iPadOS所感。これまでで最も進化したiPad用OSだが若干複雑に。

Appleは当初の10月1日というリリーススケジュールを前倒しして9月25日に新生iPad用OS”iPadOS”をリリースした。

また、iOS 13のバグフィックスであるiOS 13.1も同時刻に配信されたので、iOS 13を導入済みの人はアップデートしておこう。

今回はiPadOSを早速自分のiPad Air 第3世代(2019年モデル)にインストールしてみたので所感を書いていきたい。

ナンバリングは13.1

なお、iPadOSは前述の通りiOSから派生してiPad専用として新しく登場したOSだがバージョンはiPadOS 13.1となっている。

iPadOSの主な変更点

iPadOSはiOS 13と比べてもその新機能・変更点は非常に多岐に渡るので特に重要・印象に残った点をピックアップする。

全ての新機能・変更点は以下のApple公式サイトにリストアップされている。

ホーム画面

ホーム画面が刷新されアプリのアイコンが一回り小さくなった他、横向きの場合はウィジェットや時刻が左端に表示されるようになった。

最初は通知もここで確認できるのかと思ったが実際には通知は表示されず、あくまでウィジェットの置き場として存在するようだ(iPhoneのホーム画面のウィジェットと同じ)。

ちなみにこの表示は設定を見る限りAppleは”今日の表示”と呼称している。

”今日の表示”欄の”編集”から”今日の表示”の固定をオフにすることも可能
”今日の表示”の固定をオフにした場合はスワイプで切り替え

通知欄の下部に表示されている”編集”をタップして”今日の表示”の”ホーム画面に固定”をオフにするとホーム画面をスワイプすることで”今日の表示”の切り替え(オンオフ)が可能になる。

設定から従来のホーム画面に戻すことも可能

もし従来のホーム画面に戻したい場合は”設定”にある”画面表示と明るさ”からホーム画面のレイアウトを変更するとiOS 12以前の表示に戻る。

ダークモード

これはiOS 13の所感を述べた記事でも扱ったがiPadOSも新たにダークモードが加わった。

見た目の変化はiOS 13とほぼ同じで黒色を基調として統一感のあるUIを実現している。

iOS 13と同じく”設定”の”壁紙”という項目からダークモードに合わせて壁紙を暗くすることも可能。

ジェスチャー&ウィンドウ

アプリの下部をフリックしてアプリ切り替え
iPhone Xなどのジェスチャーと似ている

以前から存在したSlide Over・Split Viewなどの画面分割・複数アプリ使用時のジェスチャーや仕様が強化され、複数のSlide Overアプリを下部バーのフリックで切り替えたり、アプリのExposé(単独表示)などが可能になった。

Slide Over中のアプリの下部をスワイプ して一覧表示

また、Slide Over中のアプリを上にスワイプすることでSlide Overで開いているアプリの一覧表示も可能だ。

ドックを出して開いているアプリのアイコンをタップすると同一アプリが複数開ける

更にアプリを開いている際にドックを出して”開いてるアプリと同じアプリアイコンをタップ”して右上の+ボタンをタップすると同一のアプリを複数開けるようになった(アプリ側のサポートが必要)。

PC/Macで言えば「ウィンドウを複数開いている」と考えるとわかりやすいだろう。

また、1本指でカーソルをドラッグ、3本指左スワイプで取り消し、3本指ピンチインでコピー・ピンチアウトでペーストといったように、ここでは書ききれないほどの多彩なジェスチャーが追加された。

ただ、これらのジェスチャーはiPad miniなどの小さな画面では困難だと思われるため、少なくともiPadOSで追加された一部のジェスチャーは9.7インチ以上のiPadが必要だと思う。

Apple Pencil

Apple Pencilのマークアップツールが刷新され、更にダークモードにも対応している。

WWDC 2019

また、Apple Pencilのレイテンシーが20msから9msへ改善されたため、Apple Pencilのレスポンスは若干ながら良くなっている。

実際にApple Pencilを使用してみた印象として、プラシーボかもしれないが以前よりApple Pencilの反応が良くなっているように感じた。

キーボード

フローティングキーボードが実装され、片手での文字入力が非常に簡単になった。

フローティングキーボードに変更するには2本指でキーボードをピンチインするか右下のキーボードボタンを長押しして”フローティング”をタップする。

元に戻すにはフローティングキーボードをピンチアウトすればいい。

フローティングキーボードを使用する際は日本語の文字入力はかな入力(フリック入力)の方が使いやすいため、あらかじめ”設定”>”一般”>”キーボード”から「日本語:かな」のキーボードを追加しておくといいだろう。

日本語かな入力キーボードを設定から追加しておくとフローティングキーボードが使いやすくなる

他にもキーボードのツールバーが使用しているアプリに応じて豊富な選択が可能になっているなどの変更もある。

Safari

地味に大きな変更点としてiPadOSのSafariではWebサイトの判定の仕方が変わっており、完全なデスクトップ版のWebサイトを表示可能だ。

これまでもデスクトップ用のサイトを表示するオプションはあったが、少なくとも当ブログやいくつかのサイトではデスクトップ用の表示にならずスマホ版サイトが表示されるなどしていた。

