
2019年9月10日(日本時間9月11日)、Appleは例年通り主にiPhoneを主軸とした新製品の発表会を開催し、iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max・10.2インチiPad・Apple Watch Series 5を発表した。
10.2インチiPad及びApple Watch Series 5は順当進化と言える内容で、旧シリーズを所持している人は十分にアップグレードする価値のあるものだったが、iPhoneに関してはイマイチ魅力に欠ける内容となった。
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iPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxを買わない理由

僕は現在2017年に発売されたiPhone Xを2年使っているのだが、iPhone Xから11/11 Pro/11 Pro Maxに乗り換える意義をどうにも見出せなかった。
iPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxの変更点。
iPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxの大きな変更点は以下。
- iPhone 11はデュアルカメラ化。広角・超広角カメラ搭載
- 11 Proはトリプルカメラ化。望遠・広角・超広角カメラ搭載
- 11/11 Pro共にA13 Bionicチップ搭載
- Wi-Fi 6搭載
- U1チップ(空間位置情報把握チップ)を搭載。他端末へiPhoneを向けるとAirDropの利用の際にコンタクトを自動ソート
- 11はXRより1時間、11 ProはXSより4時間、11 Pro MaxはXS Maxより5時間長いバッテリー持続時間
- 11/11 Pro共にIP68等級の耐水・防沫性能・防塵性能
- 11はブラック、グリーン、イエロー、パープル、Product RED・ホワイトにカラーが刷新。11 Proは新たにミッドナイトグリーンが追加
- Face IDの認証速度は最大30%速くなり、認識できる角度も拡大
- 3D Touchは消滅し、Haptic Touch(触覚タッチ)に変更
全てのモデルは9月20日に同時発売。
価格
価格は税別で以下のようになる。
128GB:79,800円
256GB:90,800円
256GB:122,800円
512GB:144,800円
256GB:135,800円
512GB:157,800円
XR/XS/XS Max(発売時)と比べると特にストレージが多いモデルでかなり安くなった印象。
iPhone 11/11 Proの残念な点
次に僕が感じたiPhone 11/11 Proの残念な点を挙げてみたい。
- ノッチの大きさは変わらず
- 5Gに非対応
- リバースワイヤレス充電に非対応
- 端子がLightning
- 厚さが11 Pro/11 Pro MaxはXSの7.7mmから8.1mmへと分厚くなった。
- 重量が11 Pro/11 Pro MaxはXSの177g・208gから188g・226gへと重くなった。
Appleは今回のイベントでもiPhone 11の紹介ページでも大半を進化したカメラ機能の説明に割いているが、逆に言えばカメラ以外に進化した点はあまりないとも言える。
確かにカメラ機能はXからXSの時よりも圧倒的に進化したし、バッテリー持続時間がProでは最大5時間伸びたというのも喜ばしいことだが、ユーザー側からしたらその2点くらいしか重要な進化はないように思う。
iPhone 8やX、XR、XSに搭載されているA11/A12チップは十分に高速だし、Face IDも認識精度や認識速度、認識できる角度などが改良されているがノッチの大きさには変化はなく、無論画面内Touch IDなどもない。
特にノッチの大きさが変わらず、端子がLightningのままであり、5Gにも非対応なのはどうかと思ってしまう。
iPhone Xで恐らく一番の不評な部分であったノッチ部分には特に何の変化もなく、iPad ProやMacで一般的なUSB-CではなくLightning端子を依然として搭載し、また他社製スマートフォンが相次いで5G対応のものが発表される中、iPhoneは5Gには非対応であるため陳腐化も早くなってしまう。
もちろん5Gはゆるやかに普及していくと見られ、日本では5Gのサービス開始は2020年以降を予定しているため、5G非対応だからといって現時点ではユーザーに特にデメリットはないが、それでも5G非対応というのはiPhoneを長く使いたいと思っているユーザーにとっては少々不安なところだろう。
iPhone X・XSユーザーは買い換える意義は薄い

カメラ機能やバッテリーの持続時間に魅力を感じるなら買い換える意義もあるかもしれないが、正直今回の内容ではX・XSユーザーが乗り換える意義は薄いと感じている。
iPhone 8ユーザーでFace IDに抵抗がなければ増税前に11や11 Proに乗り換えるのも選択肢としてありだが、少なくともX・XSユーザーは10万円を超える金額を出してまで乗り換える価値はほとんどないだろう。
もちろん乗り換える価値があるかどうか決めるのは僕ではなく、それぞれのユーザーだということは承知しているが、どうもX・XSユーザーには勧めにくいように思うのだ。
11に関しては74,800円であり、2017年までのiPhoneと同価格まで下がったので8やXRなら買い換えてもいいと思うのだが、X/XSユーザーの場合は11は有機ELではなく液晶という点で食指が動かくなってしまうのではないか。
かといってProは前述のようにカメラとバッテリー持続時間以外は魅力に欠ける。
「酸っぱいブドウ」と言われるかもしれないが、僕としては本当に魅力を感じないのだ。
来年に期待
あくまで噂レベルではあるが、2020年のiPhoneはノッチが縮小し、画面内Touch IDを搭載(2021年モデルからという噂もあり)、5Gに対応すると予測されている。
11/11 Proはこれらの噂を見るとどうも「中途半端」という印象が拭えない。
個人的には現在のiPhoneに不満がないのであれば、11/11 Proを買うよりは別のApple製品を購入するか来年まで待った方がいいと思う。
今回のイベントでは本来サイレントアップデートで済ませるであろうマイナーチェンジの無印iPadの発表に8分間もかけるなど、正直Apple側もiPhoneに関してアピールするべきものがあまりなく尺を稼いでいるような印象を受けた。