eGPUトラブル対処法まとめ

2019年2月にBlackmagic eGPUをMac miniに導入してから様々なトラブルを経験してきたので、管理人が知りうる限りのeGPUのトラブルとその対処法をまとめてみよう。

注意
ここに掲載している対処法はあくまで僕の経験に基づいたものであり、もしこれらの対処法を試したことで、別のトラブルや不具合など、不測の事態が生じても管理人は一切の責任を取れないため、試される場合は自己責任でお願い致します。

eGPU使用時にMacが完全なスリープ状態にならない場合の対処法

eGPUをMacに接続しているとスリープになったとしてもeGPUとMacは完全なスリープ状態とはならず、eGPUもMacも稼働状態のままのことがある。

ディスプレイへの信号はきちんと切れているが、Blackmagic eGPUの場合は底面のランプは点灯したままで、ファンも動いており、Macも内部コンポーネントは稼働したままで、筐体を触ってみても稼働していることがわかるほど温かい場合がある。

残念ながら現時点でのmacOSではeGPUを接続していると上記のような”中途半端なスリープ”になることは避けられない。

もしスリープ中にもeGPUの稼働を止めたい場合はeGPUの接続を解除するしか現時点では方法がない。

僕は将来のmacOSのアップデートに望みを抱いて、現状はこの状態で利用することにしている。

eGPUの接続解除が出来ない場合の対処法

現時点のmacOS MojaveでOSの擬似解像度を3008x1692以上に設定しているとeGPUの接続を解除しても、解除処理中に途中でmacOSが固まってしまう場合がある。

この場合の対処法は単純で擬似解像度を2560x1440や1920x1080などに下げることでeGPUの接続が解除できるようになる。

これはmacOSのバグなのは明らかなので将来のアップデートか、次期macOSのメジャーアップデートで解決されると思う。

もし仮に擬似解像度を下げても接続解除が出来ない場合、僕は再起動が面倒でケーブルを抜いてしまうが、eGPU接続中にいきなりケーブルを抜くのは推奨できないので一度システムを終了させてからケーブルを抜こう。

eGPUを認識しないと思ったら試すこと

MacのモデルによってはeGPUを接続したのにも関わらずMacの情報を表示させてもeGPUのモデル名などが表示されず、アプリもeGPUを使用しないという場合がある。

ただ、下記画像のようなアイコンがメニューバーに表示されているなら「このMacについて」にeGPUの表示がされていなくても確実にeGPUは認識されている。

MacによってはeGPUを正常に認識していてもMacの情報にはeGPU名が表示されない場合があるようだ。

アプリケーションにおいても「eGPUが認識されない」と感じたら、そのアプリケーションを右クリックして「情報を見る」を選択し「外部GPUを優先」にチェックを付けよう。

僕の場合はMac mini 2018はeGPUを接続すると「このMacについて」を表示させるとeGPUのモデル名が表示されるし、アプリケーションも特に外部GPUを優先というチェックを付けなくてもeGPUを優先して使用する。

eGPUを接続しているにも関わらずグラフィックスの項目はCPU内蔵グラフィックのまま

しかしなぜかMacBook Pro 13 Mid 2019の場合はeGPUを接続してもeGPUのモデル名は「このMacについて」には表示されず、ほとんどのアプリケーションも「外部GPUを優先」にあらかじめチェックを付けないとeGPUを使用せず、CPU内蔵グラフィックで描画してしまう。

ただ、一見eGPUが認識されていないように見えても前述のアイコンがメニューバーに表示されていればeGPUは正常に認識されていると思っていい。

万が一メニューバーにeGPUのアイコンも表示されず「外部GPUを優先」というオプションの表示すらされない場合はeGPUやeGPUボックスの電源容量や給電能力が足りているか確認しよう。

eGPUの給電能力はeGPUの使用に際して必須ではないが、出来れば給電能力が優れたeGPUやeGPUボックスが望ましい。

Appleのサポートページには以下のような記載がある。

eGPU の使用に際しては、推奨されているグラフィックカードと Thunderbolt 3 拡張ボックスを選ぶことが重要です。eGPU の使用中に MacBook Pro を充電するには、eGPU のシャーシが給電能力に優れており、グラフィックカードを実行しながらコンピュータ本体の充電もできる必要があります。シャーシのメーカーに供給電力量について確認し、MacBook Pro を十分に充電できるか確認してください。

Mac で外付けのグラフィックプロセッサを使う

eGPUボックスに自分で選択したグラフィックボードを挿して使用している場合はeGPUボックスの電源容量が足りていない可能性もある。

またMacBookなどへの給電によりグラフィックボードを動かす電力が足りなくなっている場合もある。

僕はBlackmagic eGPUにおいて、実際にMacBook Proで1本だけのケーブルでバッテリーを充電しながらeGPUを使用できることを確認しているが「どうやってもeGPUが認識しない」といった場合はMacBookをAC電源アダプタに接続し、再度eGPUを繋げてみよう。

