Mac向けeGPU選び Macに最適なeGPUを選ぼう

MacにeGPUを導入するにあたってeGPUの特性やAppleの対応状況を考慮したeGPU選びをまとめてみる。

NOTE
当記事は情報が古くならないよう、eGPUの相場価格やAppleのサポート状況に変化があった際は随時更新しています。
更新間隔は1週間に1回程度になります。
2019年11月7日追記
macOS Catalina 15.1以降でNavi世代のRadeonがサポートされたためRadeon RX 5700シリーズの情報を追記致しました。

eGPUの概要

eGPUはExternal GPU(外付けGPU)の略で、その名の通りGPU(グラフィックプロセッサ)を外付けHDDなどと同じようにノートPCなどにケーブルで接続出来るようにしたものを言う。

eGPUの構想は昔からあったが、40Gbpsの帯域を誇るThunderbolt 3端子の登場によって現実的なパフォーマンスが得られるようになり、近年普及してきた。

NOTE
なお、40Gbpsといっても内部での伝送はPCI-E 3.0 x4レーンになるため、実質的な帯域は32Gbpsとなる。

こちらの海外サイトでPCI-ExpressとThunderbolt 3の比較を行っているが、現状ではeGPUの利用は自作PCやデスクトップPCのPCI-Express x16接続と比べると15~最大30%ほどパフォーマンスは落ちることが確認出来る。

eGPU対応Mac

MacでeGPUを使用するにはThunderbolt 3とmacOS High Sierra 10.13.4以降が必須であり、Thunderbolt 2でeGPUを使えるようにする非公式な方法も存在するが当然Apple非推奨で、仮に使えたとしてもトラブルが起きたり場合によってはMacにダメージを与える可能性もあるため”eGPUはThunderbolt 3及びmacOS High Sierra以降搭載のMac限定”と考えておこう。

eGPUが使用可能なMacは以下の通り

  • iMac Pro
  • iMac (2017年以降に発売されたモデル)
  • Mac mini (2018)
  • MacBook Pro (2016年以降に発売されたモデル)
  • MacBook Air (Retina, 13-inch, 2018)

なお、注意点として2017年までのMacBook Pro 13インチThunderbolt 3x4搭載モデルは本体右側のポートはThunderbolt 3のパフォーマンスを最大限に発揮できないため、2017年までのMacBook Pro 13インチでeGPUを使用する際は必ず左側のThunderbolt 3ポートに接続しよう。

The two ports on the right side of the machine have Thunderbolt 3 functionality but with reduced PCI Express bandwidth. For that reason, Apple recommends plugging higher-performance devices into the left-hand ports on that machine.

右側のThunderbolt 3ポートはPCI-Expressのレーン数不足のため、ハイパフォーマンスデバイスは左側のポートで使用することをAppleは推奨している。

MacRumors

またeGPUを利用するにあたってはAppleのeGPUサポートページを熟読しておこう。

AppleのeGPUサポートページの内容は予告なしに突然更新され、新たに推奨eGPU/eGPUボックスがリストに加わったり、その逆もある。

僕も頻繁にチェックしてなるべく最新情報を本記事に掲載しているようにしているが、eGPUを導入するなら必ず目を通しておこう。

Blackmagic製品かサードパーティー製品か

MacにeGPUを導入するにあたっては、大きく分けて下記の二通りの方法が存在する。

  • Appleと共同開発をしているBlackmagic製eGPUやサードパーティーのグラフィックボードを同梱した一体型eGPUを導入する。
  • 単体でeGPUボックスを購入してグラフィックボードは自分で用意する。

それぞれのメリット・デメリットを見てみよう。

Blackmagic製eGPUの概要

Blackmagic製eGPUのメリットは既にこれ一つでeGPUとして完成しており、ユーザーが別途組み立てたり、GPUを個別に用意する必要がないということ。

箱から出してMacと接続したらすぐ利用出来る。

また、Appleと共同開発をしているため、比較的Mac製品と親和性が高く、相性問題などはほぼない他、Appleも公式にサポートを謳っている点に加えてUSBポートや予備のThunderbolt 3ポートなど端子類を豊富に搭載している点も嬉しいポイント。

逆にデメリットは価格が高く、Blackmagic製eGPUは特別仕様のためGPUの交換が不可能であるという点。

サードパーティーグラフィックボード一体型eGPUの概要

サードパーティーのグラフィックボード一体型eGPUは、Blackmagic eGPUのようにAppleと共同開発しているわけではないが、Appleが公式に推奨を表明しているものはMacとの相性によるトラブルが比較的起きにくいのがメリットだ。

