Macで4Kモニターを使用した際のRetina解像度

Macで4Kモニターなどの高解像度モニターを利用している人やRetina Macユーザーなら誰もが知っているであろう”擬似解像度(Retina解像度)”であるが、4KモニターをMacで使用する上で最適な擬似解像度はなんなのかを検証してみたい。

そもそもRetina解像度(擬似解像度)とは?

Retina解像度とは簡単に言えば、4Kなどのピクセル密度の高いモニターでインターフェースを2倍に拡大表示して、ピクセル密度の恩恵を受けて文字やインタフェースを滑らかな表示にするための技術だ。

このRetina解像度(Retinaディスプレイ)という技術は今ではMac全製品、iPad、iPhoneなどでも利用されている。

技術と言っても実際には、”Hi-DPIモニター”と呼ばれる高解像度モニターのピクセル密度の高さを活かすためにインターフェース全体を2倍に拡大表示して、作業スペースの広さを犠牲にしつつもOS全体の視認性を上げようというシンプルなもの。

ピクセル密度の高いモニターは言い換えれば”高解像度モニター”であり、そのままの解像度では文字やインターフェースが小さ過ぎて読めないという問題がある。

それなら文字やインターフェースを拡大してピクセル密度の高さを活かして文字などを滑らかな表示にした方がいいというのがRetinaのアプローチである。

むしろ”視認性を上げるためにネイティブ解像度を高くしよう”というアプローチでもあると言った方が正しいかもしれない。

一番綺麗に見える擬似解像度は?

上記で”2倍”と書いたが、Retina採用MacやiPhone、iPadなどはMacBook無印などの例外を除けば全てネイティブ解像度はデフォルト設定の擬似解像度のちょうど縦横2倍になっている。

ではなぜデフォルトの値が2倍なのかというと、モニターというものはスケーリングした際に整数倍の表示にする時が一番ボケにくく鮮明な表示が可能になるからだ。

MacBook Pro 15インチなども、ネイティブ解像度は2880x1800であるが、デフォルトの擬似解像度は1440x900になっている。

macOSでは擬似解像度を任意でユーザーが簡単に変更できるが、上記のMacBook Pro 15インチモデルを例にすると1440x900以外の擬似解像度に変更すると、少し画面がボケたような表示になる。

2880x1800がネイティブ解像度の場合はちょうど1440x900の擬似解像度が一番文字やインターフェースが美しく見えるというわけだ。

ただ、最近のMacBookシリーズなどは必ずしもデフォルトの擬似解像度の整数倍のネイティブ解像度とは限らず、たとえば近年のMacBook Proであればネイティブ解像度は2560x1600なのにデフォルトの擬似解像度が1440x990だったりするので、近年のMacではこの「整数倍ルール」は必ずしも当てはまらなくなっている。

4Kモニタでの最適な擬似解像度は?

では4Kモニターを使用する上で理想的な擬似解像度はなんなのかと言うと、当たり前ではあるがFull HD(2K)である。

1920x1080の縦横2倍で3840x2160なので、4Kモニターで擬似解像度を利用する場合はFull HDが一番綺麗に見える。

実際Macに初めて4Kモニターを接続した際はmacOS側で擬似解像度が1920x1080に自動的に設定される。

ただ、せっかくの4KモニターなのにFull HDでは見栄えは綺麗になっても作業スペースは一般的な廉価モニターと同等なので損をした感じになる。

4Kモニターの大きさにもよるが27インチなどの4Kモニターでは、例え表示が若干ボケるとしても、もう少し擬似解像度を上げた方が作業効率は上がる。

しかし、ここで注意点がある。

それはRetina解像度の仕様だ。

Retina表示時の内部レンダリング

Retina解像度は単純なスケーリング処理で拡大表示を行なっているわけではなく、擬似解像度を設定した場合、OSレベル全体でレンダリングが変わる

例えば5K iMacでは擬似解像度が2560x1440であるが、実際にはmacOSの内部のレンダリングは2560x1440の縦横2倍、つまり5120x2880を表示した時と同じ負荷がかかっている。

この設定はもちろんAppleがあらかじめデフォルト設定としているのであって、全く問題はないのだが、もし5K iMacで擬似解像度を3200x1800などに変更すると、macOS側では3200x1800の縦横2倍の6400x3600を表示した時と同等の負荷がかかるのだ。

これはどのRetina搭載Macでも同様である。

つまり4Kモニターを繋いで2560x1440の擬似解像度に設定したとすると、モニター自体のネイティブ解像度は3840x2160なのにシステムには5120x2880と同等の負荷がかかることになる。

私は現在eGPUをMac miniに繋げて3008x1692の擬似解像度で作業しているが、その縦横2倍の6016x3384相当の負荷がかかっていて、eGPUを持ってしてもこの擬似解像度あたりがパフォーマンス的に限界である。

なお、擬似解像度をモニターネイティブの解像度かデフォルトの設定そのままにして表示した場合、つまりRetina表示を使わないか、OSが設定するデフォルトの擬似解像度の場合はシステムのレンダリング負荷は一気に軽くなる。

macOSのディスプレイ設定画面でも擬似解像度を整数倍かネイティブ解像度以外にした場合は画像のように”パフォーマンスに影響が出る”注釈が出る。

4Kモニターであれば1920x1080か3840x2160の解像度で使用すれば、当たり前ではあるがOS側はそのまま3840x2160でレンダリングし、余計な負荷は一切かからなくなるわけだ。

結論

以上のことから、Macを4Kモニターなどの外部ディスプレイと接続する際に最適な解像度は、文字の視認性や作業スペース以外にも”レンダリングによる負荷’を考慮する必要がある。

Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580)であれば、レンダリングの負荷を考えると3008x1692が最適・限界ラインで、この解像度なら大抵の作業はサクサクと出来る。

しかし、もしCPU内蔵グラフィックなら2560x1440などに擬似解像度を落とす必要が出てくるだろう。

内蔵グラフィックの性能によるが、場合によっては1920x1080か3840x2160でしか快適なパフォーマンスが得られないことも十分に考えられる。

なお擬似解像度の設定は最低でも4Kモニターでない限り利用できない。

Full HDや2560x1440(WQHD)のモニターでは接続してもReatina表示はできず、ネイティブの解像度しか選べないようになっている。

Full HDやWQHDではそもそもDPIが低く、拡大表示してもさほど意味がないからだろう。

以上、Reatina解像度について私の検証した限りのことを書いてみたが、要は”自分のMacのスペックと作業スペースに折り合いをつけて擬似解像度を選ぶ”ことが大切であると思う。

この記事が少しでも誰かの役に立てば幸いだ。