内に正常にダウンロードが完了した。
所要時間
ダウンロードが完了しアップデートが始まってからmacOS Catalinaの初期設定画面が出るまでMac mini 2018で28分・MacBook Pro 13 Mid 2019で35分かかったが、今までのメジャーアップデートの所要時間と大差はない。
eGPU使用中のソフトウェアアプデート
今回、macOS Catalinaにアップデートするにあたって僕はMac mini 2018にBlackmagic eGPUを接続したままアップデートするという暴挙に出たが、数分間画面が点灯しなくなることはあるものの、プログレスバーやAppleロゴは正常に表示されアップデート自体も問題なく終了した。
ただ、Appleは依然としてソフトウェアアップデート中のeGPUの使用・接続は推奨していないため、macOS Catalinaインストール中はeGPUは外した方がいい。
macOS Catalinaの新機能・変更点

ここからはmacOS Catalinaの新機能・変更点を紹介していく。
なおCatalinaの新機能や変更点は細かいものを含めると非常に多いため、ここでは特に重要とされる項目をピックアップする。
また、iPad用のアプリをMacで使える「Project Catalyst」が存在するが現時点(10月8日)ではデベロッパーが対応作業中でありProject Catalystに準拠したアプリは存在しないため除外する。
インストール後の画面

macOS Catalinaが正常にインストール/アップデートされればお馴染みの新機能の紹介画面が表示される。
macOS Catalinaのアイコンやデスクトップの壁紙はアメリカ・カリフォルニア州にあるサンタカタリナ(Santa Catalina)島の写真を使用しており、macOS Catalinaの由来となっている。

デスクトップ画面には大きな変更はないが、デスクトップには「場所が変更された項目」というフォルダがあり、macOS Catalinaのセキュリティ設定に適合しなくなった場所にあったファイルはこの中に移動されている。

個々の環境によって移動されるファイルは違ってくると思うが、僕の場合は重要なファイルは特に影響は受けなかった。

なおフォルダの中には「このフォルダは何なのか?」という説明がご丁寧にもPDFファイルとして同梱されている。
また、ドックを見てみるとミュージック・Podcast・TVアプリが追加されておりiTunesは消滅していることが確認できる。

更にApp Storeのアイコンのデザインが若干変更されている。

なお、「このMacについて」の画面はいつも通りアイコンとmacOSのビルドナンバーが更新された他、「プロセッサ」の部分に新たにコア数が表示されるようになっている。
ビルドナンバー(バージョン)は10.15。
eGPUを使用中のブート画面表示に対応

これまではeGPUを接続しているMac miniではブート画面(Appleロゴ)は表示されなかったが、新たにeGPU接続中の起動・再起動時にブート画面が表示されるようになった。
Metal機能セットはmacOS GPU Family2

macOS CatalinaからはローレベルAPIの「Metal」が3へとバージョンアップしており、システムレポートからはそれぞれのGPUのMetal対応の有無及び対応する機能セットが表示されている。
上記画像ではRadeon Pro 580はMetalに対応し、その機能セットがmacOS GPU Family2であることが確認できる。
システムボリュームとユーザーデータボリュームが分離された

ディスクユーティリティを開いてみるとmacOS Catalinaではシステムデータ(OS)が入っているボリュームとユーザーデータが入っているボリュームが分離されてユーザーデータのボリュームは「Data」という名前になっている。

更に起動ボリューム(ユーザーデータボリュームも含む)のFirst Aidを実行すると以前よりも強い表現で「コンピュータの応答が停止する」という警告が出るようになった。
またFirst Aidでのディスクチェック中はディスクユーティリティのウィンドウ以外はブラーがかかり他の操作は一切できなくなった。

スクリーンショットは撮れるがFirst Aid中はほぼ全ての機能が停止する。
通知

macOS Catalinaではセキュリティが強化されているため画面右上に個々のアプリケーションの通知を許可するかどうかのパネルが度々表示される。
また、システムファイルや個人フォルダ(写真など)へサードパーティアプリケーションがアクセスしようとした際にも以前までのmacOSより頻繁に許可するかどうかのパネルが表示される。
設定画面とApple IDの画面