もちろんBlackmagic eGPUと同じく、GPUを個別に用意する必要もない。

また、価格面でもBlackmagic eGPUより安く、端子の豊富さを考えなければ費用対効果の面でこちらの方が手軽に導入出来る。

なお、2019年11月現在、Appleが推奨しているサードパーティーのグラフィックボード一体型eGPUは以下。

  • Gigabyte RX 580 Gaming Box
  • Sonnet Radeon RX 570 eGFX Breakaway Puck
  • Sonnet Radeon RX 560 eGFX Breakaway Puck

デメリットとして、少なくともAppleが推奨しているグラフィックボード一体型eGPUのいずれもグラフィックボードの交換は出来ない

eGPUボックスの概要

画像出典 NiKK TECH

eGPUボックスとは搭載するGPUをユーザーが自由に選べる点が大きな特徴でありメリット。

一体型eGPUと違い、使っているグラフィックボードが陳腐化しても、eGPUボックスのサイズが許せば常に最新のグラフィックボードを交換しながら使うことが出来る。

逆にデメリットとなるのがAppleが推奨するeGPUボックスは数えるほどしかないことだ。

Apple非推奨のeGPUボックスではMacと接続した際に相性問題などが発生する可能性がある。

更にeGPUボックスとGPUを個別に用意する必要があるため、Blackmagic製品ほどではないにしろ、それ相応の費用がかかる点もデメリットだろう。

また、搭載するGPUによって消費電力が大きく変わるため、eGPUボックスに搭載されている電源のワット数を考慮する必要がある他、eGPUボックス・グラフィックボード双方の大きさに気をつける必要もある。

Apple推奨のeGPUボックスとRadeon GPU

Apple推奨のeGPUボックス

現時点でAppleが推奨するeGPUボックスは以下となる。

  • OWC Mercury Helios FX
  • PowerColor Devil Box
  • Sapphire Gear Box
  • Sonnet eGFX Breakaway Box 350W
  • Sonnet eGFX Breakaway Box 550W
  • Sonnet eGFX Breakaway Box 650W
  • Razer Core X
  • PowerColor Game Station
  • HP Omen
  • Akitio Node

Apple推奨のRadeon GPU

eGPUボックスでeGPUとしてMacで利用する際にAppleが正式にサポートを謳っているのは下記のRadeon GPUのみとなる。

  • Radeon RX 470
  • Radeon RX 480
  • Radeon RX 570
  • Radeon RX 580
  • Radeon Pro WX 7100
  • Radeon RX Vega 56
  • Radeon RX Vega 64
  • Vega Frontier Edition Air
  • Radeon Pro WX 9100
  • Radeon RX 5700(macOS Catalina 15.1以降)
  • Radeon RX 5700 XT(macOS Catalina 15.1以降)
  • Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary(macOS Catalina 15.1以降)

GPUごとのApple推奨eGPUボックス

電源容量の関係上、搭載するグラフィックボードに合わせて推奨eGPUボックスも変わってくる。

Radeon RX 470、RX 480、RX 570、RX 580、Radeon Pro WX 7100であれば上記のeGPUボックスのいずれでも大丈夫だが、Radeon RX Vega 56には以下のeGPUボックスを使用することをAppleは推奨している。

  • OWC Mercury Helios FX
  • PowerColor Devil Box
  • Sonnet eGFX Breakaway Box 550W
  • Sonnet eGFX Breakaway Box 650W
  • Razer Core X
  • PowerColor Game Station

Radeon RX Vega 64Vega Frontier Edition AirRadeon Pro WX 9100などの消費電力が高いGPUには以下のeGPUボックスのみをAppleは推奨している。

  • Sonnet eGFX Breakaway Box 650W
  • Razer Core X

AMD Radeon RX 5700、Radeon RX 5700 XT、Radeon RX 5700 XT 50th AnniversarymacOS Catalina 15.1以降及び下記のeGPUボックスにおいてのみ利用可能。

  • Sonnet eGFX Breakaway Box 650W
  • Razer Core X

また、注意事項としてAppleのサポートページでは以下のような文言がある。

iTunes や一部のストリーミングサービスから入手したコンテンツが HDCP で保護されている場合、Radeon 560 搭載の eGPU に接続したディスプレイでは再生できません。こうしたコンテンツは MacBook Pro、MacBook Air、iMac の内蔵ディスプレイで再生できます。

