VA-11 Hall-A:Cyberpunk Bartender Action

前々から欲しかったADVゲーム、”VA-11 Hall-A:Cyberpunk Bartender Action”のPS4版がつい先日発売されたことを知ったので購入。

VA-11 Hall-Aとは主人公が働くバーの名前であり、読みはヴァルハラ。

元々はPCゲームなのでSteamではかなり前から販売されており、PS Vita版も2017年に発売されたのだが、Steam版は最初はMacに対応しておらず、PS Vitaも持っていなかったのでPS4版を待ちわびていた。

ADVゲームなので当初はeGPUを利用してParallels Desktop上のWindowsでプレイすることも考えたのだが、PS Vita版が出た時点でPS4版が出ることが予想出来たので今まで踏みとどまっていた。

本作はベネズエラの2人組のスタジオ”Sukeban Games”が製作したテキストADVゲームであり、スタジオ名やアートスタイルからわかる通り「日本文化に多大な影響を受けている」作品。

一見すると日本のメーカーが作ったゲームに思えるが完全な洋ゲーなのだ。

ゲームの内容としては80年代風のドット絵を多用したテキストADVゲームに”材料を選んで客の要望するカクテルを作る”というバーテンダーシミュレーション的な要素を組み合わせたストーリー重視の作品だ。

流れとしては、プレイヤーは主人公であるバーテンダーの”ジル”となって”VA-11 Hall-A”というバーで客の要望するカクテルを提供しつつ、客や同僚との会話をしながら1日単位で物語を進めていく。

バーでの仕事が終わればジルは自宅に帰り、プレイヤーはそこでジルのスマホを見たり、買い物に行って部屋の内装を変えたりといったことも出来る。

作品の設定としては207X年の近未来のグリッチシティと呼ばれる街を舞台にしており、アンドロイドなどの科学技術が進んでいる一方、いわゆるディストピア的な世界となっており、政府による監視や犯罪・暴動が日常的に起こっている。

この設定は開発スタジオの存在するベネズエラの実情を表しており、現実のベネズエラも経済はハイパーインフレが止まらず、治安においても殺人事件や誘拐は日常茶飯事で、殺人発生率はホンジュラスに次いで世界第2位という極めて治安が悪い国だ。

そうしたベネズエラの実情が作品にも反映されているため、ポップで日本的なアートスタイルとは対照的に、ジルや客・同僚の話す内容は深刻であり、また性的な話題も多い。

ジルや客・同僚の話題はハッキングやアンドロイドなどのサイバーパンク的なものから経済・犯罪、そして性的なものまで多岐にわたり、正直よくこれをPS VitaやPS4で出せたな、と感心するくらい際どい内容が多い。

ただ、その分ストーリーやキャラクターの話題は興味深く、我々の世界にも通じるような内容も多い。

主人公のジルは女性であるがバイセクシャルであり、世の中をシニカルに見ているキャラクターのため、こうしたテキストADVゲームでは珍しく”悩める大人の女性”といった側面が強く、そのキャラクター性に引き込まれやすい。

一般的なADVゲームと違って”大人向け”のストーリーであり、対象年齢的には20代以上と言ったところではないだろうか。

まだ僕はクリアに至っていないが、カクテルを客に出すといったゲームシステムも面白く、何より主人公のジルを含めたキャラクターの個性が強くて、交わされる会話が興味深いので、とても楽しんでプレイしている。

クリアしたら改めてレビューするつもりだが、現時点においてもADVゲームに抵抗がないのならとてもおすすめできる作品だと思う。