M1 Macでクロック周波数や消費電力を表示する方法とM1チップの検証

現状、有料アプリのiStat MenusでもApple M1のCPU・GPUのコアごとのリアルタイムのクロック周波数や詳細な消費電力はチェック出来ず、調べた限りではそれらの条件を満たすM1向けアプリは発見出来なかった。

Apple M1 SoC
右側の二つはメモリ (LPDDR4X SDRAM)
画像出典 Apple

ここではターミナルを使用して現在のM1(Apple Silicon) MacのコアごとのCPU・GPUクロック周波数や消費電力を調べる方法を紹介。

M1(Apple Silicon) Macでクロック周波数と消費電力を表示する方法

下記コマンドをターミナルで実行。

sudo powermetrics

パスワードの入力を求められたら管理者パスワードを入力してエンターキー。

コマンド実行後Macの電源に関する情報が多数表示されるので下までスクロールしよう。

なお、このコマンドはIntel Macでも実行可能だがMac mini 2018 Core i7 8700Bでは消費電力までは表示出来なかった。

コマンド実行後「Processor usage」の「E-Cluster」と「P-Cluster」に現在の消費電力やクロック周波数、CPUロード(使用率)、更にコアごとの周波数が表示される。

この項目はControl+Cキーでストップさせない限り絶えず更新されるため、情報が更新されたら再度ターミナル画面を下にスクロールしていこう。

また、「GPU Usage」の項目にも同様にGPUのクロック周波数と消費電力が表示されているが、こちらはコアごとの表示ではない。

項目の詳細:E-Cluster(Icestorm)

画像出典 Apple

M1チップには4つの高効率コア(Icestrom)と4つの高性能コア(Firestorm)が搭載されており「E-Cluster」は「4つの高効率コア(Efficiency)」を表している。

アイドル状態

ターミナルの値ではM1チップのスペック通り高効率コアの周波数は最小600MHzから最大2064MHzまでであり、負荷に応じて変化する。

下記画像はCinebench R23で全コアに負荷をかけた時の最大消費電力とクロック周波数となる。

高負荷時

高効率コアに100%の負荷をかけた場合の最大省電力は1254mW(1.254W)。

高負荷時のクロック周波数は前述の通り2064MHz。

項目の詳細:P-Cluster(Firestorm)

画像出典 Apple

前述の通りM1チップには4つの高効率コア(Icestorm)と4つの高性能コア(Firestorm)が搭載されており「P-Clusterは4つの高性能コア(Performance)」を表している。

アイドル状態

ターミナルの値ではM1チップのスペック通り高性能コアの周波数は最小600MHzから最大3204MHzまでであり、負荷に応じて変化する。

下記画像は前述の項目と同様にCinebench R23で全コアに負荷をかけた時の最大消費電力とクロック周波数。

高負荷時

高性能コアに100%の負荷をかけた場合の最大消費電力は12146mW(12.146W)。

高負荷時のクロック周波数はCinebench R23では3204MHzまで上がらず2988MHzで上昇は止まった。

項目の詳細:GPU

画像出典 Apple

M1チップのGPUは8コア(MacBook Airの最下位モデルは7コア)であるが、特にコードネームなどは与えられていない他、ターミナル上ではコアごとの情報は見れない。

アイドル状態

ターミナルの値ではGPUのクロック周波数は最小396MHzから最大1278MHzまでであり負荷に応じて変化する。

下記画像はC!ingのベンチマークモードをループ設定にしてGPUに負荷をかけ続けた時の最大消費電力と最大クロック周波数。

高負荷時

残念ながらC!ingではどんなに負荷をかけてもGPU使用率を100%に出来なかったので検証は不完全であるが、この時のGPUの最大消費電力は6218mW(6.218W)。

高負荷時のクロック周波数はスペック上の最大1278MHzから僅かに低い1273MHz。

M1チップの最大消費電力と最大クロック周波数のまとめ

今回の検証ではCPU・GPU共に最大クロック周波数まで上げることが出来なかった上、ターミナルで情報を表示させているだけでも多少の負荷がかかるため検証としては不完全かもしれないが、それでもCPU・GPU全ての最大消費電力を合わせても僅か19.618Wであり、異常なほどワットパフォーマンスに優れることがわかる。

参考までにMac mini 2018 Core i7 8700B(6コア12スレッド)にCinebench R23で全スレッドに負荷をかけた時のIntel Power Gadgetの値は下記の通り。

負荷をかけてしばらくしてから温度が100度を超えたためにクロックが落とされる上、それでもCPUパッケージ全体の消費電力は63.65Wであり、加えてこのCore i7 8700BはM1チップにシングルコア・マルチコア両方で完敗する。

最初は興味本意でターミナルコマンドを実行しただけだったが、M1チップの異常とも言えるワットパフォーマンスに感嘆するばかりの結果となった。