
Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580)で3Dゲームはどの程度動くのか?Steamで販売されているMac対応の人気ゲーム及びFortniteを実際にプレイして試したので検証してみよう。
なお管理人のSteamプロフィールはこちら。
目次
テスト環境
使用Mac Mac mini 2018 Core i7 6コア12スレッド・メモリ32GB eGPU Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580) 使用モニター LG 27UK650-W(4K HDRモニター) 擬似解像度 3008x1692
ゲームの設定は解像度1920x1080・ウィンドウモード・グラフィック設定は基本的に高・アンチエイリアスは適宜ゲームごとに設定。
フルスクリーンで起動すればその分パフォーマンスも上がるが、その場合ゲームの解像度が4Kになってしまって負荷が増える場合や、フルスクリーンにすることで画面がボケる問題もあるため、ウィンドウモードでのテストとなる。
パフォーマンス確保のためmacOS上では極力他のアプリを起動させないようにしている。
なお、ゲームのプレイにはPS4のコントローラーを使用しているが、中にはコントローラー非対応のゲームや、ゲーム内のHUDがXboxコントローラー表示になってしまったりする問題もある。
Steamゲームのfps(フレームレート)の計測にはSteamの設定にデフォルトで存在するfpsカウンターを使用した。
Fortniteではグラフィック設定からフレームレートの表示をオンにしている。
Fortnite
言わずとしれたEpic Gamesによるバトルロイヤルゲーム。
基本プレイは無料であり、日本語にも対応している。
macOSのローレベルAPI”Metal"に対応しており、プレイには最低でもMetal対応のGPUを搭載したMacが必要である。
配布サイトはEpic Gamesの公式サイトのみで、PC/Mac版はSteamなどの他社のプラットホームでの配信は行っていない。
Fortniteは今の今までプレイしたことはなく、ゲームプレイについては完全な初心者であるが今回はソロでプレイしてみた。

Forniteでは初起動の際に自動的にシステムに合ったグラフィック設定を検出して適用してくれるが、その際のグラフィック設定は上記のようになった。

総勢100人によるマルチプレイヤーゲームであるため、Metal対応と言えどグラフィックの質に対して動作は結構重く感じる。
平均fps |
48 |
ただ、平均fpsは48程度でありプレイ自体に支障はなかった。
もちろん60fpsと比べると若干のカクつきは感じるが、他プレイヤーとの戦闘になっても特別fpsが落ちることはない。
グラフィック設定を多少軽くすれば快適に遊べるだろう。
Alien Isolation
海外では2014年に発売され、2015年にコンソール向けに日本語版も発売された、映画「エイリアン」を題材にしたサバイバルホラーゲーム。
残念なことにSteamでは現在に至るまで日本からはIPが弾かれて購入出来ず、SteamでこのゲームをプレイするにはSteam以外の海外サイトでキーを購入するしかない。
対応言語も英語のみ。
ゲーム自体は5年前のゲームではあるが、グラフィックは今見ても美しく、その分負荷も高い作品。

グラフィック設定は一般的な項目は一通りあるが、アンチエイリアスに関しての設定がない。

平均fps |
28 |
序盤から動作が重く、移動するだけでも平均fpsは28程度といったところ。
僕はこのゲームをWindows環境で既にクリア済みであるが、戦闘が激しくなる中盤から終盤は高設定では恐らくプレイは不可能だろう。
グラフィック設定を落とせばある程度快適にプレイ可能になるが、このゲームの魅力の一つは映画「エイリアン」の世界観を忠実に再現した美麗なグラフィックにあるので、グラフィック設定を落とすのはもったいないように思う。
PC/Mac版は日本語にも対応しておらず、PC/Macで無理してこのゲームをプレイするよりはPS4などのコンソールで遊んだ方がいいだろう。
BioShock Remastered
2007年にオリジナルが発売された人気シリーズBioShockの1作目のリマスター版。
何気に日本語字幕・日本語音声にも対応している。

グラフィック設定はあまり豊富ではなく、設定は低・中・高ではなく”オンとオフのみ”というシンプルな仕様。

平均fps |
16 |
動作は極めて重く、平均fpsは16程度。
シーンによってはfpsが10以下になることも珍しくなかった。
アンチエイリアスをオフにすれば軽くなるが、グラフィック設定を落としてまでこのゲームをプレイするならPS4などのゲーム機で遊んだ方がグラフィックも綺麗で軽い。
僕はPC版とPS4版を両方プレイ済みだが、両者に劇的なグラフィックの差はないため、このゲームを無理してまでPC(Mac)でプレイする必要はないだろう。
Call of Duty:Modern Warfare 3
2011年に発売された超人気FPSシリーズであるCall of Duty:Modern Warfareの3作目。
CoDシリーズ全体では8作目に当たる。