Mac で外付けのグラフィックプロセッサを使う

なぜRadeon 560のみ上記のような制限があるのかは不明だが(市販のRadeon 560製品に上記のようなHDCPによる制限はない)、eGPUとして利用する際はRadeon 560は避けた方が無難かもしれない。

ただ、そもそもAppleの推奨するRadeon GPUにRadeon 560は入っていないため、積極的に選択する理由はない。

上記のHDCPの制限が問題になるのは一体型eGPUであるSonnet Radeon RX 560 eGFX Breakaway Puckを利用する際に限られるだろう。

GeForceは基本的にMacでは使えない

eGPUボックスを導入すればGeForceをMacでも使えるのでは?と思うかもしれない。

しかしAppleはそもそもGeForceをeGPUとして利用することは推奨もサポートもしていない。

更にmacOS MojaveではGeForceのドライバーが削除(古いMac向け用のレガシードライバは残っている)され、これはmacOS Catalinaでも変わっていないため、現状ではGeForceをMacで利用することは不可能に近い。

この件に関してAppleは非難を浴びており、GeForceのドライバーを復活させるよう署名活動まで行われている。

なおmacOS High SierraまでのmacOSでは有志が作成した特殊なスクリプトを実行することで、不安定ながらGeForceをeGPUとしてMacで無理やり利用することは可能。

詳細は下記リンク参照。

CHECK
macOS-eGPU.sh -macOSでのGeForce有効化の手順(英語)

ただ、上記スクリプトは前述の通りmacOS High Sierraまででしか使用できない上にAppleは非推奨・非サポートのため、現時点ではMacでeGPUを導入する場合は「Radeonしか使えない」と割り切って考えよう。

ちなみにBoot Camp上ではBlackmagic eGPUなどを除き、GeForceのeGPUも使える状態にあるが(Windows側での設定は必要)AppleはBoot Camp上でのRadeonを含むeGPUの使用をサポートしていないため自己責任となる。

おすすめ一体型eGPU

これまでに挙げた点を考慮して、独断で選定したおすすめグラフィックボード一体型eGPU/eGPUボックスを紹介する(Mac対応を公式に謳っている製品のみ)。

まずは一体型eGPUから。

Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580)

評価
価格
(2.5)
搭載端子
(3.5)
入手のしやすさ
(4.0)
おすすめ度
(3.5)
スペック
価格
Appleストア:89,800円 (税別)

搭載端子
Thunderbolt 3x2、USB-3.0x4、HDMI 2.0x1

現時点ではWindows非サポート

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

元々のGPUが非力であるMac miniやMacBook Air、MacBook Pro 13インチモデルにおすすめなのはBlackmagic eGPU(Radeon Pro 580)モデルだ。

Blackmagic製品はAppleと共同開発のため、比較的Macと親和性が高くAppleも公式にサポートを謳っているほか、Radeon Pro 580モデルは価格は高いが性能は中の上以上であり、ヘビーなゲームや3Dモデリング、VRアプリ制作用途以外では十分の性能を持っている。

欠点としてはやはりGPUの交換が不可能な点と価格の高さだ。

Blackmagic eGPU Pro(Radeon RX Vega 56)

評価
価格
(1.5)
搭載端子
(4.0)
入手のしやすさ
(4.0)
おすすめ度
(3.0)
スペック
価格
Appleストア:149,000円(税別)

搭載端子
Thunderbolt 3x2、USB-3.0x4、HDMI 2.0x1、DisplayPortx1

現時点ではWindows非サポート

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Blackmagic製eGPU最高峰のeGPU。

Blackmagic eGPUの上位版であり、搭載するGPUはRadeon RX Vega 56

Blackmagic eGPUと同じくAppleと共同開発のためMacでの使用が公式にサポートされ、性能面でもGTX 1070を上回る

そのため、元々のGPUが非力であるMac miniやMacBook Air、MacBook Pro 13インチモデル以外でもワークステーションクラスのパフォーマンスアップを望める。

また、Blackmagic eGPUとは違いProではDisplayPort端子が新たに一つ追加されているため、拡張性においても他のeGPUボックスを寄せ付けない豊富さ。

欠点はそのあまりの価格の高さとGPUの交換がBlackmagic eGPUと同じく不可能である点。

GPUの交換が出来ない製品に15万という価格は高すぎる印象もあるが現時点においてAppleと共同開発をしているeGPU製品の中では最もポート類が豊富なため、検討対象にしてもいいだろう。

