iMacのメリットとデメリット。複数台所有したことがあるユーザー視点

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AppleはWWDC 2020でMacのARM(Apple Silicon)への移行を発表し、噂では今年の終わりにApple Silicon、またはIntel CPUを搭載した新デザインのiMacが登場するのではないかと言われている。

今回は言及されていませんが、Kuo氏はApple Silicon初号機として24インチiMacも予想していました。ほかKuo氏以外から27インチiMacの新型が噂されつつも未だに姿を現していませんが、iMac新製品は他にも有名リーカーが予言していたこともあり、Apple Silicon版より前にインテル版iMacが登場する可能性も高そうです。

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管理人は過去に非Retinaも含めて複数台のiMac(Late 2013や5K 2014、2015)を所有したことがあり、現在はMac mini 2018やMacBook Pro 13を使用している。

ここでは様々な形態のMacを使った経験から主に同じデスクトップ型MacであるMac miniと比較しつつ、iMacを購入するか悩んでいる人向けにiMacのメリットとデメリットを挙げてみたい。

なお、Apple Siliconが搭載されるにしろIntelが続投するにしろ、今年の終わりにリリースされるという新型iMacについてはまだ噂段階であり、著名なアナリストやメディアが予想しているとは言え確定した情報でもないため、本記事では基本的に現行のiMacを例に解説していく。

iMacのメリット

まずはiMacのメリットを挙げてみよう。

圧倒的コストパフォーマンスの高さ

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兎にも角にもiMacはデスクトップ型Macでは最もコスパが高く、これは5K iMacが登場してから一段とその傾向が強くなった。

デスクトップ型MacにはMac Proは別としてMac miniも存在し、一見するとMac miniが最もコスパが高いように感じるが、Mac miniは付属品は電源ケーブル以外になく、マウスやキーボード、モニターなどは全て自分で用意する必要がある。

仮にMac mini 2020をCore i7・メモリ32GB・SSD 512GBにカスタマイズすると19万円ほどになり、加えてMagic Mouse 2やMagic Keyboardなどの入力機器に3万円弱、更にモニターやスピーカー、コロナ禍で需要が高まるWebカメラやマイクなども自分で新たに用意しなければならない(Webカメラについてはスマホをカメラ代わりに使用するという方法もあるが)。

また、Mac miniはGPUがCPU内蔵グラフィック(iGPU)のみであるため、満足の行くグラフィックス能力を得るにはeGPUを導入せざるを得ず、どのように少なく見積もってもeGPUだけで5万円程度かかってしまう。

対してiMacは27インチ 5KモデルをMac miniを超えるスペック(CPUを10コアCore i9)にカスタマイズした場合、29万円程度になるが、もちろんMagic Mouse 2やMagic Keyboardなどの周辺機器は付属するし、GPUもMac miniより遥かに高性能な他、何より美しい5Kディスプレイを内蔵している。

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iMacにはマウスやキーボードが付属する
(デフォルトオプションでは追加料金なし)

iMac 5Kのディスプレイは5Kだけあって非常に精細な表示の上に品質も高く、当初は「5KディスプレイにMacが付いてくる」とまで言われていたほどだ。

もちろんスピーカーやカメラ、マイクも搭載している上、スピーカーの音質も一体型とは思えないほど優れている。

Mac miniにも一応スピーカーは搭載されているがシステム音以外の用途ではあまり実用的ではない。

メモリを増設できる

これはコスパの話にも繋がってくるが、iMacは27インチモデルであれば自分でメモリを増設・交換することが可能であり、現在のところ保証やAppleCare+を維持したまま自分でメモリを増設・交換可能なMacはiMac 27インチモデルとMac Proのみである。

Mac mini 2018/2020もメモリを自分で増設・交換できるが本体を分解する必要があるため、メモリをユーザーが増設・交換した場合は保証やAppleCare+はパーになる(これはAppleサポートにも確認を取っている)。

