Mac向けのブラウザはどれがいいのか。管理人による比較

Macを使用する上でWebブラウザはどれがいいのか、実際に管理人が主要なブラウザを使用し、各ブラウザの特徴やメリット・デメリットについて思ったことをまとめる。

海外のパワーユーザーの間でのブラウザシェア

本題に入る前に海外のMacユーザーの間でのブラウザのシェアを見てみよう。

画像出典 MacRumors Forums

Macユーザーの中でもパワーユーザーやデベロッパーなど、いわゆるMac上級者が集うMacRumorsのフォーラムでの「使用ブラウザアンケート」の結果は上記画像の通りであり、パワーユーザーの間でもSafariを使用している人が最も多く、次にFirefox、Chromeと続く。

ただ、Safariユーザーが多いと言ってもあくまで「メインで使用しているブラウザ」であり、コメント欄ではWebデザイナーやエンジニアなどが「メインはSafariだが他のブラウザも使用している」とも答えている。

なお、世界全体でのシェアは下記サイトを参照して頂きたい。

参考 Browser Market Share Worldwidestatcounter

各ブラウザの比較

ここからは実際に管理人が各ブラウザを1週間以上使用して、安定性や操作性、パフォーマンスについて感じた点を軸にそれぞれのブラウザの使用感を比較していく。

なお、あくまで管理人の環境での使用感であり、使用しているMacによってはパフォーマンスなどが違ってくる可能性がある他、「このブラウザが最強」、「このブラウザはダメ」といった一方的な意見は控えるようにしている。

なお、テスト環境は下記の通りである。

Mac mini 2018 + macOS Big Sur Developer Beta 4
Intel Core i7 8700B (6 Cores 12 Threads), RAM 32GB

MacBook Pro 13 2019 + macOS Catalina 10.15.6
Intel Core i5 8257U (4 Cores 8 Threads), RAM 8GB

Safari

HTMLエンジン
WebKit

世界シェア(モバイル含む)(2020年7月時点)
16.6%
評価
パフォーマンス
(4.0)
利便性
(3.5)
安定性
(4.5)
デザイン
(5.0)
プライバシー保護
(5.0)
総合評価
(4.5)

言うまでもなくMacユーザーなら誰でも一度は使ったことがあるであろうApple純正のmacOS標準ブラウザ。

「プライバシー保護」を特に重視しており、「プライベートモード」などの機能を初めて実装したWebブラウザでもある。

僕も主にSafariをメインブラウザとして使用しており、iPhoneとの連携(2段階認証コード自動入力など)やApple純正だからこそのデザインの統一性、ピクチャインピクチャ再生機能などを評価しているが、他のブラウザと違って拡張機能(Safariでは機能拡張と呼ぶ)の種類に乏しく、更にメモリ使用量が高いといちいち警告が出るなど「お節介機能」が多いため、手放しでおすすめはできない。

また、WordPress(記事執筆時)とは極めて相性が悪いためWebサイト・ブログ運営者にとってはSafariだけで完結させようとすると支障が生じるだろう。

実際に僕も記事執筆時だけはGoogle Chromeを使うといったように状況に応じて使い分けている。

また、Safari 14ベータになってようやくYouTubeの4K対応を果たしているが、あまりに対応が遅すぎると感じている。

なお、Safari 14ではデベロッパーはGoogle Chromeの拡張機能を容易に移植できると謳っており、実際にベータ時点でもユーザー側でGoogle Chromeの拡張機能をXcodeを用いて変換することが可能である。

Chromeの拡張機能をSafari向けに変換する方法(Safari 14・Xcode 12ベータ)

Google Chrome

HTMLエンジン
Blink

世界シェア(モバイル含む)(2020年7月時点)
65.89%
評価
パフォーマンス
(4.0)
利便性
(4.5)
安定性
(5.0)
デザイン
(4.5)
プライバシー保護
(2.0)
総合評価
(4.0)

