ユニークすぎるeGPUキットR43SG-TB3

eGPU.IOという海外のeGPU総合情報サイトで極めてユニークなeGPUキット”R43SG-TB3”が新たにeGPUボックスリストに掲載されたので紹介。

通常eGPUボックスの特定商品を独立記事として紹介することはないのだが、このeGPUキットに関しては非常にユニークである上に日本からも一応購入は可能なので紹介したいと思った次第。

なお本記事を書くにあたって管理人は一切報酬は受け取っていない。

R43SG-TB3の概要

画像出典 ADT-Link

R43SG-TB3ADT-Link社によるパワーユーザー向けeGPU接続キット。

むき出しのeGPU接続基盤

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この製品の極めてユニークな特徴として、まるでRaspberry Piのように基盤がむき出しである点だ。

グラフィックボードもPCI-Expressバスにそのままむき出しで挿す形になる。

その独特さゆえ、この製品は海外でも「eGPUボックス(エンクロージャー)」ではなく「eGPUアダプター」や「eGPUキット」と呼ばれることが多い。

基盤がむき出しのeGPU接続製品は海外でもこの製品くらいしか存在せず、その外観からして「初心者お断り」の雰囲気を醸し出している。

とは言え、基盤からeGPUへの接続部分には電磁シールド処理が施されてノイズ干渉への対策がしてあったりと、決して雑な作りというわけではない。

また、基盤むき出しの利点として「グラフィックボードの大きさを選ばない」ということが挙げられる。

電源は自分で用意

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多くのeGPUボックスは電源が最初から内蔵されており、電源が交換可能なeGPUボックスもほぼ存在しないが、このR43SG-TB3は電源は自分で用意するという方法を取っている。

電源として使用できるのは一般的なATX電源ユニットかDellの8PIN 12V/18A/220Wの電源アダプター「AC-D220P-01」。

Dellのアダプター(AC-D220P-01)はネット通販でも扱っているところが少なく入手が難しいが、ATX電源ユニットであれば普通に家電量販店でも販売されている。

220Wの電源アダプターでは高性能なグラフィックボードを利用できないのでATX電源を使用した方が柔軟性もある。

一般的なeGPUボックスの弱点として組み込むグラフィックスボードによってeGPUボックスの搭載電源を考慮する必要があるが、このeGPUキットの場合グラフィックボードの消費電力に合わせて電源も自分で用意できるため、eGPUボックスの電源容量に悩む必要がない。

グラフィックボードの大きさを選ばず、電源容量にも悩む必要がないというのはこの製品独自の特徴・利点と言える。

Thunderbolt 3ケーブル・固定金具・補助電源ケーブルを同梱

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25cmまたは50cmのThunderbolt 3ケーブル、グラフィックボードを固定するための金具、更にはグラフィックボード用の補助電源ケーブルも同梱している。

パワーユーザー向けではあるものの、eGPUの動作に必要とされている付属品は揃っており、ユーザーはグラフィックボードと電源、電源ケーブル以外は特に用意するものはない。

接続方法

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ATX電源を使用する場合はATX電源の24ピンケーブル及び通常はCPUへの電源供給用として利用する4ピンを基盤に接続する。

Dellの電源アダプターを使用する場合は専用のコネクタに電源アダプターの8ピンケーブルを挿すだけだ。

起動方法

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基盤とATX電源(またはDellの電源アダプター)を接続するだけで本当に動くの?と疑問に思ってしまうが、eGPUを接続するコンピュータの電源が入っていればThunderbolt 3ケーブルを繋いだ瞬間にATX電源が自動で立ち上がり、eGPUキットも自動的に動作する。

この辺りは通常のeGPUボックスやBlackmagic eGPUと挙動はあまり変わらない。

また、パワーユーザー向けに基盤にはスイッチやジャンパピンがあり、eGPUの信号を意図的に遅延させることができ、互換性の問題が発生した場合にはこうしたスイッチやジャンパピンを調整することで問題に対処できるようになっている。

互換性

公式サイトではWindowsやmacOSへの対応・非対応は全く記載されておらず、macOSに接続できるのかは不明だが、仕組み自体は一般的なeGPUボックスと変わらないのでRadeonを搭載すれば動作は可能だと思われる。

ただ、この製品を利用する人はWindowsユーザーが圧倒的に多く、macOSでの動作は未知数である。

M.2 NVMeやPCI-E x4版も存在する

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上記で紹介したのはThunderbolt 3接続のキットだが、他にもM.2 NVMeやPCI-E x4バスに接続するタイプも存在する。

しかもM.2 NVMe版は日本のAmazonでも2020年2月現在在庫切れではあるものの取り扱っている。

ただM.2 NVMeやPCI-E x4バス版は当然Macには接続できないため自作PC向けになる。

購入したい場合

本製品は日本国内では認知度は皆無に等しいが、海外ではおよそ$260で販売されている。

ATX電源を自分で用意する必要があったり、パワーユーザー向けのシンプルなキットなのに特別安くもないが、変わり種のeGPU接続製品としては面白い。

正直おすすめは全くできないし、どんなに価格が安くても僕は購入することはないと思うが、もし購入したい場合は前述のようにM.2 NVMe版はAmazon、本Thunderbolt 3版のアダプタはAliExpressというサイトで日本国内からも輸入という形にはなるが購入することが可能である。

非常にニッチなeGPUキットではあるが、こういった変わり種が出てくるということはそれだけeGPUが一般的な存在になったということなので今後もどのような製品が出てくるのか楽しみだ。