Appleの正規サービスプロバイダなどに依頼することで保証やAppleCare+を維持したままMac miniのメモリを増設・交換することは可能だが一手間かかってしまう(ちなみにAppleサポートによれば日本国内ではメモリの増設・交換をしてくれるのはAppleストアではなく「カメラのキタムラ」や「ビックカメラ」などの正規サービスプロバイダのみ)。

iMac 27インチモデルであれば、Appleオンラインストアで32GBにカスタマイズした場合は+60,000円かかるもののベースラインの8GBモデルを購入し、自分で32GB(16GB x 2)のメモリを用意する場合は1万円台後半〜高くても3万円程度で済む。

ちなみにiMacの交換・増設用メモリを選ぶならiRamがトラブルもなく安定していてお勧めだ。

ポートや内蔵コンポーネントが豊富

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ポート(端子類)が豊富なのもiMacの魅力の一つであり、27インチモデルであればヘッドフォンジャック、SDXCカードスロット、USB 3x4、Thunderbolt 3x2、イーサネットx1を備えている。

以下はiMacとMac miniのポート類及び内蔵機器の比較になる。

ポート類iMacMac mini
ヘッドフォンジャック11
SDXCカードスロット1なし
USB 3
(Type-A)
42
Thunderbolt 3
(Type-C)
24
イーサネット11
HDMIなし1
内蔵カメラありなし
内蔵マイクありなし
スピーカーありあり

Thunderbolt 3(USB-C)に関してはMac miniは4つ搭載されているが、Thunderbolt 3ポートは1つのポートであってもハブによって様々な端子に分岐させることが可能な上、Thunderbolt 3ポートを必須とする用途というとeGPUやPro Diplay XDR、USB-C(DisplayPort Alt)接続の外部モニタ、Thunderbolt 3対応の外部ストレージなどに限られるため、Thunderbolt 3ポートは2つでも十分だろう。

基本的に電源ケーブル一本で完結する

同じデスクトップ型MacであるMac miniとは違ってiMacは一体型のオールインワンMacであり、ディスプレイはもちろん、スピーカーやマイクも全て内蔵されており、Magic Mouse 2やMagic Trackpad 2、Magic Keyboardなどを一度ペアリングすれば以降はそれらの充電時以外は電源ケーブル一本でミニマルなMac環境を構築できる。

もちろん豊富なポート類に様々な機器を繋げた場合は別だが、そういった場合でもケーブル長に余裕があればスタンドのホールにケーブルを通せばすっきりとした見た目になる。

Mac miniでミニマルなケーブルマネージメントを目指そうとするとサードパーティーのアクセサリなどを購入する必要が出てくる。

ただし、一体型というiMacの特徴は後述するデメリットにも繋がる。

iMacのデメリット

ここからはiMacのデメリットを挙げてみる。

なお、iMacを愛用している人が不快感を抱かないよう気をつけているが、もし不快に感じられたなら心からお詫び申し上げる。

一体型のため故障の際に手間がかかる

僕は複数台のiMacを所有してきたが、iMac 27 5K 2015において「突然電源が切れる」という不具合が発生し、Appleサポートで提示された対処法を試しても解決しなかったため修理を依頼したことがある。

Macを修理依頼する際はMac miniやMacBookなどであればAppleストアやApple正規サービスプロバイダに持ち込むことが可能だが、iMacの場合は基本的にAppleサポートを経由して集荷依頼を行い、ヤマト運輸に専用の梱包箱に梱包してもらう必要がある。

Mac miniやMacBookはバッグに入れて仕事帰りにでも飛び込みで正規サービスプロバイダに持ち込むという荒技もできるがiMacではそうはいかない。

対応に関しては集荷も修理も、修理が終わった後の発送も迅速ではあったが手間がかかることには変わりなく、僕にとってはこの「故障した際に手間がかかる」というのがiMacを使ってきた上で最もマイナスに感じた点だ。

