Macのメモリ8GBでどこまで出来る?メモリ使用量を分析

macOSはWindowsと比べるとかなりメモリ使用量が高いOSで、僕はMacの購入に際して必ずメモリは最低16GB、可能であれば32GBを推奨している。

ではMacのベーススペックとして搭載されることが多い8GBのメモリでどこまで出来るのか?

実際にメモリ8GBのMacBook Pro 13 Mid 2019で複数のアプリケーションの使用メモリを計測した他、時間経過によるメモリ使用量など、メモリ8GBのMacでの挙動を分析してみた。

ちなみにMacBook Pro 13インチモデルはCPU内蔵グラフィックであるため、あらかじめVRAM用にシステムメモリから1.5GBほどを予約されてしまうので、ディスクリートGPUを搭載したメモリ8GBのMacと比べると使用メモリ量に差が出ることに留意してほしい。

なお、16GBと32GBの分析は以下の記事にて。

Macのメモリを16GBから32GBに増設した後のパフォーマンス

Macアプリケーションの推奨アプリ

まずメモリ使用量の分析の前に主なMacアプリケーションの最低・推奨メモリを見てみよう。

最低メモリ推奨メモリ
Parallels Desktop4GB16GB
Photoshop2GB8GB
Illustrator4GB16GB
DaVinci Resolve16GB32GB

Parallels DesktopやIllustratorは16GBのメモリを推奨しており、DaVinci Resolveに至っては最低メモリが16GB・推奨メモリが32GBとかなり厳しいシステム要件となっている。

また、Photoshopは実際には推奨条件より多くのメモリが必要なことで有名であり、Photoshopの推奨メモリはあてにしない方がいい。

起動直後と各アプリケーションのメモリ使用量

スペック
モデル
MacBook Pro 13 Mid 2019

CPU
Core i5 8257U 1.4Ghz

GPU
Intel Iris Plus Graphics 645 eDRAM 128MB

メモリ
8GB LPDDR3

SSD
256GB

ではメモリ8GBのMacのメモリ使用量を分析してみる。

メモリ使用量の分析にあたって不要な常駐アプリケーションは可能な限り終了させ、MacBook Pro 13 Mid 2019は一度再起動をしてからテストをしている。

起動直後

起動直後だけで使用済みメモリは4.15GBであり、更にこの時点でキャッシュ(よく使うアプリケーションの先読みをしてあらかじめメモリを確保する機能)の容量も2GBを超えている。

メモリの圧縮は行われていないため、起動直後ではまだメモリは逼迫していない。

Photoshop単体

他のアプリケーションは全て終了させ、Photoshopのみを起動して1720万画素の画像を編集している時のメモリ使用量。

意外なことにメモリ使用量は高いもののスワップは発生していない。

ただメモリの圧縮機能が働き始めてメモリに負荷がかかっていることがわかる。

Safari単体

Safariのみを起動し、タブを10個(それぞれ別のサイト)開いた状態のメモリ使用量。

Photoshopと比べると1GBほど減り、5.17GBのメモリ使用量となった。

一方メモリ圧縮はPhotoshopに確保されていた領域が圧縮されたためか1GB近くになっている。

メール単体

メールアプリのみを立ち上げてメールを閲覧している際のメモリ使用量。

さすがにメールアプリ単体は軽く、メモリ使用量は4GB以下。

メモリ圧縮も下がっている。

iTunes単体

iTunesのみを起動して音楽を再生している際のメモリ使用量。

メールアプリよりはメモリを食っているが4.27GBという割と余裕のあるメモリ使用量。

メモリ圧縮もそれほど行われていない。

Photoshop他アプリケーション複数起動

Photoshop、Safari、メール、iTunes、メッセージを同時に立ち上げている状態のメモリ使用量。

この状態だとスワップは発生していないもののメモリ圧縮が軽く1GBを超える。

複数のアプリケーションを立ち上げてもmacOSは搭載メモリ容量が少ないと、使用メモリを圧縮して極力スワップが発生しないように振舞っているのが見て取れる。

高マルチタスク時

続いてはPhotoshopで10枚の画像(1720万画素の写真を含む大サイズ画像)を開いて画像編集をしつつ、Safariで10個のタブを開き、更にiTunesを起動して音楽を再生し、メールアプリを立ち上げてメールチェックをするという高負荷な環境を作り出してそのメモリ使用量を計測してみた。

さすがにここまで来るとメモリ使用量は上がり、メモリの圧縮では捌き切れなくなったためにスワップもおよそ1GBに上昇。

MacBook Proを起動してから約1時間であるため、時間が経過すれば更にスワップ使用領域は増えるだろう。

メモリ8GBでもmacOSの最近のメモリ管理が上手いのか、それほどメモリをガツガツ食ったりはしないものの、やはり高マルチタスク環境ではスワップが発生してしまいメモリ8GBでは難があると言える。

時間経過でのメモリ使用量

続いては時間経過でのメモリ使用量の変化を見てみよう。

1日経過後のメモリ使用量

Photoshopなどのヘビーなアプリケーションは使わず、SafariやiTunesなどのごく一般的なタスクを使用した1日後のメモリ使用量は上記のようになる。

見ての通り一般的なタスクであっても時間経過でスワップが発生することがわかる。

なお、32GBのメモリを搭載したMac miniで同じくPhotoshopで画像を10枚開き、Safariでタブを10個以上開いた上で4日間経過したメモリ使用量は下記のようになる。

メモリ32GB搭載 Mac miniのメモリ使用量

さすがに32GBを搭載しているだけあって極めてヘビーなタスクをしつつ4日間使い続けてもメモリ圧縮は大して行われず、スワップも全く発生していないため快適度も全く違う。

一般的なタスクをして1日経過しただけで300MBのスワップが発生したメモリ8GBと比べるとその差がよくわかると思う。

所感

起動して1日経過したMac mini
メモリが潤沢であるため1日経過したくらいではメモリ圧縮は一切行われない

今回分析してみて、メモリ32GBを搭載したMac miniには当然敵わないものの8GBという極端に少ないメモリを搭載しているとmacOSは可能な限りメモリを圧縮し、キャッシュするメモリ容量も少ないため短時間での使用や軽いアプリではそれほどメモリ使用量を圧迫しないことがわかった。

メモリ8GBの場合、よく使うアプリケーションであってもそれらをいちいちキャッシュしているとメモリを圧迫するためにキャッシュを極力せず、キャッシュよりはメモリ圧縮を優先するというのがmacOSのメモリ管理の癖なのだろう。

ただ、当然ながらメモリ圧縮だけでは重いアプリケーションを含めたマルチタスクの場合は捌き切れなくなりスワップが発生する。

起動後1時間しか経っていないのにも関わらず複数のアプリケーションを立ち上げるとメモリ8GBではスワップが発生するということは、起動している時間が長ければスワップ使用領域がもっと増えていくことは想像に難くない。

結論

結論を言えばメモリ8GBでMacを使うには日常的なタスクにおいても時間経過でスワップが発生するため、ヘビーなアプリケーション使用時には全く足らないし、ブラウジングなどの一般的なタスクであっても長時間の使用でスワップが発生する。

今までの記事でも触れた通り、やはりMacのメモリ容量は8GBでは足りないという結論に落ち着く。

もちろん僕のようにサブ用途で使用するならSSDの速度にも助けられて、そこそこの作業はできるがメイン用途ではやはり16GBが最低ラインだろう。

もっとも、同じメモリ8GBでも数年前のFusion DriveではないHDDモデルのiMacなどに比べればかなりマシな状況になったとは思う。