
PS Storeのセールで購入したアドベンチャーゲーム「TOKYO DARK(東京ダーク) -REMEMBRANCE-」をトロフィーコンプリートしたのでレビュー及び考察をまとめたい。
INDEX
「TOKYO DARK -REMEMBRANCE-」とは?

価格 | 1,800円 |
プラットホーム | PS4・Nintendo Switch |
ジャンル | アドベンチャー・サスペンス・ホラー |
ボイス | 主人公のみ極一部 |
開発 | Cherrymochi |
本作「TOKYO DARK -REMEMBRANCE-」は2017年9月8日にSteamでリリースされた「TOKYO DARK」を基にエンディングなどの追加要素を含んだいわゆる「完全版」にあたるPS4・Nintendo Switch向けのDL専用アドベンチャー(ホラー&サスペンス)ゲームだ。

開発スタジオは「Cherrymochi」という小さなスタジオであるが、実は開発者はイギリス人と日本人の夫妻である。
開発者がイギリス人と日本人の夫妻ということで本作は「英語版」が基になっており、日本語版は小説家の嬉野君氏が英語版を基に違和感がないように日本語に翻訳した体裁となっている。
また、本作はアドベンチャーとビジュアルノベルの2つの要素を含む作品であり、日本人でも受け入れやすいキャラクターデザインとなっているがイベントCGなどのクオリティは少々海外のテイストが入っているため、国産のノベルゲームに慣れている人からすると違和感があるかもしれない。
ストーリー
前述のように本作はホラーとサスペンス要素を含むアドベンチャーゲームだ。

主人公は伊藤絢美(いとうあやみ)という現職の女性刑事。
ゲーム開始時点から遡ること半年前、警視庁の伊藤刑事は「レイナという未成年の少女が神社の巫女を人質に取る」という奇妙な事件現場に出動したが、道中で不思議な「面(仮面)」を手にしたことで心を操られ、犯人とはいえ未成年の少女を射殺するという事態を引き起こしてしまう。

伊藤刑事は心に深い傷を負い、向精神薬を服用しなければならないほど憔悴し、更に伊藤刑事の身に起こったことも当然警察はまともに相手にせず、その後、伊藤刑事は警視庁内で煙たがられてしまう立場となる。
そんなある時、半年前の事件を未だに追っていた相棒であり恋人でもある田中一樹刑事が行方不明となる。
独自に田中刑事の捜索を開始した伊藤刑事が何とか田中刑事の居場所を突き止めた時、目の前では半年前に自分が射殺したはずの「レイナ」という少女が田中刑事にナイフを突きつけており、伊藤刑事は驚愕する。

動揺した伊藤刑事は目の前で田中刑事がレイナにより殺害され、どこかに運ばれていくのをただ黙って見ていることしかできなかった。
心身共に疲弊した伊藤刑事であるが「なぜ自分が射殺した少女が生きているのか?」「田中刑事はどこへ連れて行かれたのか?」といった謎の解明のため、心に深い傷を負いつつも単身捜査に乗り出すというのが大まかなストーリーだ。
なお、本作はホラー&サスペンスというジャンルではあるものの、推理要素は皆無であり、サスペンスよりはホラーに重点を置いている。
また、本作は日本神話の影響が色濃く出ているため、日本神話(イザナギノミコトやイザナミノミコト、黄泉比良坂、ヒルコ神)について事前知識があるとストーリーの理解が進むだろう。
アニメパートの制作はグラフィニカ
本作では低予算のインディーゲームとしては珍しく随所にアニメパートが挿入されるが、このアニメパートを制作したのは「グラフィニカ」というアニメスタジオである。

なお、随所にアニメパートが挿入されるといってもせいぜい一つ数秒程度のため、作中のアニメパートを全て合わせても恐らく2分にも満たないだろう。
ゲームシステム
ゲームシステムはいわゆる「ポイント&クリック」のアドベンチャーゲームであり、プレイヤーは伊藤刑事を操作し、登場人物達との会話や選択肢、マップ上のアイテムの入手などで情報を集め事件の真相と田中刑事の行方を追っていく。

なお、アイテムの入手といってもインベントリのようなシステムはなく、話の展開上必要であれば自動的にアイテムは入手される。
また、全編を通して操作できるプレイヤーは伊藤刑事のみであり、あくまで「ポイント&クリック」のゲームであるためアクションゲームのような要素もない。
こういったゲームシステムは既に近年に限定しても「ライフイズストレンジ」や「十三機兵防衛圏」といった多数の作品にも採用されている確立されたジャンルであり、こういったタイプのゲームを一度でもプレイしたことがあるのなら本作でも戸惑うことはないだろう。

