
何を隠そう僕はかなりのオタクなのだが、20年近くWindowsを利用したあと、4年前の2016年に初めてMacを購入し、それ以来Windowsは仮想マシンやBoot Campのみで使い、この4年間はもっぱらMacをメインマシンとして利用してきた。
ただ、オタクがMacをメインマシンとして利用するにあたって当初はかなり戸惑った。
この記事が誰の得になるのかは僕自身もさっぱりわからないが、Macユーザーがオタ活をする上でのノウハウを紹介したいと思う。
INDEX
MacでのアニメBlu-ray再生

オタクなら恐らく誰もがアニメを見るだろうし、中には気に入った作品やアニメ映画などのBlu-rayを購入することもあるはず。
また、購入したアニメBDをウィンドウで再生し、ながら作業をしたい人もいるだろう、いや、いるかはわからないが僕はそういうタイプだ。
ただ、MacでBlu-rayを再生する場合は障害が多く、現時点ではMacでのBlu-ray再生はおすすめしない。
まずMacでアニメBDを見る際は当然のことながら外付けのBlu-rayプレイヤーとMac対応のBlu-ray再生ソフトウェアが必要になる。
外付けのBlu-rayプレイヤーに関してはAmazonや家電量販店で簡単に購入出来るがMacでのBlu-ray再生ソフトウェアはMacgo社製のMac Blu-ray Playerしかなく、しかも評判が極めて悪いためMacでのBD視聴は現実的ではない。
MacでBDを無理して再生するくらいなら、普通のBlu-ray再生機やゲーム機を使用した方が圧倒的に手軽だろう。
僕はWindowsを使用してた頃、Cyberlink社のBlu-ray再生ソフトウェアでBDを再生していたが、WindowsでさえBlu-ray再生ソフトウェアの動作は極めて不安定だった。
Macの場合は再生ソフトウェアも一社が独占しており、そのソフトウェアも不安定なのでMacでのBD再生は諦めた方がいい。
Safariでの動画再生とブラウザゲーム

Macを利用する人はmacOSに標準で付属するSafariをメインのブラウザとして利用する人も少なくないだろう。
実際に僕も普段のブラウジングはSafariで、時折ブログのデザインの検証をする上でChromeやFirefoxを利用する程度だ。
そんな中でオタクがSafariを利用する上で困った点を上げたい。
dアニメストアはSafari非対応
NetflixやAmazon Prime VideoなどはSafariでも問題なく動作し、例え不安定なeGPUを接続していたとしても、少なくともNetflixやAmazon Prime Videoでは問題が起きたことはない。
ただ、アニメ専門配信サービスであるdアニメストアに関しては以前はSafariに対応していたが現在はSafariではdアニメストアの視聴は出来ない。
IEやEdge、Chrome、Firefoxなど主要なブラウザは対応しているのだが、Safariだけは例外なようだ。
dアニメストアを利用する場合は他のブラウザを使用するか、iPhoneやiPadアプリを利用するのがいい。
ブラウザゲーはサービスによって対応状況が異なる
艦これに代表されるブラウザゲームは、近年FlashからHTML5への移行が急速に進んでおり、大半のゲームはSafariでも動作可能だが一部のゲームは”Adobe Flashプレイヤー”が必要になる場合があり、現時点でSafariはデフォルトではFlashプレイヤーを同梱していないため、SafariでFlashプレイヤーを利用するには別途プラグインをダウンロードする必要がある。
Flashプレイヤーが完全にWebの世界から駆逐されるまでは、Safari上でブラウザゲームをプレイする上でFlashプレイヤーのインストールは欠かせないだろう。
ただ、macOSやSafariはバージョンが上がるごとにFlashプレイヤーとの親和性が低下しており、僕の環境でもFlashプレイヤーのインストールに失敗したり、上手く動作しないことがあったため、macOSにわざわざプラグインをインストールしてSafariを使うくらいなら、最初からFlashプレイヤーを搭載しているChrome(初期設定では無効状態)などでFlashを有効化した方が手軽かもしれない。
なお、ChromeのFlashプレイヤーも現在では推奨されておらず、将来的にはFlashプレイヤーは削除される予定である。
macOS対応のSteamオタクゲーム