GIGABYTE Radeon RX 580 搭載 外付けグラフィックBOX

評価
価格
(1.5)
搭載端子
(4.5)
入手のしやすさ
(3.5)
おすすめ度
(4.0)
スペック
価格
Amazon:101,920円(税込)2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1、USB 3.0x3、充電専用Quick Charge USBx1、DisplayPort 1.4x3、HDMI 2.0x1

搭載電源
450W

Mac/Windows 両対応

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Appleが推奨するサードパーティーのグラフィックボード一体型eGPUの一つ。

Blackmagic eGPUと同じくGPUの交換は出来ないが搭載端子が豊富でありながら価格も安い。

搭載電源は450WであるもののQuick Charge 3.0に対応した充電専用のUSBポートも備えている。

また、グラフィックボード側にはDisplayPort 1.4端子を3つとHDMI 2.0端子1つを搭載している。

搭載GPUはRadeon RX 580であるがRadeon RX 580は若干ながらRadeon Pro 580より性能が高いため、Blackmagic eGPUより高性能であると言える。

ただ、以前は8万円台で購入できていたが現在のAmazonの価格は10万超えになっており、取り扱い店舗も少なくなってきたため魅力が薄くなっている。

更にGPUの交換がBlackmagic eGPUと同じく不可能な点とThunderbolt 3端子が1つしか搭載されていない点も欠点だ。

ただ、仮にGPUの交換が出来ても電源450WではいずれにしろRadeon RX 580以上のグラフィックボードの搭載は難しいだろう。

Sonnet eGFX Breakaway Puck Radeon RX 570

評価
価格
(2.0)
搭載端子
(3.5)
入手のしやすさ
(4.0)
おすすめ度
(3.0)
スペック
価格
Amazon:81,605円(税込)2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1、DisplayPort 1.4x3、HDMI 2.0x1

搭載電源
220W

Mac/Windows 両対応

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Gigabyteと同じくApple推奨のサードパーティーの一体型eGPU。

eGPU製品としては珍しく持ち運びを意識したポータブル型の一体型eGPUとなる。

搭載電源は220Wで、端子はThunderbolt 3x1、DisplayPort 1.4x3、HDMI 2.0x1。

GPUはRadeon RX 570 4GB(RX 560版も存在する)であり、Blackmagic eGPUより性能も拡張性もVRAM容量も劣るが15.2 x 13 x 5.1 cmという超小型の寸法であり、持ち運びに適している。

MacBookシリーズなどで外出先でeGPUを使用する作業に適している他、興味深い仕様としてVESAに対応しており、別売りのVESAマウンティングブラケットを使用すればモニターの背面に貼り付けるように設置することも可能。

Amazon価格は税込8〜9万円とかなり高額だが可搬性を重視する人は一考してもいいかもしれない。

欠点はやはりスペックの割に価格が高く、更にGPUの交換が出来ない点、VRAM容量が4GBであり高解像度環境では不安が残る点だが、このサイズでは仕方がないことかもしれない。

PowerColor Mini Pro

AMD Radeon RX 570搭載 Thunderbolt 3対応 外付けグラフィック拡張ボックス(アミュレットオリジナルマニュアル付き)
評価
価格
(2.5)
搭載端子
(4.0)
入手のしやすさ
(3.0)
おすすめ度
(3.5)
スペック
価格
Amazon:在庫切れ 2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1、HDMI 2.0x2、DisplayPort 1.3x2、DVI-D(デュアルリンク)x1、USB 3.0x2、イーサネットポートx1

搭載電源
ACアダプター

Macのみ対応

Apple非推奨

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Apple推奨のリストには入っていないがRadeon RX 570(VRAM 8GB)を搭載したPowerColorの一体型eGPU。

電源がACアダプターという特殊な製品だが、その分筐体は一般的なeGPUボックスや一体型eGPUと比べて小さくなっている。

また搭載端子が非常に豊富でDisplayPortは最新の1.4ではなく1.3ではあるもののDisplayPortの帯域は十分に広い。

そのほかにもUSB 3.0端子やデュアルリンクDVI、HDMI 2.0も搭載しているため様々な機器を接続できる。

搭載されているGPUはRadeon RX 570であるが、前述したSonnetのRX 570搭載の一体型eGPUよりVRAM容量が倍の8GBになっている。

現時点ではネットでも実店舗でもあまり在庫がないが、流通が増えればeGPUのパフォーマンスを求めない層にとって搭載端子の豊富さという面で魅力的な一体型eGPUになる。

