BenQ EW3280U到着。開封とレビュー

予約注文していた2020年4月27日に発売されたばかりのBenQ新モニター「EW3280U」が届いたので開封とレビュー。

BenQ EW3280Uの概要

EW3280Uは前述の通り、4月27日に発売されたばかりの新製品であり、4K HDRに対応する32インチのマルチメディア・エンターテインメント向けモニターだ。

前世代にあたるEW3270UがパネルがVAだったのに対して本モニターはIPSパネルとなっており、色再現性が向上しているため、マルチメディア・エンターテインメント用途以外でも通用するスペックとなっている。

更に2.1チャンネルの高音質スピーカー&ウーファーを備え、Display HDR 400の認証も取得している。

主なスペックは以下の通り。

価格約8万円
発売日2020年4月27日
サイズ32インチ
画素密度138ppi
パネルIPS
バックライトLED
コントラスト比1000:1
応答速度5ms
HDRDisplayHDR 400認証
色域100% Rec.709
95% DCI-P3
ポートHDMI 2.0x2
DisplayPort 1.4x1
USB-Cx1 (60W給電)(DP Alt)
ヘッドフォン出力端子x1
フリッカーフリーあり
スピーカーあり

なお、Display Specificationsというサイトで調べてみたところ「EW3280U」はサイトの情報が正しいならば廉価モニターによくある擬似10bit(8bit + frc)ではなく正真正銘の10bitのようだ。

なお、前モデルのEW3270Uは8bit + frcとなっていた。

開封

開封の前に注文から実際に届くまでをまとめておこう。

僕は4月25日にAmazonで本モニターを予約注文したが、4月27日の発売日になった途端「在庫切れ」の表示になり、一向に発送される気配がないまま4月30日に「配送遅延」の連絡が届いた。

