HomePod miniをステレオペア設定にしてMacで数週間使用してきたが、結論として主にAirPlay周りの遅延により、音楽再生や動画再生以外では正直なところ使い物にならないと感じた。
HomePodがMacのスピーカーとして不向きな理由
Now Playing API以外の音は全て遅延が発生する
HomePodはMacとAirPlayで接続して使用するとMac上のほぼ全ての音(メディアを再生中であれば通知音などを含む)をHomePodで再生することが可能だが、Now Playing APIを使用しているミュージックアプリやApple TVアプリ、YouTube、その他メディアプレイヤー以外の音は全て遅延が発生する。
例えばMac側で現在の音量を変更すると「ポンッ」といった音が鳴るが、HomePodをスピーカーとして使用すると、そういったサウンドエフェクトや通知音は1〜2秒ほど遅れて再生される。
もちろん、前述のようにミュージックアプリやApple TVアプリ、YouTubeなどの再生は再生開始時や停止時に遅延は発生するが、動画と同期がズレることはないため、普通に鑑賞することが可能だ。
しかし、それ以外のアプリやゲームでは必ず遅延が発生する。
試しにApple ArcadeやSteamでMacに対応しているゲームを遊んでみたが、ゲームなどは当然のことながらNow Playing APIを使用していないため、全てのゲームの音が1〜2秒遅れて再生され、ゲームの画面と同期が取れず遊べたものではなかった。
これはゲーム以外でもNow Playing APIを使用していない全てのアプリで同様だ。
また、メディアプレーヤーであっても「IINA」など、アプリによっては動画と同期が取れないものがあった。
HomePodはあくまでスマートスピーカーでありBluetoothスピーカーではないため、AirPlayでの再生についてはおまけ程度に思った方がいいように思う。
AirParrot 3という有料アプリを使うことで遅延なしで使うことも可能だが、その場合はステレオ再生ができないという致命的な欠点がある。
MacのAirPlay周りが不安定
これは僕だけの環境の可能性もあるが、少なくともMac Studio M1 MaxモデルとmacOS Ventura 13.4.1ではAirPlay周りが不安定で、そもそもAirPlayができなかったり、AirPlayを終了してAirPodsで再生しているのにHomePodでも同時に再生されてしまうといった問題が発生した。
MacのAirPlay周りの問題の解消法については下記記事にて。
Apple TV 4Kのホームシアターとして設定してしまうと利便性が低下する
HomePodの全てのモデルはステレオペア設定にすればApple TV 4Kのスピーカー(ホームシアター設定)として使用することが可能だが、この状態でMacからAirPlayで再生しようとするとApple TV 4Kも同時に起動してしまう。
また、個人的な経験としてHomePodをApple TV 4Kでホームシアター設定にするとMacのAirPlay周りの不具合が顕著になった。
Apple TV 4Kでの利用も考えているのなら、Mac上でのHomePodのAirPlay周りの利便性が低下してしまうことに留意する必要がある。
デスク上にHomePodを設置するとiPhoneとHomePodのUWBが意図せず動作してしまう
HomePod miniとHomePod 第2世代はApple U1チップが内蔵されており、Apple U1チップを搭載するiPhoneをHomePodに近づけるとUWB(Ultra Wide Band)を使用した連携機能を使用することができる。
これにより現在iPhoneで再生している曲をHomePodに近づけるだけで引き継ぐといったことが可能だが、Macのスピーカーとして使う場合、HomePodはデスク上に置くことになり、iPhoneをデスクで操作したり、Qi充電器に置いたりすると勝手にUWBによる連携機能が作動してしまい、非常に鬱陶しい。
もちろん、この機能はiPhoneの「AirPlayとHandoff」の設定で無効にすることができるが、HomePodのせっかくの目玉機能である連携機能が無効になってしまうというのはもったいない。
まとめ
管理人のHomePod miniはステレオペア設定にすればそれなりに音質も良く気にっているのだが、Macのスピーカーとして使うには遅延や不具合などの問題が多く、Macのスピーカーとしての利用はやめてしまった。
HomePodをMacのスピーカーの代わりとして検討している方は注意していただきたい。