今回の変更によりこのブログもデスクトップ用の表示になることが確認できた。

例えばこのブログではタブレット端末で閲覧した場合サイドバーを非表示にする設定がされているが、iPadOSを搭載した端末のSafariではサイドバーが表示されるためiPadが「デスクトップPC」と認識されていることがわかる。

デスクトップ版のWebサイトが表示されている

これは縦向きでも横向きでも変わらない。

この変更によりWebサイト運営者はiPad版サイトのデザインの手間が若干省けるかもしれない(他社タブレットやiOS 12以前のiPadを考慮する必要はあるが)。

ちなみにChromeやFirefoxでは従来通りタブレット端末として扱われたため、この変更が適用されるのはSafariのみ。

なお、実はこの「デスクトップ用Webサイト強制表示」はiOS 13にも存在し、”設定”>”Safari”>”デスクトップ用Webサイトを表示”>”すべてのWebサイト”をオンにすればiPhoneでもデスクトップ用Webサイトを強制表示できる。

iPadOSの場合はこの設定がデフォルトでオンになっているわけだ。

更にダウンロードマネージャが搭載され、ファイルのダウンロード先(iCloud DriveかiPad内)を選べるなどのPC版Safariに似た機能も追加されている。

PS4・Xbox Oneコントローラーに対応

iOS 13・tvOS 13と同じくiPadOSはPS4・Xbox OneコントローラーのBluetooth接続に対応しているため、PS4のコントローラーなどをワイヤレスでiPadと接続してApple ArcadeのゲームやPS4リモートプレイアプリでPS4のゲームを楽しむことが可能だ。

PS4のコントローラーをiPadに接続するにはiOS 13と同じくPS4コントローラーのPSボタンとSHAREボタンを同時押ししてiPadのBluetooth接続欄に”DUALSHOCK 4 Wireless Controller”と表示されたらタップすればOKだ。

今まではPS4のリモートプレイをワイヤレスでプレイするには少なくとも公式ではPS Vitaを使用する他なく、PCやMacでのリモートプレイの際はケーブルをPCやMacに接続する必要があったが、ついにiPhoneやiPadでもPS4のゲームをワイヤレスで遊べるようになった。

iOS 13でも全く同じことが出来るがiPhoneの画面でPS4などのゲームをプレイするのは無理があったため、iPadでこの機能を利用するのをとても楽しみにしていた。

早速PS4のデュアルショックコントローラーを接続してリモートプレイで超高難易度ゲーム”SEKIRO”を遊んでみた。

超高難易度ゲーム”SEKIRO”の最強ボス「剣聖 葦名一心」

一通り遊んだ感想としてはアクションゲームは入力遅延があり厳しい

SEKIROはアクションゲームの中でも素早い入力が求められるゲームだが体感で0.3秒ほどの入力遅延があり、映像を見ながら入力していると遅すぎるため、あらかじめ遅延を考慮して早めの入力が要求される。

オンラインゲーム・シビアな操作が要求されるアクションゲーム・リズムゲーム(音ゲー)は現状でのプレイはかなり難しいだろう。

また、PS4のコントローラーのライトバーは常に点灯していて任意に消灯することができないが、このライトバーの明かりがiPadの画面に反射するのも気になった。

とはいえiPadで、しかもワイヤレスでPS4のコントローラーを使用してゲームができるというのは入力遅延があるとしても非常に魅力的な機能だ。

ベンチマーク

続いては恒例のベンチマーク。

本記事以降はMac/iPhone/iPadでは最新のGeekbench 5アプリを使用してのベンチマークを計測することにする。

ここではiOS 12とiPadOSのGeekbench 5のスコアを比較してみたい。

なおiPad Air第3世代のSoC(チップ)はA12 Bionic

iOS 12

iPadOS

Geekbench 5の表記はiOS 13.1

スコアは微減しているが誤差の範囲内なのでiOS 13と同じくiPadOSもアップデートによるパフォーマンスへの影響はほぼないと思われる。

AppleはiOS 13でもiPadOSでもアプリの起動が最大2倍速くなったと謳っているが僕の印象として特に起動速度は変わっていないように思える。

まとめ

iPadOSの新機能を一通り試してみて「全体的にPCライクな操作・機能が追加された」という印象を受けた。

本記事では扱わなかったが新たにファイルアプリがUSBメモリなどの外付けドライブをサポートしたり、カスタムフォントをインストールできたりと、年々iPadはPC寄りになっていると思う。

僕の持論として「タブレットはPC/Macの代わりにはならない」というのがあるのだが、AppleとしてはiPadをMacBookシリーズの下位に位置づけたいのかもしれない。

ただ、一通りiPadOSを使ってみた感想としては「あまりにPCの操作に近づけようとしすぎて操作が複雑になっている」と感じた。

同一アプリを複数開く際に「開いているアプリと同一のアプリをドックから出してタップする」という操作が要求されるが通常は行わない操作であるし、コピー・ペースト・取り消しなどの3本指でピンチイン・ピンチアウト・左スワイプ といった操作も少々まどろっこしい。

慣れれば問題ないのかもしれないが、あまりにジェスチャーが多すぎて混乱してしまった。

いずれにしろ、iOS 13と同じく今すぐに導入する必要はないが上記機能(特にゲーマーならPS4コントローラーサポートは嬉しい点)に魅力を感じるなら色々と恩恵があるだろう。