macOS Big Surの気になる・重要な点まとめ

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Appleは日本時間2020年6月23日午前2時よりWWDC(世界開発者会議)2020を開催し、新しいmacOS「macOS Big Sur」及び「Apple Silicon」(ARMアーキテクチャ)への移行を発表した。

ここではmacOS Big Surに関する重要な点だけをまとめる。

macOS Big Surのまとめ

ここではmacOS Big Surについて気になる点、重要な点をまとめるがUniversal 2及びVirtualizationについてはデベロッパー向けであり、エンドユーザーにはあまり関係がないので省略する(僕はソフトウェアデベロッパーではなく、Universal 2及びVirtualizationについての深い知識はない)。

またARM環境でのBoot CampのWindowsの動作については発表会で全く触れられなかったため、現時点ではAppleの見解が示されるまで何とも言えず、省略する(VirtualizationでLinuxを動作させるデモは行われたが、Boot CampとVirtualizationは異なる)。

2020年6月26日追記
ARM環境でのBoot Campを用いてのWindowsの利用は不可能になるとのこと。
Apple独自開発のプロセッサ「Apple Silicon」ではBoot CampでのWindowsサポートはなし - GIGAZINE

macOS Big Surのバージョンは11.0

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macOS Big Surのバージョンはクレイグ・フェデリギがApple Siliconを搭載したMacのデモをした際の画面を見る限り11.0となるようだ。

現行のmacOS Catalinaが10.15なので大きなジャンプとなる。

Big Surの由来

Big Surとはアメリカ合衆国カリフォルニア州に存在する岩礁や山など自然豊かな景観が広がるエリア(Big Sur Region)の名前であり、サンフランシスコからおよそ200km南に位置する。

英語版Wikipediaを読む限り、ドラマチックな光景が広がる美しい場所として人気のようだ。

周囲は州立公園に囲まれており、最も近い街はカーメルである。

Big SurをサポートするMac

  • MacBook (2015) 以降
  • MacBook Air (2013) 以降
  • MacBook Pro (Late 2013) 以降
  • Mac mini (2014) 以降
  • iMac (2014) 以降
  • iMac Pro (2017) 以降
  • Mac Pro (2013) 以降
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かなりの数のMacがサポートから外されてしまっている。

ただ、サポートMacの中にはNVIDIA(GeForce)採用の比較的古いMacもあるため、非サポートMacとの線引きがよくわからない。

Big Surのデザイン

Big Surの大きな変更点はデザインとApple Silicon(ARMアーキテクチャ)のサポートである。

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この内デザインについてはドックがiOSやiPadOSのようなフローティングドックになった他、アイコン類も現状のフラットデザインを採用するmacOSよりも更にポップなものとなった。

個人的にはデモを見る限り「モバイルデバイスの画面みたい」というのが本音だが、iOSやiPadOSとの統一性を図り「MacもiOSやiPadOSのように簡単に使えますよ」と印象付ける意味もあるのだろう。

ARMへの移行

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前述のようにmacOS Big SurはApple Silicon、つまりARMアーキテクチャをサポートしており、発表会でも実際に全てのデモはApple A12Zを搭載したMacで実演された。

また、Apple Silicon搭載MacではiOSやiPadOSのアプリがダイレクトに利用可能なことも判明している。

現行のIntel MacでもmacOS Big Surは今までと変わらず動作するが、Macは今後2年かけてARMへと移行していくことになる。

なお、初のApple Silicon搭載のMacは今年の終わりにリリースされる予定だ。

また、デベロッパー向けにはMac miniの筐体にApple A12Zを搭載したキットが提供される。

Rosetta 2(ロゼッタ2)

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Rosetta 2とはARMアーキテクチャに非対応のアプリケーションをインストール時に適宜ARM用のコードに変換するシステムである。

2とナンバリングされていることからも分かる通り、Rosettaは2006年にMacがPowerPCからIntelに移行した際に初めて開発された。

macOS Big SurではRosetta 2の恩恵によりARMアーキテクチャに非対応のアプリケーションでも自動的にARM用にコードを変換してくれるため、オーバーヘッドや不具合などが発生する可能性はあるもののユーザーのアプリケーション資産はそのままARMベースのMacでも動作可能となる。

なお、Intel移行時に搭載されていたRosetta 1は2011年のMac OS X Lionでは廃止されたため、Rosetta 2も5年後くらいにはmacOSから廃止されるのではないかと予想している。

Intel Macは時代遅れになるのか?