Steam(米Valve社が運営するPCゲーム配信プラットフォーム)でのmacOSのシェアはSteamの統計データを見ると約3%と極めて少ないが、中にはMac版SteamでMac対応のオタクゲーム(ノベルゲームなど)を遊びたい人もいるかもしれない。
SteamにはWindowsと比べると非常に数は少ないがMac対応のノベルゲーム(ビジュアルノベル)も存在する。
ここでは日本語対応かつMac対応のおすすめSteamノベルゲームを紹介しよう。
なお、Mac版のSteamは動作が重い上に日本語入力に不具合があり、フレンドとチャットをするだけでも一苦労なほど使い勝手が悪いということに留意する必要がある。
Danganronpa 1+2
価格:各2,138円 1+2セット版3,848円 種別:商業 開発:Spike Chunsoft 販売:Spike Chunsoft ボイス:あり
ダンガンロンパシリーズは僕はスピンオフを含めて全作をプレイするほどのファンなのだが、1と2に限ってはMac対応であり、日本語にも対応している。
内容はノベルゲームをベースにした特殊なシューティングゲームとでも言えばいいのか、非常に言葉で説明するのが難しいゲームシステムなのだが、ストーリーに関してもゲームのギミックに関してもとても良く出来ており、ノベルゲームに興味がない人でも楽しめる内容となっているので、気になったら是非プレイしてほしい。
注意点として、本作にはアクション要素があるためにトラックパッドでのプレイはかなり厳しく、僕が試した限りではMagic Mouse 2でも操作に難があったため、別途普通のPC用のマウスが必要になるかもしれない。
なお、1と2はストーリーが繋がっているので購入する場合はセット版がおすすめ。
ちなみに本作の続編の3もPC向けにリリースされているが、Macには対応していないのが残念。
Sound of Drop - fall into poison-
価格:1,280円 種別:同人 開発:あいうえおカンパニー 販売:Sekai Project ボイス:なし
あいうえおカンパニーという同人ノベルゲームサークル開発の作品。
日本語での原題は”しずくのおと -fall into poison-”
オーソドックスなノベルゲームではあるが、ストーリーはこの手のゲームにしては珍しくホラーであり、少々グロいシーンも存在するので人は選ぶがストーリー・キャラクター・BGM共に低価格商業ゲームと比べても遜色のない出来。
舞台が水族館なので、幻想的な雰囲気が終始漂ってるのも魅力的。
Fatal Twelve
価格:2,500円 種別:同人 開発:あいうえおカンパニー 販売:Sekai Project ボイス:あり
Sound of Drop - fall into poison-のあいうえおカンパニーの第二作目。
今作ではKickstarterでのクラウドファンディングに成功し、全編フルボイス化がなされ、更に商業ゲームのクオリティに近づいた作品となっている。
内容としては一人の女子高生が自身の命をかけて、運命の女神が仕掛ける12人によるゲームに挑むというもの。
前作とは打って変わって、こちらはバトル物のような様相を呈しているがどんでん返しや感動的なシーンも多くあり、先が気になる展開の連続でとても楽しめる。
The Orchard of Stray Sheep
価格:980円 種別:同人 開発:Namaage 販売:Sekai Project ボイス:なし
原題は”マヨイヒツジの果樹園”
孤島の学校に赴任してきた教師”山田一郎”が、そこで様々な少女たちと知り合い、少女たちの悩みや秘密に苦悩・葛藤しつつ、自身の過去に起きた出来事と向き合う物語。
BGMはフリー素材であり、イラストやオープニング曲においても商業ゲームのクオリティと比べると少し物足りないが、980円にしてはボリュームがあるストーリーで物語の内容自体も悪くない。
A Kiss For The Petals - Remembering How We Met
価格:980円 種別:同人 開発:聖ミカエル女子学園 販売:Sekai Project ボイス:あり
原題は”その花びらにくちづけを 出会った頃の思い出に”
いわゆる”百合”ノベルゲーム。これまでに紹介したゲームと違って人が死んだりすることもなくホラー要素も皆無で、絵も可愛いために気軽に楽しめる作品。
ファンディスク・続編的となる”その花びらにくちづけを にゅーじぇね!”という作品も存在するが、Steamでは第1作目の本作しか販売されていない。
Narcissu 1st&2nd
価格:無料 種別:同人 開発:stage-nana 販売:Sekai Project ボイス:あり
原題は”ナルキッソス”
かなり有名な作品なので、聞いたことがある人もいるかもしれない。
今から10年以上前にフリーソフトとしてWeb上で公開され、かなりの反響を呼んだ作品であり、その後は商業デビューを果たし、小説版も一般の書店に売っているほどの人気作品。
1と2は無料で公開されており、内容も無料作品とは思えないほどの出来。
ただストーリーは終末期医療の”ホスピス”という題材を扱っているために、かなり重い内容となっている。
ただ、その分感情に訴えかけるストーリーであり、僕は初プレイ時は泣いてしまった。
ノベルゲームに興味がなくても是非プレイしてほしい一本。
Higurashi When They Cry
価格:単品:598〜798円 6本セット:3,948円 種別:同人 開発:07th Expansion 販売:MangaGamer ボイス:なし
原題は”ひぐらしのなく頃に”
超有名な作品なのでオタクでなくとも知ってる人も多いはず。
元は同人ゲームであったが、同人ゲームとしては異例の人気を博しテレビアニメ化、コミカライズ、ノベライズ、ゲーム化など、今でも多くのファンがいる人気作品。
内容はサスペンス+ホラーであるため、人を選ぶかもしれないが、よく練られたストーリーと設定、個性豊かなキャラクター、後半の急展開で読者を釘付けにする。
なお本作はシリーズ化されており、全てのストーリーが繋がっているため、全編を読むことによってのみ謎が明かされる仕掛けなので、総プレイ時間は100時間を超える。
気軽にプレイしたい人にとっては少々長すぎる作品かもしれない。
Umineko When They Cry
価格:全部入り7,732円、出題編:2,408円 解答編:3,090円 種別:同人 開発:07th Expansion 販売:MangaGamer ボイス:なし
原題は”うみねこのなく頃に”
”ひぐらしのなく頃に”を開発した07th Expansionの第二作目。
ひぐらしのなく頃にとは直接的なストーリーの繋がりはない。
同じくアニメ化やコミカライズ、ノベライズなどが行われた作品ではあるが、第一作目ほどの評価は得られていない。
決して低評価というわけではないのだが、一作目の”ひぐらしのなく頃に”が良すぎたために比較されがちで、僕自身もまだプレイしておらず、ここに紹介するべきか迷った作品だ。
ただ、”ひぐらしのなく頃に”ほどの評価ではないとしても一定のファンがいるのも事実なので、”ひぐらしのなく頃に”が気に入ったならプレイしてもいいと思う。
なお、本作は”出題編”と”解答編”の2つにパッケージが分けられており、更に2つをセットにしたコンプリート版は7,732円であるため、Steamで販売されているノベルゲームとしてはかなり高額な部類に入る。
Windows専用の美少女ゲームのプレイ
SteamのようにMac対応のノベルゲームがある程度存在する場合はいいが、大抵の美少女ゲーム、俗に言うエロゲはMac非対応である。
しかしMacであっても仮想環境のParallels Desktopを使用すればWindowsでプレイする場合と比べても遜色ない環境でエロゲ のプレイが可能だ。
仮想マシン構築ソフトウェアである”Parallels Desktop”は非常に優秀で、eGPUを利用することでパフォーマンスが向上する他、Boot CampのようにWindowsを起動するたびにMacを再起動する必要もない。

