macOS Big Surでしか出来ないこと、macOS Big Surで出来なくなったこと

macOS Big SurからCatalinaへダウングレードしたが意外とBig Surでしか出来ないことがあったため、本記事ではBig Surでしか出来ないこと、逆にmacOS Catalina以前と比較した際にBig Surでは出来なくなったことを備忘録として書いておく。

なお、管理人はメインMacであるMac mini 2018にmacOS Catalinaを、サブのMacBook Pro 13 Mid 2019にmacOS Big Surをインストールしている。

macOS Big SurからMojave&Catalinaへダウングレードした。成功した手順

macOS Big Surでしか出来ないこと

画像出典 Apple

下記ではBig Surでしか出来ないことをまとめているが、個々のデフォルトアプリの新機能については多岐に渡るため、主にクリティカルなものに限っている。

AirPods自動接続切替

iOS 14、iPadOS 14と同様にmacOS Big SurではApple IDで紐づけられたAirPodsの自動接続切り替えに対応したが、macOS Catalina以前では当然利用出来ない。

ただし、Big SurのAirPods自動接続切り替えはバグだらけでまともに機能しておらず、iOSやiPadOSでも不安定なので僕はすべてのデバイスでこの機能を無効にしている。

iPhone 12シリーズで撮ったポートレートモード写真やHDRビデオの編集

iPhone 12シリーズで撮った写真はCatalina以前ではライティングや被写界深度の調整が出来ない

単なるバグの可能性もあるがmacOS Catalina以前の「写真」アプリではiPhone 12シリーズ(12 Pro, 12 Pro Max, 12, 12 mini)で撮影したポートレートモードの被写界深度やライティング、及びHDRビデオの編集が出来ない。

CatalinaでもiPhone XやXS、11シリーズのポートレートモードなら編集が可能だが12シリーズに限ってはBig Surでしか編集は出来ない。

もちろん、露出や色の調整など基本的な編集はこれまで通り行えるが、iPhone 12シリーズでポートレートモードを多用したり、HDR動画を撮影している場合は注意。

なお、macOS CatalinaであればHDRビデオに関しては編集は出来ないがHDRでの視聴自体はMacや外付けモニターがHDRに対応しているなら可能。

SafariでのYouTubeなどでの4K HDR動画視聴

macOS Big SurのSafari 14はVP9コーデックをサポートしたため、初めてMacのSafariでYouTubeなどでの4K HDR動画の視聴に対応したが、macOS Catalina以前では例えCatalina向けのSafari 14を使用していてもYouTubeなどでの4K動画(HDRを含む)の視聴が出来ない。

Safari 14にはmacOS Big Sur向けとCatalina向けが存在し、Catalina向けのSafari 14はBig Sur向けとほぼ同様の機能を備えるがYouTubeでの4K HDR動画視聴は不可能と考えておこう。

なお、Google ChromeではmacOS Catalina以前でも4K動画(非HDR)の視聴が可能。

バッテリーの詳細表示

macOS Big SurではMacBookシリーズにおいてのバッテリーの項目が刷新されており、使用状況の履歴を詳細に表示可能になっている。

なお、macOS Catalinaでも10.15.5でバッテリー充電の最適化機能が搭載されたため、MacBookシリーズのバッテリーの劣化を防止するといったことはCatalinaでも可能。

macOS Catalina 10.15.5でバッテリーの状態管理機能を利用できるMacBookは?

GarageBandなどの最新版の利用

これはBig Surに限ったことではないが、基本的にmacOSではGarageBandなどのApple製の無料アプリのいくつかは最新版のmacOSでしか対応していないことが多く、Catalina以前ではそれらのアプリの最新版はエラーが出てダウンロードが出来ない。

なお、Catalina以前であってもMac App Storeの自分のアカウントをクリックして購入済みの項目からダウンロードすればCatalina以前に対応する旧バージョンのアプリをダウンロード可能。

また、Xcodeは最新版であってもCatalinaで利用可能。

GUIによる起動音のオン・オフ

macOS Big Surではシステム環境設定のサウンドの設定からMac起動時の起動音(ブートチャイム・スタートアップチャイム)のオン・オフが簡単に可能だが、Catalina以前で起動音を切り替えるにはターミナルコマンドを使用する必要がある。

Macの起動音をオン/オフするコマンドまとめ

メニューバーアイテムの非表示の簡易切り替え

macOS Big Surでは新たに「Dockとメニューバー」という項目がシステム環境設定に追加されており、Spotlightアイコンなどを簡単にメニューバーから非表示にすることが可能になっている。

Catalina以前の場合、Spotlightアイコンを含むいくつかのメニューバーのアイコンを非表示にするには複雑な手順を踏む必要がある。

iCloudキーチェーンの同期

これもBig Surに限ったことではないが、もし他のApple製デバイス(iPhoneやiPadなど)が最新のiOS 14やiPadOS 14の場合、macOS Catalina以前ではiCloudキーチェーンの同期が行われなくなる場合がある(少なくともダウングレードした場合は確実に同期が有効にならない)。

