
先日、サブで使用しているMacBook Pro 13 Mid 2019(MBP 13 2019)の恐らくファン部分から「ジジジ」というノイズ/異音が聞こえてきた。
最終的に色々な対処法を試したところノイズは収まったので、ここではMacから「ジジジ」というノイズが聞こえた時にするべき対処法をまとめる。
INDEX
Macでのノイズの原因

Macでノイズが出る場合、原因としては以下のようなことが考えられる。
- ファン部分に埃が溜まっている
- ファンに何かが引っかかっている
- ファンの故障
- ファンではなくスピーカーからノイズが出ている
原因がファンにあるのかオーディオ関係にあるのか、まずは原因を切り分けることが重要だ。
スピーカー部分に耳を近づけてもMacBookシリーズなどの場合、スピーカーとファンの音を区別するのが困難なため、Macの音量をミュートにしてみよう。
音量がミュートであるにも関わらずノイズが聞こえるならファンの異常の可能性が高い。
また、イヤホンやヘッドフォン、あるいはAirPodsなどのBluetoothイヤホンを接続してイヤホンやヘッドフォンからもノイズが聞こえる場合はまず間違いなくオーディオが原因である。
ちなみに僕の場合は音量、イヤホンやヘッドフォンの有無に関わらず、スリープ中でも絶えず「ジジジ」というノイズが発生していた。
オーディオに原因がある場合にすること

Apple Diagnosticsを起動する
オーディオに原因があると考えられる場合はMacの起動/再起動時にDキーを押しっぱなしにして「Apple Diagnostics」という自己診断機能を起動させよう。

自己診断が終わると「参照コード」が表示され、オーディオに異常がある場合は「VFFxxx」というコードが表示される。
もし「VFFxxx」というコードが出たのならスピーカーなどのオーディオ関係のハードウェアの故障の可能性が高いため、Appleサポートに問い合わせよう。

なお、上記写真のように「ADP000」というコードが表示され「問題は検出されませんでした」と出た場合はハードウェアではなくソフトウェア的に原因がある可能性が高い。
なお自己診断で表示されるリファレンスコードの一覧はこちら。
サウンド関係の設定をリセットする・見直す・変更する

Apple Diagnosticsで異常がなく、依然としてノイズが聞こえる場合はmacOSのサウンド関係の設定を弄ってみよう。
なお、Macのオーディオ関係のトラブル解消法はここで書くと記事が長くなってしまうため下記記事を参照していただきたい。

SMC・NVRAMをリセットする(Intel Macのみ)
AppleサポートのページのSMCリセット・NVRAMリセットを参考にして下記の手順でSMC・NVRAMをリセットする(Intel Macのみ)。
SMCのリセット(T2チップ搭載ノート型Mac)
- Macをシステム終了します。
- 内蔵キーボードで、以下のキーをすべて長押しします。場合によっては、Macの電源が入ります。
- キーボードの左側の「control 」キー
- キーボードの左側の「option (Alt) 」キー
- キーボードの右側の「shift 」キー
- 上記3つのすべてのキーを7秒間押し続け、電源ボタンも長押しします。Macの電源が入っている場合は、キーを押し続けている間に電源が切れます。
- 4つすべてのキーをさらに7秒押し続けてから、指を放します。
- 数秒待ってから、電源ボタンを押してMacの電源を入れます。
SMCのリセット(T2チップ搭載デスクトップMac)
- Mac をシステム終了し、電源コードを外します。
- 15 秒待ってから、電源コードを接続し直します。
- 5 秒待ってから、電源ボタンを押して Mac の電源を入れます。
NVRAMのリセット
- Macをシステム終了してから、電源を入れ、すぐに「option」「command」「P」「R」の 4つのキーを同時に押し、20秒ほど押し続けてからキーを放します。その間、Mac は再起動しているように見えます。
- 起動音が鳴るMacの場合は、2回目の起動音が鳴った時点でキーを放してかまいません。
- Apple T2セキュリティチップを搭載したMacコンピュータの場合は、2 回目の Appleロゴが表示され、消えた後でキーを放すことができます。
- Macの起動が終わったら、必要に応じて、システム環境設定を開いて、リセットされた設定内容 (音量、画面解像度、起動ディスクの選択、時間帯など) を調整してください。
T2チップ非搭載のMacでSMCをリセットする場合はAppleサポートページを参考にして頂きたい。
ファームウェアをリセット
それでも解決しない場合、2台目のMacを使用してApple Configurator 2でDFUモードでファームウェアをリセットするという手もある。
また、ファームウェアリセットだけならばユーザーデータは消えない。
DFUモードでのファームウェアリセットのやり方は複雑なので詳しくは下記記事にて(Intel Macの場合DFUモードに対応するのはT2チップ搭載Macのみ)。

macOSを再インストール

オーディオに限らずmacOSにソフトウェア関連の異常がある場合はmacOSを上書きインストール(再インストール)するのも有効だ。
あくまでシステムのみの再インストールであるためユーザーのデータやアプリケーションが消えることもない。
macOSを再インストールするにはMac起動時にCommand+Rキーを押し続けながらリカバリーモードを起動して「macOSを再インストール」を実行する。
Apple Silicon Macの場合は電源ボタンを押しっぱなしにした後「オプション」ボタンをクリックしてリカバリーモードに入り「macOSを再インストール」を実行する。
ファンに原因がある場合にすること