本作では基本的には横スクロールでキャラクターを操作する「探索&捜査パート」とキャラクターとの会話を主体とした「ノベルゲームパート」を交互に繰り返していく。

本作ではマップ移動の概念も存在し、「東京ダーク」という名前の通り、新宿や秋葉原、歌舞伎町、浅草、果ては鎌倉や青木ヶ原樹海にも行ける。
マップの移動は基本的に自由であるが、後半になるにつれて行ける場所が固定されていき、ゲームプレイがほぼ一本道になるため必然的に訪れる場所は決まっていく。

なお、選択肢や話の展開は多岐に渡るが、基本的にはどの選択肢を選んでも前述の通り一本道であり選択肢の重要性は低い。
もちろん、中には話の展開を決定的に変える選択肢も存在するが、大半の選択肢はストーリーの展開には大きく影響しない。
なお、エンディングの数は「TOKYO DARK -REMEMBRANCE-」では11種類にも及ぶ。
ちなみに管理人は1周目のプレイ時間は約5時間であったが、2周目以降では1時間と十数分でエンディングに到達可能であった。
本作独自のゲームシステム「SPIN」
ここまでに紹介した内容を見ると「他のアドベンチャーゲームと大して変わらない」という印象を持つかもしれないが、本作独自のシステムとして「SPIN」というものがある。

SPINとはそれぞれ
「SANITY(正気度)」 「PROFESSIONALISM(プロフェッショナル度)」 「INVESTIGATION(探索度/捜査度)」 「NEUROSIS(ノイローゼ度)」
の頭文字で、伊藤刑事にはこれら4つのパラメータがあらかじめ与えられている。
そして作中でプレイヤーが選択した行動や言動によりこれらのパラメータが変化し、それに沿って展開が変わり、結果としてエンディングも変わってくるというシステムだ。

例えば捜査中に酒を飲んだり、聞き込みで暴力的な手段を取った場合、「職務中の飲酒」「職権濫用」ということで「プロフェッショナル度」や「正気度」が下がったりする。

なお、これらパラメータの一部は主人公の自室で服用できる「向精神薬」を飲むことで改善が可能だが、向精神薬を飲めば「正気度」は上がるが副作用で「探索度」が下がるといったように変動するため、このパラメーターを管理するのがゲームプレイにおいて重要な意味を持つとされている。
周回プレイ前提のゲーム
本作は11種類ものエンディンングが存在するマルチエンディングの作品であるため、1周目では望まないエンディングになってしまうことが大半である。

本作は1周目では任意のセーブは一切できず、オートセーブのみであるため別の選択肢を試すといったことは通用しないため、大半のプレイヤーは1周目は中途半端なエンディングを迎えてしまうだろう。
本作の本番は2周目以降であり、2周目以降では6つのセーブスロットが解禁され、ストーリー上の区切りに差し掛かるとセーブが可能になるチェックポイントのようなシステムとなっている。
本作の良かった点
日本神話を土台とした興味深いストーリーとダークな雰囲気
前述の通り、本作では日本神話の影響が色濃く、多少なりとも日本神話について知っていないと理解できない展開も存在する。

また、サスペンス要素よりホラー要素に振り切っているため、恐怖を感じさせる演出も見事だ。
ゲームプレイ中は終始作中に不穏な雰囲気が漂っており、まるで黄泉の国に足を踏み入れたような違和感がプレイヤーの恐怖心を煽るのに一役買っている。

作中の東京は日本人の目から見てもおかしな点はほぼないのだが、現実の東京とは違い、正に「ダーク」で陰鬱とした雰囲気が漂っており、例えるならネットに転がる都市伝説をゲーム化したような印象だ。
キャラクターの個性の豊かさ
本作に登場するのはいずれも「個性が強い」、言い換えれば「癖が強い」登場人物ばかりであるため、作中に登場する人物は大抵の場合、プレイヤーの記憶に残るはずだ。
これは主人公の伊藤刑事も例外ではなく、プレイヤーの行動次第では人を脅す、挙句には人を殺すという選択肢も存在する。

特に本作でのいわば悪役とも言える「レイナ」に関しては狂気的な人格に至るまでの過程がしっかりと描写されているのも後押しして強烈な印象をプレイヤーに抱かせる。
翻訳に違和感が全くない
本作ではさすがに小説家が翻訳を担当しているだけあって日本語の文章やセリフには全く違和感がなく「国産ゲームだ」と言われたら信じてしまいそうなほど見事にローカライズされている。

キャラクターそれぞれの個性が翻訳の質によって潰されてしまうということもなく、洋ゲーの翻訳にありがちなおかしな日本語は全くないと言ってよい。
本作の残念なところ
SPINシステムの不完全さ