注意点として公式サイトでは「Macのみ対応」となっておりWindowsは非サポートとなる。

秋葉館オリジナルモデル

評価
価格
(3.5)
搭載端子
(3.5)
入手のしやすさ
(4.0)
おすすめ度
(3.5)
スペック
価格
秋葉館:60,940円(税込)〜152,680円(税込)

搭載端子
Thunderbolt 3x1、HDMIx1、DisplayPortx3
またはThunderbolt 3x1、デュアルリンクDVIx1、HDMIx1、DisplayPortx3

搭載電源
550W〜650W

Mac/Windows 両対応

eGPUボックスはApple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

厳密には一体型eGPUというよりはAppleの推奨リストにも入っているSonnet eGFX Breakawayをベースに「Radeon GPUをショップ側で独自に同梱した」ものであり、秋葉館のオリジナルモデルとなる。

搭載GPUはそれぞれRadeon RX 580・Radeon RX Vega 56・Radeon VIIとなり、Radeon VIIがApple推奨のGPUには入っていないが秋葉館で動作確認済み。

ただRadeon VII搭載モデルはMacをスリープ・シャットダウンしてもファンがフル回転し続けるという注意書きがあるため、性能をそこまで重視しないのであればRadeon RX 580かRadeon RX Vega 56搭載モデルがおすすめだ。

eGPUボックスを単体で購入してGPUは自分で選択する方が秋葉館オリジナルモデルより安く済む場合もあるが、秋葉館オリジナルモデルは秋葉館で動作を確認済みであり、eGPUボックスの電源容量やGPUの大きさを考慮する必要がないため、自分でeGPUボックスにGPUを組み込むのが面倒な場合は十分に選択肢となる。

加えてあくまで既存のeGPUボックスに既存のGPUを組み込んだだけであるため、GPUの交換が可能な点もメリットだ。

おすすめeGPUボックス(GPUは自分で用意)

続いてはおすすめeGPUボックス。

GPU(グラフィックボード)は自分で別途用意。

eGPUボックス・グラフィックボードどちらにおいても購入する際はeGPUボックスの電源容量・サイズ及び搭載したいグラフィックボードのカード長や高さ、幅を絶対に確認しておこう。

なおApple推奨のeGPUボックスの中には日本では未発売あるいはほぼ流通していない製品があり、入手が極端に難しいeGPUボックスは除外している。

Razer Core X

Thunderbolt3 external graphics enclosure (eGPU)
評価
価格
(5.0)
搭載電源
(5.0)
搭載端子
(1.0)
入手のしやすさ
(3.5)
おすすめ度
(5.0)
スペック
価格
Razer直販:在庫切れ(税別) 2019年11月14日時点
ビックカメラ.com:40,088円(税込) 2019年11月14日時点
Amazon:在庫切れ 2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1

搭載電源
650W

Mac/Windows両対応

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

以前はApple非推奨であったが2019年7月に正式にApple推奨となったeGPUボックス。

このeGPUボックスは海外では利用者が多く(僕が海外のサイトを回ってみた限り)、海外では一番人気と言ってもいいほどの製品。

搭載電源は大容量の650Wであり、500WまでのGPUをサポートする。

サポートするグラフィックスボードは長さ330mm 、高さ160mm、幅60mmとeGPUボックスでは最大レベル。

Appleがサポートを表明している全てのRadeon GPUを搭載可能であり、しかも公式日本ストアでの価格は32,800円という安さ。

これだけのスペックで一体どうやってこの価格を実現したのか疑問に思うほどだ。

Amazonでは長らく在庫切れの状態が続いており、Razor直販でも11月14日時点で在庫切れであるがRazor直販は在庫が頻繁に復活する。

また、ビックカメラでも取り扱っており11月14日時点の価格は40,088円であり、Razer直販よりは高いがポイント還元を考えると在庫があればビックカメラでの選択肢も十分ありだろう。

Amazonは在庫があっても基本的に価格が倍近くになることが多いので、Amazonへのアフィリンクを貼っておいてなんだがRazor直販やビックカメラで買うのが一番安心・手軽でお財布にも優しい。

欠点としてはやはり現時点では国内ではあまり流通していないこと、搭載端子がThunderbolt 3x1のみの点。

Razer Core X Chroma

Aluminum External GPU Enclosure (eGPU)
評価
価格
(5.0)
搭載電源
(5.0)
搭載端子
(3.5)
入手のしやすさ
(4.0)
おすすめ度
(4.5)
スペック
価格
Razer直販:45,800円(税別)2019年11月14日時点
Amazon:75,297円(税込)2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1、USB 3.1x4、イーサネットポートx1

