MacだけでWindowsのインストーラー(USB起動ディスク)を作る方法

Macでは以前までBoot CampアシスタントにWindows向けの起動ディスクを作るオプションがあったが近年のmacOSではその機能が削除されているため、ここでは別の方法を用いてMac上だけでWindows 10のインストーラー(USB起動ディスク)を作る方法をまとめる。

なお、Windowsがネイティブで動作しているマシンでは下記Microsoftサポートサイトの方法でUSB起動ディスクを簡単に作ることができる(ただしParallels Desktopなどの仮想環境では少なくとも僕の場合は上手くいかなかった)。

参考 USB フラッシュ ドライブからの Windows のインストールMicrosoft

MacでWindows 10のUSB起動ディスクを作る手順

1. USBメモリをフォーマットしておく

下準備としてまず「ディスクユーティリティ」を開いて、USBメモリを「わかりやすい名前」、フォーマット(ファイルフォーマット)を「MS-DOS(FAT)」に指定、方式を「マスター・ブート・レコード(MBR)」に設定して消去しておこう。

ここでは名前は「WINDOWSBOOT」にしている。

ちなみにフォーマットを「MS-DOS(FAT)」にしているのはWindowsのインストーラーはFAT32のファイルシステムにする必要があるため。

2. Windows 10のISOイメージをダウンロード

続いて下記のMicrosoftサイトからWindows 10のISOイメージをダウンロードする。

基本的にこの画面では指示に従ってボタンをクリックしていくだけでいいが、32bit版、64bit版の選択ではUSB起動ディスク(インストーラー)を利用するPCに合わせて適切なバージョンを選択しよう。

とはいえ、近年のWindows PCのほとんどは64bit版を前提としているため、特別な事情がない限りは64bit版でいいだろう。

3. ISOイメージファイルを開いてマウントし、ボリューム名を確認する

ダウンロードが終わったらISOイメージファイルを開いてマウントし、ウィンドウタイトルのボリューム名を確認しておこう。

このボリューム名はWindowsのインストーラーを作る上で極めて重要のため、きちんと確認してほしい。

なお、僕がダウンロードしたWindows 10のISOイメージのボリューム名は2020年8月時点で「CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9」となっていた。

4. ISOイメージからInstall.wim以外のファイルをUSBメモリにコピーする

ここからが肝となるが、前述の通りUSBメモリはFAT32でフォーマットしたが、ファイルシステムがFAT32の場合、1ファイルの最大サイズは4GBまでという制限があるため、ISOイメージの中の「Install.wim」というファイルはそのままではUSBメモリにコピーできない。

そこでまずは「Install.wim」以外のファイルを下記のターミナルコマンドでUSBメモリにコピーする。

sudo rsync -avh --progress --exclude=sources/install.wim /Volumes/CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9/ /Volumes/WINDOWSBOOT

パスワードを求められたら管理者パスワードを入力してエンターキー。

上記コマンドの「CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9」の部分は先ほど確認したISOイメージのボリューム名、「WINDOWSBOOT」の部分はフォーマットしたUSBメモリのボリューム名にそれぞれ置き換えて実行しよう。

5. Homebrewをインストールする

ファイルサイズが4GBを超えてしまう「Install.wim」をUSBメモリにコピーするためには「wimlib」というツールで分割する必要があるため、続いて下記コマンドでHomebrew(パッケージマネージャ)をインストールする。

既にHomebrewをインストールしている場合はスキップ。

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install.sh)"

「Press RETURN to ~」と表示されたらエンターキー。

なお、この際Xcodeのバージョンによってはソフトウェアアップデートでコマンドラインツールのアップデートを要求されることがあるが一連の作業が終わってからでいい。

エンターキーを押した後、上記画面のように「Next steps - Run 'brew help' to get started」という文が表示されたらHomebrewのインストールは完了。

6. wimlibをインストールする

続いて下記のコマンドでwimlibをインストールしよう。

brew install wimlib

コマンドを実行するとwimlibのインストール処理が始まる。

上記画面になったらwimlibのインストールは完了だ。

7. wimlibでInstall.wimを分割してUSBメモリにコピーして完了

最後に下記のコマンドを実行してISOイメージの中の「Install.wim」を4GB以下に抑えるためwimlibで分割してUSBメモリにコピーする。

sudo wimlib-imagex split /Volumes/CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9/sources/install.wim /Volumes/WINDOWSBOOT/sources/install.swm 3800

先ほどと同じくコマンドの「CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9」と「WINDOWSBOOT」の部分は個々の環境に合わせて適宜置き換える。

「Finished writing split WIM part 2 of 2」と出たらWindows 10のUSB起動ディスクは作成完了だ。

あとはFinder上から今回作成したUSB起動ディスクを取り出そう。

注意点

なお、今回紹介した手順はコマンドを一回間違えただけでUSB起動ディスクが正常に作成されないことがあるほか、Parallels Desktopなどの仮想環境で今回作ったUSB起動ディスクをマウントするとインストーラーがおかしくなってしまう場合があるため、Mac上や仮想環境ではUSB起動ディスクを極力弄らないようにしよう。

作成した起動ディスクから正常にインストーラーが起動するか確認する

実際にWindows 10でUSB起動ディスクからWindows 10のインストーラーを起動するには、まず先ほど作成したUSB起動ディスクを対象のWindowsマシンにセットして「設定」を開く。

「更新とセキュリティ」から「回復」を選び「PCの起動をカスタマイズする」の項目で「今すぐ再起動する」をクリック。

「デバイスの使用」をクリック。

今回作成したUSBメモリをクリックして再起動する。

上記画面のようにWindowsのインストーラーが起動したら成功だ。

なお、もし上記の手順で正常にインストーラーが起動できない場合はBIOSやUEFIの設定でレガシーブートを有効にするか、BIOSやUEFI画面から直接USB起動ディスクをブートしよう。

まとめ

macOSからWindows 10のUSB起動ディスクを作る場合、FAT32によるファイルサイズの制限をバイパスする必要があるため少々面倒だ。

ただ、Windowsの環境が全くない場合は前述の手順くらいしかUSB起動ディスクを作る方法がないため、もしMacだけでWindowsのUSB起動ディスクを作りたい場合は参考にしてほしい。