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MacがARMに移行することで「現行のIntel Macが時代遅れになるのではないか?」あるいは「今はMacを買わない方がいいのか?」という疑問が生まれてくるが、発表会終盤でティム・クックが発言したようにAppleは今後も新しいIntel Macを発売する予定であり、Apple Siliconの性能についても不明な点が多いため、焦る必要はないだろう。

2019年にMac Proもリリースされたばかりであるため、急激なARMアーキテクチャへの移行ではなく前述の通り2年という期間をかけてゆっくりと移行していくものと思われる。

また、完全にユーザーのMacがApple Silicon搭載Macに置き換わるまではそれ以上の期間がかかるはずだ。

ただ、今年の終わりにApple Silicon搭載Macがリリースされるということを考えるとMacを新しく買うのはあと半年ほど待ってもいいのではないかとは思う。

macOSはiOSやiPadOSに統合されるの?

WWDC 2018

これは海外のフォーラムで頻繁に指摘される話題で、特にmacOS Big Surの発表以降、そのUIデザインから「AppleはmacOSをiOSやiPadOSに統合しようとしている」という批判が散見されるが、これについてAppleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長”クレイグ・フェデリギ”が2018年のWWDCではっきりと「NO」と答えている。

WWDC 2018
Appleの公式見解としてmacOSをiOSやiPadOSに統合することに「NO」と答えた

確かにmacOS Big SurはiOSやiPadOSのUIと似ているが、それはあくまでUI及びUX(ユーザーエクスペリエンス)の話であって、OSそのものをiOSやiPadOSと統合しようとしているわけではない。

将来的にARMへと移行しmacOS上ではiOSやiPadOSのアプリをダイレクトに利用可能になるが、macOSというデスクトップOSは今後も独立したOSとして存在し続けるだろう。

まとめ

今回のWWDCはmacOS及びMacの転換点になるような大きな発表があったがエンドユーザーが慌てる必要はなく、現行のIntel Macがすぐに陳腐化するようなこともない。

個人的にはmacOS Big Surのデザイン変更はモバイルデバイスの画面みたいではあるが、割と気に入ったため、7月にパブリックベータがリリースされたらインストールして実際に自分の目でmacOS Big Surの変更点を確かめてみるつもりだ。

その際はまた改めて記事を書くため、気長にお待ち頂きたい。

なお、デベロッパーベータは本日から利用可能であるが、通常デベロッパー向けのベータの利用には年額11,800円を支払い、専用のアカウントを取得する必要がある。

Apple Scriptで特殊なプロファイルを作ればmacOS Big Surのデベロッパーベータを無料・Apple IDなしでダウンロードすることができるが、Appleの規約に違反する可能性があるためそういった方法は紹介せず、僕も利用するつもりはない

もし仮にその方法を自力で発見しても、どのようなペナルティがあるかわからないため利用しないことをお勧めする(違法ダウンロードとみなされる可能性もある)。

ちなみに現在macOS Catalinaを利用しているのなら一足先にSafari 14 Technology Preview(Catalina向け)を試すことは可能だ。

Safari 14 Technology Previewについてはデベロッパーアカウントも必要なく、正式版がリリースされた際も従来までと同じようにmacOS Big SurだけではなくmacOS Catalina向けにも別個にリリースされる。

注意点としてSafariのTechnology Previewはアンインストールが面倒であり、パワーユーザー向けなので不具合が発生する可能性が高い。

新しいSafariをいち早く試したいという人以外はやめておこう。