搭載電源
700W

RGBライト搭載(装飾用)

Mac/Windows両対応

Apple推奨リストに記載はないがAppleがRazor Core Xと一括りにしている可能性あり

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Razer Core Xの上位版。

Razer直販だと税別45,800円であり、Razer Core Xと同じくスペックの割には破格の安さ。

Aamazonではかなり高額なため、前述のRazer Core Xと同じくAmazonで買うよりはRazer直販で購入した方がいい。

Razer Core Xと違いAppleの推奨eGPUボックスには記載がないが、これはAppleがRazer Core XとRazer Core X Chromaを一括りにしているためだと思うのでApple推奨と考えて問題ないだろう。

電源容量は大容量の700Wを搭載し、搭載端子はThunderbolt 3x1、USB 3.1 Type-Aポートx4、イーサネットポートx1。

グラフィックカードは長さ330mm 、高さ160mm、幅57mmまでサポートしているが、幅に関してはRazer Core Xから3mm小さくなっている。

とはいえ大半のグラフィックスボードが搭載可能なサイズであり、あまり気にする必要はないだろう。

電源が700WもあるためRazer Core Xと同じくAppleが推奨する全てのRadeon GPUを搭載可能であり、恐らくこれだけの電源容量を持つeGPUボックスは他にない。

また、実用性は皆無だが筐体にRGBライトが搭載されており、Windowsなら好きな色に調整して七色に光らせることも可能。

Macの場合は設定ソフトウェアがないためライトの調整はできず、デフォルトのスペクトラムライティング(各色が一定のサイクルで点滅)になる。

Boot CampでWindowsを起動すればライティングの調整は可能で、完全にライトを消灯させることも出来る。

細かな点として付属するThunderbolt 3ケーブルが700mmであり、Razer Core X付属の500mmより若干長い。

価格の割にスペックも高く、欠点らしい欠点はないがRGBライトでピカピカ光らせるギミックに興味がない人は普通にRazer Core Xを買った方がコスパ的には良いように思う。

ただ、USB 3.1ポートが4つも付いているのは魅力であり、Razer Core Xの搭載端子の少なさという弱点を克服している。

難癖を付けるとすればUSB 3.1ポートはType-A端子であり、Type-Cであればなお良かった。

Sonnet eGFX Breakaway Box 550W

外付けGPU Box (Mac/Windows対応)
評価
価格
(4.5)
搭載電源
(4.5)
搭載端子
(1.0)
入手のしやすさ
(4.5)
おすすめ度
(4.5)
スペック
価格
Amazon:45,700円(税込)2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1

搭載電源
550W〜650W

水冷ユニット搭載可能

Mac/Windows両対応

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Apple推奨eGPUボックスの一つ。

前述した秋葉館オリジナルモデルにも採用されているSonnetのeGPUボックス。

価格もそれほど高くなく、しかも550Wという比較的容量が大きい電源を搭載し375WまでのGPUをサポートしているため、大半のGPUが搭載可能。

また、この商品には650W版が存在し、そちらはRazor Core Xと同じくAppleが推奨するRadeon GPUの全てを搭載可能である。

欠点としてはポートがThunderbolt 3ポートx1のみであり、拡張性はゼロである点。

OWC Mercury Helios FX

【国内正規品】eGPU 拡張ボックス Thunderbolt 3接続 (550W)
評価
価格
(4.0)
搭載電源
(5.0)
搭載端子
(1.0)
入手のしやすさ
(4.5)
おすすめ度
(4.5)
スペック
価格
Amazon:54,497円(税込) 2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1

搭載電源
550W〜650W

Mac/Windows両対応

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Apple推奨のeGPUボックスの一つ。

電源は550Wと、SonnetのeGPUボックスと同じく比較的余裕があるため、Appleのサポートページの記載に則ればRadeon RX Vega 56までなら搭載可能。

本製品には650W版もあり、理論上は650W版であればAppleがサポートするRadeon GPUの全てを搭載可能と思われるが、Appleのサポートページには本製品の650W版については全く記載がないのが気になる。

eGPUボックスとしては珍しくMacユーザーのレビューがネット上に多く、その多くが高評価である上にAmazonの推奨リストにも入っているため安心感が高い。

また、保証期間も3年ある。

販売代理点がイーフロンティアであり、イーフロンティアのストアでは訳あり製品(箱潰れなど)の650W版が多少安く販売されているため、イーフロンティアストアから購入するのもありだろう。