最初に最も目につくのが設定画面の変化及びApple IDの概要の画面だろう。
設定画面の右上には「Apple ID」と「ファミリー共有」の項目が追加され、Apple IDやiCloudなどの設定、ログインしているデバイスなど、諸々の情報がApple ID画面に統一された。
前述した通知設定のアイコンも刷新されている。

Apple ID概要画面ではiCloudやメディアの購入の設定項目が追加され、更に同じApple IDでログインしているデバイスが左下に表示されている。
なお「Apple ID設定をアップデート」でいくらパスワードなどを入力しても通知が消えない場合は左にある「iCloud」をクリックして「キーチェーン」を有効にすれば消える。
なぜキーチェーンが初期状態で無効になっているのかわからないが、少なくともキーチェーンを有効にしなければ「Apple ID設定をアップデート」という通知はゾンビのように再出現する。
テーマ・モードの自動変化

設定画面の「一般」の設定では新たにライトモード・ダークモードに加えて「自動」という項目が追加され、時間に合わせてライトモードからダークモード、ダークモードからライトモードに自動で切り替わる。
完全64bit化(32bitアプリケーション非対応)

macOS Catalinaでは完全な64bit化が成され、32bitアプリケーションは非対応になった。
実際にCatalinaをインストールする直前に32bitアプリケーションがMacに存在している場合、下記画像のような注意画面が表示される。

オリンパスのカメラのファームウェアアップデーターは32bitアプリケーションであるため「macOS Catalinaでは動作しない」という警告である。
今回はmacOS Catalinaで32bitアプリケーションを開くとどのようなことになるのか実験するため、あえて32bitアプリケーションを残しておき、そのままインストールした。
しかし日常的に使用するアプリケーションが32bitであるならmacOS Catalinaのインストールは見合わせた方がいいだろう。


早速macOS Catalinaで警告が出たアプリケーションを見てみると、32bitのアプリケーションは削除こそされていないがアイコンに「禁止マーク」が表示され、開くとデベロッパーに問い合わせるように促され実行できない。

当然ながらSteamのゲームもSteamクライアント自体は64bitに対応したが、32bitのゲームを遊ぼうとするとエラーが出る。
ミュージック

iTunesの消滅に伴い、音楽類は全てミュージックアプリにまとめられた。
とはいってもプレイリストや購入・ダウンロードした音楽は全て引き継がれている。
僕はミュージック・映画などを含むiTunesライブラリ全体を念のためバックアップしておいたがミュージック・映画共に全く問題なくそれぞれミュージックアプリ・後述するTVアプリに引き継がれていたため、移行による問題は起きなかった。
ミュージックアプリは全体的にシンプルな画面になり、僕個人としては以前のiTunesよりよっぽど使いやすい。

「従来までのiTunesストアはどうなったのか?」と最初疑問に思ってしまうかもしれないが、ミュージックアプリの環境設定から「iTunes Store」を表示する設定にすればサイドバーにiTunes Storeが表示され、これまで通り音楽の購入ができる。

iTunes Storeの内容は今までのストアと全く同じ。

また、iOS・iPadOS・tvOSと同じく歌詞がある曲の場合は「吹き出しアイコン」をクリックすると歌詞が表示される(一度曲を再生すれば停止しても表示可能)。
これまでもMacでは曲の「情報を見る」をクリックすることで歌詞を表示できたがmacOS Catalinaからは再生画面で常に歌詞を表示できるようになった。
ただしiOS・iPadOS・tvOSなどのように歌詞のリアルタイム同期表示はされず、ただ文字として表示されるのみ。
Podcast

Podcastは正直僕はほとんど利用したことがなく、僕にとっては縁のない機能だったがこちらもiTunesから分離して独自のアプリケーションとなった。
ただミュージックと同様、機能自体に大きな違いはない。
TV

TVアプリは新たにmacOS Catalinaで追加された項目であり「今すぐ観る」「映画」「ライブラリ」の3つの項目に分かれている。
「今すぐ見る」の画面では購入・レンタル型の映画以外にも11月2日から開始されるApple TV+(映画見放題サービス)で配信予定の映画も表示されている。
更にApple TV+のサービス開始前にも関わらず、既に配信予定の映画を「次に観る(お気に入り)」に登録可能だ。
UIはtvOSに非常に似ていて「今すぐ観る」の画面は完全にtvOSと同じと言ってもいい。
「映画」の項目ではこれまで通り映画の購入・レンタルが行える。