画像出典 Apple

これはmacOS Big SurからCatalinaへダウングレードして一番困った問題であり、僕の所有するiPhoneやiPad Pro、サブMacのMBP 13はすべて最新版のiOS・iPadOS及びmacOSであるため、CatalinaにダウングレードしたMacだけiCloudキーチェーンの同期が行われなくなり極めて不便になった。

単なるバグの可能性もあるが、もしmacOS Big Surからのダウングレードを考えていて、iPhoneやiPad、別のMacが最新版のiOS・iPadOS・macOSを使用している場合は注意してほしい。

macOS Big Surで出来なくなったこと

主にmacOS Big Surでしか出来ないことは前述の通りだが、逆にmacOS Big Surで出来なくなったことも多々ある。

レガシー機能拡張のサポート

Catalinaまでサポートされていたレガシー機能拡張のいくつかがmacOS Big Surでは無効化されたため一部アプリケーションやドライバ(プリンターなど)が動作しなくなる場合がある。

これは古いアプリケーションやプリンターなどの周辺機器を使用している場合に大きな影響を受けるため注意して頂きたい。

詳しいことは下記記事にて。

あまり知られていないmacOS Big Sur以降で利用不可になるkext

電卓ウィジェットや大半のサードパーティーウィジェット

macOS Big Surでは通知センターとウィジェットが刷新されたのに伴い、電卓ウィジェットは消滅し、Catalina以前で動作していたサードパーティーウィジェットも全滅に近い。

僕はCatalina以前のウィジェットに日本円で3000円ほど投資したが、それらのウィジェットの一切がBig Surでは動作しなくなった。

何故macOS Big Surから電卓ウィジェットは消えたのか

GUIでのフォントスムージングのオフ

macOS Big SurではCatalinaまで存在した「使用可能な場合は滑らかな文字を使用」のオプションが消え、GUI上ではフォントスムージングをオフにすることが出来なくなった。

macOS Big Surでフォントスムージングをオフにする方法

Spotlightでのデフォルトプレビュー表示

macOS Big SurではインターフェースがiOS・iPadOSと統一されたのに伴ってSpotlightではデフォルトではプレビュー表示が行われなくなり、プレビューを行うにはいちいちTabキーを押す必要がある。

システムアイコンやログイン壁紙の変更

老舗アプリ「LiteIcon」はmacOS Big Surでシステムアイコンの変更が不可能になったことでディスコンがアナウンスされた

macOS Big Surでは起動ディスク(Macintosh HD)がスナップショットとしてマウントされロックされているため、システムアイコンの変更が実質不可能になり、LiteIconなどのフリーソフトもディスコン(開発中止)に追い込まれた。

また、ログイン壁紙の変更も通常の方法では不可能であり、下記記事の方法が通用しない場合、ログイン壁紙は変更出来ないと考えて頂きたい。

macOS Big Surでログイン画面の壁紙を変更する方法

なお、サードパーティーアプリのアイコンであればこれまで通り変更可能。

また、LiteIconの代替としてmacOS Big Surでアイコンを変更するならPictogramというフリーソフトが便利。

特殊ターミナルコマンドなど

macOS Big Surではプロテクトが強化されたことに伴い、いくつかのターミナルコマンドが無効になったり正常に実行出来なくなっている。

例えば次回の再起動を強制的にリカバリーモードで起動する下記コマンドはBig SurではSIPを無効化しない限りエラーが出て実行出来なくなった。

sudo nvram "recovery-boot-mode=unused"

更にmacOS Big Surでは前述の通りMacintosh HDがロックされているため、下記ターミナルコマンドによるDS_Storeファイルの削除といったこともSIPとSSV(Signed System Volume - macOS Big Surで導入されたプロテクト)を無効化してスナップショットを作りマウントしない限り不可能になった。

sudo find / -name .DS_Store -delete; killall Finder

macOS Big Surへのアップデートは全くお勧めしない

macOS Big Surでのみ可能なことはユーザーにとってあまり重要とは言えず、むしろバグ・不具合の多さや出来なくなったことの方が問題であり、ユーザーの自由度が低下しているため現状では「macOS Big Surのデザインが好き」、「AirPodsの自動接続切り替えを利用したい」、「写真アプリでiPhone 12シリーズで撮った写真や動画を編集したい」といった場合を除いてアップデートは全くお勧めしない。

6月になれば新たなmacOSがアナウンスされると思われるため、今までmacOS Catalina以前を使用していて困ったことがないのであれば今のタイミングでわざわざBig Surにアップデートする必要性は薄いと思う。

ただ、他のデバイスで最新版のOSを使用していてMacのみCatalina以前に留まった場合、前述のようにiCloudキーチェーンの同期が行われなくなる場合があるためその点は注意してほしい。