https://chromeisbad.com/(Chrome is Bad)という直球のアドレスの海外Webサイトがあり、見てみるとどうやらMacにGoogle ChromeをインストールするとGoogle Chromeを起動していなくてもアップデーターの「Keystone」によりWindowServerのプロセスがCPUを食ってMacが重くなることがあるとのこと。
先のWebサイトによればGoogle Chromeと関連フォルダやファイルを削除してMacのパフォーマンスが劇的に改善したと言う。
僕は現在Mac mini+macOS CatalinaにGoogle Chromeをインストールしているが少なくともCatalina上のMacにおいては特にWindowServerがCPUを食っている様子はない。
ただ、同じくGoogle ChromeをインストールしているサブのMacBook Pro 13 Mid 2019+macOS Big Surでは確かにWindowServerが常に10%を超えており、全体的に重く、Google Chrome自体もSafariと比べると非常にパフォーマンスが悪い。

ここでは前述のWebサイトを参考にGoogle Chrome及びKeystoneの削除によりパフォーマンスが改善するのか検証してみたい。
なお、Google Chrome関連のプロセスはほとんどがアクティビティモニタからは見えず、どのような挙動をしているかはLittle Snitchなどのネットワーク監視アプリなどでのみ詳細な表示が可能であり、加えてGoogle Chrome関連のプロセスは外部と何らかの通信をしている(単なるアップデート情報の通信だと思うがいい気持ちはしない)。
ちなみにLittle SnitchでGoogle関連のプロセスの通信をトラッキングすると通信先は大抵の場合アメリカ・カリフォルニア州のマウンテンビューにある「サン・ヴェロン・パーク」という何の変哲もない唯の公園のため、トラッキングの正確性には疑問がある(通信をトラッキングして関係のない場所が表示されるのはよくある話。ただ、通信先がカリフォルニアというのは間違いがないだろう)。


Google Chromeの通信問題については下記記事にて。

INDEX
Google ChromeとKeystoneの削除

1. Google Chromeを削除

まずはGoogle Chromeをアプリケーションフォルダから削除する。
2. ライブラリフォルダからGoogle関連ファイルを削除
続いてFinderを開きCommand+Shift+Gキーのショートカットかメニューバーの「移動」>「フォルダへ移動」を開いてフォルダへ移動パネルを表示しよう。

上記画像のように「フォルダの場所を入力」に下記のパスを入力してそれぞれのフォルダから「Google〜」もしくは「com.google〜」から始まるフォルダ・ファイルを削除する。
- /Library/Application Support/
- /Library/Caches/
- /Library/LaunchAgents
- /Library/LaunchDaemons
- /Library/Preferences
- ~/Library/Application Support/
- ~/Library/Caches/
- ~/Library/LaunchAgents/
- ~/Library/Preferences

上記画像は「~/Library/LaunchAgents/」内のファイルだが、確かにcom.google.keystoneというエージェントやサービスが登録されている。
これらのファイルを前述のフォルダ全てから削除しよう。
なお、管理人の環境ではGoogle Chrome関連のフォルダやファイルが存在するのはユーザーライブラリ(~/Library/)のみでシステムライブラリ(/Library/)には一つも存在しなかった。
3. Google関連のフォルダやファイルを削除したらMacを再起動
前述の場所からGoogle関連のフォルダやファイルを削除したらMacを再起動し、WindowServerの挙動をチェックしてみよう。

上記画像はGoogle Chrome及び関連フォルダ・ファイルを全て削除したあとのアクティビティモニタの画面。
確かにこれだけを見ればWindowServerの使用率は下がっているが、そもそもBig Surにおいては元からWindowServerはCPU使用率が高い傾向にある他、その時に起動しているアプリケーションの処理によって使用率も違ってくるので単なる誤差の可能性があり説得力には欠ける。
また、体感としても特にパフォーマンスが良くなったという感覚はない。
Google ChromeをインストールしておりWindowServerのCPU使用率が極端に高い場合は試す価値あり
今回の検証では特に体感としてパフォーマンスが改善したということもなく、WindowServerの使用率も誤差と言えるほどだったが、実際にChromiumフォーラムのバグ報告スレッドで多数のユーザーがGoogle Chromeをインストールしている環境でKeystoneによりWindowServerの使用率が極端に高くなりMacが重くなると報告しているのは事実。
参考 Issue 1158402: Chrome/Keystone causing abnormally high WindowServer CPU usage when not running?bugs.chromium.orgフォーラムのプロジェクトメンバーも「現象を再現できない」と返信しているため、この問題は極一部のユーザーのみに発生しているものだと思うが、もしMacを使用していてGoogle Chromeがインストールされており、WindowServerのCPU使用率が極端に高いのであれば前述の手順でGoogle Chrome及び関連フォルダ・ファイルを削除してみてもいいかもしれない。