その後もAmazonの表示は在庫切れの状態が続いたが、5月3日になって突如として発送され、本日5月4日に届いたという流れになる。

なお、現時点においてもAmazon、ヨドバシカメラ、ビックカメラといったショップでは軒並み在庫切れとなっている。

では前置きはこの辺にして開封に入ろう。

外箱

この日は雨だったため外箱が若干濡れているのはご容赦願いたい。

なお、この外箱には持ち手やハンドル、窪みといったものはなく非常に運びにくかった。

付属品

付属品は「クイックスタートガイド(保証書やドライバCD含む)」「電源ケーブル」「HDMIケーブル」「USB-Cケーブル」「リモコン」の5つ。

このモニターはDisplayPort 1.4を搭載しているがDisplayPortケーブルは付属しないので注意。

なお、上記画像のようなシリコン製のブロック状の物も付属するが、これはリモコン置きである。

リモコン置きを利用する習慣をつければリモコンの紛失やリモコンに傷が付くのを防ぐことができる

リモコン置きが付属するのは良心的だとは思うがシリコンであるため非常に埃が付きやすいのが難点。

スタンドと台座

左は前述のリモコン置き、真ん中が台座、右がスタンドである。

スタンドはプラスチック製だが台座は金属であり、この価格帯で金属製の台座は珍しい。

なお、スタンドと台座をモニターに取り付ける際はスタンドを先にモニター側に取り付けて、台座を取り付けるのは一番最後が望ましい。

また、スタンドをモニター本体に取り付ける際にプラスドライバーが必要な点に注意。

ちなみにこのモニターはチルト(傾き)の調整は可能だがスイーベル(回転)や高さ調節、ピボットなどのギミックはない。

なお、スタンド背面には蓋があり、蓋を外してケーブル類を中に通すことで邪魔なケーブルをスタンドに隠すことができるようになっている。

モニター本体

袋を慎重に取り外すとモニター本体がお目見えする。

32インチの大きさの割には軽く、特に苦労せず組み立てられるだろう。

なお、Amazonにも公式サイトにも説明がなかったがパネルの仕上げはノングレアである。

ただ、以前まで使用していたLG製のノングレアモニターに比べると若干こちらの方が反射が強い。

ハーフグレアのモニターは使ったことがないため何とも言えないが、LGのモニターより反射が強いといっても微々たる差なのでノングレアであると判断していいだろう。

リモコン

付属するリモコンだが、良心的なことにボタン電池が最初から取り付けられいる。

リモコンの各ボタンはマークで一目でその機能がわかるようになっている。

また、中央の「OK」ボタンとそれを取り巻くリングボタンは往年のiPodのようなクリックホイール的な操作方法となっている。

設置

27インチモニターとの大きさ比較

今まで使っていた27インチモニター(右)と比べると32インチの大きさがよくわかる。

最初、モニター本体を見た時は「思っていたほど大きくはないな」と感じたが27インチと並べるとその差は歴然である。

設置に際してもかなり横幅を取るのでデスクの大きさやスペースに注意しよう。

ケーブルがとんでもなく挿しにくい

上記写真はケーブル類を接続して起動した状態だが、ケーブルを接続するのがとんでもなく大変だった。

というのもこのモニターの背面の端子類は下方向を向いている上に端子が見事に背面のプラスチックパネルに隠れており、更に高さ調節もないため非常にケーブルが挿しにくいのである。

今回このモニターを設置する際に一番苦労したのがケーブルの接続だったと言っても過言ではない。

このモニターを設置するならたとえその端子類を使わなかったとしても、将来のことを考えてDisplayPortケーブル・HDMIケーブル・USB-Cケーブルなどは全て接続しておくことをおすすめする。

画質や機能・スピーカー

画質

macOS Catalina 10.15.4以降ではMacに4K HDRモニターを接続すると自動的にmacOSのHDRが有効になるため、まずはmacOSのディスプレイ設定を開いてHDRを無効にしよう。

肝心の画質であるが以前使用していたsRGB 99%のモニターと比べても非常に綺麗であり、ドット欠けや安価なモニターによくあるギラつき(ギラツブ)のような現象も全くない。

本モニターの色域はDCI-P3 95%であり、高価格帯のモニターと比べると少々劣るがエンターテインメント用途や趣味の写真編集程度ならば全く問題はないだろう。

また、大きさが32インチだと画素密度が138ppiなのでRetina表示に堪えられないと思ったが、確かに画素的に若干フォントなどが荒くなるが実用的には気にするほどではない。

更に27インチから32インチになったことで擬似解像度3008x1692の表示でも文字が非常に見やすくなった。

バックライト漏れはなし

画面中央に管理人の姿がわずかに反射しているため画面中央はボカしている

このようなフレームレスモニターによくあるバックライト漏れに関しては少なくとも僕の個体ではバックライト漏れは一切ない。

真っ黒の動画をフルスクリーンで再生してチェックしてみたが、以前まで使用していたLGのモニターと比べると雲泥の差であると言える。

なお、上記写真の画面左右の光はバックライト漏れではなく「IPSグロウ」と呼ばれるIPSモニターによくある現象であり正面から見れば目立たなくなる。

機能

このモニターはエンターテインメント向けであるとはいえ、OSDの画質設定は非常に豊富でガンマや色温度、色相や彩度なども指定できるため、プロ用途で使用するのでなければ十分だろう。

また、BenQ独自の「Eye Care」の設定ではセンサーで自動で輝度や色温度を調整させることも可能だ。

この場合、環境光や画面上の表示に合わせて色温度や輝度を適切な値に調節してくれる。

使用してみた感覚としてはMacに搭載されている「True Tone」に近い印象を受けた。

更にリモコンも非常に便利であり、赤外線ではあるがモニター正面から操作する限り反応は申し分ない。

なお、モニター右背面にはもちろん物理ボタンがあるのでそこで設定を変更することも可能だが、モニターの大きさを考えるとリモコンで設定した方が楽だろう。

また、電源LEDは右下に配置されており、起動中は薄い青色、スタンバイ時はオレンジ色に点灯する。

スピーカー

背面に搭載されているウーファー

このモニターには2.1チャンネルのスピーカーと音声専用のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)が搭載されており、これら一連のオーディオシステムをBenQは「treVolo」と称している。

BenQによればこのtreVoloオーディオシステムにより、一般的なスピーカー搭載モニターと比べて高音質でエンターテインメントコンテンツを楽しめるとのことだ。

実際にスピーカーで映画を再生したりゲームをプレイしてみたところ、今まで購入してきたスピーカー付きモニターの中で最も音質がいいと感じた。

背面にウーファーも搭載されているため、特に重低音の音質が良好でよほど高音質を求めないのであれば映画やゲームを楽しむ上では十分と言える。

なお、音量の調節は当然リモコンからも行えるがモニター左下に音量調節ダイヤルもある。

HDR

HDRの画質

PS4 Proを接続しHDR対応ゲームをやってみたが、HDRの効果がとてもよく実感できた。

このモニターはDisplay HDR 400認証のため、Display HDR 1000認証のモニターと比べると輝度は劣るだろうがHDRの効果はふんだんに楽しめるはずだ。