8年も前のゲームであるため、日本語・コントローラー共に非対応であるが、グラフィック設定は充実しており詳細な設定が可能。
今回は上記画像の設定で中盤のミッション”Goalpost”をプレイ。

平均fps |
46 |
今回テストの際にプレイしたミッションは特に戦闘が激しいが平均fpsは46程度で、30fps程度まで落ちることはあるもののプレイに支障が生じるほどではなかった。
ただ、このゲームはコントローラー非対応のため、Macの場合Magic MouseやMagic Trackpadでプレイする羽目になり、操作に難がある。
Macでコントローラー非対応のゲームをプレイするにはSteamでコントローラーのカスタム設定を煮詰めるか、サードパーティのゲーミングマウスやキーボードを導入した方がいいだろう。
Life is Strange
日本でも人気を博したアドベンチャーゲーム。
海外では2015年に分作として全5エピソードに分けて発売され、日本では全エピソードが入った単品のパッケージが2016年に発売された。
PC版も日本語対応がされているが、Mac版に限っては日本語は非サポート。
なおエピソード1は無料で配布されているので、ベンチマーク目的にエピソード1だけをダウンロードしてもいい。

グラフィック設定はアドベンチャーゲームとしては割と豊富。

3Dゲームではあるものの、この作品はあくまでアドベンチャーゲームであり、戦闘や激しいアクションがあるわけでもなく、グラフィックに力を入れているわけでもないので動作は極めて軽い。
平均fps |
57 |
太陽光が差し込むシーンなど、負荷がある場面ではfpsがたまに下がることはあるものの、大半のシーンで60fps程度を維持した。
Rise of the Tomb Raider
有名アクションゲームTomb Raiderシリーズのリブート作品の2作目。
日本語字幕・日本語音声対応。
PC版は2016年に発売され、その後Macにも対応し、Fortniteと同じくmacOSのローレベルAPI”Metal”にも対応している。

グラフィック設定は非常に豊富で、ユーザーが選択出来る項目は多岐に渡る。
今回は上記画像の設定でプレイしてみた。

このゲームには専用の”ベンチマークモード”があり、ゲーム内で簡単にパフォーマンスを測定することが出来る。
ベンチマークの結果は上記画像の通りであり、美麗なグラフィックでありながら、Metal対応のおかげでグラフィック設定が高設定でも総合スコアは60fpsを超えている。
実際にプレイしてみてもグラフィックの割に動作は軽く、フレームレートも非常に安定していた。
Fortniteはマルチプレイヤーであるが故にMetal対応であっても動作は若干重かったが、本作はシングルプレイヤーであるためFortnite以上にMetalの恩恵を感じる結果になった。
多少重い場面でも設定を落とせば快適なプレイが可能だろう。
まとめ
以上、Steamの人気ゲーム5作品とFortniteをプレイしてみたが、比較的古いゲームならグラフィック設定を高くしてもBlackmagic eGPU(Radeon Pro 580)で動くが、いくつかのゲームではプレイに支障が出るほど重い場面もあった。
macOS側の擬似解像度が高いため、通常より余計な負荷がかかっている可能性もあるが、基本的には古いゲームでもグラフィック設定は上げすぎない方がいいだろう。
一方で最新ゲームでもLife is Strangeのようにグラフィック負荷が低いゲームなら問題なく動作し、更にRise of the Tomb RaiderのようなMetal対応ゲームでは高設定でも安定したパフォーマンスを発揮することが出来た。
結論としてBlackmagic eGPU(Radeon Pro 580)では古いゲームならそれなりに動き、最新ゲームでもMetal対応ならグラフィックを高設定にしてもある程度快適に動作する、と言えると思う。
問題なのがMetal対応ゲームの少なさと、コントローラー非対応のゲームではMacでは操作性に難があり、別途ゲーミングキーボードやマウスが必要になる点だ。
Macでゲームをプレイするのを目的にeGPUを導入する人は少数だと思うが、もしゲーム目的でeGPUを導入するなら、それらの点に留意して慎重に選んでほしい。
最新のゲームをeGPUで遊ぶならBlackmagic eGPU(Radeon Pro 580)ではなく、Blackmagic eGPU Pro(Radeon RX Vega 56)を導入するか、eGPUボックスに高性能なRadeonを積んだ方がいいと思う。