フリーズ・カーネルパニックの対処法

eGPU使用時のフリーズ・カーネルパニックは国内外のeGPUコミュニティを見ても最も頻度が多いトラブルだ。

この場合のフリーズとは特定のアプリケーションが固まったり落ちたりするのではなく、OSそのものが落ちたり、完全に操作を受け付けなくなったり 、極めて操作が困難になる現象を指す。

ブラウザとGPUアクセラレーションを使用するアプリの同時起動をやめる

僕の場合のフリーズの原因は”Safari””Chrome”などのブラウザを起動した状態で動画再生などのGPUアクセラレーションが有効になったアプリを使用することだった。

Webブラウジング中や動画再生中に突如としてOS全体の動きがスローモーションになり、最終的に固まってしまうという現象が度々起きていたが、どうやらブラウザを起動した状態限定のようなのだ。

推測だがGPUアクセラレーションを使用するアプリとブラウザ類の相性が悪いようで、eGPUを接続した状態でそれらのアプリを同時使用すると稀にフリーズするようだ。

もし自分の使っているeGPUとMacでフリーズなどの問題が起きたら、ブラウザとGPUアクセラレーションを使用するアプリ(動画再生アプリやiTunes動画など)の同時起動をやめて、現象が再現するか様子を見てほしい。

またそれらのアプリのGPUアクセラレーションをオフに出来るようであれば、オフにしてみるのもいい。

ただ、現時点でフリーズの根本的な解消法は僕は発見できておらず、完全な解決にはmacOSのアップデートに期待するしかないかもしれない。

暫定的な対処法として、例えフリーズが起きてもeGPUのケーブルを抜いてeGPUを強制的に接続解除すればフリーズは解消する場合が多い。MacBookの場合はその後改めてeGPUを繋ぎ直せば再びeGPUが使用可能になるはずだ。

Mac miniの場合も同様にeGPUを強制的に接続解除したのちにMacに直接ディスプレイケーブルを繋ぎ直せば、フリーズは解消し正常に操作できるようになる場合が多いので、正常に操作できるようになったらMac miniを終了させ、eGPUを接続し直してMac miniを起動しなおせば再びeGPUが使えるようになる。

注意点として、前述の通りeGPU接続中にいきなりケーブルを抜くのは推奨されないため、不安な人はフリーズが起きた場合はMacの電源を強制的に落とし、そのあとにケーブルを抜いてもいい。

いずれにしろフリーズが起きた場合はケーブルを抜いて強制接続解除か、電源を落として強制終了するなどの方法しかない。

2019年5月27日追記
管理人の環境でのフリーズは2019年5月13日のMojave 10.14.5のアップデートにおいて著しく頻度が減りました。ただ、依然として完全な解決には至っていません。
2019年8月1日追記
8月1日時点において、eGPU環境でのフリーズは2週間以上発生していません。その間にあったMojave 10.14.6のアップデートによる効果なのかは不明ですが、eGPU導入当初頻発していたフリーズは最近になって著しく頻度が減っています。

メンテナンスアプリでmacOSのメンテナンスを行う

macOSを長く使っていくと当然のごとく内部にはゴミが溜まっていき、結果的にeGPUとの使用においてトラブルになることがある。

もしeGPU使用時にトラブルが起きたら一度メンテナンスアプリでmacOS全体のメンテナンスを行うといい。

おすすめなのがOnyxというメンテナンスソフトで、無料でありながら多彩な設定項目と、多くのMacユーザーが使用しているということで絶大な信頼性がある。

設定項目は非常に多岐に渡るが、最初の使用時には設定はデフォルトのままメンテナンス画面から何も弄らずに”実行”をするのがいいだろう。

eGPU使用率を監視する

フリーズやカーネルパニックが起きた際に、eGPUがどのような動きをしていたのか把握することでトラブルの原因を突き止めるのに役立つことがある。

あまり知られていないが、macOSではeGPU接続時にeGPUの使用率を表示することが可能だ。

eGPUの使用率を表示するにはアクティビティモニタを起動し、メニューバーウィンドウからGPUの履歴をクリックする。

もしフリーズやカーネルパニックが起きた際にeGPUの使用率が極端に高かったりした場合は、eGPUが作業の負荷に耐えきれずOSを巻き込んでクラッシュしたということも考えられるため、eGPUの使用率が極端に高い(グラフが常に上限に達しているなど)場合は擬似解像度を下げたり、使用しているソフトウェアのハードウェアアクセラレーションを切ってみるといい。

eGPUを接続しているコンセント・電源タップを変えてみる

嘘かと思うかもしれないが、僕の経験上eGPUは極めて繋いでいるコンセントや電源タップの影響を受けやすく、別の壁のコンセントに挿し直しただけで不具合が解消したこともある。

