MacをDFUモードで復活・復元する方法

MacはIntel Mac及びApple Silicon MacにおいてiPhoneと同じようにDFU(Device Firmware Update)モードが用意されており、2台目のMacを用いてファームウェアリセット(復活)、あるいはファームウェアとユーザーデータの全てをリセット(復元)して問題が発生したMacを復旧させることができる。

また、ファームウェアリセット(復活)のみの場合はユーザーデータは消えない。

本記事では実際にIntel Mac(MBP 13 2019)でDFUモードを試してみたので解説。

注意
DFUモードはいわば最終手段的な方法であり、ファームウェアリセットだけであればユーザーデータは消えないことを実際に確認していますが、不測の自体が発生する可能性もありますので実行する場合は自己責任でお願い致します。

MacのDFUモードとは?対応Macは?

MacのDFUモードとは問題が発生しているMac(起動しないなど)に別のMacを物理的に接続し、Apple製のソフトウェアである「Apple Configurator 2」を用いてファームウェアをリセットしたり、あるいはファームウェアとデータの全てを消去しMacを完全に初期状態に戻す、いわば最終手段のモードだ。

ただ、最終手段とは言っても前述の通り「復活」であればファームウェアのみがリセットされ、ユーザーデータが消えることはない。

なお、MacのDFUモードでの復活・復元についてはAppleサポートには記載がなく、Apple Configurator 2のドキュメントに詳細な情報が載っている。

参考 Apple Configurator 2を使ってIntelプロセッサを搭載したMacを復活させる/復元するApple 参考 Apple Configurator 2でAppleシリコンを搭載したMacを復活させる/復元するApple

対応Mac

DFUモードでの復活・復元に対応するMacは下記の通り(Intel Macの場合T2チップを搭載したモデルが対象)。

Intel MacApple Silicon Mac
iMac (2020)Mac mini (M1, 2020)
Mac Pro (2019)MacBook Pro (13-inch, M1, 2020)
Mac mini (2018)MacBook Air (M1, 2020)
iMac Pro (2017)N/A
MacBook Pro (13-inch, 2020, Four Thunderbolt 3 Ports)N/A
MacBook Pro (13-inch, 2020, Two Thunderbolt 3 Ports)N/A
MacBook Pro (13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 Ports)N/A
MacBook Pro (13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 Ports)N/A
MacBook Pro (13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 Ports)N/A
MacBook Pro (16-inch, 2019)N/A
MacBook Pro (15-inch, 2019)N/A
MacBook Pro (15-inch, 2018)N/A
MacBook Air (Retina, 13-inch, 2020)N/A
MacBook Air (Retina, 13-inch, 2019)N/A
MacBook Air (Retina, 13-inch, 2018)N/A

DFUモードでの復活・復元に必要なもの

Intel Mac・Apple Silicon Mac共にDFUモードでの復活・復元に必要なものは下記の通り。

  • Apple Configurator 2の最新版に対応した2台目のMac(以下ホストMac)
  • USB-C>USB-CもしくはUSB-A>USB-Cケーブル(充電ケーブルでOK。Thunderboltケーブルは非サポート)
  • ネット環境(ホストMac)

なお、USB-CケーブルはPowerDelivery及びデータの送受信双方に対応したものが必要(MacBookシリーズに付属するUSB-Cケーブルで大丈夫)。

また、ホストMacはIntel MacかApple Silicon Macかは問わない。

更にホストMacのmacOSが最新である必要もない(実際にCatalina搭載のホストMacでBig SurのMBPの復活に成功した)。

ちなみに余談としてターゲットディスクモードで問題が発生しているMacのデータを復旧させるにはUSB-CケーブルではなくThunderbolt 3ケーブルが必要(Intel Macの場合)。

DFUモードの準備とDFUモードへの移行方法

DFUモードでの復活・復元にはUSB-CケーブルがAppleの指定する特定のポートに挿さってホストMacと接続されており、更に復活・復元対象のMacを起動時に特定のキーコンビネーションを実行(Macのモデルによって違う)する必要がある。