前述のように本作には独自のパラメータ「SPIN」というシステムがあり、このパラメータの値でストーリーの展開やエンディングが変わるとされているが、全11種類のエンディングをコンプリートした印象として「正気度」及び「プロフェッショナル度」以外はほぼストーリーの展開やエンディングに影響しない。
極端なことを言ってしまえば「正気度」と「プロフェッショナル度」以外は意識する必要がないのだ。
更に「正気度」と「プロフェッショナル度」さえもエンディングによっては関係ない場合がある。
本作の独自のシステムがゲームプレイにおいてあまり機能していないというのは残念に思う。
ただ、狂気状態になった主人公の顔には一見の価値はあるだろう。
バックログがない

本作にはバックログがないため、文章やセリフを見逃しがちであり、それが重要な場面であった際は一気に話の流れが掴めなくなってしまう。
仮にもノベルゲームの体裁を取っているのであれば数ページでもいいのでバックログ機能が欲しかったところだ。
セーブスロットが6個しかない

本作では2周目以降はセーブスロットが解禁されるが、周回プレイ前提のゲームであるにも関わらずセーブスロットが6個しかないというのは少々不便すぎる。
また、2周目以降であっても一定の区切りにセーブできるようになるだけであり、重要な場面でセーブをしたいと思っても任意にセーブができないためフラストレーションが溜まってしまう。
スキップ機能がほぼ機能していない

本作には周回プレイにおいて一度読んだ文章をスキップする機能(PS4ならスキップマークが出ている際にOptionボタン)があるが、大抵の会話や文章は前回と全く同じ内容にも関わらずスキップできず、そういった場合はボタンを連打してスキップするしかない。
重要に見える選択肢が展開には影響しない

先ほど触れたように本作では選択肢の与える影響があまり大きくなく、作中では一見すると「どちらを選ぶかで今後の話の展開が確実に変わる」ように思わせる選択肢が出てくるが、この場合どちらの選択肢を選んでも少々会話文が変わるだけで、その後の展開やエンディングには一切影響しないということが多い。
選択肢の意味があまりない代わりにSPINシステムが完全に機能していればいいのだが、前述のようにSPINシステムも不完全であるため、プレイヤーはただ開発者が用意したレールの上を歩いているようである。
考察 -ネタバレ全開なので注意
続いては本作の謎についていくつか自分なりに考察してみる。
なお、本作では全ての謎が作中で明かされるわけではなく、かといって明かされていない謎を補完するようなTIPSやエピローグ、隠しシナリオなどもないため考察の大部分は推測に頼る点をご了承願いたい。
面の担い手とは?

作中では能面のような「面」が重要なキーアイテムとして登場するが、この面の担い手になるということは「死者の国(扉の向こう)の門番になる」ということである。
日本神話ではイザナギノミコトは死んでしまった妻であるイザナミノミコトを取り戻すために死者の国に出向くが、イザナギは腐ったイザナミの恐ろしい姿を目にして死者の国から逃げ出し、幽世(かくりよ)と現世(うつしよ)の境界である黄泉比良坂(よもつひらさか)を岩で塞いだ。
この岩のことを「天の岩戸」というが、完全な推測ではあるが作中の世界ではこの「天の岩戸」が破壊され、死者の国の門番である「面の担い手」が存在しないとこの世とあの世の境界が曖昧になり、現世が崩壊してしまうことになってしまったのではないか。
「天の岩戸が破壊された」というのは突飛な考察かもしれないがイザナギとイザナミの話は作中でも引き合いに出されているため、あながちあり得ない話ではないと思っている。

そこで幽世と現世の安定を図るため、面の担い手になって死者の国の門番となることで死者の霊魂が幽世から現世に溢れることを防ぐことが必要になる。
しかし、面の担い手は負担が大きく、作中では最初の面の担い手である七条近子(しちじょうちかこ)が正気を失い、面の担い手としての役割を果たせなくなった。
七条近子が面の担い手としての役割を果たせなくなってから長い期間、面の担い手は不在の状態となっており、レイナも面の担い手の素質は失われているため、このままでは世界が崩壊してしまうのだと思われる(作中で何度か発生する地震も世界の崩壊の予兆だろう)。
なお、面の担い手になるためには面に選ばれなければならないため、誰でもなれるわけではない。
面とは?

この面とは元々はカルト教団である「ひるこの船」の教祖が偶然手に入れた面であり、起源は鎌倉時代の「水蛭子之船(みずひるこのふね)」という教団にまで遡り、鎌倉時代終焉後は七条近子(しちじょうちかこ)が面の担い手となった。
鎌倉時代終焉の際、870名が集団自決をしたことは有名であり、実際にも現実の鎌倉市に「腹切りやぐら」という集団自決を正に実行した場所が存在し、地域住民や鎌倉市によって祀られている。
この面とは多数の人間が集団自決などで霊魂となることで力を発揮し、その時に面をつけた幼子(性別が関係あるのかは不明だが子供であることが条件)が面の担い手になるのだろう。
作中でも「レイナ」は幼少の頃、「ひるこの船」の集団自決に巻き込まれ、その時にレイナが面をつけたことで面の担い手となったと思われる。

なお、この面は最初はただの面に過ぎなかったが、使用した人物や死者の霊魂が蓄積される形で納められている他、面は「扉」や「常闇」を制御するのに必要であるため、この面を破壊するエンディングでは東京で治安が悪化し殺人事件などが頻発する様子が描かれている。
ちなみに「ひるこの船」も「水蛭子之船」も日本神話の蛭子神の葦船を指している。
日本神話では蛭子神は不具の子として生まれたため、葦船に蛭子神を乗せ海に流した(いわば島流しにした)と伝えられている。
常闇とは?扉とは?