フリーズやカーネルパニックのソフトウェア的な原因が突き止められない場合は、一度eGPUを接続しているコンセントや電源タップを見直してみよう。

もしeGPUを電源タップや延長コードに接続しているなら、一度壁のコンセントに直接挿すことを強くおすすめする。

eGPUは消費電力が大きく、電源タップや延長コードを使用していると必要な電力が得られずに不安定になる場合がある。

またeGPUと同じ壁のコンセント(上下に並んでいるコンセントなど)に消費電力が大きい別の機器を接続していると、eGPUと他の機器同士で電力の奪い合いになり、不安定になることがあるので、eGPUを繋いでいる壁のコンセントには消費電力が大きい機器は繋がないようにしよう。

Thunderbolt 3ケーブルを挿すポートを変える

Mac mini 2018やMacBook Proなどの、複数のThunderbolt 3ポートが搭載されているMacでeGPUを利用しているなら、一度Thunderbolt 3ケーブルを挿すポートを変えてみよう。

一部のMacでは同じThunderbolt 3ポートでも、接続するポートによってはパフォーマンスが落ちたり、不安定になることが報告されている。

only two of the four ports on the 13-inch MacBook Pro with a Touch Bar support Thunderbolt 3 at full performance. 

The two ports on the right side of the machine have Thunderbolt 3 functionality but with reduced PCI Express bandwidth. For that reason, Apple recommends plugging higher-performance devices into the left-hand ports on that machine.

2016年のMacBook Pro 13インチ Touch Barモデルは、4つのThunderbolt 3ポートのうち、2つまでしか最大パフォーマンスを発揮できない。

右側のThunderbolt 3ポートはPCI-Expressのレーン数不足のため、ハイパフォーマンスデバイスは左側のポートで使用することをAppleは推奨している。

MacRumors

ディスプレイのトラブル対処法

フリーズやカーネルパニックではなく、ディスプレイの信号を見失ったり、そもそもディスプレイが点灯しない場合などの対処法をまとめる。

FireVaultログインを無効にする

これはMac miniやMac Proなどのディスプレイが外付けのMacにのみ発生する問題であるが、現時点のmacOSにおいてeGPU接続時にはFireVaultログインはサポートされていない。

そのため、FireVualtが有効になっているMacにeGPUを接続した状態で起動・再起動などをした場合、Appleロゴも出ず、画面が真っ暗になったまま何も表示されなくなる。

実際にはOSは正常に起動を試みてるが、eGPUがFireVaultログインをサポートしていないため画面に映像を出力できない状態に陥る。

対処法は二通りあり、Macの起動・再起動時にはeGPUを使用せず内蔵グラフィックを使用する(ディスプレイケーブルをMac本体に繋ぐ)か、FireVaultを無効化することだ。

Appleは前者の対処法を推奨しているが、僕の場合はその対処法は効果がなく、Macの再起動時にいちいちeGPUやディスプレイケーブルを繋ぎ直すのは馬鹿らしいので暗号化に拘らないのであればFireVaultは無効化した方がいい。

FireVualtの無効化は”設定>セキュリティとプライバシー>FireVault”から出来る。

eGPUに接続しているモニターとの相性

僕が実験してみた限りでは、eGPUを接続しているモニターとの”相性”があるようで、同じLG製のモニタ2台のうち、1台(24UD58-B)はMacをスリープにする度にモニターの信号を見失い、ディスプレイケーブルを抜き差しするまで復帰しないことが多かったが、もう1台のLG製モニター(27UK650-W)では、信号を見失うことはあるものの、前者に比べて発生頻度は著しく低かった。

もし複数のモニターを持っているなら、違うモニターを接続してみて現象が再現するかどうか検証し、特定のモニターでのみ信号を見失う不具合が顕著であれば、そのeGPUとモニターの相性が悪いということが考えられる。

eGPUの周辺にノイズを発生させる機器を置かない

経験上、eGPUは極めて繊細な機器であり、近くに何らかのノイズを発生させる機器などがあるとディスプレイの信号が不安定になることがある。

具体的に言うとゲーム機やPCなどの消費電力が大きい機器や、外付けHDDなどのUSB3.0特有のノイズを発生させるものだ。

これらの機器がeGPUの近くにある場合はまずはeGPUから少なくとも1メートル程度離してみよう。

eGPUを接続しているモニターのケーブルを変える、コンセント・電源タップを変えてみる

GPUのディスプレイ周りのトラブルは繋いでいるコンセントや電源タップ、自宅内の電力事情に原因があるか、単純にeGPUとモニターを接続しているUSB-C>DisplayPortケーブルやHDMIケーブルに問題があることが多い。