なお、HDR有効時は画面が明るくなり、輝度の調整ができなくなるのが残念ではある(LGの4K HDRモニターはHDR有効時でも輝度調整が可能)。

とはいえHDR有効時に輝度を調整できたらHDRの意味がなくなるとも言えるため、大きな問題ではないだろう。

また、本モニターはHDR信号を自動で認識するため手動でHDRをオンにする必要はない。

HDRのモード

本モニターはHDRのモードが3つ存在するが「ゲームHDRi」及び「シネマHDRi」に設定すると輝度が落ちてHDRの効果が全くなくなってしまうため「Display HDR」を使用した方がいい。

この問題について調べてみたところ、本モニターではないがBenQの4K HDRモニターで「HDRi」を有効にすると輝度が落ちるという問題についてRedditで議論されていた。

この問題はどうやら「HDRi」を設定すると画面輝度自動調整の設定が強制的にオンになってしまうのが原因なようだが、そもそもHDRiはDisplay HDRと違い、ダイナミックレンジの拡張というよりは環境光で輝度を調整し、暗いところなどの視認性を上げたり白飛びを防ぐ機能のため、HDR対応のゲームや映画向けではないようだ。

また、HDRiについて海外のレビューサイトを色々調べてみたところ「HDRコンテンツに関してはDisplay HDRを使用するのが適切で、非HDR(SDR)コンテンツをHDR化(エミュレート)するのにはHDRiが適している」、とのことだった。

The EW3280U includes three HDR modes, which are available for all content including SDR. When an HDR signal is applied, the monitor defaults to Cinema HDRi, which is not the best choice for color accuracy. Instead, we preferred the Display HDR mode, which kept the grayscale and luminance curve to the proper spec and works best for HDR content. With SDR games, we found Game HDRi to be the best choice.

BenQ EW3280U Review: 4K HDR WIth Superb Color and USB-C -Tom's Hardware

問題点

入力切り替えの問題

このモニターで気になる問題点として、PS4やMacとの入力切り替えの際に何度か切り替え操作をしないとそれぞれの機器の信号を認識しない、ということが挙げられる。

毎回発生するわけではないが、PS4やMacを行ったり来たりするとかなりの確率で入力の切り替えが正常に行われないことがある。

これはAmazonのレビューでも報告されており、BenQ製モニターの癖なのかもしれないが良質なモニターだけにこの点は少々残念であると言える。

電源コネクタの接触がシビア

個体差にもよるのだろうが、このモニターは電源コネクタ部分の接触がシビアであり、少しでも電源コネクタがきちんと挿さっていなかったり斜めになっていると電源がつかなくなる。

電源コネクタや電源ケーブルに少し触れただけで電源がオフになってしまうため注意してほしい。

総評

総評として本モニターの良いところと悪いところ(残念なところ)を挙げておこう。

EW3280Uの良いところ

  • 機能や画質の割に良心的な価格
  • デザインに高級感がある
  • DisplayPortが最新の1.4を搭載
  • USB-Cポートを搭載
  • 画質設定が豊富
  • フレームレスモニターによくあるバックライト漏れがない
  • 環境光などのセンサー類が充実
  • HDRがDisplay HDR 400の認証を取得している
  • スピーカーが高音質
  • リモコンが便利

EW3280Uの残念なところ

  • 入力切り替えの際に信号を認識しないなど、癖がある
  • BenQ独自のHDR設定を使用すると輝度が落ちる
  • 電源コネクタの接触がシビア
  • ケーブルが非常に挿しにい
  • スイーベルや高さ調節、ピボットがない
  • DisplayPortケーブルが付属しない(他社の同価格帯のモニターでは大抵DisplayPortケーブルが付属する)
  • カラーバリエーションがブラウンしかない

まとめ

思いの外に記事が長くなってしまったが、不満点を考慮してもこの価格帯では非常に高機能で優秀なモニターであると思う。

入力切り替えの癖やBenQ独自のHDRi機能、電源コネクタの接触がシビアという欠点はあるが、この価格なら許容範囲内だろう。

現在、在宅勤務の広がりでモニター類がAmazonや家電量販店で軒並み在庫切れになっているのが残念だが、モニターの需要が落ち着いた時に10万円以下の4K HDR対応モニターを購入する際は本モニターは十分に検討対象に値すると言える。