負荷を考慮したおすすめのmacOS向けHDR動画プレイヤー

使用しているモニターやMacがHDRに対応しているかどうかに関わらず、MacでHDR動画を再生するとプレイヤーによってはCPU負荷が異常に高くなる場合があるので、本記事では管理人が実際に有料アプリも含めてHDR動画を再生し、使いやすやCPU負荷を考慮してHDR動画再生に最も適していると思われるプレイヤーを紹介。

なお、本記事を書くに当たって管理人はいかなる執筆依頼も受けておらず、有料アプリは管理人が自腹で購入している。

また、VLCという非常に有名な動画プレイヤーがあるものの、Mac版のVLCは現時点でHDRをサポートしていないようで管理人の環境ではHDRで動画を再生できなかったためVLCは除外している。

各動画プレイヤーのHDR動画再生時のCPU負荷

今回検証に当たって再生したHDR動画はPS5でキャプチャーした4K HDR動画で、下記では各動画プレイヤーで全く同じ動画ファイルを再生し、同じシーンのCPU使用率を計測している。

IINA

恐らく無料のmacOS向け動画プレイヤーとしては近年ではかなり有名と思われるIINAだが、HDR動画再生時のパフォーマンスは一番良くないと思われる。

一応HDR動画再生に対応してはいるものの、Mac Studio M1 Maxであるにも関わらず4K HDR動画再生時はCPU負荷が30%を超える場合もあり、明らかにHDR動画向けに最適化されていないことが見て取れる。

無料でありながら必要最低限な機能が備わっており、UIもわかりやすくて非常に優秀なプレイヤーだがHDR動画再生という点では今回テストした動画プレイヤーの中では見劣りしてしまう。

Infuse 7

infuse 7はあまり有名ではないがユーザー(コミュニティ)からの声によく耳を傾けて、要望が多い機能は頻繁にアップデートで追加されているユーザーフレンドリーな動画プレイヤーだ。当然HDR動画再生にも対応している。

CPU負荷はIINAより高くはなく、また非HDR環境で再生してもinfuse側が独自のHDRトーンマッピングによりHDRを模倣した色合いを出力してくれるので非HDR環境でのHDR動画再生という面では今回テストした動画プレイヤーの中では最も優れている。

ただ、インターフェースがシンプルすぎる他、「ライブラリ」という独自の機能がかなり分かりにくく、更に「リピート再生」などの通常の動画プレイヤーが当たり前のように備えている機能がなかったりするのでオールマイティに使える動画プレイヤーという観点からすると難がある。

Movist

Movistは買い切り型の有料動画プレイヤーであり、サポートしているコーデックも多く、もちろんHDR動画再生にも対応している。

価格はスタンダード版のMovistが$4.99、PiPやAirPlayに対応したMovist Proが$7.99。管理人が使用しているのはMovist Proとなる。

今回テストした動画プレイヤーの中ではHDR動画再生時の負荷が最も低く、ながら作業を行なっても全く問題ないレベルだ。

UIや機能も申し分なく、設定もわかりやすい。

ただ、HDRの表現に関しては独自のHDRトーンマッピングにより自然な色合いを表現しているinfuse 7に比べると劣ってしまう。

総評

総評としてはHDRの表現を重視するならば、CPU負荷はそれなりに高いが独自のHDRトーンマッピングによりHDR非対応モニターやHDR非対応Macでも擬似HDRのように鮮やかな色合いを実現するinfuse 7がおすすめで、多機能さとCPU負荷の低さを優先するならMovist Proとなると思う。

管理人はHDRの色合いを重視した試聴の際はinfuse 7、非HDR動画を含めた通常の動画プレイヤーとしてはMovist Proを使うというように両者を使い分けて試聴している。

HDR動画に対応したmacOS向け動画プレイヤーはまだまだ数が少ないので本記事を参考に自分に合った動画プレイヤーを見つけてほしい。