ぶっちゃけると「今すぐ観る」と「映画」の項目は用途が被っているため「映画」という項目は果たして必要だったのか疑問に思う。
「ライブラリ」ではこれまでダウンロードした映画やテレビ番組を視聴でき、Mojaveまでのライブラリとほとんど変わらない。
なおmacOS Catalinaで初めて映画を再生した際は仮想デスクトップ上でフルスクリーンで再生される。

もちろんこれまでのミニプレイヤーも存在し、更にはほぼ全てのUIを排してピクチャインピクチャ風の再生も可能だ。
Apple Arcade

iOS 13・iPadOS・tvOS 13と同じくApple Arcadeが新たにAppストアに搭載された。
現状ゲームの数は数十個であり、macOSにおけるApple Arcadeは「おまけ感」が強い。
4K HDR

macOS Catalinaは4K HDRに対応しており、4K解像度以上のディスプレイを持ったMacであればTVアプリから映画などを4K HDR画質で鑑賞することが可能だ。
ただ、試した限りMac mini 2018+eGPU、Mac mini 2018+CPU内蔵グラフィックのいずれでも映画を観ることはできても4K HDRの映画の再生は不可能だった。
HDRに関しては僕の使っているモニターはHDR対応であり、Mac mini 2018及びBlackmagic eGPUのHDMIポートもHDMI 2.0a以降なのでHDRに技術的には対応しているし、実際にPS4 ProやApple TV 4KでHDR映画を視聴できているがMac mini 2018では4K HDRモニターを繋いでも4K HDRの映画は見れなかった。
Appleのサポートページでは以下のような脚注がある。
4K、4K HDR、4K Dolby Vision、Dolby Atmos、HDR10コンテンツは、2018年以降に発売された4K解像度のスクリーンを持つMacのすべてのモデルで利用できます。
macOS Catalina - Apple
この文言を観るとiMac4K/5KならHDRのコンテンツを観れるはずだが、現状iMac4K/5KでもHDRで映画を観れたという報告が国内外で一つもないため、macOS Catalinaのバグなのかもしれない。
なお、Apple純正のDigital AV MultiportアダプターのHDMIポートも8月にHDMI 2.0に対応したが、このアダプターを実際に購入してMac miniやMacBook Proで使用して4K HDRモニターを接続したみたところ、こちらも4K HDR映画を見ることはできなかった。
macOS Catalinaでの4K HDR及びDigital AV Multiportアダプターに関しては以下の記事にて。


Dolby Atmos

macOS Catalinaと2018年以降のMacBookシリーズを組み合わせるとDolby Atmosに対応した映画を高音質で楽しめる。
実際にMacBook Pro 13 Mid 2019でDolby Atmos対応の「エイリアン・コヴェンナント」を視聴してみたが、確かに音質、というよりは音の広がりがダイナミックになっている。
特にエイリアンの襲撃シーンや登場人物たちの叫び、爆発音などは近所迷惑になるのではないかというくらいのサラウンド感だ。
ただ、そもそも僕はMacBookなどで映画を見ないためイマイチ魅力が感じられなかった。
また、前述の通りDolby Atmos対応であってもMacBookシリーズはHDRなどには非対応のため音質だけ向上しても極上の映画体験には程遠い。
Sidecar

macOS Catalinaでよく話題になる機能の一つとしてiPadをサブディスプレイ化できるSidecarがある。
ただしSidecarを利用するにはiPadのApple Pencil対応が必須であり、更にMacであっても利用できるMacは限られる。
10月7日付けのAppleサポートサイトにおいてSidecarに対応するMacは以下のみと記述されている。
- iMac(Late 2016以降)及びiMac 27-inch Retina 5K Late 2015
- MacBook Pro (2016以降)
- Mac mini (2018)
- 新型Mac Pro (2019)
- MacBook Air (2018以降)
- MacBook (2016以降)
注意点としてSidecarはLightningなどのケーブル接続・ワイヤレス双方で利用可能だが、ワイヤレスで接続する際はMac・iPad双方でWi-Fi・Handoff・Bluetoothをオンにするのが必須であり、オフの場合は接続エラーが出る。