ちなみに「突然電源が切れる」という不具合の原因は電源ユニットの故障とのことだった。

近年のiMacはターゲットディスプレイモードが利用できない

近年のiMac及びmacOS Mojave以降にアップデートしたiMacでは「iMacの内蔵ディスプレイをThunderboltで接続した他のMacのディスプレイとして使う」という「ターゲットディスプレイモード」を利用できず、iMacのディスプレイはそのiMac専用である。

iMacをターゲットディスプレイモードとして利用できるのは27インチiMac 2009〜2010、及びiMac 2011〜Mid 2014までであり、macOS High Sierra以前のmacOSが必要である。

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既にAppleサポートのページにおいてもターゲットディスプレイモードの専用ページはアーカイブ化されており、iMacのターゲットディスプレイモードは過去のものとなったようだ。

外部モニター接続時に本体のディスプレイをオフにできない

iMacにはもちろん外部モニターを接続可能であるが、iMacでは内蔵ディスプレイをオフにすることはできない。

iMacはHDMI端子を搭載していないことを考えても外部モニターを接続することをそれほど想定していないと思われるが、例えばiMac 5Kの内蔵ディスプレイが物足りなくなり、Pro Display XDRを接続してPro Display XDRをメインにしたいと思ってもiMacの内蔵ディスプレイを点灯させたまま使わざるを得ない。

これはiMac Proでも同様である。

iMacの内蔵ディスプレイをオフにする方法を海外フォーラムで調べことがあるが、推奨される方法は「iMac本体に布を被せる」というアナログ的なものしかなかった。

MacBookシリーズでは本体のLid(蓋・ディスプレイ)を閉じれば外付けモニターがメインのモニターとして機能するようになる「クラムシェルモード」があるがiMacではそういった使い方は出来ない。

iMac Pro/27インチモデル以外のiMacにはT2チップが搭載されていない

T2チップ(T2 Security Chip)は近年のMacに搭載されているApple独自のチップであり、MacBookシリーズのTouch IDの情報を安全に格納し、暗号化処理やSSD・オーディオのコントローラーも担っているが、現時点においてiMac Pro及びiMac 27インチモデル以外のiMacにはT2チップは搭載されていない。

参考 Apple T2 セキュリティチップについてApple

T2チップ非搭載だからといってiMacの使用において直ちに問題となるものでもないが、Mac miniやMacBook AirにすらT2チップは搭載されているのだからノーマルモデルのiMacでも搭載してほしかったところだ。

なお、T2チップの具体的な役割については下記記事で解説している。

T2セキュリティチップは具体的に何をしている?

iMacがおすすめ出来る人

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以上のメリット・デメリットを考慮するとiMacは以下のような人にはおすすめ出来る。

  • 一体型である故のデメリット(故障の際の手間など)を気にしない
  • コストパフォーマンス重視のデスクトップ型Macが欲しい
  • iMacは単体で使用し、外部モニター(Pro Display XDRなど)を使用する予定がない

逆に言えば故障の際の手間が気になる人やPro Display XDR・複数台の外部モニターを接続してそれらをメインのモニターとして利用する人にはあまり向かない。

僕にとっては前述のように「故障の際の手間」が致命的であり、以降はiMacは全て売却し、Mac mini 2018をメインに据えて4Kモニターを接続し、4KモニターにPS4やApple TVなどの機器を繋げて、更にPS4の音声を光デジタルケーブルでMac miniに接続したUSB-DACで取り込むという、Mac miniと4Kモニターをデジタル機器の「ハブ」のような形態として使用するという形に落ち着いている。

個人的には4KモニターなどでMacもデジタル機器も全て一つに纏めたい場合は多少コスパが悪くてもMac miniが向いているのではないかと思う。

まとめ

今回はあくまで現行のIntel iMacとMac miniを比較しつつまとめたが、新デザインのiMacの噂を抜きにしても、いずれはiMacもApple Siliconを搭載するようになることは確定であるため、その場合は本記事でまとめたiMacのメリットとデメリットも大きく変わる可能性がある。

実際に僕も新デザインのiMacが本当に今年の終わりにリリースされ、Apple Siliconが搭載されるのであれば一体型というデメリットには目を瞑り実験的に購入しようかと考えている。

iMacという非常に歴史の長いMacがこれからどのように進化していくのか楽しみだ。