Mac Project Catalystアプリ紹介とその将来性

macOS CatalinaからはiPad用のアプリをMacに移植させやすくする「Project Catalyst」というデベロッパー用の機能があり、デベロッパーは最低限の労力でiPad用のアプリを簡単にMacに移植できるようになっている。

今回はProject Catalystアプリとそこに見る将来性についてまとめていきたい。

Project Catalystとは?

2019 Apple WWDC 基調講演

Project Catalystとは「Macに移植されたiPad用アプリ」を指すのではなく、前述のようにデベロッパー向けの機能(開発環境)のことを指しており、デベロッパーはiPad用のアプリをMacに対応させるにあたって最低限のコードの手直しだけで済むようになっている。

これによりiPad用とほとんど使い勝手も機能も変わらない慣れ親しんだアプリがMacでも使えるようになり、今後普及が進めばユーザーとデベロッパー、双方にとって有益なものとなる。

ただし、あくまで移植であるため既に有料のiPadアプリを持っていてそのアプリがProject CatalystによりMacに対応した場合、使用するには新たにMac用として有料版を購入する必要はある。

Project Catalyst準拠の無料アプリ

macOS Catalinaリリースから1ヶ月も経っていないが既にいくつかのiPad用アプリがProject Catalyst準拠アプリとして移植されて公開されている。

現状ではProject Catalyst準拠のMac用アプリは有料版が多いが、ここでは完全無料、またはアプリ内課金のProject Catalyst準拠アプリを管理人が実際にインストールして使用した上でおすすめのアプリを紹介していきたい。

なお、これらアプリの動作にはmacOS Catalinaが必須である。

Twitter

Twitterアプリは以前もMac用が存在したが、Twitter社が開発リソースを削減するという理由で2018年2月16日(現地時間)にストアから削除され、それ以降MacでTwitterを利用するにはブラウザから閲覧するかサードパーティーのTwitterアプリを利用する必要があった。

しかしProject Catalystの登場に伴い、TwitterアプリもiPad用Twitterの全ての機能を持った新生Twitterとして再登場した。

TwitterはProject Catalystの中でも特にフォーカスされていたアプリであり、2019年のApple WWDCにおいてもmacOS Catalina用にTwitterアプリがリリースされることがアナウンスされていた。

実際に僕もリリースされてから早速使用しているが従来のTwitterアプリより動作も軽く、iPad用のTwitterアプリとも機能はほぼ変わらないため非常に使いやすい。

当然だが日本語にも対応している。

Rosetta Stone

iPad用の言語学習アプリRosetta StoneもProject CatalystによりMac版が無料でリリースされている。

無料版では使用できる機能が限られるものの言語学習アプリとして海外では比較的有名なソフトウェアであり、UI自体もTwitterアプリと同じくiPad用とほとんど変わらないためiPad用を愛用していた人にとっては朗報だろう。

こちらも日本語に対応している。

Planny 3 - Smart To Do List

こちらはmacOS標準のリマインダーを彷彿とさせるいわゆるTo Doリストアプリ。

残念ながらインターフェースは日本語に対応していないが、日本語環境においてもきちんと日本語の文字入力は可能。

更にTo Doリストのタスクを完了させることによりスコアが付くため、ゲーム感覚でTo Doリストを作成・完了させることができる。

HabitMinder

HabitMinderはiPhoneなどのヘルスアプリケーションを更に高機能化したような健康習慣アプリ。

健康に関するあらゆる目標(1万歩歩く、腕立て伏せを20回するなど)を立てて、それを実行することで健康習慣の向上を図ることができる。

もちろんMacに歩数計などは存在しないため「どの目標をどの程度実行したのか?」というのは手動で入力する必要があるが、Apple Watchのように自分で運動などの目標を立ててそれを達成することを主軸にしているのは面白い。

日本語にも対応しているのも嬉しい。

Countdowns

これもいわゆるリマインダー風のアプリの一つだが、ユニークな点として予定をセットすると秒単位で期日までのカウントダウンが始まるところだ

また、macOSのカレンダーからのインポート機能も備えている。

期日までのカウントダウンを秒単位で行うというのはユニークなのだが、日本語に対応していない点とプッシュ通知などを利用するには課金する必要があるところが残念。

PDF Viewer - Annotation Expert

macOSには最初からプレビューアプリでPDFを閲覧することができるし、Mac用のPDFビューワーアプリも多数存在するが、Project CatalystアプリとしてのPDFビューワーは現時点ではこのアプリのみ。

Annotation Expertの名の通り自由にPDFファイルに注釈を加えることができる。

Sidecarと組み合わせてApple Pencilを利用すればペンで書いているのと変わらない方法で利用も可能。

このアプリはiPad用アプリではそれなりに有名であり、日本人の利用者も一定数いるため当然日本語にも対応している。

Project Catalystに見る将来性

ざっくりとおすすめのProject Catalystアプリを紹介したが、macOS Catalinaのリリースから1ヶ月も経っていないのにこれだけのiPad用アプリが移植されているということはそれだけ移植の作業が簡略化されたということだろう。

デベロッパーにとっては移植作業が楽になり、ユーザーはiPadで愛用しているアプリをそれほど操作性は変わらずにMacでも利用可能であり、双方にとってProject Catalystがもたらす恩恵は大きい。

しかも一部のアプリはiPad用アプリとiCloudを介しての同期も可能となっている。

これからはiPadで使用していた資産がMacでも利用できるようになるというのは想像以上に大きな革新をもたらすと僕は思っている。

今後数年を経てMacへ移植されるiPad用アプリはかなりの数に上ると思われる。

Appleは2018年のWWDC基調講演で明確にiOSやiPadOSをmacOSに統合することを否定したが、iPad用のアプリの移植を容易にしてmacOSにiPadのアプリを取り込むというアプローチはなかなかスマートだ。

今はまだProject Catalystアプリの数も限られているので黎明期であると思うが、いずれはiPad用のアプリはMac版も存在するというのが当たり前な時代が来るかもしれない。

Project Catalystアプリを複数実際に使用してみてその将来が非常に楽しみな結果となった。