HDCP 2.2と2.3の違いは?ユーザーが意識する必要はほとんどない

先日PS4 Proの映像出力情報を見たところ「HDCP」のバージョンが「2.3」となっていた。

HDCP 2.2は知っているが2.3というのは聞いたことがなかったため、調べた限りの情報をまとめる。

そもそもHDCPとは?

HDCPとはHigh-bandwidth Digital Content Protectionの略で、要は著作権保護技術のことである。

詳しいことはWikipediaでも様々なブログでも解説されているので割愛するが、HDCPにはバージョンがあり、昨今の4K放送や4K HDRコンテンツを楽しむためにはそのデバイスやDisplayPort、HDMIなどがHDCP 2.2に対応している必要がある。

例えばPS4 Proのように4Kや4K HDRコンテンツに対応している機器の場合は使用するモニターやテレビはHDCP 2.2対応でなければならない。

ちなみにHDMI 2.0=HDCP 2.2とされることが多いが、数年前(2013〜2014年頃の一部のテレビ)ではHDMIは2.0だがHDCPは1.4止まりという製品も存在した。

なお、4Kが普及するまではHDCPは1.4が主流だったが、バージョン1.4のマスターキーが流出し、プロテクトとして意味がなくなったため新たにHDCP 2.2というバージョンが策定されたという経緯がある。

また、4Kコンテンツの利用に際して強固なHDCP 2.2の採用を求めたのはハリウッド業界である。

HDCP 2.3は2018年に仕様策定されたマイナーバージョンアップ

画像出典 YAMAHA USA

HDCP 2.3は2018年の2月に仕様策定され、対応製品やファームウェアは2019年頃から出回り始めたが、いち早くHDCP 2.3に対応した製品・ファームウェアの提供を始めたのは「YAMAHA」である。

HDCP 1.4から2.2への移行期にはHDCP 2.2に対応していないテレビのロジックボードをメーカー側が無償でHDCP 2.2対応ロジックボードに交換するサービスなどを行っていたが、HDCP 2.3はHDCP 2.2のマイナーバージョンアップであるため、機種やデバイスによってはファームウェアアップデートのみでHDCP 2.2から2.3へ対応させることができるようだ。

「YAMAHA」のHDCP 2.3に関するアナウンスは下記のYAMAHA公式サイトを参照してほしい。

PS4でHDCP 2.3に対応したのはシステムソフトウェア7.50から

なお、PS4でHDCP 2.3に対応したのは2020年4月16日に配布されたシステムソフトウェア7.50からであり、極最近のことである。

HDCP 2.3は前述したようにマイナーバージョンアップデートのため、YAMAHA製品と同じようにファームウェアアップデートだけでHDCP 2.3に対応させることが可能なようだ。

また、複数の4K HDRモニターをPS4 Proに接続して実験してみたが、HDCP 2.2のみ対応の4K HDRモニターを接続してもPS4側では「HDCP 2.3」という表示であったため、モニターやテレビ側がHDCP 2.3対応である必要はないようだ。

ユーザーが気にする必要はない

前述のようにHDCP 2.3はマイナーバージョンアップであり、著作権保護が堅牢になっていると思うが、HDCPには下位互換性があるのでPS4 Proや4K HDR対応機器を接続する際は最低でもHDCP 2.2に対応していれば特に問題はない。

現時点においてHDCP 2.3のみを要求するコンテンツは調べた限りでは存在しない。

「HDCP 2.3は8K出力に必須だからPS5のリリースに先駆けてPS4をHDCP 2.3に対応させたのだろう」という憶測をRedditで見かけたが、HDCPのバージョンと8K解像度の出力には直接関係はないため、今回のPS4のHDCPのバージョンアップはあくまで著作権保護を堅牢にするためのマイナーなバージョンアップであり、ユーザー側が特に意識する必要はないし、PS5のリリースともあまり関係はないだろう。

なお、HDCP 2.3について深く知りたい場合は英語ではあるが、下記サイトでHDCP 2.3についてのドキュメントが公開されているため、興味がある人は見てみるといいだろう。

CHECK
HDCP Specifications -Digital Content Protection

まとめ

本題から少々話が脱線したが、まとめるとHDCP 2.3は2.2より著作権保護が堅牢になるなどの改善はあるが、あくまで「マイナーバージョンアップ」であり、HDCP 1.4から2.2へと移行し一気に4Kが広がった時とは全く違うと言ってよい。

今後もファームウェアアップデートなどで対応する製品は増えるだろうが、ユーザーが特に意識する必要は現時点ではないだろう。