5K@60hz出力ができるMacは?

前回4K@60hzが出力できるMac一覧を記事にした。

4K@60hzを出力できるMacはどれ?

ただ、5Kディスプレイが最近になってラインナップが増えてきており、更に民生用には普及していないがPro Display XDRのような6Kディスプレイも発売されたので、今後の超高解像度ディスプレイ時代を見越して5K@60hz出力ができるMacをまとめる。

5K@60hzの出力の壁

本題に入る前に5K(5120x2880)@60hzの解像度・リフレッシュレートを出力できるハードウェア要件を説明する。

DisplayPort 1.3以上が必須

5K@60hzの出力には現在普及しているHDMI 2.0やDisplayPort 1.2では帯域が足りないため、出来たとしても5K@30hzが限界だ。

5K@60hzの伝送には22.18Gbpsの帯域が必要となる。

WikipediaのDisplayPortの項目に非常にわかりやすい仕様表があるので掲載する。

画像出典 Wikipedia

表を見るとわかる通りDisplayPort 1.2では5Kの出力自体はできるがリフレッシュレートは30hzまでであり、5K@60hz出力にはDisplayPort 1.3以上が必要となる。

CPU内蔵グラフィックのMacでは基本的に5Kの出力は不可能

このスペックシートはIntel Iris Plus Graphics 645であるが、他のCPU内蔵グラフィックも現時点ではこのスペックとほぼ同じ

Mac mini 2018やMacBook Air、MacBook Pro 13インチモデルなどでは、たとえ最新モデルであったとしてもGPUがCPU内蔵グラフィックであるためにそのままではLG UltraFine 5Kディスプレイ以外での5K出力はできない。

上記のいずれのMacもThunderbolt 3のコントローラ自体はDisplayPort 1.4に対応しているため理論的には5K解像度や5K@60hz以上が出力できる。

しかしGPUがCPU内蔵グラフィックであり、IntelのCPU内蔵グラフィックは現時点ではどのモデルも最大解像度は4Kまで、内部のDisplayPortは1.2止まりであり、CPU内蔵グラフィックのスペックの制約を受ける。

ポート自体は5K@60hz以上の出力に対応しているのにCPU内蔵グラフィックが足を引っ張る形になるわけだ。

CPU内蔵グラフィックで5K解像度や5K@60hz以上を出力するにはDisplayPort 1.3以上対応のeGPUやDisplayPort 1.4(Titan Ridge)のコントローラを搭載したBlackmagic eGPUなどを導入する必要がある。

CPU内蔵グラフィックのみのMacでもThunderbolt 3搭載MacであればDisplayPort 1.3/1.4対応のeGPU経由で問題なく5K@60hz出力が可能になる。

ちなみにAppleストアで販売されているLG UltraFine 5Kディスプレイに限ってはCPU内蔵グラフィックでも5K@60hz出力が可能である。

なぜLG UltraFine 5KディスプレイだけがCPU内蔵グラフィックでも5K@60hz出力が可能なのかは判然としない。

考えられる理由として、UltraFine 5Kディスプレイは接続がUSB-C AltモードのDisplayPortではなくThunderbolt 3 Altモードで動作しており、CPU内蔵グラフィックの制約をバイパスしているのかもしれない。

USB-C Altモードとは?
USB-Cの伝送をモニター用に使うといったように、本来のUSBでやり取りされるデータ以外の伝送に使用するモードのこと。

Altモードの中にはDisplayPort Alternateモード、HDMI Alternateモード、MHL Alternateモード、Thunderbolt 3などがある。

いずれにしろ上記UltraFine 5Kディスプレイ以外の他社製5KディスプレイではeGPUを経由しない限りCPU内蔵グラフィックのMacでは5Kの出力はできない。

5K@60hz出力ができるMac一覧

上記の点を踏まえた上で5K@60hz出力ができるMacをまとめてみる。

なお、Appleが6月に発表したPro Display XDR 6Kディスプレイに関してはAppleのサポートページやPro Display XDRのスペックシートにも互換性の項目がないため、5K@60hz出力が可能なMacならPro Display XDRも理論上は表示可能と思われるが新たな情報が出るまでは除外する。

LG UltraFine 5Kディスプレイで5K@60hz出力ができるMac

  • iMac Pro (2017)
  • iMac (2017以降)
  • Mac mini (2018)
  • MacBook Pro (2016以降)
  • MacBook Air (2018)
  • Mac Pro (2019)

一般的な5Kディスプレイで5K@60hz出力ができるMac

  • iMac Pro (2017)
  • iMac (2019)
  • MacBook Pro 15/16インチモデル (2018以降)
  • Mac Pro (2019)

DisplayPort 1.3/1.4搭載eGPU経由で5K@60hz出力ができるMac

  • iMac Pro (2017)
  • iMac (2017以降)
  • Mac mini (2018)
  • MacBook Pro (2016以降)
  • MacBook Air (2018)
  • Mac Pro (2019)

前述の通りCPU内蔵グラフィックのみのMac mini 2018、MacBook Air、MacBook Pro 13インチモデルであってもeGPUを導入すればeGPU経由でUltraFine 5Kディスプレイ以外でも5K@60hzの出力が可能である。

なおeGPUの利用にはThunderbolt 3ポートが必須なのでeGPU経由で出力する場合はThunderbolt 3搭載Macが必須となる。

また、iMac ProやMac Proなど2018年以降に発売されたディスクリートGPU搭載MacであればeGPU経由でなくても直接一般的な5Kディスプレイで5K@60hz出力が可能。

なお、ケーブルはUltraFine 5KディスプレイではThunderbolt 3ケーブル、一般的な5Kディスプレイの場合はDisplayPort 1.3以上に対応したUSB-C>DisplayPort変換ケーブルなどが場合によっては必要。

まとめ

正直に言ってMacのディスプレイ対応状況は滅茶苦茶ややこしい。

4K@60hz出力ができるMacの記事を書いた時もMacによる対応状況がバラバラで混乱したが、5K@60hzの出力に関しても対応状況は複雑だ。

また、4K@60hz出力においてMacがハードウェア的に4K@60hz出力には対応していてもAppleが「パフォーマンスや互換性の懸念」を理由にmacOS側で4K@60hz出力を制限したことがあるため、今5K@60hz出力に対応していても将来的にAppleのさじ加減で出力が制限されてしまう可能性もある。

現時点でMacの5K@60hz出力をまとめると以下のようになる。

  • LG UltraFine 5KディスプレイはDisplayPort AltモードではなくThunderbolt 3 AltモードなのでCPU内蔵グラフィックの制約をバイパスしていると思われるため、5K@60hz出力が可能
  • LG UltraFine以外の5Kディスプレイで直接5K@60hz出力が可能なのはiMac Pro、Mac Pro 2019、iMac 2019、MacBook Pro 15/16インチモデル 2018以降の3つのみ。
  • Thunderbolt 3搭載MacならCPU内蔵グラフィックでもDisplayPort 1.3/1.4搭載のeGPUを導入すればeGPU経由で一般的な5Kディスプレイへの出力が可能

正直ややこしすぎて頭が混乱しているが、もし本記事に関して疑問点や情報の不備があった場合はCONTACTページから遠慮せずにご指摘をお願いしたい。