Windowsやモバイルを合わせて世界で最もシェアが高いWebブラウザであり、Macユーザーの間でも利用者は非常に多い。

「Chromium」というオープンソースのブラウザが元となっており、HTMLエンジンの「Blink」はSafariのHTMLエンジン「WebKit」からフォークして生まれたという経緯がある。

メモリ使用量が高い傾向にあるが、Chromeウェブストアで配布されている拡張機能やテーマが非常に豊富な他、様々なWebサイトで推奨ブラウザとされているため互換性にも優れ、GmailやYouTubeなどのサービスとの連携も優秀だ。

多くのユーザーはGoogle Chromeを使っていれば間違いないと言えるほど安定したブラウザであると思う。

ただ、「プライバシー保護」という点で不安があり、実際にGoogle Chromeのバックグラウンドプロセスは常に数時間ごとにアップデート確認の通信を行なっている。

「アップデートの確認をバックグラウンドで実行する」という点だけならば問題ないのだが、このバックグラウンドプロセスはアクティビティモニタからは不可視であるため、少々不信感を感じる。

Mac Chromeのバックグラウンド処理を完全に停止/削除する

更に「シークレットモードにおいても隠れてユーザーの情報を収集していた」としてアメリカで集団訴訟にまで発展した。

参考 グーグルに集団訴訟、「シークレットモード」でも情報収集cnet

利便性には優れるがプライバシーの保護という点で大きく評価を落としているブラウザであると思う。

Firefox

HTMLエンジン
Gecko

世界シェア(モバイル含む)(2020年7月時点)
4.26%
評価
パフォーマンス
(3.5)
利便性
(3.5)
安定性
(2.5)
デザイン
(3.5)
プライバシー保護
(5.0)
総合評価
(3.5)

Firefoxは主にパワーユーザーなどのPCやMacに詳しい人が利用している印象があり、実際に前述したMacRumorsの使用ブラウザアンケートにおいても利用者はSafariに次ぐ2位である。

ただ、FirefoxはmacOSのダークモードへの対応が不完全であり、また、僕の環境ではタブやFirefox自体のクラッシュが度々発生したため、現在ではWebデザインの確認以外の用途には使用していない。

Firefoxの歴史は非常に長く、僕も15年ほど前、Macに移行する前からWindowsにインストールして時々使用していたが、Firefoxがアップデートサイクルの方針を変更して「Rapid Release」という形態に移行してからは安定性の面で問題が起きることが多くなったように感じている。

なお、Firefoxに独自にダークモードを適用させるには下記の記事を参照して頂きたい。

Mac Firefoxでコンテキストメニューも含めてダークモードを適用する

Microsoft Edge

HTMLエンジン
Blink

世界シェア(モバイル含む)(2020年7月時点)
データなし
評価
パフォーマンス
(4.0)
利便性
(4.0)
安定性
(4.5)
デザイン
(4.5)
プライバシー保護
(4.5)
総合評価
(4.5)

2020年1月にChromiumベースへと変更して生まれ変わったMicrosoft純正のWebブラウザであり、Chromiumベースへの変更に伴いHTMLレンダリングエンジンも従来の「EdgeHTML」から「Blink」になっている。

Windows 10はもちろんmacOS版も提供されており、リリース当初から評判は海外も含めて上々と言える。

以前までのMicrosoft Edgeでは「拡張機能が非常に乏しい」という弱点があったがChromiumベースとなったことで、ChromeウェブストアからそのままGoogle Chrome用の拡張機能を利用可能になったため、利便性が大幅に増している。

また、プライバシー保護にも力を入れており、他ブラウザにはない三段階のプライバシー保護モードがあるため、ユーザーは必要に応じてモードを切り替えてプライバシーを侵害するWebサイトをブロックすることも可能だ。

総評として非常に堅実なブラウザであり、以前までのMicrosoft Edgeを利用したことがある身としては大幅な進化を遂げたと思っている。

欠点としては各種連携機能を使用する上でMicrosoftアカウントが必要になり、例えMicrosoftアカウントで連携させたとしてもMacでは連携機能の恩恵を受けにくいという点が挙げられる。

