Blackmagic eGPU+Mac mini 2018

Mac mini 2018用にBlackmagic eGPUをApple Store Onlineで購入して使用してみたのでレビューをしたいと思う。

というのもMac関係のブログでもeGPUのレビューはあまりなく、購入に際して情報が不足していると思ったからだ。

Radeon RX Vega 56を搭載したBlackmagic eGPU Proと迷ったがまず価格が高く、発送も3〜4週間待ちなのでRadeon Pro 580モデルである。

環境

使用環境はMac mini 2018 6コア Core i7、メモリ16GBのCTOモデル。

モニタはLGの4KモニタをMac miniのThunderbolt 3(USB-C)からモニタのDisplayPortにUSB-C-DisplayPort変換ケーブルで接続している。

USB-C to DP ケーブル 180cm Type C to ディスプレイポートDP 変換 Thunderbolt3 互換

USB-C-DisplayPortケーブルは本eGPUやThunderbolt 3搭載Macを使用する際に何かと便利なので購入しておくといいだろう。

開封

まずは外箱から。

まずその箱の大きさと重さに驚いた。

恐らくBlackmagic eGPUを購入する人はほとんどオンラインで注文すると思うので持ち帰る人はあまりいないだろうが、これを徒歩で持ち帰るのは不可能である。

とにかく重く、片手では絶対に持てない。

配達員の人も胸に抱えながら持ってきたくらいである。

開けてみる。至ってシンプルな梱包である。

内箱。手持ちハンドルが付いている。

いよいよeGPUの開封。中にはマニュアルとeGPU本体と電源ケーブルとThunderbolt 3ケーブル(0.3m)が付属している。

マニュアルは多言語で注意事項がシンプルに書いてあるくらいで、大して読む必要はないと思う。

eGPU本体。筺体はアルミでとんでもなく冷たい。触っただけで手形が付くくらいである。

背面。USB3.0-Aタイプポートが4つとThunderbolt 3ポートが2つ、そしてHDMI2.0ポート1つ、最後に電源コネクタだ。

USBポートについては箱には”USB 3.1"と書いてあるがAppleの技術仕様ページでは”USB 3.0”と表記されているため、恐らく”USB 3.1 Gen1”つまりUSB3.0と変わらないと思われる。

DisplayPortは搭載していないほか、電源スイッチもないのでMacと接続することによってのみ起動する。

なお、わかりにくいが本eGPUが稼働状態の時は筐体底面のLEDランプが点灯する。

付属の電源ケーブルはまさかの3ピン仕様。

電源供給用の2本に加えてアースピンが付いている。

これ、自宅にアースピンホールがコンセントにある人はいいが、一般的な2ピンコンセントしかない場合は通常の2ピン電源ケーブルかアタッチメントが必要なので、この段階で詰んでしまう人もいるのではないか。

今まで様々な製品を色々なところで購入してきたが3ピン仕様の電源ケーブルは初めて見た。

私はPCモニタが多くあって、電源ケーブルが余っているのでよかったが、購入の際には注意してほしい。

3ピン→2ピン アース付きコンセント T-H32

自宅にアースピンホール付きコンセントや2ピン電源ケーブルがない場合は変換コネクタや2ピン電源ケーブルを購入するとよいだろう。

間違っても3ピン電源ケーブルのアースピンを折って無理に使用したりしてはいけない。

付属のThunderbolt 3ケーブル。0.3mなので非常に短い。

私はMac mini 2018の横に並べて使用するので問題はないが、MBPなどでの使用に際しては別途長めのケーブルが必要だろう。

付属品は以上の電源ケーブル+Thunderbolt 3ケーブルのみ。

接続

早速付属のThunderbolt 3ケーブルでMac miniと接続してみる。

接続するとこの画像のようにGPUアイコンがメニューバーに表示され、そこで接続を解除することも出来る。

なお今までMac miniに接続していた外部ディスプレイのケーブルは、当たり前ではあるがeGPU側に接続する必要がある。

今までは内蔵グラフィックを使用してきたため、それまでMac mini本体に接続していたディスプレイケーブルをeGPUに繋ぎ直すのである。

eGPUとディスプレイを直接接続しないとeGPUは全く使われないため、注意が必要だ。

接続後の構成としては”Mac miniのThunderbolt 3ポートからThunderbolt 3ケーブルでeGPU、更にeGPUからUSB-C-DisplayPortケーブルやHDMIケーブルで外部ディスプレイに接続”ということになる。

Mac miniとディスプレイの間にeGPUを挟む感じだ。

正常に接続されていればこのように自動でeGPUが有効になる。

ドライバのインストールなどは一切不要。

システム情報からeGPUを見てみるとRX 580と表示されるため、Radeon Pro 580と言ってもベースはRX 580のようだ。

Radeon Pro 580というのは実際には単体のグラフィックカードとしては販売されておらず、2017年6月5日に発表されたMacコンピュータ向けの特別仕様モデルである。

試しにiStat MenusでRadeon Pro 580の負荷時の動作を見てみるとコアクロックは最大1.20Ghzメモリクロックは1.70Ghzとなっていた。

iStat MenusはMacのシステム情報(システムの温度やCPU使用率、メモリ使用量)などを表示するシェアウェア。
Mac App Storeでも1200円で購入できるがApp Store版は制限があるので公式サイトから購入するといいだろう。

