
先日9月10日(日本時間11日)にAppleはApple Special Eventで新たにiPadシリーズのローエンドモデルiPad 10.2インチを発表した。
既に今年の3月にミッドレンジモデルのiPad Air第3世代が発売されているが、ここでは新たに発表されたiPad 10.2インチとiPad Air 第3世代どちらを買うべきかまとめてみる。
INDEX
iPad 10.2インチとiPad Air 第3世代の違い

まずはiPad 10.2インチとiPad Air 第3世代のスペックを比較してみよう。
iPad 10.2 | iPad Air 3 | |
価格 | 64GB:34,800円 128GB:44,800円 | 64GB:54,800円 256GB:71,800円 |
SoC | Apple A10 Fusion | Apple A12 Bionic |
カラー | シルバー・スペースグレイ・ゴールド | シルバー・スペースグレイ・ゴールド |
重量 | Wi-Fiモデル:483g Wi-Fi + Cellularモデル:493g | Wi-Fiモデル:456g Wi-Fi + Cellularモデル:464g |
厚さ | 7.5mm | 6.1mm |
ディスプレイ | 10.2インチ 2160x1620・264ppi 500ニトの輝度 耐指紋性撥油コーティング Apple Pencil(第1世代)に対応 | 10.5インチ 2224x1668・264ppi 500ニトの輝度 広色域ディスプレイ(P3) True Toneディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング フルラミネーションディスプレイ 反射防止コーティング 1.8%の反射率 Apple Pencil(第1世代)に対応 |
その他 | Smart Keyboard対応 | Smart Keyboard対応 |
CPU/GPU(SoC)
SoCはiPad 10.2インチがA10 Fusionなのに対してiPad Air 第3世代はA12 Bionicを搭載。
A10 FusionはiPhone 7で初めて搭載されたチップであるが、既にA10 Fusion登場から3年経過しているためスペックとしては少々弱い。
僕は2019年の無印iPadはてっきりA11あたりを搭載してくるのかと思ったが、2018年のiPadと同じA10 Fusionを引き続き搭載したのは悪い意味で驚きだった。
対してiPad Air 第3世代はiPhone XR/XS/XS Maxと同じくA12 Bionicを搭載しており将来性がある。
参考までにGeekbenchのA10 FusionチップとA12 Bionicチップの比較ベンチマークを掲載しておこう。


スコア差は歴然であり、特にマルチコアでA12 BionicチップはA10 Fusionより大幅に性能が向上している。
ディスプレイ
iPad 10.2インチは今ではiPhoneやMac、iPadシリーズで当たり前になっているTrue ToneやP3の広色域ディスプレイに非対応。
特に色域に関しては写真などの閲覧・編集の際に真価を発揮するので写真を嗜む人にとってはマイナスポイントだろう。
加えてiPad 10.2インチは耐指紋性撥油コーティングが施されているだけであるが、iPad Air 第3世代は反射防止コーティングにより反射率を1.8%まで抑えている。
解像度に関してはiPad 10.2インチが2160x1620でiPad Air 第3世代が2224x1668であるがppi(ピクセル密度)に関しては同じ264ppiであるため、ディスプレイの精細度に関しては変わらない。
重量と厚さ
iPad 10.2インチの重量はWi-Fiモデルで483g、Cellularモデルで493g。厚さは7.5mm。
対してiPad Air 第3世代はディスプレイサイズがiPad 10.2インチより大きい10.5インチでありながら重量はWi-Fiモデルで456g、Cellularモデルで464g。厚さは6.1mmでありiPad 10.2インチより軽くて薄い。
バッテリー
iPad 10.2インチは32.4Whのバッテリーなのに対してiPad Air 第3世代は30.2Whバッテリーだがバッテリーの持続時間は両者で全く同じ。
iPad 10.2インチとiPad Air 第3世代ではどっちがおすすめ?

こんな人にはiPad 10.2インチをおすすめ
- スペックより価格重視で重いアプリなどを使わない
- 重さや厚さを気にしない
- 写真編集などをほとんどしない
- 反射防止コーティングがない点に関しては保護フィルムで対処する
- Apple Pencilはあまり使わない
こんな人にはiPad Air 第3世代をおすすめ
- iPad Proほどの性能は要らないがある程度の性能を持ったiPadが欲しい
- よく持ち運ぶため軽さと薄さを重視
- 写真編集をする、または写真鑑賞をよく行う
- 出来るだけ保護フィルムを貼らないで運用したい
- Apple Pencilをバリバリ使う
- iPadOSのサポートを考慮して長く使えるiPadが欲しい
個人的な意見

ここからはあくまで僕の経験に基づいた個人的な意見になる。
僕は2017年モデルのiPadを一時期使っていたのだが僕にとって一番の問題だったのが「ディスプレイに反射防止コーティングがないこと」だった。
iPadなどの大画面のディスプレイを搭載した端末では反射防止コーティングがないと映り込みが酷く、映画などで暗いシーンになった際などに鏡のように自分の顔や背後の光源がはっきりと映り込んでしまう。
これまでのiPadでは保護フィルムを使用したことがなかったのに、なくなく反射防止保護フィルムを貼ってようやくまともに使えるようになったほどだ。
また、2018年モデルのiPadからはApple Pencilに対応しているが保護フィルムを貼ってApple Pencilを使うと画面が非常に滑りやすくなるため、反射防止保護フィルムなどを貼るとApple Pencil使用時にデメリットが生じるという問題もある。
また、iPad 10.2インチはSoCがA10 Fusionなのも少々心配な点であり、3年前のチップであるため将来的にiPadOSの世代が進んだ際にサポートが打ち切られるのが早くなる可能性がある。
iPad Air 第3世代はA12 Bionicチップを搭載しているので少なくともiPhone XR/XS/XS Maxのサポートが打ち切られるまでは安泰だろう。
個人的には例えiPad 10.2インチの方が安いとしても金銭的に多少の余裕があるのならiPad Air 第3世代をお勧めする。
コスパという点ではiPad 10.2インチが圧倒的に優れているのだが、反射防止コーティングがないというのが僕にとっては一番のマイナスポイントで、2017年のiPadの映り込みの酷さを体験した僕は「反射防止コーティングがないiPadはもう買わない」と決心したくらいだ。
まとめ
僕としては前述の通りiPad 10.2インチは非常にコスパに優れているが、諸々のスペックダウンを考慮すると多少高くてもiPad Air 第3世代をお勧めしたい。
ただ、iPad 10.2インチはディスプレイが大型化していながら価格は従来から据え置きであり、価格に関しては非常に魅力的なのも確かだ。
「反射防止コーティング」や「A10 Fusionであるために長く使えるか微妙」という点を除けば”最安iPad”として特にiPadが初めての人には選択肢としてありだとも思う。