ちなみに本製品にはGPUが同梱された製品がかつて存在したが、そちらは現在販売されていない。

欠点としてはやはりポートがThunderbolt 3x1のみの点と、公式ページの「サポートするGPUの一覧」のリンクが404 Not Foundだったり、リンクが開かなかったりと、公式ページの管理が若干杜撰に感じてしまう点だろうか。

AKiTiO Node

評価
価格
(5.0)
搭載電源
(3.0)
搭載端子
(1.0)
入手のしやすさ
(4.0)
おすすめ度
(3.5)
スペック
価格
Amazon:在庫切れ 2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1

搭載電源
400W

Mac/Windows両対応

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

現時点で国内最安のeGPUボックス。

コスパに優れた低価格なeGPUボックスとして価値がある他、2019年7月に新たにApple推奨となったのも評価できるポイント。

Razer Core Xと同じく人気商品であるためしょっちゅう在庫切れになるが在庫が切れても割と早めに復活することも多い。

電源は400Wを搭載しており、少なめの容量ではあるがこの価格を考えればそれなりと言える。

欠点は搭載端子がThunderbolt 3ポートx1のみな点と、eGPUボックスの大きさは記載されているもののサポートするグラフィックスボードの大きさに具体的な明記がない点。

また、AKiTiO Nodeを使用する際の注意点としてAppleのサポートページには以下のような記載がある。

Mac ノートブックで Akitio Node を使う場合、Mac を電源アダプタに接続しておかないと、適切に充電されないことがあります。

Macで外付けのグラフィックプロセッサを使う-Apple

AKiTiO Nodeは電源容量が少ないため、MacBookシリーズなどへの充電に問題が生じる可能性がある。

Mantiz Venus

mz-02 egPu (スペースグレー)
評価
価格
(4.0)
搭載電源
(4.5)
搭載端子
(5.0)
入手のしやすさ
(2.5)
おすすめ度
(4.0)
スペック
価格
Amazon:在庫切れ 2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1、USB 3.0x5、イーサネットポートx1、SATAポートx1

搭載電源
550W

Mac/Windows両対応

Apple非推奨

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Appleの推奨には入っていないがOWC Mercury Helios FXと同じく日本国内でも利用者が多く、検索すれば詳細なレビューをしている人が何人か見つかる。

Apple非推奨の特定のeGPUボックスでこれだけの利用者がいるのは驚いた。

海外でもポート類の豊富さから人気が高く、HPという有名なメーカーの製品ということで信頼性も高い。

USB 3.0ポートをフロントに2つ、リアに3つ搭載し、イーサネットポートも備える。

更にSATAポートを備えているためSSDやHDDをeGPUボックス内部に搭載することも可能。

サポートするグラフィックボードの大きさはフルレングス・フルハイト(305mm)。

別売りでドッキングステーションが販売されており(国内では調べた限り流通なし)、ドッキングステーションを購入してThunderbolt 3で本ボックスと繋げればUSB 3.1ポートx2、DisplayPortx2、HDMI端子x1、VGAx1、イーサネットポートx1の追加ポートが得られ、非常に豊富なポートを備えた環境が構築可能。

更にドッキングステーションを利用すれば最大で4Kモニターを2台まで接続することもできる。

Thunderbolt 3ケーブル1本でポートが増やせるというのは、特にMacBookシリーズなどのThunderbolt 3端子しか搭載していないMacで役立つだろう。

かなり柔軟性があるeGPUボックスだがドッキングステーションの入手が国内では難しく、Appleの推奨するeGPUボックスリストにも入っていないのが欠点だ。

更に公式サイトではもちろんMac対応を謳っているものの必須環境に「System Requirement: Windows 10, MacOS 10.13.3 or above with Thunderbolt™ 3 port laptop.」という記載があるため、公式ではラップトップ(MacBookシリーズやノートPC)のみのサポートという形になるようだ。

HP OMEN Accelerator

(Black/Red) [並行輸入品]
評価
価格
(3.0)
搭載電源
(4.0)
搭載端子
(5.0)
入手のしやすさ
(2.5)
おすすめ度
(2.5)
スペック
価格
Amazon:83,007円(税込)2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1、USB Type-Cx1 USB 3.1 Type-Ax4、イーサネットポートx1、SATAポートx1

