新USB-C Digital AV Multiportアダプタで4K映画をチェック

Appleは今年8月に密かにHDMIをHDMI 2.0にアップデートした新USB-C Digital AV Multiportアダプタをリリースした。

今回はこの新アダプタを実際に購入しMacBook Pro 13 Mid 2019と4K HDRモニターを接続してmacOS Catalinaで4K HDR映画が観れるのかをテストしてみたので結果をまとめる。

2020年1月13日追記
1月10日付けでAppleのサポートページが更新され、4K HDRコンテンツをmacOS Catalinaで見るには以下のMac及びPro Display XDRが必要だと判明しました。

・iMac Pro 2017
・Pro Display XDRを接続したMac Pro及びPro Display XDRを接続した2018年以降のMacBook Pro 15/16インチ

現状、上記以外のMacやディスプレイでは4K HDRコンテンツは視聴できません。

新USB-C Digital AV Multiportアダプタの概要

HDMIが2.0対応に

この新USB-C Digital AV MultiportアダプタはThunderbolt 3(USB-C)をHDMI・USB-A・USB-Cに分岐させるアダプタであるが以前までのモデルはHDMIが1.4であり、HDR信号も伝送できず4K@60hzも出力できなかったが新アダプタではHDMIポートが2.0になりHDR(HDR 10とDolby Vision)にも対応している。

また、HDMI 1.4ではHDCP(著作権保護のための暗号化技術)が1.4だったが本アダプタではHDCPは2.2となる。

この変更により新アダプタではHDMI 2.0ポートを利用することにより以下のMac・iPadで4K@60hzの伝送が可能だ。

  • 11インチ/12.9インチiPad Pro(第3世代)
  • MacBook Pro 15インチ 2017以降
  • MacBook Pro 16インチ 2019
  • iMac Retina 5K/Retina 4K 2017以降
  • iMac Pro 2018

なお、残念ながら手持ちのMacBook Pro 13 Mid 2019ではリフレッシュレートは30hzまでの対応である。

外観は変わらないのでモデル番号に注意

本アダプタは以前までのHDMI 1.4止まりのアダプタと外観はパッケージ・本体共に全く同じである。

新アダプタの型番(モデルナンバー)はA2119であり、以前までのHDMI 1.4の旧アダプタの型番はA1621

パッケージを見たところパッケージ底面とアダプタ本体にA2119という型番が印字されているのを確認できたが、家電量販店では製品自体はカウンターの裏に陳列されていて購入するまでパッケージを確認できない場合があるため、購入する際は事前に店員の人に型番について必ず確認を取ろう。

なお、これは旧アダプタでもそうだったが分岐されたUSB-Cポートは充電のみの対応でありデータ転送には対応していない。

MacBook Pro 13 Mid 2019に接続してテスト

予想通りMBP 13インチだと30hzまで

アダプタのHDMI 2.0ポートにHDMIケーブルを繋いだ様子

早速本アダプタをMacBook Pro 13 Mid 2019に接続し、本アダプタのHDMI 2.0ポートから4K HDRモニター(LG 27UK650-W)に接続してみた。

結果はというと4Kの表示はできるがAppleの製品ページに記載されている通り、MacBook Pro 13 Mid 2019だと30hzまでの対応。

ここまでは予想通りなのだが他に気づいた点として「画面が黄色っぽい」ということ。

スクリーンショットでは当然伝わらないのだが、少なくともMac mini 2018やMac mini 2018と接続したeGPUのHDMIポートから出力するより明らかに画面の色味がおかしい。

不具合なのか仕様なのかはわからないが、macOSに付属しているColorSyncユーティリティでモニターのキャリブレーションが必要だった。

4K映画なのかは判然としないが、HDR再生は確実に不可

肝心の4K映画だがリフレッシュレートが30hzといえど接続した4K HDRモニターでTVアプリの映画自体は観れることが確認できた。

ただし、別記事でも記した通り通常のHD(1080p)よりは明らかに解像度が上がっていることは間違いがないが4K画質ではない。

リフレッシュレートの影響に関しては映画は元々フレームレートが24fpsであるため、リフレッシュレートが30hzであっても視聴は全く問題ない。

なお、HDRに関してはTVアプリのライブラリにダウンロードした映画を再生した瞬間、下記のようなエラーが表示されてHDRで映画を観ることは叶わなかった。

Mac mini 2018+eGPUの環境では上記のようなエラーは一切出たことがなく極めて不思議なエラーだ。

接続したモニターは4K HDR対応だが逆説的に考えれば他の4K HDRモニター(Apple Pro Display XDRなど)であればHDRで見れるということだろうか?

また、同じ映画をMacBook Pro 13 Mid 2019の内蔵ディスプレイで再生した際は上記のようなエラーは出なかったため、実はMacBook Pro 13 Mid 2019は4KではないがHDRには対応しているのか?

現状4K再生・HDR再生共に4K・HDR対応の有無を判別する方法がCatalinaでは存在しないため何とも言えないが奇妙なエラーだ。

Mac mini 2018のeGPUのThunderbolt 3ポートに接続するとどうなる?

興味本位で本アダプタをMac mini 2018に接続しているBlackmagic eGPUのThunderbolt 3ポートに接続し、そこから更にHDMIケーブルで4K HDRモニターのHDMI 2.0ポートに繋ぐというややこしい接続方法を試したところ映像信号が出なかった。

また、Mac mini 2018本体のThunderbolt 3ポートに本アダプタを接続しHDMI 2.0で繋ぐとリフレッシュレートはMBP 13インチと同じで30hzになる。

Mac mini 2018には元々HDMI 2.0ポートが搭載されており、そこにモニターを接続すれば4K@60hzになるため本アダプタを接続する意味はないが一応参考までにテストしてみた次第。

Mac mini 2018本体のHDMI 2.0ポートでは60hzが出力できて本アダプタのHDMI 2.0ポートでは30hz止まりというのはおかしな話だが恐らくCPU内蔵グラフィックの制限だと思われる。

まとめ

今回新USB-C Digital AV MultiportアダプタをMacBook Pro 13 Mid 2019及びMac mini 2018に接続して確認できたことは以下の通り。

  • MacBook Pro 13インチモデルやMac mini 2018だとHDMI 2.0であってもリフレッシュレートは30hzまで
  • リフレッシュレートが30hzでも映画の視聴は問題ない(画質に関してはHDより画質は上がるが4K画質ではない)
  • 本アダプタのHDMI 2.0ポートから4K HDRモニターに繋ぐと「このモニタはHDR再生に対応していません」という今まで見たことのないエラーが出てHDR映画は再生できなかった

今回新USB-C Digital AV MultiportアダプタをMBPに接続してテストしたことでmacOS CatalinaのHDR再生については更に謎が深まる結果となってしまった。