M1 Macで擬似解像度3008×1692や60Hz出力が出来ない問題

M1 Mac miniでHDMI出力、及びUSB-C>DisplayPort出力で「擬似解像度が3008x1692以上を選べない」、「USB-C>DisplayPortで60Hz出力が出来ない」という問題を経験したため、最終的に解決とまでは行かなくても実用上問題ないレベルまで改善出来た経緯とM1 Macと外部4Kモニターの挙動をまとめておく。

この問題は多数のフォーラムで話題になっており、少なくない人が同様の現象を訴えている。

参考 Mac mini M1 external display scaling option (HDMI/TB3)MacRumors Forums 参考 Mac Mini M1 locked at 30hz on Benq PD3220UReddit 参考 Macbook Air M1: No 4K@60Hz possible on my 32Apple Community

管理人の環境は下記の通り。

  • M1 Mac mini 16GB RAM・SSD 512GB
  • macOS Big Sur 11.2.1
  • 4K HDRモニター BenQ EW3280U

HDMIポートから4Kモニターに繋ぐと擬似解像度3008×1692を選べない

まず管理人の場合、M1 Mac miniを開封してmacOSが起動した時点において4KモニターにおいてMac miniのHDMIポートから接続した際に擬似解像度が2560x1440までしかなく、3008x1692以上を選べないという問題が発生した。

擬似解像度はあくまでOSレベルのレンダリングが変わるだけでモニター自体はネイティブ解像度で出力されているため、帯域不足ということは考え辛い。

モニターの入力情報を見てみると「3840x2160@60Hz」であることがわかるように擬似解像度をいくら上げようが負荷は増えるが、モニターへの出力はあくまで4Kであり、帯域不足が3008x1692以上を選べない原因とはならないはず。

違うHDMIケーブルを使用しても一向に改善せず、現時点においてM1 Mac miniのHDMIポートを使用した場合は、僕の場合はどうやっても3008x1692以上の擬似解像度が利用出来ないようだ。

USB-C>DisplayPortだと30Hzになってしまう

USB-C>DisplayPortケーブルでモニターのDisplayPortに接続すれば擬似解像度3008x1692を選べるようになるが、USB-C>DisplayPortだとリフレッシュレートが30Hzになってしまった(その他の擬似解像度も全て30Hz)。

なお、リフレッシュレートの項目は「低解像度モードを表示」にチェックすれば選択可能になる。

この現象はM1 Macユーザーの間で多数報告されているが、一部のLG・BenQ製モニターで特に報告が多いため、M1 Macとモニターとの互換性の問題なのだと思う。

こちらもケーブルをいくら変えても60Hz出力が出来ない。

Apple純正USB-C Digital AV MultiportアダプタのHDMIから出力すると3008x1692で60Hz出力が可能

不思議なことに手持ちのApple純正USB-C Digital AV Multiportアダプタ(モデルA2119)のHDMIポートからモニターと接続するとHDMI接続でも3008x1692の擬似解像度を選択出来る上に60Hz出力も可能だった。

正直なところ何が起こっているのかわからない。

Apple純正 USB-C Digital AV Multiportアダプタ(A2119)

そもそもUSB-C Digital AV Multiportアダプタの説明ではこのアダプタからのHDMIの出力はMac miniでは本来30Hzに制限されるはずなのだ。

参考 USB-C Digital AV MultiportアダプタApple

macOS Big SurではIntel Macでもリフレッシュレートについて同様の現象が報告されているため、前述のようにmacOS Big Surの不具合及びモニターとの互換性の問題により通常の動作から逸脱した現象が発生しているのだと思う。

また、3008x1692@60Hz設定が可能になったのはいいのだが、再起動した場合は設定した3008x1692の擬似解像度が2560x1440などに戻ってしまい再度設定し直す必要があるという問題もある。

USB-C>USB-Cでは信号無し

BenQ EW3280UはUSB-Cポートを備えており、PowerDeliveryや映像信号に対応しているためMac miniのThunderboltポートからUSB-C>USB-Cケーブルでモニターと接続したが、この場合はそもそもモニターが信号を拾えず画面が映らない。

