MacのCPUのTurbo Boostを無効化するTurbo Boost Switcher紹介。ベンチマークも

Macに限らずIntel CPUを搭載するコンピュータは大抵の場合「Turbo Boost」というIntelによるいわゆる「自動オーバークロック機能」が有効になっている。

これによりCPUの負荷が高い場合にベースクロック(基本のクロック周波数)を超えて自動でクロック周波数を一定まで上昇させ、処理性能の向上と省電力を同時に実現している。

ただ、このTurbo Boost機能は当然のことながらクロック周波数が上がる関係上、Macの発熱も上昇し、MacBookシリーズなどのノート型Macではバッテリー消費量も上がってしまう。

ここではMacでTurbo Boost機能の有効/無効を簡単に切り替えることができる無料アプリ(有料版も存在する)「Turbo Boost Switcher」の紹介と使い方の解説及びTurbo Boost無効/有効でどれくらいパフォーマンスに変化が出るのかベンチマークも取ってみたのでまとめる。

Turbo Boost Switcherの使い方

ダウンロードからインストールまで

まず上記のリンクから「Turbo Boost Switcher」公式サイトへ飛ぼう。

公式サイトには「無料版」「有料版」二つへのリンクが存在するが、無料版であってもTurbo Boostの有効/無効化は可能なため基本的には無料版で問題ない。

「Get it Now FREE」をクリックして無料版をダウンロードしよう。

起動すると警告が出るが「開く」をクリック。

Turbo Boost Switcherを初めて起動した際は有料版(Pro版)の購入を勧められるが「Never show this again」をクリックすれば以降は勧誘のウィンドウが表示されなくなる。

設定

Turbo Boost Switcherが起動しメニューバーのTurbo Boost Switcherのアイコンをクリックすると、上記のようなCPU使用率やファンの回転速度、温度、設定画面が表示される。

まずはTurbo Boost Switcherを使いやすいように設定しよう。

  • 「Open at Login」にチェックを付ければMac起動時に本アプリが自動で起動する。
  • 「Disable TB at Launch」にチェックを付ければTurbo Boost Switcherが起動すると自動でTurbo Boostが無効になる。
  • 「On/Off Status Bar Text」にチェックを付ければメニューバーのアイコンにTurbo Boostが現在無効なのか有効なのかを表すテキストが表示される。

基本的にこれらの設定はお好みで構わないが「On/Off Status Bar Text」をオンにしておくとTurbo Boostの有効/無効の状態がテキスト表示でメニューバーで一目でわかるため便利だろう。

Turbo Boostを無効にする

では早速Turbo Boostを無効化してみよう。

Turbo Boost Switcherのメニュー画面で「Disable Turbo Boost」をクリックする。

上記のような警告が出るので管理者パスワードを入力して「OK」をクリック。

上記の警告が出たら「セキュリティ環境設定を開く」をクリック。

「セキュリティとプライバシー」の設定画面に飛ぶので左下の鍵マークをクリックして管理者パスワードを入力したあと、画面下部右の「許可」をクリック。

これでTurbo Boostの無効化が可能になったので再度Turbo Boost Switcherの「Disable Turbo Boost」をクリックすればTurbo Boostが無効になる。

なお、再びTurbo Boostを有効にするには「Enable Turbo Boost」をクリックする。

Turbo Boost無効後の変化

「Disable Turbo Boost」をクリックするとTurbo Boostが無効になり、以降はどんなにCPUに負荷がかかろうがそのMacのCPUのベースクロックまでしかCPUクロックが上がらなくなる。

例えば今回テストしたMac mini 2018 Core i7 8700BモデルではTurbo Boostを無効化するとベースクロックである「3.20Ghz」でクロックの上昇が止まる。

無料アプリ「Intel Power Gadget」でのCPUクロックの表示。
Turbo Boostが有効の状態(デフォルト)では高負荷時にクロックが4.30Ghzまで上がる。
Turbo Boost無効化後。
3.20Ghzでクロックの上昇が止まる。
Turbo Boostが有効の状態での高負荷時の温度。
Mac miniの場合、100度を超える。
Turbo Boostが無効の状態での高負荷時の温度。
最大でも83度ほどまでの上昇に留まる。

温度に関してもMac mini 2018においてはTurbo Boostを無効化することで高負荷時の温度は20度ほど下がり、劇的に発熱が改善する。

ベンチマーク

当然のことではあるがTurbo Boostを無効化すると負荷が高い場面でもベースクロックで動作するようになるため、パフォーマンスは落ちる。

ここではTurbo Boost無効/有効でどれくらいパフォーマンスに変化があるのか、Geekbench 5でベンチマークを取ってみた。

Mac mini 2018 Core i7 8700B

MacBook Pro 13 Mid 2019 Intel Core i5-8257U

結果としては予想どおりTurbo Boostを無効化するとスコアが下がったが、Mac mini 2018に関しては想像していたほどのスコアの落ち込みはない。

Mac miniのCore i7モデルはベースクロックであっても3.20Ghzという比較的高いクロックなのでTurbo Boostを無効化しても劇的な性能差が出にくいのだろう。

対照的にMacBook Pro 13インチエントリーモデルにおいてはCPUのTurbo Boostクロックは最大3.9Ghzだが、ベースクロックはわずか1.4GhzのためTurbo Boostを無効にすると大幅にスコアが低下しているのがわかる。

Turbo Boostクロックとベースクロックに大きな差があるとTurbo Boost無効時にはかなりパフォーマンスが落ちるということになる。

まとめ

上記でまとめた通り、Mac miniや最高にカスタマイズしたMacBook ProならTurbo Boostを無効化しても大したスコアの落ち込みは見られないため、Turbo Boost SwitcherでのTurbo Boost無効化はわずかにパフォーマンスが落ちるものの発熱対策として有効と言える。

ただ、MacBook Pro 13 Mid 2019エントリーモデルなど、ベースクロックとTurbo Boostクロックに大きな差があるモデルはTurbo Boostを無効にするとパフォーマンスロスが非常に大きくなるため、よほど発熱とバッテリー消費を気にしない限り無効にしない方がいいだろう。