
先日iPhone Xのディスプレイに横線が走り画面が点滅を繰り返すようになったが、ソフトウェアに問題があるのか本体自体の故障なのかを検証するためにiPhoneをDFUモードで復元させてみた。

このような明らかなディスプレイの異常は果たしてDFUモードで復元させることができるのか?
ここではiPhoneをDFUモードで復元させる手順とその結果をまとめたい。
結論から言えば僕の場合はディスプレイの異常はDFUモードで完全に解決できた。
INDEX
DFUモードとは?

DFUモードとはApple非公式のモードであり「Device Firmware Update」の略である。
リカバリーモードとは違いDFUモードはiOSはもちろんファームウェア諸々も全て消去し、iPhoneを完全に工場出荷時の状態に戻すことができる。
そのためiPhoneに異常が起きた際に「ソフトウェアの問題なのか、それともハードウェアの問題なのか」という原因の切り分けに極めて有効な他、これで直らなければほぼ間違いなく本体の故障ということがわかる。
ただ、その分復元に失敗したり、手順を誤った場合は完全にiPhoneが起動しなくなる場合もある点に注意。
また、当たり前ではあるがDFUモードでiPhoneを工場出荷時に戻した場合はユーザーデータなどは全て消去される。
DFUモードでiPhoneを復旧させる手順
必要なもの

DFUモードの実行に必要(必須)なものは以下の通り。
前提条件としてPC/MacとiPhoneが接続されている必要がある。
- iPhone 6s以降のiPhone
- iTunesがインストールされたPCまたはMac
- USB-Lightningケーブルなど
なお、復元に失敗して完全に起動しなくなった場合に備えて予備のスマホやiPhoneなどもあった方がいい。
また、DFUモードでの復元では前述の通り全てのデータが工場出荷時に戻るためPC/MacやiCloudにバックアップを作成しておこう。
ちなみにいずれのiPhoneでもDFUモードを実行する際、電源は入っていてもオフでも構わない。
iPhone 6s/SEの場合の手順

iPhone 6s/SE/の場合は以下の手順でDFUモードに入ることができる。
- サイドボタン(電源ボタン)とホームボタンを8秒間押し続ける
- 8秒経ったらサイドボタンを離すが、ホームボタンはPC/MacのiTunes・FinderにiPhoneが表示されるまで押し続ける
- Appleロゴなどが表示されず画面が真っ暗な状態でPC/Macに認識されたら成功
Appleロゴが出てしまった場合は失敗しているため、手順1から再度始めよう。
iPhone 7の場合

iPhone 7の場合は以下の手順でDFUモードに入ることができる。
- サイドボタン(電源ボタン)と音量ボタン(小)を8秒間押し続ける
- 8秒経ったらサイドボタンを離すが、音量ボタン(小)はPC/MacのiTunes・FinderにiPhoneが表示されるまで押し続ける
- Appleロゴなどが表示されず画面が真っ暗な状態でPC/Macに認識されたら成功
Appleロゴが出てしまった場合は失敗しているため、手順1から再度始めよう。
iPhone 8/X/XS/XR/11/11 Proの場合の手順

iPhone 8以降のすべてのiPhoneでは以下の手順でDFUモードに入ることができる。
- 音量(大)ボタンを押してすぐに離す
- 音量(小)ボタンを押してすぐに離す
- サイドボタン(電源ボタン)を10秒押し続ける
- 画面が真っ暗になるので電源ボタンを押し続けたまま音量(小)ボタンを5秒押す
- サイドボタンを離すが、音量(小)ボタンは10秒押し続ける
- Appleロゴなどが表示されず画面が真っ暗な状態でPC/Macに認識されたら成功
手順4の「音量(小)ボタンを5秒押す」というのが曲者で5秒ぴったりでなければならないので、頭の中できちんと5秒数えよう。
Appleロゴが出てしまった場合は失敗しているため、手順1から再度始めよう。
DFUモードに入ったらiTunes・Finderから復元する

無事にDFUモードが起動した場合、PC/MacのiTunes・Finderで上記のような画面が表示される。
PC/Mac上では「リカバリーモード」という表示だが実際にはDFUモードである。
OKをクリックして次に進もう。

「iPhoneを復元」をクリック。

「復元とアップデート」をクリック。

「このiPhoneのソフトウェアの復元の準備中です」という表示が出たら数十分から1時間ほど待つ。

復元が完了するとiPhoneが工場出荷時の設定に戻ったという表示が出てiPhoneが自動的に再起動する。
あとはiPhoneで最初に買った時のように初期設定をすれば完了だ。
なおDFUモードからの復元では前述の通りファームウェアも全てリセットされるため、初期設定画面では時計などの時刻が狂っているが初期設定が終わば自動的に修正される。
不具合は直ったのか?
DFUモードの復元を行なった結果だが、現在復元してから1ヶ月以上経っているが症状は今のところ再発していない。
さすがにあれだけの異常が一切再発していないということは「DFUモードによる復元で直った」と判断していいだろう。
もしDFUモードによる復元で直らなかったとしても、DFUモードはiPhoneの問題をソフトウェア・ハードウェアどちらにあるのかを切り分ける上で極めて有効なのでiPhoneの異常の原因がわからない場合に実行してみるといいだろう。