なお、使用したUSB-C>USB-CケーブルはIntel MBP 13 Mid 2019では問題なく擬似解像度3008x1692・4K 60Hz表示が可能。

USB-C>HDMIケーブルで擬似解像度3008×1692・60Hzを確認

最終的に下記のj5 Create製のUSB-C>HDMIケーブルでモニターのHDMIポートと接続したところ、ようやくUSB-Cからダイレクトで擬似解像度3008x1692・60Hzの出力が可能になった。

ただ、こちらも擬似解像度を3008x1692に設定しても再起動すると2560x1440に戻ってしまい再度設定し直す必要があるという問題がある。

また、時々画面が暗転して数秒経ってから復帰するというブラックアウト現象も発生している(ケーブルが原因かは不明)。

ここまでの経緯を見るとmacOS Big Surの不具合、及びM1 Macと一部のモニターとの互換性、あるいはその両方に問題があるのは間違いがなく、どのケーブルを用いるかというよりは「どのポートとどのポートを繋ぐのか」ということが重要なようだ。

HDR(ハイダイナミックレンジについて)

HDRについては結論から言うとどのような接続であってもHDRのオプションは表示されるもののHDRを有効にすると色が滲んだり、場合によっては色が滅茶苦茶になる(クロマサンプリング?)。

管理人が検証したモニターとケーブルのそれぞれの挙動一覧

今回問題が発生したBenQ EW3280U、及び予備として使用しているLG 27UK650-Wにおいてのケーブルのそれぞれの挙動を表にまとめる。

接続方法
及びケーブル
3008x1692以上の擬似解像度60HzHDR
HDMI
から
HDMI

(ELECOM
DH-HDP14E10BK)
不可色数減少
色の乱れ
HDMI
から
HDMI

Apple純正USB-C Digital AV Multiportアダプタ(モデル2119)
色数減少
色の乱れ
USB-C
から
DisplayPort

(ミヨシ miyoshi
USB-CDP2/BK)
不可色数減少
色の乱れ
USB-C
から
DisplayPort

(j5 create JCA414)
不可色数減少
色の乱れ
USB-C
から
USB-C

(モニター付属)
信号無し信号無し信号無し
USB-C
から
HDMI

(j5 create JCC153G)
色数減少
色の乱れ

HDRについては上記表でもまとめた通り、いずれの接続でもHDR有効時に色が滲んだり、色がおかしくなったりする。

余談:擬似解像度3008×1692のM1チップのパフォーマンス

Apple M1 Mac mini RAM 16GBのGeekbench 5 Compute(Metal)スコア

余談として擬似解像度3008x1692設定時のM1 Mac miniのパフォーマンスだが、あまり良いとは言えず、Webサイトのスクロール(SafariやM1向けChromeを使用)、Launchpadの起動、Mission Controlなどが若干もたつく。

グラフィックスパフォーマンスだけで言えば以前までMac mini 2018に接続して使っていたRadeon Pro 580 VRAM 8GB eGPUの方が当然ではあるが圧倒的に快適だ。

ただ、WebサイトのスクロールやmacOSのUIが多少モタつく割にはAffinity Photoやその他のアプリもサクサク動くため、macOS全体や個々のアプリの動作がストールするといった印象はない。

まとめ

今回の検証を踏まえてM1 Macの4Kモニター(擬似解像度・リフレッシュレート)についてざっくりまとめると下記のようになる(全てのケーブルやモニターに当てはまるものではない)。

  • M1 Mac miniのHDMIポートからHDMIでモニターと接続した場合、60Hz出力が可能だが擬似解像度は2560x1440までしか選べない。
  • USB-C>DisplayPortケーブルだと擬似解像度3008x1692を選べるがリフレッシュレートが30Hzになる。
  • Apple純正アダプタのHDMIポート、またはUSB-C>HDMIケーブルであれば擬似解像度3008x1692・60Hz出力が可能。
  • HDRについては色が滲んだり色数が減少する。

現時点ではM1 Mac miniではEW3280Uや一部のモニターで60Hz出力やHDRが不安定な状態であると言える。

今後のmacOS Big Surのアップデートに期待したい。