Sidecarを有効にするにはシステム環境設定から「Sidecar」をクリックし「デバイスを選択」から接続したいiPadを選択する。
なおSidecar利用時はiPadのL字型の項目以外は指でのタッチに反応しない。

iPadのデスクトップ画面を操作するにはMacからマウスポインタを持ってくるか、Apple Pencilでタップする必要がある。
ただしiPadOS由来のジェスチャー(3本指でピンチしてコピーするなど)や二本指での画面のスクロールなどは使用可能。
なお、興味深いことにTouch Bar非搭載のMacであってもiPad側には使用しているアプリに応じてTouch Bar搭載のMacBook Proと全く同じツール類が表示される。
左のバーではドックをどちらのMac・iPadに表示するか選択できる他、ソフトウェアキーボードなど各種ショートカットキーも用意されている。
また、Sidecar利用中にシステム環境設定画面から「ディスプレイ」を選ぶと画面の配置を変更することができる。

iPad側のディスプレイ設定を試しに見てみたところ、iPad Air 第3世代では画面解像度は1048x770だった。

恐らく使用するiPadにより解像度は変わってくるはずだ。
ちなみに今回はSidecarはワイヤレスでの接続でテストしたが遅延などは特に感じなかった。
なおSidecar利用時はiPadはランドスケープ(横向き)固定になる。
写真

写真アプリは表示形式が刷新され、年別/月別/日別で写真アプリ側が自動でピックアップした写真がハイライト表示される。
機械学習を利用しているため、写真・画像の人物や誕生日・記念日などを自動で認識してベストショットと判断された写真だけを表示するようになっている。
もちろん「すべての写真」をクリックすれば今まで通りの表示形式で全ての写真・画像を表示できる。
なおハイライト表示される写真にはスクリーンショットは含まれず、写真アプリが自動でスクリーンショットを除外してくれる。
スクリーンタイム

iOSデバイスでは既にiOS 12から導入されていたので説明不要だろうが、自分がどれだけのAppやコンテンツを利用しているかの指標になるスクリーンタイムがMacにも登場した。
アプリごとにロックをかけたりもできるが、そもそもMacを使用する人は成人が多いと思われるためペアレンタルロックのようなものが意味を成すのかは少々疑問だ。
リマインダー

リマインダーはデザインが一新され、更に添付ファイルとして写真などを貼り付けることができるようになった。
更にメッセージアプリで曜日や日付のやりとりがされた場合、Siriが自動で曜日や日付を認識してリマインダーに予定を登録するかどうか提案したりもする。
全体的にスマートになった印象で諸々の機能が「自動化された」という印象を持った。
メモ

メモアプリは新たにギャラリービューに対応しメモを全体的に俯瞰する形で把握できるようになった。
また複数ユーザーにも対応し、メモの共有、他の人の招待といったメモを通した共同作業ができるようになっている。
更にすごいことにメモの中の画像でさえも自動で認識し、それらを検索したり、自動で見出しをつけてくれるようになった。

たとえば僕は読んだ本の表紙を書類スキャンでメモアプリに取り込んでいるが、上記画像のように「老人と海」の表示画像の中の文字を自動で認識して著者名である「ERNEST HEMINGWAY(アーネスト・ヘミングウェイ)」というタイトルが自動で付けられている。
これだけであれば単に表紙画像の中の「ERNEST HEMINGWAY」という文字列を読み取っただけと言えるが、すごいのは「不要な文字列は排除し、ERNEST HEMINGWAYという著者名だけを認識・表示」しているところだ。

上記写真のような複雑な数字や「THE OLD MAN AND THE SEA」という英文が含まれる画像においても「Author Ernest Hemingway」という部分だけを読み取って見出しにしている。
機械学習の成果なのだろうがこれには驚いた。
iPhone/iPad/iPod接続時はFinderで同期する

iTunesの消滅に伴いiPhone/iPad/iPodなどとの同期やバックアップはFinder上で直接行う方式になった。
デバイスを接続すると自動的にFinderのサイドバーに該当デバイスが表示される。
同期画面などの内容については以前とほぼ変わっていない。
探す FindMy

macOS Catalinaでは新しく「探す(FindMy)」アプリが追加され、AirPodsなどを含む個々のデバイスをマップ画面で詳細に探すことが可能になった。
これにより今まではiCloud.comなどを利用する必要があった遠隔での端末ロックなどが容易に可能。
更に位置情報を共有している人がいるならその人の位置もマップ上に表示される。
なおデバイス欄には遥か以前に手放したMacなどが表示される場合があるが、右クリック(副クリック)してApple IDのパスワードを入力すれば削除可能だ。
また、デバイスを紛失した際にそのデバイスがネットワークに繋がっていなくても周囲の人々が持つiPhoneなどのAppleデバイスのBluetoothを通して自動で場所を特定してくれる。
これは完全な暗号化の基で行われるためAppleは紛失したデバイスの持ち主・周囲の人々のプライバシーは完璧に守られると謳っている。
PS4コントローラーでワイヤレスでリモートプレイが可能