なお、Microsoft Edgeのレビューは下記記事を参照して頂きたい。

Chromiumベースの新生Microsoft Edge macOS版を使ってみた

Opera

HTMLエンジン
Blink

世界シェア(モバイル含む)(2020年7月時点)
2.05%
評価
パフォーマンス
(5.0)
利便性
(4.0)
安定性
(4.5)
デザイン
(4.0)
プライバシー保護
(4.0)
総合評価
(4.5)

Operaは非常にマイナーなブラウザであり、Windowsやモバイルデバイスを含めた世界全体でのシェアは僅か2.05%である。

前述のMacRumorsの使用ブラウザアンケートにおいても88人中利用者は1人だけであり、僕の仕事仲間や友人でもOperaを利用しているユーザーはWindowsも含めて1人もいない。

ただ、パフォーマンスという点では少なくとも僕の環境では爆速とまで言えるほど速く、1年以上前に本ブログでまとめたWebブラウザベンチマークにおいても極めて優秀な成績を残した。

Mac Webブラウザベンチマーク どのブラウザが一番速い?

ユーザー数が少ない故に拡張機能もあまり豊富とは言えないが、Webサイトの読み込みやレンダリングの速さという点では非常に優れたブラウザと言える。

Brave

HTMLエンジン
Blink

世界シェア(モバイル含む)(2020年7月時点)
データなし
評価
パフォーマンス
(4.5)
利便性
(4.5)
安定性
(4.5)
デザイン
(4.0)
プライバシー保護
(1.0)
総合評価
(2.0)

Braveは誕生したばかりのブラウザであるが「デフォルトで広告をブロックし、ユーザーはBraveが提供するプライバシーを侵害しない安全な広告を閲覧することで報酬として暗号通貨BAT(Basic Attention Token - Braveのトークン)を得ることができる」という極めてユニークな特徴を持って登場した。

ざっくり言えば「利用しているだけで稼げるブラウザ」として色々なWebサイトやブログで紹介されている。

また、プライバシー保護の他にパフォーマンスにも重きを置いており、BraveはChromeやFirefoxより2倍高速であると謳っている他、Google Chromeの拡張機能も使用でき、利便性にも優れる。

更に好きなWebサイトなどに「投げ銭(チップ)」を送ることが出来るという機能も備えている。

ただ、2020年6月、あるユーザーが「Braveが暗号通貨交換サイトBinanceのURLをユーザーの関知しないところでアフィリエイトリンクにリダイレクトしている」という問題を発見し、その界隈では大きな騒動となった。

参考 プライバシー重視のブラウザ「Brave」、もはや存在意義を投げ捨てた?GIZMODO

Brave側はこの挙動を「ミス」として謝罪したが、ミスではなく故意であったとBraveに疑問を呈する人は未だに多い。

Braveはこの問題が発覚する以前はRedditやMacRumorsのフォーラムでも利用者が多かったが、この問題を受けて少なくとも僕の印象としてはMacのパワーユーザーの間で急激にBraveの利用者数は減少したように思う。

一言で言うなら「きな臭いブラウザ」であり、僕は前述の問題が発覚して以降はBrave自体をアンインストールした。

「プライバシー保護」を謳っていただけに前述の問題によってBraveはその信用を地に落としたと僕は感じている。

まとめ

以上、各ブラウザでの使用感やパフォーマンス、プライバシー保護などを軸に管理人個人の感想をまとめてみた。

総評としてMacで使用するWebブラウザはmacOSとの連携や統一性重視ならSafariWebサイトとの互換性やGoogleサービスとの連携重視ならGoogle Chromeが最も確実と言える。

もしプライバシーとChromiumのWebサイトとの互換性両方を重視するのであればMicrosoft Edgeが安定している。

もちろん複数のブラウザを使い分けるのも有効だ。

なお、冒頭で「このブラウザはダメといった一方的な意見を控える」と書いたが、「Brave」だけは先ほど書いた騒動により、プライバシー保護・透明性という点で問題があるため利用はお勧めしない。