また、事前にホストMacにApple Configurator 2をインストールしておき、対象のMacをシャットダウンさせておこう。

更にキーを「10秒間押し続ける」といった場合はきっかり「10秒」である必要がある(時計を用意しておき秒針や秒を見ながらやると楽)。

なお、Apple Configurator 2の画面に「!」マークが表示された場合はキーコンビネーションや電源ボタンを押す時間が長すぎ、もしくは短すぎて失敗しているのでやり直す。

正常にDFUモードに移行した場合はホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示される。

各MacのDFUモードへの移行の方法は下記の通り。

Intel

Mac mini
画像出典 Apple
  1. Mac miniのHDMI側のThunderbolt 3ポートにUSB-Cケーブルを挿してホストMacと接続し、モニターを繋ぎ、電源ケーブルを抜いておく。
  2. 続いて電源ボタンを押しながら電源ケーブルを挿し、ホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示されるまで電源ボタンを3秒間押し続ける。
  3. 「DFU」と表示されたら電源ボタンは離す。
MacBookシリーズ
画像出典 Apple
  1. 電源ボタンを5秒間押してMacをシャットダウンさせる(実際に試した限りこの手順はスキップして普通にシャットダウンしてもOK)
  2. MacBookの左ポートのフロント側のThunderbolt 3ポートにUSB-Cケーブルを挿してホストMacと接続。
  3. 電源ボタンを押しながら起動し、左Controlキーと左Optionキーと右Shiftキーの3つをホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示されるまで3秒間押し続ける。
  4. 「DFU」と表示されたら3つのキーと電源ボタンは離す。
iMac Pro&iMac
画像出典 Apple
  1. iMacのイーサネット側のThunderbolt 3ポートにUSB-Cケーブルを挿してホストMacと接続し、電源ケーブルを抜いておく。
  2. 続いて電源ボタンを押しながら電源ケーブルを挿し、ホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示されるまで電源ボタンを3秒間押し続ける。
  3. 「DFU」と表示されたら電源ボタンは離す。
Mac Pro
画像出典 Apple
  1. Mac Proのトップ側の電源ボタンから離れたThunderbolt 3ポートにUSB-Cケーブルを挿してホストMacと接続して電源ケーブルを抜いておく。
  2. 続いて電源ボタンを押しながら電源ケーブルを挿し、ホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示されるまで電源ボタンを3秒間押し続ける。
  3. 「DFU」と表示されたら電源ボタンは離す。
Mac Pro(ラックマウント)
画像出典 Apple
  1. ラックマウントのMac Proの場合は右側のThunderbolt 3ポートにUSB-Cケーブルを挿してホストMacと接続して電源ケーブルを抜いておく。
  2. 続いて電源ボタンを押しながら電源ケーブルを挿し、ホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示されるまで電源ボタンを3秒間押し続ける。
  3. 「DFU」と表示されたら電源ボタンは離す。

Apple Silicon Mac

Apple Silicon Macの場合、USB-Cケーブルを挿すポートはIntelと反対になる。

Mac mini
画像出典 Apple
  1. HDMIから離れた側のThunderbolt 3ポートにUSB-Cケーブルを挿してホストMacと接続し、モニターを接続して電源ケーブルはあらかじめ最低でも10秒間抜いておく。
  2. 続いて電源ボタンを押す。
  3. 電源ボタンを押したまま電源ケーブルを挿し、ホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示されるまで電源ボタンを押したままにする。
  4. 「DFU」と表示されたら電源ボタンは離す。この際Mac miniのインジケーターはオレンジ色になる。
MacBook Air/Pro
画像出典 Apple
  1. 左のリア側のThunderbolt 3ポートにUSB-Cケーブルを挿してホストMacと接続。
  2. 電源ボタンを押す。
  3. 電源ボタンを押しながら左Controlキーと左Optionキーと右Shiftキーを10秒間押し続ける。
  4. 10秒間経ったら3つのキーは離すが、電源ボタンはホストMacのApple Configurator 2に「DFU」と表示されるまで押し続ける。
  5. 「DFU」と表示されたら電源ボタンは離す。

