
あまり話題には上らないがmacOS Catalinaでは密かにGPU/eGPU周りの機能・仕様が変更されている。
ここではmacOS CatalinaにおけるGPU/eGPU周りの変更・改善点をまとめる。
INDEX
macOS CatalinaでのGPU/eGPU周りの変更・改善点
eGPU使用時にブート画面が表示されるようになった

これはmacOS Catalinaの所感記事でも触れたが、macOS CatalinaではeGPU接続中にMac miniなど外付けのディスプレイを使用している環境でブート画面(Appleロゴとプログレスバー)が表示されるようになった。
MojaveまではeGPUを接続しているとログイン画面まではモニターには何も映らなかった。
なお、このブート画面は僕がテストした限り「USB-C>DisplayPort変換ケーブル」でモニターのDisplayPortに接続している場合にのみ表示され、HDMI経由だと相変わらずブート画面は表示されない。
アクティビティモニタでGPUの使用率を確認可能

Mojaveまでのアクティビティモニタではメニューから「GPUの履歴」を表示すればGPU使用率をチェックできたがmacOS Catalinaでは新たにアクティビティモニタに「GPU」というタブが追加され、GPUの使用率を事細かにチェックすることが可能になった。
eGPU・内蔵グラフィック双方の使用率を表示できるだけではなく、それぞれのGPUの製造元や帯域幅までもがチェック可能になっている。
Mojaveまでの「GPUの履歴」と比べると大きな改善だ。
GPUのMetal対応の有無及び機能セットを確認できるようになった

macOS Catalinaのシステムレポートの「グラフィックとディスプレイ」の項目ではeGPUを含むGPUのMetal対応の有無が表示されるようになった。
また、新たに対応する機能セットの詳細も把握できるようになっている。
上記画像では機能セットが「macOS GPU Family2 v1」となっているが、これは「Metal 3」の機能セットであり、上記画像ではRadeon Pro 580はMetal 3対応であることがわかる。
なおmacOS GPU Family2 v1の機能セット(Metal 3)に対応するのは以下のMac・及びGPUとなる。
- iMac 2015以降
- MacBook Pro 2016以降
- MacBook 2016以降
- iMac Pro 2017
- Intel Iris Graphics 5xx
- Intel Iris Plus Graphics 6xx
- Intel HD Graphics 5xx
- Intel HD Graphics 6xx
- AMD FirePro Dxxx
- AMD Radeon R9 M2xx
- AMD Radeon R9 M3xx
- AMD Radeon Pro 4xx
- AMD Radeon Pro 5xx
- AMD Radeon Pro Vega
このリストの出典と各機能リストについては以下のAppleの開発者向けドキュメントをご参照頂きたい。
Purge WranglerはmacOS Catalinaでも使用可能

eGPU非対応のMac(Thunderbolt 1/2)で強制的にeGPUを利用可能にする「Purge Wrangler」という有志が制作したスクリプトはmacOS Catalinaでも動作可能であり、Thunderbolt 1/2しか搭載していないMacであっても非公式ではあるものの引き続きeGPUは使用可能だ。
Purge Wranglerのダウンロードは以下から。
またYouTubeにはPurge WranglerをmacOS Catalinaで動作させるチュートリアル動画が有志によってアップロードされているので英語が少しでもわかるなら見てみるといいだろう。
なおmacOS CatalinaにおいてもMojaveと同じく少なくとも現時点ではGeForceをMac上でeGPUとして使用することはできず、使用できたとしてもBoot Camp上のWindowsのみに留まる。
まとめ
macOS Catalinaでは地味ながらもGPU/eGPU周りの仕様にいくつかの改善が加えられ、従来より柔軟になった。
特にGPUの使用率を細かくアクティビティモニタからチェックできるのは嬉しい変更点だろう。
また、少なくとも僕の環境ではmacOS Catalina上でeGPUの使用による不具合などは経験していない。
eGPUのサポートはmacOS High Sierraから始まったがCatalinaまでバージョンが進んでようやく「安定期」に入ったと言える。