更にParallels Desktop Pro Editionであれば、コヒーレンスモードという機能でParallels Desktop上のWindowsソフトウェアをあたかもmacOSのソフトウェアのようにウィンドウでプレイすることが可能になる。

この機能を使えばパッケージ版やSteam版のWindows専用美少女ゲームも違和感なくmacOS上でプレイすることが可能になる。
美少女ゲームは一部を除いて大半の作品が低負荷なソフトウェアなので相応のGPUがあれば仮想マシン上でも動作可能であり、Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580)などでも快適にプレイ出来る。
なお、現行製品のMacは全て”光学ドライブ非搭載”であるため、仮想マシン上のWindowsにパッケージ版の美少女ゲームをインストールする際は最低でも外付けDVDドライブが必要となる。
Parallels DesktopはMacに接続している外付けDVDドライブなども、あたかもWindowsに直接繋げたような動作をさせることが可能なので、こういった点でもParallels Desktopは重宝するはずだ。
Parallels DesktopでWindows専用の美少女ゲームをプレイする場合は下記記事を参照。

まとめ
一体誰がこの記事を見て得をするのかは僕自身にも皆目検討がつかないが、長年Windowsで過ごしてきたオタクがMacを使うと結構苦労することが多い。
macOSのフォントの綺麗さや安定性の面で僕はMacを使い続けているが、もし僕のようにオタク趣味があってMacを導入しようと考えているのなら、動画再生にしろゲームにしろ、相応の投資とある程度の苦労が強いられることに留意してほしいと思う。