搭載電源
500W

Mac/Windows両対応(公式サイトでの記載はWindowsのみ)

Apple推奨リスト入り

Thunderbolt 3ケーブル同梱

Apple推奨のeGPUボックスではあるが国内ではほとんど流通しておらず、Amazonでは売っているものの価格が現時点では非常に高い。

ただ、海外では非常に知られたeGPUボックスであり、Mantiz Venusと同じくSATAポートを内蔵しているためSSDやHDDも搭載可能。

公式製品紹介ページではグラフィックボード同梱型を基本として説明しているため、公式ページを見ると一見ポートが豊富に見えるが日本国内で流通しているのはGPUが同梱していないShell版のみ。

GPU同梱版の場合はeGPUボックスのポートに加えてHDMIx1、DisplayPortx3、デュアルリンクDVI-Dx1が得られる。

Mantiz Venusと違いApple推奨のeGPUボックスなので、もう少し価格が安く、なおかつGPU同梱版を選択できれば間違いなくおすすめのeGPUボックスだが現時点では微妙と言わざるを得ない。

また公式ページでは「Windowsのみサポート」の文言があるが、Appleの推奨eGPUボックスリストに入っていること、eGPU総合情報サイトeGPU.IOのレビュワーが実際にMacでテストして安定した動作が可能だったことから、本記事で紹介した。

現状では価格面・国内での流通・国内での利用者の少なさで手放しでおすすめはできないが、価格がこなれて国内で容易に購入できるようになればかなりのポテンシャルを秘めたeGPUボックスになると思うので今後の動向に期待したい。

おまけ キワモノeGPUキットの紹介

おまけとして極めてニッチ・パワーユーザー向け・キワモノのeGPUボックス(キット)を紹介しよう。

R43SG-TB3

評価
価格
(2.5)
搭載電源
(1.0)
搭載端子
(1.0)
入手のしやすさ
(1.5)
おすすめ度
(1.0)
スペック
価格
AliExpress
$275-285 2019年11月14日時点

搭載端子
Thunderbolt 3x1

搭載電源
なし

Mac/Window対応状況
不明

Apple非推奨

Thunderbolt 3ケーブル・グラフィックボード固定金具・グラフィックボード補助電源ケーブル同梱

本eGPUボックスは正確には「ボックス」ではなく基盤がむき出し状態の「キット」である。

ケースなどは付いていないためグラフィックボードは当然むき出しのまま挿す形になり、電源は一般的なATX電源かDellのACアダプター(AC-D220P-01)を自分で用意し、基盤に接続する方法を取る。

極めてパワーユーザー向けではあるが、本製品最大の特徴として「搭載するグラフィックボードの大きさや搭載電源容量を選ばない」ということが挙げられる。

どのような大きさのグラフィックボードでもPCI-Expressバスにさえ挿さればいいし、電源も自分で大容量のものを選択できる。

本製品については公式サイトのインストラクションを見ただけではあるが、以下の記事にて詳しく解説している。

ユニークすぎるeGPUキットR43SG-TB3

購入は日本からでも輸入という形になるがAliExpressというサイトで可能。

キワモノであるためにおすすめは出来ないし、Macで動くのかさえ公式サイトには明記がなく不明だがユニークeGPUキットとして紹介した。

まとめ

現時点ではBlackmagic製eGPU・サードパーティーのグラフィックボード一体型eGPUや単体のeGPUボックスも、それほど沢山の種類があるわけではなく、検討するにあたって大きな優劣が存在する物もあまりない。

eGPUの導入に際してはやはりBlackmagic製品やサードパーティーの一体型eGPUを選ぶのか、それとも単体のeGPUボックスとGPUを個別に選択するのかが大きなポイントだろう。

Blackmagic製eGPUやサードパーティーの一体型eGPUは、搭載GPUが限定されており、価格も高くGPUの交換も不可能であるが、購入すれば特別なセットアップや設定をせずともすぐに利用が出来る。

対してeGPUボックスは自由度が高く安上がりな反面、電源のワット数や搭載GPUの大きさなども考慮する必要があり、下調べや準備を十分にする必要がある。

僕個人の意見としてはMacにeGPUを導入する際は自身のMacがグラフィック性能が低いMac miniやMacBook Air、MacBook Pro 13インチモデルの場合はBlackmagic eGPUや安めの一体型eGPU、それ以外の相応のGPUを搭載したMacであればeGPUボックス+高性能なRadeon GPUが最もトラブルがなく、お財布にも優しい選択なのではないかと思う。