僕が遭遇したトラブルはeGPUをUSB-C>DisplayPort変換ケーブルでモニターと接続した場合、PS4の電源を入れたり、風呂場の電気をつけるとモニターの信号を見失うというものだったが、新しくUSB-C>DisplayPortケーブルを購入したところ、風呂場の電気をつけると信号を見失うという不具合に関しては解決した。

問題が起きたUSB-C>DisplayPortケーブルはMiyoshi製のUSB-C>DisplayPortケーブルで、これをj5 Create製のUSB-C>DisplayPortケーブルに変更したところ、風呂場の電気をつけるとモニターの信号を見失う現象は嘘のように直った。

恐らくMiyoshi製のUSB-C>DisplayPortケーブルはノイズ対策が不十分で、風呂場の電気をつけた際に生じるノイズの影響をモロに受けていたのだろう。

もし信号を見失う不具合が起きた際は、まずはUSB-C>DisplayPortケーブルやHDMIケーブルを疑ってみよう。

それでも解決しない場合は、eGPUを消費電力が大きい機器と同じ壁のコンセントに繋いでいるなら、それらの機器を別々のコンセントに繋ぎ、eGPUも電源タップや延長コードには繋がず壁のコンセントに直接挿して現象が再現するか検証しよう。

ディスプレイケーブルをシールド付きに変更する

前述の項目でも触れた通り、HDMIやDisplayPortといったディスプレイケーブルは極めてノイズの影響を受けやすい。

部屋に多くの電子機器がある場合は接続しているディスプレイケーブルをシールド付きに変更することで、トラブルを解消できるかもしれない。

HDMIケーブルで接続しているなら下記のような認証取得済みのシールド付きケーブルがおすすめだ。

4K/Ultra HD イーサネット対応 2.0m ブラック DH-HDPS14E20BK

USB-CからDisplayPortに接続する場合は以下のようなものがある。

USB-C to DP ケーブル 180cm Type C to ディスプレイポートDP 変換 Thunderbolt3 互換

ディスプレイケーブルには色々種類があるが、一つ言えるのはディスプレイケーブルは出来るだけ高い物を買えば間違いはない、ということだ。

低価格なディスプレイケーブルは例えプレミアム認証などを取得していたとしてもシールドが不十分で、他の機器のノイズを受けやすい。

PS4 Proで画面が暗転する不具合が起きた時、PS4 Proに繋いでいたHDMI 2.0ケーブルを1500円の物から5000円の物に変更しただけで不具合が解消したこともある。

それでも解決しない場合

上記に書いた対処法などを試してもeGPU使用時のトラブルが解決しない場合。

海外のeGPUフォーラムを回る

海外ではeGPUを使用する人が多く、国内でeGPUの情報を探すよりも海外のeGPUフォーラムを回った方が役立つ情報やアドバイスがある場合も多い。

代表的なeGPUフォーラムにeGPU.IOというサイトがあり、言語は全て英語で利用者もほとんどが英語話者であるが、もしある程度の英語が出来るのならば見て回るといいかもしれない。

フォーラム以外にもバイヤーズガイドやおすすめのThunderbolt 3搭載PC一覧など、日本では得られない数多くの情報があり、eGPU利用者にとっては知識の宝庫だ。

またRedditのeGPUコミュニティも多くのeGPU利用者が集って、日々eGPUについての意見・情報交換やトラブルに対する対策議論が行われている。

特にRedditは海外で最大と言ってもよいほどの大きなコミュニティであり、実際に僕も書き込んだり、アドバイスをもらったりしたことがあるが、利用者は親切で、ある程度の英語が出来るなら望んだ情報や対策案が得られる可能性が大きい。

サポートに問い合わせる

いずれの対処法を試しても改善しない場合、そのeGPU自体の故障や不具合も考えられるため、サポートセンターに問い合わせるのも手だ。

なお、Appleのサポートセンターは個々のeGPUのトラブルについては相談を受け付けていない。

Appleに問い合わせた場合、まずはeGPUのメーカーに問い合わせるように指示されるだろう。

もしサポートセンターに問い合わせる場合はAppleではなくトラブルが起きているeGPUやeGPUボックスのメーカーに問い合わせよう。

参考までにBlackmagicのサポートページは以下となる。

サポートセンター | Blackmagic Design

電話番号:03-5465-2102

Blackmagicサポート

まとめ

以上、僕の経験に基づいたeGPUのトラブル対処法をまとめたが、正直eGPUは想像以上にトラブルや問題が多く、macOS自体もeGPU向けにはまだ洗練されていない。

これからeGPUの導入を検討している人は、決して安い買い物ではないため、上記のようなトラブルに見舞われる可能性を十分に考慮した上で決めてほしい。

現時点ではeGPUは自分で問題を解決出来る人でない限り、導入はお勧め出来ないと言っていい。