これまでのmacOS MojaveでもPS4コントローラーをMacにワイヤレスで接続することは可能だったが、PS4のリモートプレイアプリでPS4のゲームを遊ぶにはケーブルで接続する必要があった。
macOS CatalinaではPS4のシステムアップデートとリモートプレイアプリの更新によりMacでもPS4コントローラーでのリモートプレイをワイヤレスで遊ぶことが可能になっている。
ベンチマーク

ここからは恒例のベンチマーク。
テスト環境はMac mini 2018(6コアi7・メモリ32GB)・Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580)。
Parallels Desktop 15

Parallels Desktopのバージョン15ではmacOSのMetalを介することでWindows上のDirectX 11アプリケーションやゲームのパフォーマンスの向上を謳っている。
しかし少なくともmacOS Mojave上ではバージョン15になってむしろDirectX 11アプリケーションのパフォーマンスは落ちてしまった。
今回はmacOS Catalinaでどれほどのパフォーマンスが得られるのかをDirectX 11アプリケーションであるUnigine Heaven Benchmarkを実行して検証する。
なおParallels Desktop上のWindowsは最新のアップデートを適用したWindows 10。
左がmacOS Mojave、右がmacOS Catalina。


結果はというと多少の改善はあれどカクカクであることには変わりない。
Parallelsはバージョン15の利用にはmacOS Catalinaを推奨しているのでCatalinaになってパフォーマンスは大幅に改善するかと思ったが、現状ではmacOS Catalina+Parallels Desktop 15の組み合わせであってもDirectX 11アプリケーションのパフォーマンスには難がある。
ちなみに下記画像はParallels Desktop 14のスコア。

アプリケーションやeGPUの問題の可能性もあるが海外のフォーラムでもParallels Desktop 15ではパフォーマンスが低下したという報告が複数あるため、Parallelsには是非ともアップデートでの改善をお願いしたい。

Geekbench 5

続いてはGeekbench 5によるCPU・GPUのベンチマーク。
まずはCPUベンチマーク。
左がmacOS Mojave、右がmacOS Catalina。


続いてMetalパフォーマンス。


最後にOpenCLパフォーマンス。


CPUベンチマークにおいては若干だがmacOS Catalinaの方がマルチコアスコアが低い。
またGPUベンチマークではなぜかパフォーマンスで優れるはずのMetalのスコアがmacOS Mojave・macOS Catalina共にOpenCLより低い。
Catalinaで若干ながらMetalのスコアが上がっているとはいえOpenCLより低いのは腑に落ちない。
Geekbenchはつい先日最新バージョンの5がリリースされたこともあってGeekbenchの計測方法に原因がある可能性もある。
いずれにしろmacOS MojaveとmacOS Catalinaで体感できるほどのパフォーマンス差はない。
まとめ
新機能・変更点をピックアップしていたらかなりの長文記事になってしまったが、macOS Catalinaは32bitアプリケーション非対応、Metal 3、iTunes消滅、Sidecarなど多くの機能追加・改善が行われた久々の大きなアップデートだ。
現時点では致命的な不具合はまだ経験していないが、やはりmacOS Catalinaへのアップデートにおいて鬼門となるのは32bitアプリケーションの非対応であり、一部のMacユーザーはmacOS Mojaveのままで行くか、古いアプリケーションには見切りをつけてmacOS Catalinaへとアップデートするか選択を迫られると思う。
とはいえmacOS Mojaveも少なくとも2021年9月まではセキュリティアップデートなどは提供される予定のため、急いで決断する必要もない。
Support status
macOS Mojave - Wikipedia Eng
Extended support ends in September 2021. iTunes, in August 2022
macOS Catalinaへのアップデートは是非とも慎重に検討してほしい。