DFUモード移行後に復活・復元する手順

前述の手順でホストMacのApple Configurator 2にDFUと表示されたら必要に応じて復活(データは消えない)、復元(データは全て消える)を行う。

復活

復活中はホストMac・復活対象Mac共に絶対に電源を落としたりUSB-Cケーブルを抜いたりApple Configurator 2を終了させないこと。

Apple Configurator 2で右クリックし「詳細」から「デバイスを復活」をクリック。

ファームウェアのダウンロードとインストールが始まるので処理が終わるまで待つ。

なお、復活が正常に終了してもApple Configurator 2の画面には復活が終了したことを表す通知が出ず、Apple Configurator 2の画面は「!」マークが表示されるだけの場合がある。

ただ、正常に終了したのであれば自動的に対象のMacとホストMacは切断され、対象のMacは再起動する(再起動しない場合は手動で電源ボタンを押す)。

この時点でUSB-Cケーブルは切断して、Apple Configurator 2も終了させてOK。

復元

復元の場合はデータはファームウェアもろとも全てリセットされて消えるため注意。

復活と同じく復元中はホストMac・復元対象Mac共に絶対に電源を落としたりUSB-Cケーブルを抜いたりApple Configurator 2を終了させないこと。

1. Apple Configurator 2でMacを復元

Apple Configurator 2の画面で右クリックし「復元」をクリック。

前述の通り復元の場合はファームウェアもユーザーデータも消えるため、上記警告が出るので「復元」をクリック。

ファームウェアリセットと消去が始まり、終了するとMacは自動的に再起動する。

こちらもApple Configurator 2に復元が終了したことを表す通知が出ないことがあるが、正常に終了したのであれば対象のMacは自動的に再起動する。

この時点でUSB-Cケーブルは切断し、Apple Configurator 2は終了させてもOK。

Apple Silicon Macの場合は以上で復元作業は終了でMacの再起動後にmacOS設定アシスタントが表示されるのであとは画面の指示通りに進める。

Apple Silicon Macで復元後に設定アシスタントが表示されない場合は一度電源を落とし、上記画像のように「オプション」のアイコンが表示されるまで電源ボタンを押し続けよう。

2. iCloud.comでMacをアカウントから削除(Intel Mac)

Intel Macの場合は続けて下記手順でインターネットリカバリーモードでmacOSを再インストールする。

まずホストMacでicloud.comにログインする。

ログインしたら「iPhoneを探す」をクリック。

「すべてのデバイス」から対象のMacを選択し「アカウントから削除」をクリックして対象のMacをアカウントから削除する(既に対象のMacがアカウントから削除されているならそのままで問題ない)。

これを行っておかないとインターネットリカバリーで復旧させる際に「1008F」というエラーが出てしまうことがある。

3. インターネットリカバリーモードでMac購入当初のmacOSを再インストール(Intel Mac)

その後、復元対象のMacをShift+Option+Command+Rキーを押しながら再度再起動させてインターネットリカバリーモードを起動してネットワークに接続する。

なお、インターネットリカバリーをWi-Fiで行う場合はWi-Fiのセキュリティ設定がWPA3の場合は例えmacOS上では接続できていたとしてもインターネットリカバリー上ではWi-Fiに接続できないことがあるため、その場合はルーターの設定でWi-FiのセキュリティをWPA2などに変更しよう。

ネットワークに接続してインターネットリカバリーモードに入ると上記画像のようにそのMacに最初にインストールされていたmacOSの復旧画面が表示される(上記画像はMojave)。

続いてディスクユーティリティを開き、まっさらになったディスク(APPLESSDなど)を上記画像のように名前を「Macintosh HD」、フォーマットを「APFS」、方式を「GUIDパーティションマップ」にして「消去」をクリックする。

消去が完了したらディスクユーティリティを終了させ、「macOSを再インストール」をクリックしてmacOSをMacintosh HDにインストール後、必要に応じて最新版のmacOSにアップグレードする。

まとめ

MacのDFUモードはiPhoneなどのDFUモードと同じく最終手段の復旧方法であるが、ファームウェアリセット(復活)だけであればユーザーデータは消えないため、自己責任ではあるが問題が発生した際は試す価値はあると思う。