作中で頻繁に登場する「常闇」及び「扉」であるが、扉とはあの世への入り口であると同時にあの世からこの世への出口でもある。
この「扉」であるが、このままではあの世とこの世の行き来が自由に可能になってしまうため、水蛭子之船は「扉」を隠すように漆黒の闇で塗り重ねて不可視の存在とした。
この漆黒の闇のことを「常闇」と呼ぶ。
なお、「扉」にしろ「常闇」にしろ、それらの制御に必要なのは前述の通り「面」と「面の担い手」である。
水蛭子之船とは?
レイナの両親が入信していた「ひるこの船」は簡単に言ってしまえばただのカルト教団であるが、鎌倉時代に存在した前述の「水蛭子之船」は教団ではあるもののカルトや狂った集団などではない。

水蛭子之船は前述のように霊魂や現世の人が「幽世」と「現世」を行き来することがないように「常闇」を作ったり、「面」や「面の担い手」といったシステムの土台を用意した確固たる信念を持った教団である。
作中の設定では鎌倉幕府終焉の際の集団自決も七条近子を「面の担い手」とさせるために意図して行なったことになっている。
レイナとは?

レイナとは前述の通り、「ひるこの船」の集団自決の生き残りであり、面の担い手となった存在であるが両親を失い、更にアイドルの仕事をしていた時期にプロデューサーに半ば虐待のような仕打ちを受け、精神の均衡を崩してしまった。
レイナが面を求める理由は面の担い手の本能として面を手に入れれば自分が救われると思っているか、あるいは面によって扉の向こう、つまり黄泉の国へ行きたいからであると思われる。
更にレイナが面を求めているというよりは面がレイナを求めているといった方が正しい。
レイナが射殺された後に蘇ったのは面の担い手であるため「死ぬことが許されない」のだと推測できる。
しかしレイナは既に精神のバランスを崩しているため、面の担い手になる素質は失われており、作中では物語が進むにつれ、面は伊藤刑事を求めるようになった。
結果として最終的には伊藤刑事が面をつけ面の担い手となっている。
コレクターとは?靖久とは?

本作に登場する謎の人物「コレクター」と「靖久」は作中では「神」のような存在として描かれているが、結論を言うと「コレクター」はプレイヤーを指し、「靖久」は制作者を指している。
コレクターはどのようなエンディングであれ「実に面白い」とひと事のように伊藤刑事らを嘲笑している。
靖久がコレクターに対して「人を操っては悲劇を生み出す」と述べているが、ゲームをプレイしてバッドエンドを回収するプレイヤーを暗喩している。
靖久は制作者自身であるため、本作の謎の全てを知り尽くし、それらの情報を伊藤刑事に与え、伊藤刑事の道筋を示している。
ただ、コレクターも靖久もエピローグにおいて「世界の崩壊を防ぐ」ことが目的であると語っており、これはプレイヤーと制作者がどちらもトゥルーエンドを目指したい/目指してほしい、ということの現れだろう。
なお、作中では2周目以降の場合、伊藤刑事が「この会話や景色を前に見たことがある」と、まるでループしているようなセリフを時折呟くため、伊藤刑事自身もいわば「プレイヤーの駒として動かされている」ということを自覚しているかのような振る舞いを見せる。
総評

総評として本ゲームは雰囲気は格段に素晴らしく、ホラーや民間伝承、日本神話などが好きであればお勧めできる作品ではあるが、バックログはなく、スキップ機能も中途半端であり、主にシステム面で粗が目立ってしまう作品だと思う。
更に主人公が刑事という設定であるにも関わらず、推理やサスペンス要素は皆無であり「正気度」と「プロフェッショナル度」さえ意識すれば攻略も比較的容易のためゲーム性にも乏しい。
また、ストーリーの流れがぶつ切りのような状態で進むため、適当にプレイするだけでは「今自分は何のために動いているのか」というゲームプレイとしての目的がわからないことがある。
前述のようにバックログもTIPSも用語集もないため、登場人物たちのセリフに細心の注意を払わないと話の流れが理解しづらい。
とはいえ、定価1,800円、セール時には900円であったため雰囲気が気になる人はプレイしても損はないだろう。