通常のRX 580はコアクロック1.257Ghzメモリクロック2Ghzなので恐らくRX 580の仕様はそのままにクロックだけを落としていると思われる。

温度は言わずもがな、巨大な筐体とヒートシンク・ファンのおかげで相当な負荷をかけない限り温度は50度にすら達しない。

Unigine Heavenというベンチマークでこれでもかという負荷をかけてみたが、室温23度の環境でGPU温度は最大45度程度だった。

なお本eGPU以外では2017年のiMac(Proではない)最上位モデルがRadeon Pro 580を採用している。

ちなみにmacOS Mojave以降ではアプリケーションの”情報プロパティ””外部GPUを優先”というチェックボックスが追加され、外部GPU非対応のアプリケーションでも強制的にeGPUで動作せることが可能だ。

すでに外部GPUをサポートしているアプリケーションではこのような設定は必要ない。

詳細は下記のAppleサポートページから。

Mac で外付けのグラフィックプロセッサを使う

ベンチマーク

ここからはベンチマークを行なっていく。

なお、Unigine HeavenはRetina解像度(擬似解像度)の設定によりスコアが乱高下するため割愛する。

CINEBENCH R15

2度計っても80.54fpsと全く同じ結果が出たが、いずれにしろ内蔵グラフィックだと40fps程度だったのでかなりのアップ。

Geekbench Metal

Geekbench OpenCL

Geekbenchのスコアは内蔵グラフィックではいずれも24000程度だったので、CINEBENCH以上の性能アップを実感する。

使用感

肝心の普段のデスクトップタスクの体感アップだが、全てにおいて爆速である。

多くのレビューで「あまり性能差を感じない」「不具合が起きる」「アプリが対応してない」など低評価が多かったのだが、個人的には今のところ特に問題もおきず、非常に快適である。

接続している4Kモニタのスケーリングも明らかに早くなり、擬似解像度3008x1692程度まではぬるぬると動く。

今までの内蔵グラフィックでは2560x1440の擬似解像度でもモタついていたので体感差は計り知れない。

ネットブラウジングもスクロールは明らかに早くなり、Parallels Desktop(バージョン14.1.2)もさくさく動作する。

今まではParallels Desktopを内蔵グラフィックで使用するとかなりもっさりしていたのだが、eGPUではもっさり感が消えてぬるぬるとした動きになる。

他にも内蔵グラフィックでは重さを感じたNetflixなどの動画配信サービス、Finder表示、写真アプリなども今までのもっさり感が嘘のように滑らかな動きになる。

なおParallels Desktop 14ではeGPUが接続されていると初回Windows起動時に自動的にParallels Toolsのインストールが始まり、WindowsがeGPUに最適化されるようである。

eGPUのファン動作音は非常に静かであり、高負荷時にだけ「コォォォォ」という音がするのみ。

ただ、個体差なのか仕様なのかは知らないがたまに「カチン」というまるでHDDのような音がする。恐らくは内蔵ファンの回転数変化によるものだろう。

筺体は多少暖かくなるが、それでも排熱は微風程度で手をかざしても「少し暖かい」程度である。

また、eGPUを接続するとアクティビティモニタからGPUの使用率をチェックすることが可能だ。

GPU使用率を表示するにはアクティビティモニタを起動し、”ウィンドウ”から”GPUの履歴”をクリックする。

eGPU接続時の内蔵グラフィッック動作

最後に、eGPUを使うまでわからなかったのが、eGPUを使用した場合に内蔵GPU(Mac mini 2018の場合はUHD 630)があらかじめシステムメモリから確保しているVRAMはどうなるのか?という点。

通常CPUの内蔵グラフィックはVRAM(ビデオメモリ)を持たず、システムメモリからメモリを予約してそれをVRAMとして利用している。

つまり、16GBのメモリを積んでいたとしても内蔵グラフィックのVRAM用に確保している領域があるので、例えば1.5GBをVRAMとして確保されている場合は実質使用可能なメモリは14.5GBとなるのだ。

ではeGPUを繋げた場合にそのメモリは解放されるのか?

結論としては解放される。

これはiStat Menusのシステムステータスであるが、見てわかる通りINTEL UHD GRAPHICS 630(内蔵グラフィック)のメモリ使用量はほぼゼロに近い。

その代わりRADEON PRO 580がかなりのVRAMを消費している。

もちろん内蔵グラフィックのメモリ使用量がゼロに近くても1.5GBほどを既に予約されている可能性はあるのだが、アクティビティモニタやiStat Menusのメモリ使用量を見る限り、”eGPU接続以前より使えるメモリが増えている”

アクティビティモニタやiStat Menusの値を信じるならば、eGPUを接続することで内蔵グラフィックに確保されているシステムメモリ(VRAM)は解放されると言ってよいと思う。

総評

レビューの評価が芳しくなかったため、使用するまで不安だったが現在のところ特に問題もなく動作し日々のタスクからクリエイティブアプリケーションまで幅広く動作が快適になり、個人的に非常に満足している。

使っているMacのグラフィック性能が低ければ低いほどeGPUの恩恵は大きいだろう。