Apple Silicon Macで利用できる起動モードと実行方法まとめ

Apple Silicon Macで2021年3月時点で利用できる起動モードとそれぞれの起動モードの実行方法まとめ。

Apple Silicon Macで利用できない起動モード

まず最初にApple Silicon Macで利用できなくなった起動モード及び機能は下記の通り。

  • インターネットリカバリーモード
  • シングルユーザーモード
  • Verboseモード
  • ターゲットディスクモード(ディスク共有機能に変更)
  • SMC・NVRAMのリセット

海外サイトではターミナル内で下記コマンドを実行するとApple Silicon MacでもVerboseモードを利用できると説明されていたが、実際に管理人のM1 Mac mini(macOS Big Sur 11.2.3)でリカバリモード内のターミナルを含めてコマンドを実行しても一切効果はなくVerboseモードは利用できなかった。

sudo nvram boot-args="-v"
または
nvram boot-args="-v"
Verboseモードに移行するこのコマンドはApple Silicon Macでは無効

このコマンドを実行したからといってMacが起動しなくなるということはなかったが、管理人はApple Silicon MacにおいてはNVRAM関連のコマンドはいかなる場合でも実行しないことを強くお勧めしている。

Apple Silicon Macの各起動モードと実行方法まとめ

起動オプション(ブートピッカー/スタートアップマネージャー)

起動時に電源ボタンをおよそ10秒間押しっぱなしにすると起動オプションが表示され、ブート可能なドライブやUSBメモリなどを接続している場合はそれらのデバイスも表示される。

リカバリーモード(macOS復旧/macOS Recovery)

起動オプションを表示させ「オプション」アイコンを選択して「続ける」をクリックするとmacOS復旧(リカバリーモード)に入ることができる。

セーフモード

起動オプション画面で起動ディスク(Macintosh HDなど)を選択してShiftキーを押すと「セーフモードで続ける」という表示が出るのでクリックするとセーフモードでmacOSを起動できる。

ハードウェア診断(Apple Diagnostics)

起動オプション画面でCommand+Dキーを長押しすると「診断を開始するには、そのままお待ちください」と表示され、キーを押し続ければハードウェア診断(Apple Diagnostics)を実行できる。

デフォルト起動ディスクの選択

起動オプション画面でディスクを選択しOptionキー(Alt)を押すと「常に使用」というオプションが表示されるのでクリックすればデフォルト起動ディスクを指定できる。

ディスク共有(旧ターゲットディスクモード)

まず対象のApple Silicon Macを完全に終了させ、別のMacにUSB-CケーブルかThunderboltケーブルで対象のApple Silicon Macを接続する(対象のApple Silicon Macの起動前に接続する必要あり)。

別のMacがIntel MacかApple Silicon Macかは問わない。

続いてApple Silicon Macの電源ボタンを長押しして起動し、起動オプション画面が表示された後、「オプション」アイコンをクリックして「続ける」をクリック。

リカバリーモードに入ったらメニューバーの「ユーティリティ」から「ディスク共有」をクリック。

ディスクのロックを管理者パスワードを入力して解除し「共有を開始」をクリック。

続いてケーブルで接続した別のMacの画面に移動。

Finderの「ネットワーク」内にケーブルで接続したApple Silicon Macが表示されるはずなのでダブルクリック。

自動でゲストユーザーとして接続されるのであとは「Macintosh HD」フォルダから必要なファイルを救出する。

もし自動的に接続されない場合はFinderウィンドウ右上の「別名で接続」をクリック。

「ユーザの種類」を「ゲスト」にして「接続」をクリックすれば接続できるはずだ。

作業が終わったらApple Silicon Mac側の画面で「共有を停止」をクリックしてディスク共有を終了する。

フォールバックリカバリーモード(Fallback recovery OS)

フォールバックリカバリーモードはApple Silicon Macにのみ存在する隠れたリカバリーモード。

参考 M1 Macs have another hidden boot modeTHE ECLECTIC LIGHT COMPANY

Apple Silicon Macでは一度でもmacOSの何らかのアップデートを実行すると通常のリカバリーパーティションとは別に最終手段的なリカバリーパーティションの領域が作られる。

そのため一度もmacOSのアップデートを実行したことがないApple Silicon Macでは利用できない。

Apple Platform SecurityドキュメントではAppleはこのリカバリーモードを「Fallback recovery OS」と呼称しているが本記事では便宜的にフォールバックリカバリーモードと呼ぶ。

このフォールバックリカバリーモードは通常のリカバリーモードが何らかの理由で正常に起動できない場合に利用するモードであり、また、フォールバックリカバリーモードは「起動セキュリティユーティリティ」を利用できないという特徴がある。

フォールバックリカバリーモードが利用できるか確認する方法

自分のApple Silicon Macでフォールバックリカバリモードが利用できるか確認するにはまず下記の場所にあるフォルダに移動する。

/System/Volumes/iSCPreboot

移動したら「C88〜」から始まるフォルダが存在するかを確認し、フォルダを開く。

「LocalPolicy」フォルダ内に上記画像のように「img4」ファイルが存在すればフォールバックリカバリモードを利用できる。

フォールバックリカバリーモード起動方法

フォールバックリカバリーモードを起動するにはMac起動時に電源ボタンを素早く2回押し、2回目の押下の際に長押しする。

すると通常時と特に変わらない起動オプションが表示されるので「オプション」ボタンからリカバリーモードに入る。

リカバリーモードに入ったらメニューバーの「ユーティリティ」から「起動セキュリティユーティリティ」を開き、上記画像のように「セキュリティ設定を変更できません」と表示された場合、フォールバックリカバリーモードで起動している。

その他の点は通常のリカバリーモードと機能などは変わらない。

DFUモード

DFUモードはT2チップ搭載モデルであればIntel Macでも利用可能なモードで、USB-Cケーブルで2台のMacを接続し、Apple Configurator 2アプリを用いて問題が発生しているMacのファームウェアリセットや完全消去(ファームウェアからデータに至るまで出荷時に戻す)を行うことが可能だ。

DFUモードでの起動や復旧方法は非常にややこしいので詳しくは下記記事を参照。

MacをDFUモードで復活・復元する方法

まとめ

Apple Silicon Macでは従来のIntel Macのように各モードで起動するために複雑なキーコンビネーションを実行する必要がなくなり、全体的にシンプルになったという印象だ。

ただ、一方でNVRAM関連のコマンドはほぼ無効になり、コマンドによってはMacが起動しなくなることもある上、Intel Macのように問題が発生したらNVRAMをリセットするということもできないので不用意にNVRAM関連のターミナルコマンドは実行しないようにしよう。