Mac miniでeGPUを使う際の注意点

Mac mini(2018と2020)はThunderbolt 3を搭載しているため、ユーザーは自由にeGPUを接続してグラフィックパフォーマンスを上げることが可能であるが、内蔵ディスプレイが存在しないMac mini故にいくつか注意する点があるのでまとめる。

FireVaultは絶対に無効化しよう

まずMac miniにeGPUを接続する前にシステム環境設定で必ずFireVaultをオフにしよう。

最新のmacOS Catalina 10.15.4の時点においてもeGPUを接続中のFireVaultログインはサポートされておらず、eGPUを接続した状態でMac miniの起動・再起動などを行うと画面は真っ暗になり何も表示されなくなる。

AppleはサポートページにおいてFireVaultが有効化されているMac miniでは起動中はディスプレイケーブルをMac mini本体に挿し、ログインしたらeGPUにディスプレイケーブルを繋ぎ直すことを推奨しているが僕の環境ではこの通りにやっても正常に起動は出来ない。

また、一度画面が真っ暗になってしまった場合はMac miniの電源を強制的に切るしかないのだが、そのあとにeGPUを外しても正常にログイン出来なくなることがある。

一度FireVaultログインに失敗するとそのあとはeGPUを外してもMac miniが正しく起動しなくなることがある他、FireVaultログインに何度も失敗すると最悪ディスク内のデータ破損やMac miniが完全に起動出来なくなる可能性もある。

僕は数回FireVaultログインに失敗して、その後十数分eGPUなしの状態でもMac miniが正常に起動出来ない状態が続いた(Mac miniの電源ケーブルを抜いて放置したあと解消)。

FireVaultの無効化はシステム環境設定を開き”セキュリティとプライバシー”内にある”FireVault”の項目から設定出来る。

ソフトウェアアップデート中もeGPUは外そう

Blackmagic eGPUとMac miniの組み合わせにおいて、macOS Mojave 10.14.6以降ではeGPUを接続した状態のままソフトウェアアップデートが可能になっていることを僕は確認している。

しかしAppleサポートは依然として「ソフトウェアアップデート中はeGPUをサポートしない」と記載しているため、やはりソフトウェアアップデートをする前はeGPUを接続解除してThunderbolt 3ケーブルは抜いておこう。

背面USB 3.0ポートから発せられるノイズを意識する

Mac miniの背面にあるUSB 3.0ポートはUSB 3.0特有のノイズを発しており、Wi-FiやBluetoothの2.4Ghz帯の電波と干渉することが知られている。

これはAppleの設計ミスというよりもUSB 3.0の仕様であり、USB 3.0ポートから発せられるノイズについてはIntelが調査文書を公開している。

このノイズがどれだけeGPUに影響を及ぼすのかは定かではないが、念のためeGPUを設置する際はMac miniから出来るだけ離れた場所に設置することが望ましい。

Blackmagic eGPUにしろeGPUボックスにしろ付属のThunderbolt 3ケーブルは極端に短いためMac miniから離して設置する場合は別途Thunderbolt 3ケーブルを購入する必要もあるかもしれないが、ディスプレイのトラブルが起きたらUSB 3.0に限らず何らかのノイズの影響を疑うことをおすすめする。

実際に僕はBlackmagic eGPUの使用において様々なノイズでディスプレイの信号などが不安定になることを確認しており、ディスプレイケーブルの変更などのノイズ対策をする必要があった。

Mac miniは周辺機器が一切付属せず自分で周辺機器を用意する必要があるため様々な機器を繋ぐことになるが、Bluetooth機器を多く接続していたりWi-Fiの2.4Ghz帯を使用しているならMac miniからはeGPUだけではなく、それらBluetooth/Wi-Fi機器も距離を離して設置することが望ましい。

使用するディスプレイは慎重に選ぶ

Mac miniは当たり前だが内蔵ディスプレイはなく必然的に外部ディスプレイを使わざるをえないが、eGPUを使用する上でディスプレイ(モニター)の相性問題に気をつける必要がある。

僕の場合LG製のモニターはeGPUを接続しているとスリープにコケたり信号を見失う率が高かった。

僕は複数台のモニターを持っているがASUSの一部モニターも正常に動作しない場合があり、問題なく動作したのはEIZOやDellのモニターであった。

こればっかりは人によって使用するeGPUとモニターの組み合わせが多岐に渡るので、確かなことは言えないのだが安いモニターはできるだけ避けた方がいいように思う。

モニターには”帯電”と呼ばれる現象があり、長時間の使用で内部に電荷が溜まり不具合を起こすことがある。

帯電が起きた場合の対処法としてモニターの電源ケーブルを抜いてしばらく放置するというものがあり、実際に僕もそれで問題を解決できたことはあったがeGPUの場合、帯電以外にも様々な要素で信号が不安定になる場合がある。

ほとんど博打に近いがそれでも安い廉価モデルは避けるなど、モニター選びは慎重にした方がいい。

Radeon 560は避ける

Appleのサポートページには以下のような文言が存在する。

iTunes や一部のストリーミングサービスから入手したコンテンツが HDCP で保護されている場合、Radeon 560 搭載の eGPU に接続したディスプレイでは再生できません。こうしたコンテンツは MacBook Pro、MacBook Air、iMac の内蔵ディスプレイで再生できます。

Mac で外付けのグラフィックプロセッサを使う

なぜRadeon 560のみ上記のような制限が存在しているのかは不明だが、Mac miniは内蔵ディスプレイを持たないため、Mac miniにRadeon 560をeGPUとして使用した場合iTunesや一部のストリーミングサービスの映画などのコンテンツは視聴できないということになる。

少なくともMac miniでRadeon 560をeGPUとして利用するのは避けた方がいいだろう。

まとめ

Mac miniには概ね満足しているがMac miniの特性上周辺機器は全て自分で用意する必要があり、その際に周辺機器によっては相性問題が発生することがままある。

特にeGPUを使用する際は周辺機器との組み合わせを吟味しないと予想外のトラブルが起こり泥沼にハマる可能性がある(僕は見事にハマった)。

Mac miniとeGPUを組みわせる場合はある程度のトラブルは覚悟し、もしトラブルが起きた際は上記注意点やeGPUトラブル対処法の記事を参考にしてほしい。

eGPUトラブル対処法まとめ