オーディオではなくファンに原因があると考えられる場合は下記の対処法を試してみよう。
Apple Diagnosticsを起動する
まずはオーディオに原因があると考えられる場合の対処法と同様にMacの起動/再起動時にDキーを押しっぱなしにして自己診断機能「Apple Diagnostics」を実行しよう。

自己診断が終わると「参照コード」が表示され、ファンに異常がある場合は「PPFxxx」というコードが表示される。
もし「PPFxxx」というコードが表示された場合は物理的にファンが故障している可能性が高いため、Appleサポートに問い合わせよう。

「ADP000」というコードが表示され「問題は検出されませんでした」と表示された場合は少なくとも「Apple Diagnostics」での自己診断ではファンに異常が見つからなかったということになるので次の対処法へ移ろう。
なお自己診断で表示されるリファレンスコードの一覧はこちら。
Macs Fan Controlでファン回転数を調節する
Apple Diagnosticsで異常が見つからないにも関わらずノイズが発生する場合は一時的に埃や小さな異物などがファンに挟まっていることが考えられるため、「Macs Fan Control」というファン回転数を調節する無料アプリでファン回転数を変更してみよう。


Macs Fan Controlの公式サイトに飛んだら「Free Download」をクリック。

「Download for macOS」をクリックしてダウンロードして解凍する。

Macs Fan Controlを起動したら管理者パスワードを入力して「OK」をクリック。

上記のような画面になったら「制御方法」の項目から「Custom」をクリックする。
なお、MacBook Pro 15/16インチの場合、ファンが左右に2つ存在するため、その場合は以降の手順を左と右のファンでそれぞれ行おう。

上記のような画面が出たらスライダーを右に調節して「OK」ボタンをクリックしてみよう。
とりあえず最初はスライダーを右端まで移動させ、ファン回転数を最大にしてみるのがいいだろう。

上記画像ではファン回転数を「7200rpm(1分間に7200回転)」まで上げている。
「OK」ボタンをクリックするとしばらくしてMacのファンが高速で回転を始めるはずだ。
管理人の環境ではファン回転数を最大まで上げてしばらくフル回転させ続けたところ、埃や異物が吹き飛んだのかノイズの発生は止まった。
また、低速回転時・中速回転時・フル回転時など、ファンの回転数を調節してノイズの発生具合を確かめてみてもいいだろう。

回転数調節によるファンノイズの確認が終わったら「自動」をクリックして回転数を自動制御の回転に戻そう。
Macの通気口にエアダスターなどを噴射してみる
Mac内に埃を撒き散らしてしまうという弊害があるため、Macの通気口にエアダスターを噴射するのはファンの異音に効果はあるかもしれないが、あまりお勧めはできない。
ただ、どうしてもファンの異音が解消しないという場合は実行してみるのも手だろう。
MacBookシリーズの場合、MacBook Air・MacBook Pro 13インチ(エントリーモデルと上位モデル)、MacBook Pro 15/16インチでは通気口の位置や数は微妙に異なるが、全てのMacBookシリーズに共通しているのはディスプレイのヒンジ部分に最低一つは通気口があるということ。

また、MacBookシリーズのファンは通気口に近いためヒンジ部分の通気口にエアダスターを噴射すれば冷却ファン部分にもエアーは届くだろう。

前述の通り、本来通気口に直接エアダスターを噴射するのは内部に埃をばら撒いてしまうというリスクがあるため、長時間の噴射はやめておこう。
なお、Mac miniであれば本体底面のゴムキャップを外した真下にファンが存在する。

ただ、Mac miniの場合は金属製のプレートによりファンが隠れているため、エアダスターは無意味な可能性がある。
なお、それぞれのMacの通気口の位置はAppleサポートのページに記載されている。
参考 Apple 製品のファンとその動作音についてApple保証期間中は絶対に分解はしないようにしよう

なお、MacBookシリーズやMac mini 2018〜2020モデルの分解は割と簡単であり、底面のネジを取り外して分解すればファン部分を徹底的に掃除することも可能であるが、当然ながら分解した場合保証やAppleCare+が無効になるため、少なくとも保証期間中やAppleCare+のサポート期間中は絶対に分解はやめておこう。
もし分解する場合はiFixitのサイトが非常に参考になるため、各Macの分解方法へのリンクを下記にまとめておく。
- MacBook Pro 16インチ(2019)
- MacBook Pro 15インチ(2019)
- MacBook Pro 13インチ(2018)
- MacBook Air(2018)
- Mac mini (2018)
- iMac Retina 5K(2014)
それでも解消しない場合
Apple Diagnosticsで異常が見つからず、上記対処法のいずれも効果がない場合、Apple Diagnosticsでは発見できない問題が発生している可能性が高いため、Appleサポートに問い合わせた方がいいだろう。
ただ、ファン部分の異音は何もしてないのにある時ピタッと収まることもあるため、ノイズ発生からそれほど時間が経っていないのなら数日間様子を見てもいい。